「教えてください」を敬語で何通り言い表すことができますか
社会に出ると今まで知らなかったことが山のように待ち構えています。最初は面食らってしまいますが、ひとつひとつ知識を積み重ねていかなければいけません。
自分の知らないことや疑問に思っていることを経験のある先輩や上司に教えてもらいたい時、皆さんはどのくらい敬語の種類が思い浮かびますか?!
ビジネスシーンでは顔の見えない相手に何かを教わる、アドバイスをもらう依頼をしなくてはいけません。そんな時にでも大人の礼儀をわきまえた上で、「教えてください」の敬語を使いこなしたいところです。
ここでは仕事をしていると必ず使う敬語「教えてください」の4つの言い方と使い方をご紹介します。
1.「教えてください」→「私にお教え頂けませんか」
「教えてください」の最もシンプルで簡単な敬語な言い回しが、「お教え頂けませんか?!」というものです。こちらは文章にすると若干文字数が多くなるため礼儀正しくは聞こえますが硬い印象を与えてしまいます。
「お教え頂けませんか」は口頭で何かを教えてもらいたい時に適しています。
例1)「その技術を私に教えては頂けませんでしょうか」
口頭で敬語を使う時には少し文章が長くなってしまっても、正しい敬語を使うことで相手に丁寧さが伝わり「教えてあげよう!」という気持ちにさせるのです。
例2)「子供に昨日の宿題をお教え願いませんか」
担任の先生に自分の子供に宿題の内容を教えてあげて欲しいと親御さんからの伝言です。こちらは「教えてください」と「お願いします」が一緒になった敬語ダブルタッグです。
2.「教えてください」→「ご指導いただけませんか」
「教えてください」の別の言い方が「ご指導ください」です。「教えてください」よりも相手の人をより一層敬っている感じが伝わります。
使う自分と相手の好みにもよるので、「教えてください」と「ご指導ください」を状況と相手を選んで使い分けましょう。目上の人で専門分野に従事している人や文面で伝えたい場合は「ご指導ください」、一般的なことや仕事内容などを教えて欲しい時や口頭で伝えたい場合は「お教えください」がスマートで自然な印象を与えます。
例1)手紙やメールで「今後とも引き続きご指導よろしくお願い致します」
手紙やメールの文面の締めで使えるのが「ご指導ください」です。これは実際に何かを教えて欲しいと訴えているのではなく、「人生の先輩であるあなたにもっと教わりたいことが沢山あるので、これからも仲良くしてください」という意味合いにもなるのです。
3.「教えてください」→「ご教授ください」
ビジネスシーンなどでよく耳&目にする「ご教授ください」、「教えて頂けますか」という敬語よりも大人な雰囲気漂う「ご教授」という表現を使っている人も多いのではないでしょうか。
しかし気を付けなければいけないのが、「ご教授ください」には似た表現「ご教示ください」というものがあるということです。2つとも似たような響きを持っていますが、それぞれが持つ意味を理解して正しい使い方をしましょう。
「ご教授ください」は、何か特定の専門分野(学問・芸術など)を教えて欲しい場合やそのような専門分野に従事している人に対して使うのに適当な敬語です。この言葉は「長期間」「継続的」に身に着けるべく事柄に対して使うことができます。
例1)「○○先生にはバイオリンの基礎をご教授頂きました」
「長期間」「継続的」に教えてもらうことの代表が芸術、特に音楽は幼い頃から大人になってまでも末永く続けることができる分野です。ご指導してくれている先生にも、「引き続きご教授よろしくお願いします」と伝えましょう。
芸術などを小さなお子さんに習わせているお母さんが先生に「子供をよろしくお願いします」という意味合いを込めて使うこともできます。
4.「教えてください」→「ご教示ください」
私たちが一番間違いやすいのがこちら、「ご教示ください」です。前項で挙げた「ご教授ください」の方が一般的に多く使われていますが、実際のビジネスシーンなどではこちらの「ご教示ください」を使うのが適しているのです。
専門的かつ長期継続的な事柄を教えて欲しい時に使う「ご教授ください」とは変わり、「ご教示ください」は「教えて欲しいこと」全般を指す時に使えます。
例1)「今月の業務内容をご教示お願い致します」
会社で取り扱われるような内容はほぼ「ご教示お願い致します」でOKです。
(※)多くの人がビジネスシーンなどで「ご教示ください」と書くべきところに「ご教授ください」を使っている人が非常に多いのです。一般的な知識を得たい場合は「ご教示」、専門性が高く長期継続型のものは「ご教授」ということを覚えておきましょう。
「教えてください」の敬語はたくさん身に着けておこう
ビジネスシーンでも大切なのが人との繋がりです。顔見知りの人や目上の人と接する機会が多い社会人に大切なのは、相手に好印象を持ってもらえる敬語テクニックです。
特に自分が誰かから何かを得たいと思っている時には、適切な「教えてください」の敬語を使い分けて良い関係づくりを心がけましょう。