ビジネスの催促メールで角の立たないフレーズを紹介!
社会人やビジネスの世界で、欠かせないのがメールでのやりとりです。特に納期や締め切りが迫っている、または過ぎてしまったのに納品されない仕事や必要書類を催促するメールは、相手先との今後を考えると、どのように送るべきか迷ってしまいます。
しかし個人対個人ではなく会社対会社のことですから、伝えにくいことでも伝えなければ円滑に仕事が進まず、最終的には大きなトラブルのもとになってしまうことがあります。今回は、ビジネス相手への催促メールの書き方や意識すべきポイントについて紹介します。
ビジネスの催促メールは分かりやすい「件名」にする
催促メールに限らず、ビジネスメールでは件名も重要な要素になっています。なぜなら、メールを受け取った相手が最初に見るのが「件名」だからです。
件名を見ただけで本文の内容が分かるようにしておけば、数多くのメールの中から気付いてもらえたり、優先的に対応してもらえたりするでしょう。例えば「【至急】カタログの返却について」「【●●】の件について」というように、【】で件名を囲むと目に入りやすくなります。
ビジネスの催促メールの原則は「お願い」
納期が過ぎているのに納品も連絡もなければ、待つ側としては当然イライラしてしまいます。しかし、だからといって相手に怒りをぶつけてはいけません。催促メールに「~してください」や「まだ~していただいていません」という、イライラが伝わるフレーズはNGです。
イライラと怒りのこもった催促メールを送ってしまうと、社内でのやり取りなら職場での人間関係が、社外とのやり取りなら今後の仕事の進捗や関係にも大きな影響を与えます。
「連絡1つよこさない!」と不満に思っても、一度落ち着きを取り戻して、相手に気持ちよく進捗の報告や必要書類の提出をしてもらうことを心掛けるようにしましょう。
ビジネスの催促メールは原則お願いだけど気の遣い過ぎはNG!
催促メールを送るときは、あくまでもこちらは「お願いしている」と伝えることが原則です。お願いするために大切なポイントは次の3つです。
- 丁寧な言葉で事実を伝える
- ワンクッションワードを入れ、相手に負担をかけないソフトな言い回しをする
- 気遣い過ぎのフレーズは使わないようにする
クッション言葉とは「いつもお願いばかりで、申し訳ありませんが」や「その後、進捗はいかがでしょうか」といった言葉を指します。相手の都合や気持ちに寄り添うようにすることです。クッション言葉を入れることで、相手の都合や気持ちに寄り添っているような印象を与え、進捗や状況などを報告しやすくなります。
だからといって気遣い過ぎてしまう言葉は逆効果です。例えば「お時間のあるときに報告をお願いします」や「お手すきのときに返信をお願いします」のような言葉は、相手に「じゃあ、返信は後でもいいや」と思わせる恐れがあり、期限が迫っているのに相手からの返信がなかなか来ないという困った状況に追い込まれる可能性が高くなります。
お願いはするけれど、あくまでも締め切りや納期があることを伝えることが催促メールのマナーです。
ビジネスの催促メールは相手に逃げ道を与えることも忘れずに
催促メールを送る際に押さえておきたいポイントは「相手の気持ちや事情に立つ」ことです。そして、逃げ道を与えるフレーズを使うことで相手を気遣うようにします。
例えば「当方の都合もございますので、●●の件につきまして至急に確認をお願いいたします」「ご多忙のことと思いますが、●●の件につきまして返信をお願いします」「お忙しい中申し訳ありませんが、ご回答をお待ちしております」といったことを伝えることで、連絡の行き違いを防止したり、相手のことを気遣っていることを伝えたりすることができます。
ビジネスの催促メールは現在の状況と困っていることを伝える
再三納期について催促をしているのに進捗についての報告がなかったり、締め切りが迫っていたりするケースについては、現在の状況や困っていることを伝えます。
例えば「ご多忙の為ご失念かと存じますが、当方でも今後の見通しが立たず困っております」「これ以上納期が遅れてしまうと、当方の営業にも支障をきたしかねません」という風に伝えましょう。
ビジネスで催促メールを作る時のポイントと例文
催促メールのポイントとして、相手側が何度も遅延させていることであっても、あくまでもお願いする立場であることを忘れないように対応することと、遅れることで起こる支障や問題を説明して、速やかに相手側に対処してもらうようにお願いすることが必要です。
催促メールの作成順番や内容は以下のようになります。では実際に、ビジネスメールで使える催促文をシチュエーション別に紹介します。
伝えたいこと | 例文 |
---|---|
1.日頃からお世話になっていること、感謝の意を述べる。 | 「いつもお世話になっております」 「いつもありがとうございます」 |
2.納期の期日が過ぎても、仕事の進捗や、連絡がないことを伝え、現在の状況について聞く。 | 「×月×日の締め切りが過ぎましたが、その後いかがでしょうか」 「納期の×月×日が過ぎましたが、現在の状況につきまして、連絡をお願い申し上げます」 |
3.期日が伸びてしまうことで不都合が起こることや困っていることを伝える。 | 「これ以上期日が伸びてしまいますと、当方の営業にも支障をきたしてしまう恐れがあります」 「期日までに必要書類が揃いませんと、発注や支払い等に影響が及ぶ可能性があります」 |
4.至急、進捗についての報告をお願いする。 | 「ご多忙のところ大変申し訳ありませんが、進捗の報告を本日中にお願申し上げます」 「必要書類を、至急送付いただきますようお願い申し上げます」 |
5.もし遅れるようなら連絡がほしいことを伝える。 | 「納期(締め切り)が遅れるようでしたら、一報をよろしくお願いします」 |
問い合わせの催促メール例文
問い合わせといっても、仕事の取引条件や商品についての質問など、催促するケースは色々想定されます。ポイントは「いつの案件についてなのか」「どの商品についてなのか」を整理したうえで、問い合わせや質問を催促するのがコツです。
件名は分かりやすく「【再送】商品の返品について」「お見積書送付のお願い」というように、端的に書きましょう。
商品の返品・交換についての問い合わせメール例文
株式会社●●、営業部の(名前)です。
お世話になっております。
×月×日付で発注いたしました製品ですが、御社が紹介いただいたカタログで拝見したものとは違うものが届いておりましたので、返品をお願いいたします。
△月△日にもメールにて連絡を差し上げましたが、お返事をいただけませんでしたので再度連絡させていただきました。ご多忙とは存じますが、ご返信のほどよろしくお願いします。
なお、本メールと行き違いでご発送いただいております場合は、何卒ご容赦ください。
資料や商品などが届かない時の催促メール例文
資料や商品などが、まだ届かない場合のメールは、いつ、資料や商品を発注したかを伝えたうえで、状況を確認してもらうようにお願いする旨を入れるようにします。また、行き違いや手違いがこちら側であった場合を想定し、最後に謝辞の言葉で結ぶようにします。
商品の催促メール例文
平素よりお世話になっております。●●部署の(名前)です。
さて、×日×日に発注いたしました△△ですが、未だ商品が届いておりません。
発注の翌日○日に、ご指定の口座にお支払いも済ませております。
大変お忙しいところ申し訳ありませんが、ご確認のうえ、配送予定日についてご連絡をいただきますようお願いいたします。
もし、手違いや行き違いが当方でがありましたらご容赦の程お願い申し上げます。
仕事資料の催促メール例文
平素よりお世話になっております。●●営業部の(名前)でございます。
先月◇日付にてご依頼いたしました貴社のお見積書に関しまして、依頼から本日まで1週間が経過いたしましたが、いまだ弊社に到着しておりません。
何か手違いによりご送付が遅れているのかもしれませんが、弊社といたしましても今後の見通しが立たず、大変困惑しております。
つきましては弊社の事情もご理解いただき、大至急ご送付くださいますようお願い申し上げます。
このメールと行き違いの際には、何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
納期が遅れている相手への催促メール例文
商品や入金等の期限を過ぎても何の連絡もない場合、考えられる理由はいくつかありますが、まずは「相手側が連絡をしたつもりになっていた」「諸事情で納期が遅れ、後処理等で連絡がしにくい状態だった」という前提で催促メールを出しましょう。
ソフトな言い回しやクッション言葉を用いた上で、納期が守られないことで困っていると伝えると、今後の相手側との関係性がギクシャクしてしまう可能性も減るでしょう。
約束を守らない相手への催促メール
平素よりお世話になっております。営業担当の(名前)です。
先月×日にお願いしていました貴社製品の●●ですが、期日の△日を一週間以上過ぎましても納品されていない状態です。
お忙しいこととは思いますが、進捗についてご一報いただけませんでしょうか。
もし納品が▲日以降になるようでしたら、キャンセルし返金をお願いしたく考えております。まずは、責任者の方からご連絡をいただけますようお願いいたします。
書類確認の催促メール例文
請求書や契約書類などの確認をお願いするメールは、相手方にメールや郵便で送ったものの確認を促すために文章を作成します。添付した書類に不備や不足が無いかの確認と受け取った旨のメールを送るようお願いし、提出書類であれば期日を設けて提出するようにお願いします。
また、メールの件名は「【ご確認】×日の契約書類添付」や「【×日郵送】契約書類につきまして」と記載することで、相手がどのような内容のメールなのかが一目でわかるようになります。
書類確認の催促メール
いつもお世話になっております。営業の(名前)です。
●●の契約に関する書類を添付いたしますので、必要事項をご記入いただき郵送にて送付いただきますようお願いいたします。
期日は×月●日となっておりますので、よろしくお願いいたします。
本メールを確認いただきましたら、ご一報いただきますと幸いです。
ビジネスで催促メールが送られてきた場合のマナー
もし、相手側からこちらに催促のメールが来たときには、次の4つの点に気を付けましょう。
- メールが来たら無視せず早めに返信する
- 丁寧な言葉遣いや対応を心掛ける
- すぐに回答が出来ない場合や納期に間に合わない場合は、何日までに出来るかを返信する
- 納期が遅れる状況や理由が分かるようであれば、なるべく相手側に伝える
特に返信するタイミングは重要で、ビジネスマナーとしては1日以内に返信することが望ましいです。やむを得ない事情で返信が遅れた場合は、きちんと冒頭に「お返事が遅くなり大変申し訳ございません。お休みをいただいており、本日から出社いたしました」というように、理由を述べると誠実です。
催促メールに対する返信の例文
お世話になっております。●●担当の(名前)でございます。
メールを拝見させていただきました。ご迷惑をおかけしており申し訳ありません。
××の納品につきましてですが、担当業者との連絡に行き違いがあり、遅れが発生しております。現在、商品納入の時期について交渉しておりますので、今しばらくお待ちいただきますようお願い申し上げます。
納入時期についてわかりましたら、早急に連絡させていただきますので何卒よろしくお願いします。
ビジネスで催促メールを送信する前には必ずチェックをしよう
件名や本文の誤字脱字、敬語の間違い等は必ずチェックしましょう。ビジネスメールだけでなく私的なメールでも確認すべき、メールや手紙の基本的なマナーです。
連絡の行き違いや手違いがあったり、メールソフトの不調によってメールの確認・送付が出来ていなかったりする可能性もあるので、催促メールを送る前に、まずは自分のメールボックスを確認するようにしましょう。
よくあるのが、迷惑メールボックスの中にメールが入っていること。思いがけない所に届いていることもありますから、送信前はシッカリ確認しましょう。
催促メールを送る時のマナーを覚えて円滑なビジネスを
メールで催促する側としては、その時の気持ちをぶつけてしまいたくなりますが、相手がどのような気持ちになるかを考えて言葉や表現をソフトにすることで、今後の仕事の進め方や取引関係に大きな影響を持つといってもいいでしょう。
さらに催促のノウハウを身に着けておくことで、円滑なコミュニケーションを図ることができます。言いにくいことを伝えなくてはいけない場面は、社会人なら必ず訪れます。催促メールで、ビジネスや日常で役立つマナーを身につけましょう。