プレミアムフライデーとは?
プレミアムフライデーとは、2017年の2月から実施されている経済産業省と経団連を中心とした日本の経済団体が推し進める景気対策です(注1)。各企業へ「毎月末の金曜日は15時退社にしましょう」と退社を勧め、旅行や買い物など個人消費の拡大を促す事を目的としています。アメリカの年末商戦であるブラックフライデーを参考に考案されました。
このプレミアムフライデーは個人消費の拡大を促すことが目的なので、同時にセールなどが開催されています。
プレミアムフライデーはいつから実施されているのか、詳しい時期、対象者、メリットと懸念されるデメリットなど大きな経済効果が期待されるプレミアムフライデーについて解説します。
プレミアムフライデーは2017年2月24日からスタート
プレミアムフライデーは2017年2月末から実施されており、2017年2月24日が初めてのプレミアムフライデーになります。初めてのプレミアムフライデー以降も毎月末に行われています。
2019年と2020年のプレミアムフライデーがいつなのかを見てみましょう。
2019年のプレミアムフライデーに該当する日
・1月25日
・2月22日
・3月29日
・4月26日
・5月31日
・6月28日
・7月26日
・8月30日
・9月27日
・10月25日
・11月29日
・12月27日
2020年のプレミアムフライデーに該当する日
・1月31日
・2月28日
・3月27日
・4月24日
・5月29日
・6月26日
・7月31日
・8月28日
・9月25日
・10月30日
・11月27日
・12月25日
プレミアムフライデーの対象者は全国各地の全職種の方
プレミアムフライデーは業種問わず実施されます。しかも首都圏のみならず地方も含む全ての地域で実施される予定なので
・「どこに住んでいても、全ての職種の方が対象になる」
のがプレミアムフライデーの魅力と言えます。
今までの経済対策はどちらかと言うと経済の中心地である首都圏にしか恩恵がないケースが多かったので、今回のプレミアムフライデーは地方活性化という意味でも経済効果が期待されています。
プレミアムフライデーのメリット
では、現在推進されているプレミアムフライデーのメリットとはどのようなものなのでしょうか。一番に挙げられるのは個人消費の拡大です。
個人消費の拡大が期待されること
個人消費が拡大すると、お金の流通が活発になり企業が潤います。その結果、私たちの給料が増加します。この個人消費を促す事に焦点を当てたのが、プレミアムフライデーとなります。
- 日本百貨店協会
- 日本ショッピングセンター協会
- 日本旅行業協会
- ジャパンショッピングツーリズム協会
プレミアムフライデーの実施にあたり、上記のように様々な協会と提携する予定となっているので、プレミアムフレイデー当日は全国でセールを開催されていたり、土日を絡めた旅行ツアープランなども登場したりする可能性があります。
また、厚生労働省が発表している「終業時間が短いほど出生率は高くなる」という国のデータにもある通り、少子化対策も期待できます(注2)。
業務の無駄を見直しできること
終業時間を早めるという事は、今まで当たり前のように行ってきた業務を見直してみるいい機会になります。しなければならない業務を短い時間で終わらせるにはどうすればいいのか、みんなで考えてみると、あれは無駄な作業だった、こうした方がもっと早く仕事が進むなどに気づけるかも知れません。プレミアムフライデーの導入は、業務改善にきっといい影響を与えてくれます。
夕方以降の時間を有意義に使える
プレミアムフライデーは早く帰れるので、普段は仕事をしている時間も自分の時間になり、有意義に使うことができます。仕事帰りに一杯やるのもよし、そんなに混んでいない店でショッピングするのもよし、すぐに帰宅して家族や恋人と過ごすのもいいでしょう。月末に気分転換することができるので、仕事への活力も復活しやすくなります。
プレミアムフライデーのデメリット
プレミアムフライデーには、メリットばかりがあるわけではありません。本当に経済効果があるのか、予定通り実施されるのか不安視されています。
プレミアムフライデーは中小企業は導入しにくい
15時退社した方はどこでお金を消費するのか、消費先の百貨店などサービス業を生業としている方は強制的に就業しなければなりません。こうした場合は、全職種にプレミアムフライデーが適用されるとは言えません。
そもそもプレミアムフライデーは、全ての企業が必ず導入しなければいけないものではありません。そのため中小企業などでは、導入しないところも多いのではないかと考えられています。
プレミアムフライデー導入で残業時間が増える
プレミアムフライデーを導入して企業は、どうしても勤務時間が短くなります。午後3時以降の勤務時間をどのように補てんするのかを考える必要があります。
また、残業時間が毎月発生している企業にとっては、さらなる負担増となります。そうなれば個人消費の拡大どころか、平日の勤務時間が減った代わりに、休日出勤が増えるのではないかと懸念されています。
非正規社員には適用されない可能性がある
正社員にはプレミアムフライデーが適用され、非正規社員には適用されない。こんな企業も出てくる可能性があります。それは「プレミアムフライデーの時間にも働く人が必要な職種がある」ためです。どのように差をなくし「全ての対象者」に恩恵がある対策にするのかが注目されています。
プレミアムフライデーはまだまだ問題が山積み
プレミアムフライデーについて「全員が対象といっても、大企業や公務員だけなんでしょ?」「プレミアムフライデーを始める前にサービス残業の常態化、ブラック企業問題の対策が先でしょ」という声も少なくありません。プレミアムフライデーはまだまだ課題が山積みです。今後どうなるのか、私たちにどのような影響があるのか、もう一度考えてみましょう。