復職願を書くことで職場復帰を実現しよう
復職するためには、復職願を提出しなければなりません。復職したいという気持ちや、もう職場に復帰しても問題ないということを最終的に会社に伝えるためには、復職願が必要なのです。復職のために必要な書類は多くありますが、復職願はそのうちのひとつだと考えてください。ここでは、職場復帰に必要な復職願について紹介します。
復職願とは復職意思を会社に伝えるための書類
復職願とは、復職の意思を伝えるために会社に提出する書類です。復職するにあたって重要な役割を持っている復職願をしっかりと用意できるようにしておきましょう。
復職願のような書類は、自分の意思表明の役割を持っています。復職したいという気持ちを会社に表すためのものでもありますから、体裁はきちんと整えておくべきですし、面倒だと思わずに丁寧に書くべきです。
復職願は提出する書類を全てまとめて代表したものだと言えます。送付状のようなものだとイメージしてください。ですから、復職の意思を伝える際に、復職願がなければ会社にあまり良い印象を与えることはできませんから、形式に則ってできるだけしっかり綺麗に書けるようにしておくべきでしょう。
復職願の提出で会社が休職者の現状を知ることができる
復職願を提出することによって、会社側は休職者がもう仕事を休んでいる必要がないのではないかと考えるようになります。もちろん復職願を提出されたからと言って即座に復職を認めるわけではありませんが、仕事への復帰を前向きに検討するようになるのです。
復職願を含めた復職に必要な書類を確認することで、会社は休職者が今どのような状態にあるのかを知ることができます。会社が一番知りたいのは休職者の現状ですから、復職願のような書類はそのためのとても貴重な手掛かりとなるのです。
復職願を会社に提出することで、休職者は十分に休息をとったことを証明できます。もう職場に復帰しても仕事ができるということを改めて伝えるために復職願を利用しましょう。復職願はあくまでも復職のためのツールのひとつであるということを覚えておいてください。
復職願を提出しないと、この人はまだ職場復帰できないだろうなと判断されてしまいます。復職を希望する場合、会社に対して何のアクションも起こさないのはあまり得策ではありません。
復職願いを出す前に心身の不調が回復したかを確認することが大事
病気療養を理由に休職していた場合、復職願を出す前に復職しても問題ないほどに回復しているかどうかを確かめておく必要があります。特にメンタルにダメージを負ったことが原因で休職した人は、復職から再びの休職を余儀なくされるということも考えられるため、安易な復職はおすすめできません。
復職願を提出するためには医師の診断書が必要ですが、自分がある程度療養を続けていれば医師は十分に療養することができたと判断してしまうこともあります。ですから、まだ復職できるかどうか不安である場合には、きちんとその旨を伝えましょう。無理に復職を早めても、体がついていかなかったり、気持ちが苦しくなってしまったりして自分にとっていいことは全くありません。焦ることなく慎重に復職の機会をうかがいましょう。
会社にとっても、社員が復職と休職を繰り返すことはあまり望ましいことではありませんから、悪い印象を与えないためにも軽率な復職は避けるべきです。短期間の復職と休職の繰り返しは、最悪の場合、退職を迫られかねません。
復職願の例文と書き方のポイント
復職が可能となった段階で、復職願を書けるようにしておく必要があります。復職願を受け取った会社は、それを見てから復職の可否を判断するため、復職願には自分が復職するために必要だと思われる事項を書いておきましょう。
復職願を実際に書く時には、その文面に気を配っておきたいところです。かしこまった書類ですから、書き方がぐちゃぐちゃではいけません。ここで、実際に復職願の例文を見ていきましょう。
復職願の例文
○○ ○○殿
平成○○年 ○○月○○日(○)
△△ △△
復職願
私は○○月○○日より休職しておりましたが、○○月○○日より復職いたしたく存じますので、お願い申し上げます。
1.休職理由
病気療養のため
2.休職期間
○○月○○日より○○月○○日
3.添付書類
医師診断書1点
4.備考
(あればここに記載します)
以上
差出人の氏名を左揃えに、日付と氏名を右揃えに書いた後、中央揃えで「復職願」と書き、きちんとこの書類が復職願であることが一目でわかるようにしましょう。この時、差出人は主に上司となります。
休職理由、休職期間、添付書類、備考については箇条書きにするのが好ましいでしょう。なるべく見やすい書き方をするべきですし、情報がすぐに頭に入ってきやすいように書くことが大切です。
復職願の記載項目
復職願いには、具体的にどのようなことを書けばいいのでしょうか。ここでは、復職願の記載項目について見ていきましょう。詳しく書ける項目については、できるだけ具体的に書くようにしましょう。
休職理由と休職期間を書く
復職願には、必ず休職理由と休職期間を明記しておきましょう。休職していた理由は、病気療養のためであったり、怪我の治療であったりと、自分に適したものを選んで書いてください。この時、病名などを書く必要はありません。休職期間は詳しく書いておきましょう。何月何日から休職していたのかをはっきりさせておくことは形式的にとても重要です。
復職後の要望などは備考欄に書く
その他、補足したいことは復職願の備考欄に書きます。働き方について触れたり、自分の気持ちについて触れたりするのがいいでしょう。しばらくはフルタイムで働くことは避けるように医師に言われている、と言ったことなどはここに記載してください。残業や早退、遅刻などについても言及するのであれば、この欄が適しているでしょう。
また、復職に前向きな気持ちを伝えるのも大切ですから、そういったことも記載すると好印象を与えられます。体調が戻ったため職場復帰したいなど、実際に休職した理由が消えた旨も併せて書くようにしましょう。
復職願のフォーマットが会社の規定で用意されているか確認しよう
復職願は基本的には自分で必要と思われる事項を記載して提出するものですが、会社によっては規定のフォーマットが用意されている場合もあります。復職願を提出する際には、あらかじめ決められたフォーマットがないかどうか確認しておいてください。
何を書くべきか、どのように書くべきかなどを会社側から指定されている場合には、それに則って書き洩らしがないように注意しながら記載しましょう。この時に記載漏れがあったり、会社が望んだような書き方ができていなかったりすると、復職が遠のいてしまうことがあります。
また、復職願は必要なく、医師からの診断書のみを提出してほしいと言われることもありますから、そういった場合も指示に従いましょう。復職願の提出が不要の場合、無理に復職願を添付する必要はありません。押し付ける形になってしまうと、かえって印象が悪くなるため、基本的には全て会社からの指示に沿って行動してください。
復職願の他に必要な書類は医師の診断書
復職願の他にも、医師の診断書を用意しておきましょう。医師の診断書は復職のために非常に重要な役割を持っています。診断書がなければ、復職願があっても会社は復職を許可してくれません。
診断書は主治医が書いてくれるもので、産業医に書いてもらうものではないため、その点には注意が必要です。もう復職しても問題はないという判断を下すのは主治医ですから、診断書を書くのも主治医だということになります。それを踏まえた上で、産業医や上司たちが復職に向けての行動を起こしてくれるのです。
会社は診断書を重視していますし、復職を判断する際の参考資料として使われる貴重な書類ですから、ないがしろにはできません。復職したいと考えていても、それは自分の気持ちでしかありませんから、もう大丈夫だということを証明できる根拠を提示しなければならないため、診断書のような客観的な資料は非常に重要なものなのです。
復職願を出すと産業医と上司と面談をすることになる
復職願を含めた復職に必要な書類を出すと、会社側との面談が行われ復職の可否を判断されます。自分と産業医、そして上司との面談が行われるため、そこでの回答を用意しておく必要があるでしょう。ここで緊張して何も答えられないようだと、会社にとっては復職を決定するための情報が不足してしまいます。
産業医との面談では、主に休職した理由や休職中の過ごし方、復職して仕事に戻れそうかということについて詳しく聞かれるため、あらかじめどういった答え方をするか考えておきましょう。「どうして休職しましたか」と改めて問われると、頭ではわかっていてもわかりやすく説明することはなかなか難しいものです。
休職中の過ごし方に関しては、生活リズムが整っていることや通常の勤務時間に適応できるかといったことを確認されます。また、活動的に過ごせていたかも復職を許可するかどうかの判断基準のひとつになりますから、きちんと答えられるようにしておきたいところです。
復職に前向きであり、仕事に対する意欲を見せるべきであることは言うまでもないでしょう。一日も早く職場に復帰し、元のように仕事がしたいという姿勢をアピールしてください。
復職のためにしておきたいこと
早く復職したいからと、焦って復職願を書く必要はありません。復職願を書ける段階になるまで、準備期間を十分に取るようにしましょう。そのために休職中にすべきことを紹介します。
心身が不調の時は充分に休養する
病気療養を理由に休職しているなら、何よりも体を休めることが大切です。何もせずに休んでいると、後ろめたさを感じてしまうということもあるかもしれませんが、休職は正当な権利ですから気に病む必要はありません。
むしろそれを気にして更に体調が悪化してしまっては意味がないため、ゆっくりと休むようにしましょう。また休職しているのは、仕事から離れて心身を休めるためですから、ずっと職場のことを考えているのも精神衛生上はよくないと言えるでしょう。
復職のことを考えたり復職願を書いたりするのも、心身の状態が良くなってからにするべきです。前もって書いておこうとか、そろそろいいかな、というタイミングで書くのはおすすめできません。復職を目の前にした時に、ようやく筆を執るくらいの気持ちでいてください。
心身の調子が良くなったら復職に向けて準備をする
十分に心身を休めることができたら、復職のためにリハビリをしておきましょう。会社に行く時と同じ生活リズムをとってみたり、朝電車に乗ってみたりするなど、実際の通勤と同じ行動をとってみてください。
仕事に慣れるためのリハビリプログラムに参加するのもいいでしょう。完全に仕事への苦手意識が生まれてしまったとか、仕事に対する不安がある場合には、そのような制度を利用するのも良いです。
心身が回復し復職に向けたリハビリ後に復職願を書こう
病気療養での休職では、心身が十分に回復し生活リズムを整えたり、職場復帰のリハビリプログラムに参加したりした後に、復職願を書くようにしましょう。実際に復職が現実的なものとなってから書くことを考えてください。気が急いてしまうこともあるでしょうが、自分の体や心がついて行かない状態で書類だけを用意しても意味がありません。
復職願はいつでも用意できるから、まずは自分の体調を優先しようというくらいの気持ちでいることが大事です。復職のためのリハビリは、人によってどの程度の期間を必要とするかがわかりません。ですから、どうしてこんなに時間がかかってしまうのだろうとやきもきしたり、もうこのくらいでいいだろうと、早々に切り上げてしまったりすることがないようにしましょう。
復職願を提出することで自分の決意を表明しよう
復職願は、いわば自分の復職に対する決意表明です。これからまた仕事に取り組んでいくという意思を会社に伝えるために必要な書類ですから、決して形式的なものであると軽んじてはいけません。
復職願にはきちんと必要事項を書いた上で職場に復帰したいという熱意が伝わる文を添えましょう。復職が聞き入れられるためには、復職願いを含めた必要書類をしっかりと揃えておくことが大切なのです。