母性健康管理指導事項連絡カードがママの強い味方になる
母性健康管理指導事項連絡カードの存在が、働く妊婦さんにとってとても頼りがいのあるものになっていることをご存知でしょうか。母性健康管理指導事項連絡カードは、必ずしも持っていなければいけないものではありませんが、お腹に赤ちゃんを抱えている女性労働者の人たちや、出産後の女性労働者には今やなくてはならないものとなっています。
母性健康管理指導事項連絡カードを十分に活用するためにも、働く妊婦さんはその仕組みや制度について深く知っておかなければなりません。もちろん、それだけではなく、母性健康管理指導事項連絡カードを使いたいと言われた時にどう対応すればいいかといったことに関して、企業も理解をしておく必要があります。
企業は、表面上だけ、機械的に手続きをするだけではなく、きちんとその妊婦さんが職場で仕事をすることに対して考える必要があると言えるでしょう。また、母性健康管理指導事項連絡カードを使うことに対して、職場の同僚たちも理解しておくべきです。
母性健康管理指導事項連絡カードが働く妊婦さんのために大いに役立つということは、実は当事者にしか知られていない可能性が高いのです。
母性健康管理指導事項連絡カードとは?
母性健康管理指導事項連絡カードとは、働いている妊婦さんが医師に仕事の通勤緩和や休憩などの指導を受けた時に、その内容を会社の事業主に正確に伝えるために利用されるものです。
母性健康管理指導事項連絡カードは医師から発行されるため、診断書の代わりとなるものであり、法律でその効力を保護されています。母性健康管理指導事項連絡カードを提出された事業主はこれに従い、必要な措置を施さなければなりません。
母性健康管理指導事項連絡カードを使える人は妊婦さん
母性健康管理指導事項連絡カードを主導しているのは厚生労働省です。母性健康管理指導事項連絡カードの積極的な利用を促すことからも、女性が働きやすい社会をつくろうという動きを見せていると言えるでしょう。
母性健康管理指導事項連絡カードは労働基準法にのっとったものであるという点にも注目するべきです。このことから、対象者が正社員のみに絞られず、準社員、派遣社員だけではなく、アルバイトで働いている妊婦さんやパートタイムで働いている妊婦さんも対象に含まれるのです。
母性健康管理指導事項連絡カードは医師の診察を受けている証明になる
妊娠している間の症状に関することで休みたいと思っても、それをうまく伝えられるかわからないと思う人も多いでしょうし、なかなか口に出しにくいと感じる人も少なくないでしょう。そういった時に、この母性健康管理指導事項連絡カードを使うことによって、医師からきちんと診断を得ているという証明とともに休養の申請をとりやすくなるのです。
母性健康管理指導事項連絡カードでしてもらえる措置
母性健康管理指導事項連絡カードを事業主に提出すると、適切な措置をとってもらうことができます。
事業主は基本的に母性健康管理指導事項連絡カードに書かれている、医師からの指示事項に従うことになりますが、その記載の仕方がわかりにくかった場合は提出した女性労働者に話を聞くことになります。直接医師に質問する前に、一度妊婦さんに詳しく話を聞くというワンクッションが挟まれます。
妊婦さんにとって負担の大きい作業をしない
母性健康管理指導事項連絡カードには、「負担の大きい作業」は制限するべきと書かれている場合があります。この場合に示される作業とは、重い物を持つことや、激しい全身運動、外回りのような連続的な歩行、階段の上り下り、不自然な姿勢の継続、全身の振動などのことです。
法的な拘束力がある以上、母性健康管理指導事項連絡カードに書かれている措置に関して、企業は従う必要があります。休養がとれるとある場合は、遠慮することなく自分の体を気遣ってきちんと休息をとりましょう。
時差出勤が認められる
通勤では、時差出勤を取り入れることを推奨されます。電車などが混雑している時間帯を避けることにより、妊婦さんの体への負担を軽減しようという試みです。また、勤務時間の短縮も重要な措置であると言えます。長く働くことは妊婦さんの体にとってストレスが大きくかかることになるため、少しでもそれを緩和するための措置です。
休憩時間を延長できる
休憩に関しては、休憩時間を延長することが重要視されます。長時間連続して働くことはデリケートな妊婦さんの体には酷であるという観点から、休憩時間の延長が注目されました。それに関連して、休憩の回数を増やすという措置もとられることがあります。こまめに体を休めることで、メンタル面での回復も期待できるとされています。
母性健康管理指導事項連絡カードにかかる費用は2,000円くらいから
母性健康管理指導事項連絡カードを持って産婦人科に行き、医師に記載を頼みましょう。ここで気をつけておきたいのが、母性健康管理指導事項連絡カードは無料ではないということです。母性健康管理指導事項連絡カードは診断書と同じ扱いです。ですから、診断書と同じく有料なのです。
その費用は病院によって異なるため一概には言えませんが、2,000~5,000円が平均とされています。記載をお願いする前に、病院側に一度費用について聞いてみましょう。
母性健康管理指導事項連絡カードを書いてもらえない時もある
まれに医師に母性健康管理指導事項連絡カードを記載してもらえなかったという妊婦さんがいます。これは医師が措置を必要とすると判断しなかった場合や、医師にうまく症状が伝わっていなかった場合などが考えられます。
母性健康管理指導事項連絡カードを確実に入手できるように、かかりつけの医師に常日頃から症状を細かく説明しておくようにしておきましょう。
母性健康管理指導事項連絡カードの利用と申請方法
母性健康管理指導事項連絡カードを申請するためには、まず病院に行き、受診する必要があります。体調が悪いと感じたら、病院に行き、医師に現在の症状を細かく話しましょう。その上で医師が母性健康管理指導事項連絡カードを必要だと診断した場合、記載してもらえます。
その後、記載してもらった母性健康管理指導事項連絡カードを事業主に提出します。そうすることで、事業主は母性健康管理指導事項連絡カードに書かれている必要な措置を取ることになります。
母性健康管理指導事項連絡カードは、医師に記載してもらう時点ではお金がかかりますが、事業主に提出する時に金銭が発生することはありません。
診断書のみを有効としている企業の場合は、あらかじめ母性健康管理指導事項連絡カードを利用申請したいという旨を伝えておきましょう。その許諾を得られていない状態で取得してしまうと、意味がなくなってしまいます。
母性健康管理指導事項連絡カードの利用申請方法は、病院に行き、必要な措置を医師に記入してもらい、そして事業主に渡す、といった、実にシンプルで簡単なものです。難しく考えず、体調が悪く働くのがつらいと感じたら申請することをおすすめします。
母性健康管理指導事項連絡カードは法律に守られている
母性健康管理指導事項連絡カードは労働基準法に基づいたものです。そのため、母性健康管理指導事項連絡カードが提出された場合、事業主はそれを提出した妊婦さんに時間外労働や休日出勤を命じることができなくなります。
また、重労働を課すこともできなくなるとされています。このように、母性健康管理指導事項連絡カードの法的効力を通して働く妊婦さんは守られていると言えます。他にも、母性健康管理指導事項連絡カードは男女雇用機会均等法にも関わりを持っています。
国は、働く女性がもっと活躍できるように、継続して仕事ができるように、ポジティブアクション制度も設けました。働く女性を応援する制度や仕組みはどんどん増えているのです。
母性健康管理指導事項連絡カードの取得方法
母性健康管理指導事項連絡カードは、インターネット上からダウンロードしてコピーすることができます。また、母子健康手帳にも様式が記載されているので、それをコピーしても有効です。
- 女性にやさしい職場づくりナビ
(https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/faq/faq14.html#q2)
- 厚生労働省ホームページ
(https://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/josei/hourei/20000401-25-1.htm)
妊婦さんは母性健康管理指導事項連絡カードを上手に活用しよう
母性健康管理指導事項連絡カードを使うことによって、妊産婦さんはどんどん働きやすくなってきています。まだ使いにくいと感じている人もいるかもしれませんが、それでも昔に比べれば女性労働者の社会での立ち位置は明らかに良い方向に変化していると言えるでしょう。
母性健康管理指導事項連絡カードの使用により、その後の育児がしやすくなる効果も期待できます。職場全体が妊産婦さんに対する理解を深めておくことで、育児をする女性労働者への目が優しいものになる可能性が高まるからです。
母性健康管理指導事項連絡カードについてまだ知らなかったという人や、どう使えばいいかわからなかったという人も、この機会にかかりつけのお医者さんに詳しく聞いてみてください。上手に活用することで、もっと負担なく仕事ができるようになるでしょう。