転勤の挨拶文例集/スピーチ・葉書・メール
会社員である以上、他の部署や支店への異動が命じられることがあります。これまでお世話になった上司や同僚、部下たちとの別れは悲しいことですが、人生の貴重なとき間を仲間と共に仕事ができたことへの感謝の気持ちを伝えたいものです。
辞令が出た経緯や、異動先によっては、愚痴や不満の一つも言いたくなることもあるかもしれません。しかし、社内においてそのようなマイナスの感情や言葉を口にすることは、残った社員に会社に対して嫌な感情を抱かせてしまったり、むやみに不安を煽ることにもなりかねないので控えなければなりません。
異動先によっては、もう顔を合わせる機会がなくなる人もいるでしょうから、相手が「あなたと一緒に仕事ができて良かった」「またいつか一緒に仕事がしたい」と思ってもらえるような気持ちの良い転勤の挨拶をしましょう!
転勤とは社員を他の勤務地へ配置転換すること
転勤時の挨拶文を紹介する前に、まず転勤とはどういうことを指すのかについておさらいしてみましょう。
転勤とは、社員を社内の他の勤務地へ配置転換することを言います。転居を伴うかどうかに関わらず、勤務地が変わればどちらも基本的には転勤と言います。
ちなみに赴任とは、転勤先に赴くことを指し、転勤先を赴任先と言い換えることもできます。また、出向とは、今の会社ではない会社の関連企業で働くことを指します。
異動期間が決まっている場合もあれば、決められていない場合もあります。出向がある企業としては、一般的に銀行が知られているかもしれません。ただ銀行に限らず、どの企業でも行われていることです。会社の思惑はどうあれ、転勤も出向も業務命令であり、違法行為ではないため、よほどのことがなければ断ることはできません。
転勤の挨拶スピーチのポイント
転勤が決まり辞令が出れば、最後の日、もしくはお別れ会などの席でのスピーチを求められることがほとんどだと思います。大勢の人の前で話すのは緊張してしまうという人は、あらかじめ言うことを考えておきましょう。
おさえておくべきポイントとしては以下になります。以下に文例をあげておきますので、参考にしてみて下さい。
・長さは3分程度に収まるように
・お世話になった社員の人たちへの感謝の気持ちを伝える
・職場でのエピソードなどを交えて話す
・ネガティブなことは言わない
転勤の挨拶スピーチの文例1
このたび〇年間勤務した〇〇支店から、××支店への勤務を命ぜられました。
こちらへ赴任してきた当初は、右も左も分からないことばかりで皆さんに迷惑をかけてばかりでしたが、困ったときはいつも皆さんがイヤな顔もせずに手をかしてくれてとても感謝しています。
今回支店を離れることになりましたが、同じ会社ですから、また電話などでお話する機会もあるかと思います。
その際はどうぞよろしくお願いします。また、××支店に来ることがある際は、是非声をかけて下さい。
本当にお世話になりました。
転勤の挨拶スピーチの文例2
本日は皆さんお忙しい中、私のために会を開いて頂きありがとうございます。
思えばいつも皆さんに助けられ、支えられてきました。私は頼りないリーダーでしたが、その分人に恵まれここまでやって来られたと思っています。どうすればもっとよりよいサービスが作れるのか、皆さんと議論を交わした日々はとても充実していました。
〇〇支社はいつも和気あいあいとしていて、何でも意見を言える空気があったことは本当にありがたかったです。
××支店に赴任することになりますが、同じ会社なのでまた何かあればいつでも電話を下さい。私も心機一転、さらに頑張るつもりでいるので、皆さんも仕事は忙しいかと思いますが体に気をつけて、一緒に〇〇会社を盛り上げていきましょう。
転勤の挨拶を葉書でするとき
転勤の挨拶は一般的に、着任後1か月~2か月ほどで出すのが望ましいとされています。
以下、葉書で使える文例をご紹介します。参考にして下さい。
転勤の挨拶を葉書で送るときの文例
拝啓 〇〇の候 益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、私ことこのたび××支社勤務を命ぜられ過日着任いたしました。在勤中は公私に渡り格別のご芳情を賜り厚く御礼申し上げます。
これからも微力ながら心を新たに職務に邁進していく所存でございますので、一層のご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
まずは略儀ながら書中をもってお礼かたがたご挨拶申し上げます。
敬具
〇年〇月〇日
転勤の挨拶を葉書で送るときの柔らかい文例
○○の候、いかがおすごしでしょうか。
さて、私こと ○月○日付で〇〇に着任し新しいスタートをきりました。
○○支社での〇年間は皆さまの温かい励ましに支えられ無事に努めることができましたことを、心より感謝申し上げます。
新天地でも一日も早く皆さまのお役にたてるように努力してまいりたいと思いますので、これからもご指導のほどお願い申し上げます。
平成○年○月
転勤の挨拶をメールで送るとき
転勤が決まった際、営業など社外との関わりのある部署の場合はすみやかに取引先や得意先に連絡をし、引継ぎが必要な場合はアポイントを取る必要があります。
担当が変わっても、会社としてこれまでと変わらない付き合いを続けるためなので、BCCメールなどで一斉に送るのではなく、できれば手間を惜しまず一人ひとり文面を変えて送りたいものです。以下に異動挨拶メールの文例をご紹介します。
転勤の挨拶をメールで送るときの文例
件名:担当変更のお知らせ
株式会社○○ 〇〇様
いつもお世話になっております。
〇〇会社の〇〇です。
私事で恐縮ですが、〇月〇日付けで〇〇支店に異動をすることになりました。
後任は〇〇となりますので、引継ぎのご挨拶をさせて頂きたくご連絡を致しました。
〇年前御社を担当させて頂いた当初は、営業経験もなく、至らない点も多かったかと思います。〇〇様には本当にお世話になり感謝しております。
ようやく仕事をご一緒できるようになってきた矢先の異動で、大変残念でありますが、是非後任の〇〇も私同様に、ご指導頂ければありがたいです。
また改めてお電話にて引継ぎのアポイントのご予定をお伺いできればと思いますが、取り急ぎ訪問に先立ち、ご連絡をさせて頂きました。
どうぞよろしくお願い致します。
このようなメールであれば、取引先の担当者のあなたへの印象も上がりますよ。
ポイントは、手間であっても相手先担当者との思い出やエピソードなどを織り交ぜて文面を作ることです。その際、大袈裟なことを書く必要はありません。あくまでも「感謝の気持ち」を伝えることが大切です。
こんなメールの転勤挨拶はNG!
では、明らかにNGな転勤の挨拶文というのはどのようなものがあるのでしょうか。
・感謝の言葉がない
・他人行儀で形式的すぎる
・個別でのメッセージがない
このような挨拶メールですと、相手方はそもそもリアクションをする必要がないと思ってしまいます。取引先や得意先においては、繰り返しになりますが手間を惜しまず、相手が「自分の(会社)のために挨拶をしてくれた」と感じられる挨拶内容にしたいものですね。
転勤の挨拶が来たときの返信
転勤の挨拶をすることもあれば、取引先から転勤の挨拶を受けることもあるでしょう。
転勤の挨拶をされた場合、どのように返信すれば良いのでしょうか。
ポイントは以下になります。このように、具体的な相手とのエピソードなどを交えるだけで、やわらかな文章になりますね。
・お世話になった感謝の気持ちを伝える
・相手とのエピソード
・新しい赴任先での活躍を応援するメッセージ
転勤の挨拶へメールで返信するときの文例
いつもお世話になっております。
〇〇会社の〇〇です。
担当変更の件、了解しました。
〇〇さんが当社担当に着任された当初は、こんな若い方に果たして務まるのかという不安の方が大きかったというのが本音です。ですが私どもの予想を超え、〇〇さんは分からないことは素直に質問をしてくれ、改善できることをお互いに意見を交わし合い、一緒によりよいサービスを作り上げるという目標のもと努力をすることができたと思います。
これからというときに、とても残念ではありますが、〇〇さんならどこででも良い仕事ができる人だと思いますので、妥協せずに日々精進されて下さい。短い間ではありましたが、こちらこそありがとうございました。
転勤の挨拶ではお世話になったことへの感謝を述べるのを忘れずに
お伝えしてきたように、転勤の挨拶は、スピーチ一つとっても社会人としてのビジネスマナーが詰まっていると言えますね。転勤の挨拶をする時には、これまでお世話になったことへの感謝を述べるのを忘れないようにしましょう。
きちんとした挨拶ができるかどうかは、ビジネス上でも間違いなく高評価につながりますので、異動の際はしっかりと挨拶ができるように押さえておきましょう。