「大丈夫」の敬語表現とは
普段の生活であれば、「大丈夫ですか?」と尋ねられたら「大丈夫です」と答えるのは至って普通のことです。しかし、ことビジネスシーンにおいて「大丈夫」はNGワードです。上司や目上の人に対して使用するのは適切ではありません。今回は「大丈夫」を中心に敬語への言い換え方を見ていきましょう。
「大丈夫」を敬語に言い換える時は自分が何を伝えたいのか考える
「大丈夫」を敬語に言い換える時はまず、自分が相手に何を伝えたいのか考えることが重要になります。たとえば、会食の日程について取引先のお客様から提案のメールがあったとします。その提案に対して了解の返事をしたい時、「大丈夫です」というのは目上の人に対しての言葉遣いとしては不適切です。
当然、「OKです」や「了解しました」もNGとなります。この場合「その日程で問題ない」ということを伝えたいのでメール文では以下のようになります。
「大丈夫」のメール例文
【宛先】A社の林様
【件名】Re:会食日程について
【本文】林様 いつもお世話になっております。○○株式会社第一営業部の木村です。会食の日程についてのご提案誠にありがとうございます。こちらはその日程で問題ございません。○月○日13時に洋食レストラン△△ですね。承知いたしました。それではよろしくお願い致します。
×「大丈夫です」→○「問題ございません」
×「了解しました」「OKです」→○「承知いたしました」という正しい敬語に言い換えるのがマナーです。
「結構です」は目上の人には使えない
敬語に肯定の意味で使われる「結構です」がありますが、これは本来、目上の人が目下の人に対して使われる言葉なので、部下が上司に対して使うのは間違いです。正しくは「問題ございません」となりますので、意識して正しい敬語を使用しましょう。
また似たような言葉に「構いません」という表現がありますが、これは「してもしなくても、どちらでもよいです」という意味が含まれるうえ、上から目線の言葉になってしまうので厳密に言うと上司や目上の人に使用するのにはあまりふさわしくありません。同期や先輩など少し砕けた言い方でも問題ない相手には使用しても良いでしょう。
ビジネスシーンでの言い換え表現を覚えよう
普段、家族や友人との間で使用する分には問題ない言葉もビジネスシーンにおいてはNGであったり、通用しなかったりすることが多々あります。敬語への言い換えは1日や2日で習得できるような簡単なものではありません。
言い換えを瞬時にできるようになるためには、普段から意識して使用する必要があります。以下はビジネスメール(取引先のお客様とのメール)においての言い換え表現になります。
わかりました。
【言い換え表現】かしこまりました。承知いたしました。
同意する時の表現です。NGな言い間違いとして「大丈夫です」「了解しました」があります。
お疲れ様です。
【言い換え表現】いつもお世話になり、誠にありがとうございます。
メールの冒頭などに書くべき表現です。長らく連絡を取ってなかった場合には、「お久しぶり」ではなく、「ご無沙汰しております」と言葉を添えましょう。
はじめまして。
【言い換え表現】初めてご連絡致します。○○株式会社の木村太郎と申します。
相手に一番最初に連絡を取る時、この表現を用います。会社名は省略せずにきちんと書きましょう。
教えてください。
【言い換え表現】ご教示ください。
もっと丁寧な言い回しにする場合、「ご教示いただければ幸いです」となります。
すみません。
【言い換え表現】誠に申し訳ございません。
「すみません」はよく間違いやすい言葉ですが敬語ではありません。目上の人に謝罪する時にはこの表現を常に使用するようにしましょう。
連絡してください。
【言い換え表現】ご一報いただけますでしょうか。
相手からの連絡や返事が欲しい場合、この一言があると良いでしょう。
お知らせです。
【言い換え表現】ご通知申し上げます。
こちらから何か知らせる事項があった場合に用いる表現です。
今の状況を教えてほしいのですが。
【言い換え表現】お願いしておりました件、いかがなりましたでしょうか。
進行状況を相手に尋ねる表現です。上から目線にならないよう注意しましょう。
お断りします。
【言い換え表現】お受けいたしかねます。
相手からの提案を断る時の表現です。「恐れ入りますが」や「誠に申し訳ありませんが」などのクッション言葉を文頭に置くのがベストです。
ではよろしく。
【言い換え表現】何卒よろしくお願い致します。
メールの締めに用いることが多いです。最後まで丁寧な印象を与えましょう。
「大丈夫」は時と場合によって使い分けること
いかがでしたか?「大丈夫」という言葉は上手に使い分けるのがいいでしょう。上司や目上の人に対しては言い換え表現の「問題ございません」を使用すること。同期や先輩などもう少しソフトな表現でもOKな相手の場合には「はい、大丈夫です。よろしくお願いします」など、時と場合、その場の雰囲気によって使い分けましょう。