「提案する」を英語に変換すると?
ビジネスの現場で日常的に使われる言葉「提案する」は、英語に変換するといくつもの単語が出てきて、その使い分けを知る必要があります。ビジネスシーンでは、この使い分けができてこそ、仕事がスムーズに運ばれコミュニケーションを円滑にすることができるのです。こちらが伝えたい内容と一緒に、ちょっとしたニュアンスの違いを理解して、バラエティに富んだ「提案する」の英語表現を身につけていきましょう。
「提案する」の英語は二大頻出英単語をチェック!
「提案する」という日本語を英語に変換すると「Propose」と「Suggest」という2つの頻出単語が挙がります。一見同じ意味合いを持つ言葉ではありますが、「提案する姿勢・気持ち・シチュエーション」によって使い分けることができます。
積極的&ビジネスライクに「提案する」は「Propose/Proposal」
- 強い根拠があって前向きに提案する時に使う
- フォーマルなビジネスシーンで使われる
(会議などで承認を得たいとき・見積もりや提案書を作成するときなど)
「これ!」といった根拠がある時や、ビジネスライクな会議などで周囲から承認を得たい時には、力強く積極性を感じる「Proposal」を使います。ビジネス文書などでも「プロポーザル」と日本語で使い慣れている人も多いのではないでしょうか。
「Propose」の動詞の使い方・例文
提案する=「Propose」「Propose that~」「Propose to do」「Propose doing」
I proposed that we reconsidered
私はそれをもう一度検討した方が良いだろうと提案をした。
Mr. Tanaka proposed prioritizing the issue
田中さんは、できるだけ早くこの問題を解決しようと提案をした。
「Propose」の名詞の使い方・例文
提案・申し込み・計画・企画=「Proposal」「Proposal to do」「Proposal for」「Make a proposal to」
We presented a proposal to move forward in negotiations
私たちは交渉を進めていこうと提案した。
The president finally agreed to our proposal ついに社長は私たちの提案に同意をした。
I’m going to propose to my girlfriend
彼女に結婚を申し込むつもりだ。
控えめ&軽めな「提案する」は「Suggest/Suggestion」
- 控えめに自分の意見を言いたい時に使う
- 上司など目上の方に自分の考えを伝えたい時にも◎
- 「提案」よりも「アドバイス」に近い感覚で
同じ「提案する」でも、より物腰柔らかく自分の意見を言いたい場合には「Suggestion」を使うことをおすすめします。「提案する」という意味の他にも「それとなく言う・示唆する」と、どちらかと言うと「アドバイス」に近いニュアンスを持った単語なので、軽めな内容や友人・同僚との会話で使えます。また、控えめな印象を与えるので、目上の上司に何かを提案したい時にも「Proposal」より適していると言えるでしょう。
「Suggestion」の動詞の使い方・例文
提案する=「Suggest」「Suggest -ing」「Suggest 名詞」「Suggest that」
A client called and suggested we have a meeting
私たちのクライアントは電話でミーティングを提案しました。
I suggest we exchange contact info just in case
念のために、連絡先を交換することを提案します。
A friend suggested going to the park to another friend
友達は国立公園に行ってはどうかと私達に提案した。
「Suggestion」の名詞の使い方・例文
提案・思いつき・示唆・暗示=「Suggestion」「Make a suggestion」
My suggestion is that we discuss the issue in detail
私はこの問題の詳細を議論する必要があるのでは、と思います。(※控えめな提案)
The president suggested that our project be cut
社長は私たちのプロジェクトが中止されるべきだという提案を出しました。
ビジネスシーンで失敗しない!「提案する」の丁寧な英語表現
どんな立場の人であっても、自分の意見を言う時には、相手に対して失礼がないように細心の注意を払って口を開くのではないでしょうか。日本語ではどうにかこうにか遠まわしな言い方をできても、シンプルな英文にするとあまりに直接的な表現になってしまって、使う自分自身も気が気じゃありません。ここでは、自分から何かを提案する際に、失礼にならない丁寧な英語での表現をご紹介します。
間接的に提案したい時に使えるフレーズ
Why don’t you~?/Why don’t we~?
~してはいかがですか?
What do you think about~?
~についてどう思われますか?
Don’t you think it might be a good idea to~?
良いアイデアだと思われますでしょうか?
How do you feel about~?
~についてどのように感じられますか/思われますか。
May I suggest that~?/May I make a suggestion~?
~してはいかがでしょうか。
I would like to propose~
~の提案をしたいのですが。
I feel it might be better if~
~した方がいいように感じるのですが。
In my opinion~
私の意見としましては。(※自分の個人的な意見であることを匂わす)
I personally think that~
私が個人的に思うには。
英会話などで頻繁に使われる「How about~」「What about~」は少々ライトな表現なため、シリアスなビジネスシーンには適していません。したがって、気心が知れた友達や同僚との会話で使いましょう。
ビジネスメール&電話で会議の打ち合わせ・日程を提案する時の英語例文
メールや電話で外国の方と会議などの日程を合わせる際にも、「提案する」というやり取りが行われます。そんな時に使える常用フレーズを覚えておくと、英語で予定を立てるのもスムーズに行うことができますよ。
英語で会議の日程を提案する場合の例文
How about if we meet sometime between the end of May and the middle of June?
私たちの会議なのですが、5月終わりか6月半ば頃でいかがでしょうか。
I’m planning our meeting for this Friday
今週の金曜日に会議を予定しております
Mr. Tanaka is available on May 21st
5月の21日でしたら田中氏のスケジュールが空いております。
We would like to arrange~
~を行いたいと思っております。
How about around 2PM?
日本時間の午後14:00頃はいかがですか。
Do you have a time that will work with your schedule?
あなたのスケジュールで空いている時間はありますか。
プロ目線から「提案する」場合の英語は「Advise」を使おう!
医者や学者など、その道に精通している人が自らの見解を述べる際には、日本語でもよく使う「Advise」を使います。ただし、日本語のアドバイスがやんわりとした軽めの提案であるのに対して、英語で「Advise」と言うと、専門的な目線からの提案というイメージが強くなることをお忘れなく。相手によっては少々上から物を言っているような印象になってしまうので注意が必要です。
専門家目線で提案する「Advise」の使い方&例文
提案する・助言する=「Advise that」「Advise to do」
My doctor advised me to eat vegetables more
私のホームドクターは、もっと野菜を食べるように勧めました。
What would you advise I do?
私はどうしたらいいでしょうか。
My lawyer advised me not to sign the contract
私の弁護士はこの契約にサインしないようにアドバイスした。
I would advise against going out with him
あなたが彼とデートすることを良いとは思えません。
「提案する」に対する英語での返答と例文
誰かが何かを提案した際にそれに対する意見を求められたら、とっさに返答しなくてはいけません。相手の発言に対する自分の意見を英語で述べることも大切なスキル。答えがポジティブであれネガティブであれ、どのように感じたかをすぐに言えると、相手に好印象を与えることができます。
ポジティブなリアクション例文
Thank you for your proposal
ご提案をありがとうございます。
I agree to your proposal
あなたの提案に賛成です。
We would like to follow your suggestion
あなたの提案を受け入れたいと思います。
You have my permission
許可します。(※目上の人による発言に限る)
That sounds interesting
とても興味深いですね。
ネガティブなリアクション例文
I’m sorry but~/I’m afraid but~
申し訳ないのですが。
(※文頭に置くと、控えめにやんわりと断るニュアンスを出すことができる。)
That sounds like a good idea, but~
良いアイデアだとは思うのですが~
It would be difficult to allow the project to continue
あなたのプロジェクトを進めるのは難しいです。
「提案する」の英語はどんどん使っていこう
日本語ではひとつの「提案する」という言葉が、その状況に合わせてニュアンスや微妙な意味合いを変化させて相手に伝えることができます。しかし、英語を使う際にはそのビジネスシーンにしっくりとくる言葉選びをしなくてはいけません。英語は使っているうちに感覚として体に馴染んできます。まずは頻出単語でもある「Proposal」と「Suggestion」の使い分けから挑戦してみましょう。