日本語特有の挨拶「いってきます」は英語で何と言う?
「良好な人間関係は挨拶から」と言われるように、英語でのやり取りでも「いってきます」「いってらっしゃい」などスマートに交わしたいものです。しかし、普段は何気なく使っている一言であっても、日本語から英語に変換するとなると悩んでしまう人も多いはずです。これからますますグローバルなビジネスシーンが展開されていく社会で、私たちに求められるのは高度な英語知識だけではなく、柔軟なコミュニケーション能力と言えます。
ここでは、日常的によく使う挨拶「いってらっしゃい」を英語で言う際に、その状況に合ったピッタリな表現方法をご紹介します。ちょっとした挨拶のバリエーションを身につけるだけで、より外国の方との交流がスムーズになりますよ。
「いってきます」の英語は知っていてもなかなか話せない
仕事のスキルアップのために英会話を勉強している社会人の皆さん、実際に外国の方を目の前にした時に、日頃の勉強の成果を発揮することはできますか?会議やビジネス書類などでは身につけた英単語がちりばめられていて、ちょっとした辞書などを用いればほぼ完ぺきに内容を理解することができます。しかし、本当の英語スキルが問われる場面は、もっと違うところに潜んでいるのです。
「英語が出てこない!」脳みそがフリーズしてしまうから
英語を一生懸命学んでいる人でも、「英語が出てこない!」という瞬間が必ずやってきます。それは、ちょっとした日常に溢れる何気ないやり取り。外国の方から「See you!」なんてポンッと肩を叩かれて「…あ…と…」なんてモジモジしているうちに相手の姿が消えてしまい、最終的には挨拶を返さない失礼なヤツ…という自己嫌悪に陥ってしまったり。そんな経験が誰にでもあるのではないでしょうか。
普段使っている何気ない一言こそ英語変換が難しいから
そうです。私たちが普段から何気なく口にする他愛もない挨拶こそ、英語に変換しようとした時に「あれ?何て言うんだっけ?」とピッタリな答えが見つけられないものなのです。例えば「いってきます」を英語に変換する際には、「これ!」という決まった訳があるわけではないので、その状況に合わせた英語表現を自分で見つけて使い分ける必要があるのです。
シーン1.ちょっとそこまで出掛ける際の「いってきます」の英語
仕事場で使う「いってきます」の中でも、毎日のように交わされるのが「ちょっとそこまで出掛けてきます」という状況。特にお昼時や休憩時間などには、「お昼を買いに行ってきます」「じゃあ、また後でね」なんていうやり取りが毎日行われるのではないでしょうか。そんな「ちょっとそこまで」な「いってきます」を言う際には、以下の英語表現がピッタリです。
- See you later(あとでね)
- I’ll be back soon(すぐ戻ります)
- I’ll be right back(すぐ戻ります)
- I’m off(出掛けます)
最も一般的な別れ際(出掛け際)の挨拶が「See you later」です。しかし、相手から先に「See you!」と言われてしまうと、少し違うフレーズで返したくなりますよね?もちろん同じように「See you later!」だけでも構いませんが、物足りない場合には「I’ll be right back(すぐに戻ります)」という一言を添えると会話らしくなります。
ちょっとそこまで「いってきます」の会話例
自分:Hi, John. How are you doing?
同僚:I’m okay, thanks. But I feel a little cold.
自分:Oh, you should be tired. Would you like something to drink?
同僚:Thank you, but I’m ok.Are you going somewhere?
自分:Yes, I’m going to get something to eat at a convenience store.
同僚:Okay, then I’ll see you later.
自分:See you. I’ll be right back.
(訳)
自分:ハイ、ジョン。調子はどう?
同僚:順調だよ、ありがとう。けど少し寒気がするかも。
自分:多分疲れが出てきてるんじゃない?何か飲み物とか持ってこようか?
同僚:ありがとう、けど大丈夫だよ。どこかに出掛けようとしてるの?
自分:うん、コンビニに何か食べる物を買いに行こうとしてるんだ。
同僚:そっか。じゃあ、また後でね。
自分:いってきます(またね)すぐ戻ります。
「I’m off」を使う際には、「I’m off to 場所」「I’m off to 動詞」という文法を取ります。
- 「I’m off to convenience store」(コンビニへ行ってきます)
- 「I’m off to have a lunch」(ランチをしに行ってきます)
シーン2.取引・会議・ビジネス交渉への「いってきます」の英語
ランチや買い物に出掛ける際の「いってきます」の他には、少々気合いの入る外出シーンもありますよね?それはお得意さまとの取引やビジネスミーティングやプレゼンテーションなど、ちょっぴりナーバスになっていたりするものです。そんな時の「いってきます」には、以下のようなフレーズが使えますよ。
- I should get going(出掛けなきゃいけません)
- I’d better go(行かなくちゃ)
- I’m off to business meeting(会議に行くところなんだ)
- Wish me luck(上手くいくように願っててね)
- I’ll let you know how it goes(どうだったか知らせるね)
何か用事があって出掛ける際の「いってきます」は、その状況を述べるような「I’m off to business meeting(会議に行かなくちゃ)」が「いってきます」の代わりになります。もちろん「○○へ△△しに行く」と説明しなくても、「I’d better go(出掛けなきゃ)」という表現だけでも何か目的があってその場を離れる心境が伝わります。
プレゼンテーションなどへ向かう際には、ドキドキ緊張した面持ちでいる場合もありますよね?!そんな出掛け際には、「Wish me luck!(プレゼンが上手くいくように願っててね!)」という一言も「いってきます」に相当するのではないでしょうか。話し相手が熱心に心配してくれる人ならば、「I’ll let you know how it goes(どうだったか後で話すね)」と言って別れるのも自然です。
会議などへ向かう前の「いってきます」会話例
同僚:Hey, Takashi. where are you going? Are you in a hurry?
自分:Hi, Tom. Yes, I’m going to ABC Company with my boss to give a presentation.
同僚:Oh, are you nervous?
自分:Yes, I am…but this is a good opportunity for me. So…I’ll do my best.
同僚:Don’t worry, you will be fine. Let me know how it goes.
自分: I will. Wish me luck!
(訳)
同僚:ヘイ、たかし。どこ行くの?もしかして急いでる?
自分:やあ、トム。今から上司とABC会社にプレゼンに行くんだよ。
同僚:おお!緊張してる?
自分:そうなんだ、けど良い機会だからね!全力を尽くすのみさ。
同僚:心配するな、きっと大丈夫だよ。後でどうだったか知らせてよ。
自分:もちろん。幸運を祈っててくれ!
電話でのやり取りやビジネスメールでの「いってきます」英会話例
フォーマルなビジネスメールでは使いませんが、同僚とのチャットや外国の方との電話でのやり取りの際に「いってきます」を使う機会があります。それは、会話の途中で「あ!もう行かなくちゃ。じゃあね」というようなシチュエーションが多いのではないでしょうか。
具合が悪い同僚に明日行われる会議の資料を送る約束をしている会話例を紹介します。
電話やチャットでの「いってきます」会話例
自分:So, I’ll send you their reports, you can check them before the tomorrow’s meeting.
同僚:Thank you so much. I appreciate it.
自分:It’s fine. Oh, it’s almost 16:00 already now? I have to go.
同僚:Okay, then see you tomorrow.
自分:Yes, see you! Rest well!
同僚:Thanks, I will. Bye!
(訳)
自分:じゃあ、明日の会議までに確認できるように彼らのレポートを送っておくね。
同僚:ありがとう、ほんと助かるよ。
自分:全然OKさ。あ!もう16:00?そろそろ行かなくちゃ。
同僚:OK,じゃあまた明日ね。
自分:そうだね、また明日。よく休んでね。
同僚:ありがとう、そうするよ。またね!
フレーズ別:「いってきます」に対する「いってらっしゃい」の英語
「いってきます」と言われたら「いってらっしゃい」と返すのがマナー。しかし、前項でも挙げてきたように、英語に変換するとその状況を表すフレーズが「いってきます」に相当するため、「いってらっしゃい」の英語もその時の「いってきます」次第になるのです。ここでは、「いってきます」のフレーズ別に、それに適した「いってらっしゃい」の返し方をチェックしていきましょう。
会議などに行く際の「いってきます」「いってらっしゃい」
A:I’m off to business meeting.(会議に行ってきます)
B:Okay, let me know how it goes later.(OK、後でどうだったか教えてね)
緊張するシチュエーション前の「いってきます」「いってらっしゃい」
A:I have to go, I’ve an appointment with Mr. Yamada. Wish me luck!(行かなきゃ、山田さんと約束があるんだ。幸運を祈っててよ!)
B:Don’t worry. You will be fine!(心配するな。君なら大丈夫だよ)
お昼休みの前の「いってきます」「いってらっしゃい」
A:I’m off to have a lunch.(お昼に行ってくるね)
B:Have fun!(楽しんできて)
帰宅前の「いってきます」「いってらっしゃい」
A:Oh, it’s almost 17:00 already now? I have to go.(もう17時か!帰らなきゃ)
B:Okay, see you tomorrow!(また明日ね)
楽しいイベント前の「いってきます」「いってらっしゃい」
A:Hi, John. Are you going to school?(ジョン、学校に向かうところ?)
B:Hello, Mr Yamada. I don’t have school today. Now I’m going to play with my friends.(こんにちは、山田さん。今日は学校がないので友達と遊びに行くところです)
A:Great! Have a nice day!(いいね!良い一日を!)
応用編:オフィスに戻った時「ただいま」も英語で言ってみよう!
「いってきます」と出掛けたらオフィスに戻った時の「ただいま」も言えると、より英語でのコミュニケーションが楽しくなりますよ。家に戻った時の「ただいま」「おかえり」お決まりフレーズがこちらの2つ!
- 「I’m home!」(ただいま)
- 「Welcome back!」(おかえり)
しかし、オフィスなどの場合には「I’m home!」というのはあまりしっくりしませんよね?こちらも英語独特ではありますが、気軽に「Hi!」だけで「ただいま」になってしまうのです!日本語の「ただいま/おかえり」に執着してしまうと簡単な一言が出てこないので、以下のようなやり取りを参考にしてみてくださいね。
オフィスで使える「ただいま」の挨拶
A:I’m back.(ただいま)
B:Hi, Takashi. How was your lunch?(おかえり、たかし。お昼はどうだった?)
A:Hi, John. It’s very hot, today.(ただいま、ジョン。ほんと今日は暑いね)
B:Hi, Takashi. Very humid, isn’t it?(たかし、おかえり。蒸し暑いよね?)
A:Hi, guys. (みんな、ただいま)
B:Hi, Takashi. Mr. Yamada called you.(やあ、たかし。山田さんから電話あったよ)
「いってきます」の英語から会話につなげていこう
オフィスで使うビジネス英語を難しく考えてしまってはいけません。どんなシチュエーションでも挨拶からすべてが始まるのです。まずは職場に出たり入ったりする時の「いってきます」「いってらっしゃい」から覚えて楽しい会話に繋げていきましょう。