働くのが怖い気持ちを克服する7つの考え方
働くのが怖いという気持ちを乗り越えて社会へ踏み出すには、発想の転換が必要になってきます。どのような考え方のもと行動すればよいのか、具体的に見ていきましょう。
1.とりあえず働いてみる
まずは、アルバイトでも、日雇いの作業でも何でもよいので、働いてみることが大切です。いきなり正社員として週5日働くのはハードルが高いかもしれませんが、「とりあえず」であれば働くことに挑戦していることになります。
今は、派遣社員や短期アルバイト、在宅での簡単な作業など、さまざまな働き方を選べる時代です。働くことが怖いと思っていても、たとえ就業経験がなくても、取り組める仕事もたくさんあるので、無理せず踏み出せる仕事を探してみましょう。
2.転職を前向きにとらえる
「前職が続かなかったから自分はダメだ」と思う必要はまったくありません。本当に自分に合わない職場であれば、働くのが怖いという気持ちを隠して我慢しながらいたずらに時間を過ごすよりは、すばやい判断で退職し、よりよいと思われる会社に転職するほうがずっと有益です。
今の時代に転職経験がマイナスに働くのは、一部の古い考えの企業だけであると思ってもよいぐらいです。面接において、「もっとこのような仕事がしたいと考えた」といったように、前向きな転職理由を、自信を持って述べれば、仕事に対して能動的に取り組むことのできる人物であると評価されることも可能でしょう。
3.仕事を継続することにとらわれない
「転職を前向きにとらえる」と通じるところがありますが、「次の仕事は何が何でも定年まで続けなければいけない」ととらわれてしまうのは、もはや無意味と言っても過言ではありません。
日本の大企業の経営が急激に傾いたり、海外の企業に買収されたりといった、ひと昔前では信じられなかったような事態が起きています。一つの会社にとらわれず、自分のスキルと身一つで、時代の流れや状況に応じて仕事を渡り歩いていくぐらいの気持ちでいるほうが、生きていく力があると言えるでしょう。
働くのが怖いと感じているのに仕事の継続に意気込みすぎて、必要以上に就職に慎重になり、働く機会を逃していくのはあまりにももったいないです。
4.会社は働く場所と割り切る
会社の同僚や上司と、公私にわたる良好な付き合いができる人もいますが、そのようなパターンはまれと言ってもよいでしょう。転職理由の上位に「職場の人間関係の悪化」が挙げられるように、大抵の会社では、多かれ少なかれうまくいかない人間関係があるものです。
もしも、職場であなたにつらく当たる人がいたとしても、その人が自宅に帰ってまで、あなたの気に入らない部分を思い出してずっと考えているわけではありません。そのように考えると、自分も自宅に帰ってまで悩むのが馬鹿らしいと感じるのではないでしょうか。
学校でも職場でも、相性のいい人悪い人は必ずいるものなので、会社はただ働く場所と割り切って、淡々と時を過ごしましょう。働くのが怖いと感じていても仕事さえきちんとこなしていれば、何を言われても気にする必要はありません。
5.職業訓練で自信を身に着ける
ハローワークでは、求職者に対してパソコンやビジネスマナーなどの職業訓練を行っています。「働きたいけどスキルがない」と悩んでいる人は、まず職業訓練を受けてみましょう。身につけたスキルは、働くのが怖いという思いを小さくしてくれます。ExcelやWordなど、多くの仕事で必要となるパソコンの知識などを訓練するだけでも、自信がつくはずです。
6.働くことに対するモチベーションについて考える
働く理由は人それぞれです。生きがいの探求や社会への貢献をモチベーションにしている人もいれば、会社でスキルを磨いて将来起業したいという人もいるでしょう。生活や趣味のために十分な賃金を得たいというのも、当然のモチベーションです。
働くのが怖いと感じているなら、家族など周りの働いている人に、働く理由を尋ねてみるのもよいかもしれません。自分は働くことで何が得たいのか、考えてみるのが社会へ踏み出す第一歩となるでしょう。
7.仕事をテーマにした本やドラマを見る
はじめから何の悩みもなく、壁にもぶち当たることもなく仕事ができる人はほとんどいません。希望がかなわず、考えてもいなかった仕事をすることになる人もいます。
そのような、仕事を通じて成長したり何かを見つけたりすることがテーマとなった本やドラマを見ると、働くのを恐れる気持ちが薄くなるかもしれません。時には物語の力を借りて、自分を奮い立たせるのが功を奏することもあるのです。
働くのが怖いと感じる理由
「働くのが怖い」と考える理由は、人それぞれです。近年よく耳にするニート(Not in Education, Employment or Training;NEET)と呼ばれる、就学・就労・職業訓練のいずれも行っていない人にも、おのおのが抱える理由があるはずです。
働くことへの恐怖心への対処法を見つけるには、まず「なぜ自分は働くのが怖いのか?」という理由を知るところから始める必要があります。
一度も働いたことがない
働いたことがないことをコンプレックスに思い、働くのが怖くて就職活動に踏み出せない人がいます。このような人は、新卒での就職に失敗し、働きたいという意志に反するかたちで非正規雇用もしくは全く働かない生活をスタートすることになり、そのまま抜け出せないというパターンがよく見られます。
まだまだ新卒至上主義が消えない日本において、既卒での就職活動は困難を極めます。「なぜ就職をしたことがないのか?」と面接で問われることに対する恐怖心や嫌悪感から、しだいに就職意欲を失って働くのが怖くなるという悪循環が起こりがちです。
これらの事態に陥るのは、不運にも高校や大学の卒業年度が就職氷河期に当たってしまった世代に多いのが特徴です。卒業時の景気に一生が左右されてしまうのは、日本が解決すべき社会問題であるといえます。
「次の就職では失敗できない」と意気込みすぎている
何らかの事情で前職を早期に辞めてしまった人は、「次の就職先では長く勤めなければいけない」と意気込みすぎていることが多いです。失敗を恐れすぎると、会社の募集要項を見る目が粗探しのようになってしまい、「この条件では続けられないかもしれない」と考えて応募すらしない、働くのが怖くなってしまう悪循環に陥ります。
職場の人間関係などにトラウマがある
職場の上司や同僚との人間関係がうまくいかず、退職に至った経験がある人は多いです。人間関係に悩んでいる最中は、毎日朝が来るのが地獄のような思いだったかもしれません。せっかく退職して職場の人間関係から解放されたのに、就職するとまた同じ苦しみが待っているのではないかという思いから、働くのが怖いと感じて尻込みしてしまっている状態です。
働くと何を得ることができるのか?
働くのが怖いという気持ちに打ち勝って、社会に一歩踏み出すためには、働くことに対してそれなりのモチベーションが必要になることでしょう。一般的に、働くことでわれわれは何を得ることができるのかを考えていきます。
賃金
言うまでもないことですが、労働によって人は賃金を得ることができます。自分で稼いだ賃金で、自分の生活を成り立たせるのは、働くことの第一のモチベーションと言えるでしょう。
人生に対する充実感
仕事をする中で、何らかの困難を乗り越えたとき、これまで感じたことのない充実感を得られます。
社会の一員として貢献しているという自信
社会の何にも所属していないとき、人はどうしようもない孤独感を抱えがちです。働くことで、社会の一員として何らかの貢献をしていると感じ、自信を持つことができます。
働くのが怖いならカウンセリングも一つの手段
ここまで、自分の気持ちの持ちようや、考え方の転換によって、働くのが怖くて社会に踏み出せないという状況を打開する方法をご紹介してきました。
しかしながら、「頭ではわかっていても考え方を変えられない、実行できない」といった人が多いのも事実です。「こうすればよい」とわかっていても挑戦できない自分に嫌気がさしてふさぎ込んでしまい、働くのが怖くなって悪循環を起こしてしまう場合もあるでしょう。
家族や友人は自分にとって近すぎる存在であるため、率直な気持ちを相談できないということもあります。そのような人は、心療内科を訪れてみるのも一つの手段です。病院を受診することに抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、決しておおげさなことではありません。
専門の知識を持った医師や臨床心理士に、自身の置かれている現状と働くのが怖い現在の気持ちを率直に話し、しかるべきカウンセリングを受けることで、気持ちが前向きになることが期待できます。具体的にどのように対処すればよいのかも、事情に応じてアドバイスをもらうこともできるでしょう。
「働くのが怖い」の克服は気持ちの発散から始めよう
働くのが怖いという凝り固まった気持ちから発想を転換させるためには、家族や友人、またはカウンセラーなど周りの人の力を借りたり、話をきいたりすることが大切です。
働きたいという気持ちがあれば、社会へ踏み出すのに遅すぎることはありません。自分の頭の中だけで悩んでいても、解決方法は出てきにくいので、素直な気持ちを話して発散することから始めていってはいかがでしょうか。