「仕事中に泣いてしまった…」その涙の理由は?
一社会人として働くとなると、仕事に慣れるまでは圧倒的に辛いことや大変なことが多いものです。特に入社したての新入社員の場合、仕事中に泣いてしまうなんてこともそう珍しいことではありません。
男性女性から、仕事中に泣いてしまったときのエピソードを聞いてみました。社会人が思わず涙してしまう理由とは一体何なのでしょうか。
仕事中に泣いてしまうのはどんなとき?
仕事中に泣いてしまったことのある方々から、具体的に何が原因で涙してしまったのかを調査したところ、以下のような回答が寄せられました。
- 上司や先輩社員、お客様からダメ出しされた
- 仕事が終わらず精神的に疲弊していた
- 辛いことが重なっていた
- 生死に関わる職場に慣れていなかった
- 自分以外のスタッフの責任を押し付けられた
- 職場の人に理不尽なことで責め立てられた
こちらはほんの一例ですが、やはり涙してしまう理由として最も多かったのが「自分のミスにより上司や先輩社員、クライアントから叱責されたため」という回答です。
また、初めて仕事中に泣いてしまったときの年齢や勤続年数を見てみると、「入社して数年目、20代の頃」という方が多いことから、やはり仕事に慣れていない入社したての時期にはこういったトラブルが多いことが見て取れます。
男女別・仕事中に泣いてしまったときの体験談14
仕事中に泣いてしまったときの当時の状況について、14名の方から詳しいお話を伺いました。男性編と女性編に分けて紹介していきます。
男性の仕事中に泣いてしまったエピソード
仕事中に涙したことについて
さかな(31歳 技術関係)
私は仕事中に泣いてしまったことがあります。あれは就職して2年目くらいでした。年齢は20代前半です。
私の仕事は技術関係の仕事のため、仕事の技術がしっかり向上しているか、上司や先輩に確認していただくテスト期間があります。その際に上司からダメ出しをくらい、悔しくて涙してしまいました。
泣いたときはまわりに同期の仲間がいたため、テストが終わった後に同期達がわたしを慰めてくれました。同期の仲間も泣いた経験があったため、すぐに笑い話になりました。
今思い出すと泣いた経験は恥ずかしかったですが、ダメな部分を厳しく、指導していただいた上司や先輩方にとても感謝しています。そのため今は仕事を順調にできています。
上司からのダメ出しで泣いてしまった
トマホーク(30歳 公務員)
私が初めて仕事中に泣いてしまったのは、入社1年目の25歳の時です。
当時仕事をしていて色々な書類を書いていたのですが、その書き方について上司からかなり長い間ダメ出しを受け、つい泣いてしまいました。私としては前任の人の資料を利用して作成をしたので比較的上手にできていたと思っていたのですが、それをすべてダメ出しされたときにはさすがに心が折れてしまいました。
涙を見せないようにしていたのですが、隣にいた主任が気づいてくれて、その後食事に連れて行ってくれ、そこでそれまでのいきさつを話自分の中ですっきりすることができました。
あの時には怒りのような感情しかなかったのですが、今思うとしっかりと指導してもらったおかげで、今でも自分が気をつけなければいけないポイントがわかるようになったと思っています。
仕事のミスが何度も続いて泣いてしまいました
たっくん(34歳)
仕事を始めて1年くらい経った頃、職場で会議があったときのことです。
連日の疲れがたまり、また仕事の失敗続きで落ち込んでいるときだったので、会議があると知りながら、あまり会議の資料を準備せずに臨んでしまいました。
他の先輩や後輩はうまくプレゼンができており、私のプレゼンの番が来るまでは和やかな雰囲気でした。そしていよいよ上司から私が用意してきたプレゼンの内容を発表するように指示をされ、自分の力の限り発表しましたが、それに対して頭ごなしにダメ出しをされ、あまりにできな過ぎて泣いてしまいました。周囲の反応は冷ややかなもので誰も助けてはくれませんでした。
準備不足の私が悪かったのですが、とにかく今では泣いたことに後悔する気持ちでいっぱいです。
冷静になって思い返せば五月病
tnkn(36歳 IT系)
1度だけ仕事中に泣いてしまったことがあります。34歳の頃、4月に転職して間もない入社1年目の5月のことです。
冷静になって思い返せば五月病のようなものかと思いますが、転職して仕事にも慣れてきた5月頃、気分的に少し落ち込んでいました。
ゴールデンウィークに仕事を片づけるため1人だけ休日出勤し、ちょっと休もうと思って会社の窓から外を眺めたところ、快晴の青空の下をたくさんの人が楽しそうに歩いていました。実際、楽しいかどうかはわかりませんが、当時の自分にはそう見えました。それを見たとき「自分はこんなところで1人で何をしているんだろう」と思い、自然と涙が出ました。
幸い職場には1人だったため誰かに見られるようなことはありませんでしたが、当時は精神的に正常な状態ではなかったと思います。今はそういうことはありませんが、思い返せばとても辛い時期だったと思います。今の楽しい生活があるのは当時辛い思いをしたからだと考えるようにしています。
職場の馴れ合いグループ
rai pon(33歳)
初めて仕事中に泣いてしまったのは22歳の頃、入社一年目のことです。
当時、初めて社会人になって勤務することになったのですが、仲良しの班のような集団が幾つか存在していて、新参者を阻害する雰囲気に包まれていて、そのターゲットとなったのが自分でした。就職活動をしてやっと採用が決まった会社の程度の低さに悔しい感情が押し寄せ泣いてしまいました。
涙ながらに感情を打ち明けた上司は親身に話を聞いてくれましたが、それはその場だけの態度で3日もするとその相談事が会社内で噂になって拡散していました。結果、異動を命じられましたが、自分が泣いてしまった原因となった当事者たちに反省の色はなく、これでは私の後にこの会社に入った人間も同じような気持ちになるのではないかと憤りを感じました。
仕事中に泣いてしまうというのはいくら感情が高まっていたとはいえ、自分でも思いもよらないことで、理性が働かなくなってしまいます。今思えば若かったなと感じますが、その時の自分の感情、悔しさというものは忘れないようにしています。恥ずかしい思いはしましたが、素直に、自分に誠実であることは評価できると思うからです。それが現在の私に通じているとも実感しています。
仲の良かったおじいさんが亡くなったとき
ペペ(25歳 介護職)
25歳から介護士として施設で働き始めて2か月後のことです。ちょうどその頃に入所者のおじいさんが亡くなってしまい、仕事中にもかかわらず泣いてしまいました。
フロアのスタッフからはあまり一人に肩入れして情を持つと亡くなった時に苦しくなると話しかけられました。要介護度が低い施設と言う話で勤めることになったので、まさか働き始めてすぐに仲の良かった方を看取ることになるとは思いもしませんでした。
今思えば、介護士といっても、お年寄りからお金を頂いてサービスをする普通のお仕事であると考えて接していなければ働いていくことができない業界だったのだと思います。その後は通常のお客さんと考えて接することになりましたが、次第に入所者様に対する感情がどんどん薄れてきてしまい、人の死になんとも思わなくなってしまいました。
人に対する情を持てば苦しいし、持たなければ人を人として見ることができないので、この辺の折り合いがきっちりつけられる人ではないとなかなか続かないのだと感じました。
同時に複数の仕事がこなせなくて…
ケンさん(42歳 事務職)
社会人になって、誰もが一度や二度に限らず会社をサボりたかったり、仕事自体を辞めたいと思った経験は誰にでもあるのではないでしょうか。特に自分の自由な時間が全くと言っていいほど取れない時は、泣きたくなる気分になってしまうのも分かる気がします。特に、入社したばかりの頃は失敗の連続で上司に毎日のように叱られた人もきっと多いはずです。
そんな私も、入社して1年目の時に複数の仕事を同時に頼まれ、時間が忙殺されて泣いてしまった経験があります。しかも、忙しい時期だったので思うように仕事が進みませんでした。その仕事を終えてもまた別な仕事を頼まれるの繰り返しで、とても辛かったです。仕事のゴール地点が全く見えない状態で、悔しくなりトイレの中で泣いてしまいました。
その当時を振り返ると、やはりこれが長時間労働の元凶だなと感じてしまいます。できれば、もう少し時間的にもゆとりがあった環境で仕事をしたいものですね。あくせくしていない環境で仕事をすれば、独創的な発想やアイデアが生まれるかもしれません。やはり、理想としては楽しめる仕事をしたいものですね。
女性の仕事中に泣いてしまったエピソード
入ったばかりの会社で泣いてしまいました
りぐみ(40歳 フリーランス)
初めて仕事中に泣いてしまったのは私が22歳、入社1年目の頃でした。
当時私は通信系の外回りの営業をしていました。会社に入ったばかりでなかなか思うように成績が残せず、もがき苦しんでいました。ある日新規営業で行った先の会社で、また上手くいかず契約を取ってくることができませんでした。そのことを会社に戻ってから上司に報告すると、もの凄い勢いで怒られ、悔しくなり泣いてしまいました。
その反応に上司はどうしてよいかわからない様子でしたが、その後お互い冷静になって今後どのように営業先でアプローチしていけば良いか話し合い的確なアドバイスをもらえました。仕事中に泣いてしまった自分を振り返ると、あの頃はただたた若くてあまり世の中の厳しさをわかっていなかったと懐かしく感じます。
職場で初めて泣いてしまった体験談
はる(24歳 サービス業)
初めて仕事中に泣いてしまったのは、23歳で入社4年目のことでした。
技術職についている私は失敗が許されない状況だったので、事前にこれでもかというくらい準備して現場に入りました。しかし、外注のスタッフのミスが発生してしまい、いつの間にか私のせいにされて理不尽に責め立てられました。「なんで分かってもらえないんだろう」と悔しくて思わず泣いてしまいました。
職場の人の反応は「泣きたいだけ泣け」ということで、ただ泣き止むまでひたすら待ってくれました。その時はとても恥ずかしかったですが、それをきっかけに自分の殻を破ることができ、周りともコミュニケーションが取りやすくなりました。今となってはいい思い出です。
スーパーでの新規店舗の責任者になって
いずる(30歳 Webデザイン)
22歳、スーパーマーケットに入社1年目の頃、新規店舗の責任者になり毎日商品管理とパート・バイトの教育に追われ、十分な休憩も休日も取れていなかったとき、発注がうまくいかずどんどん在庫を溜めてしまって上司に怒られ泣いてしまいました。
廃棄も増えたため、上司は「本当だったらクビになるとこなんだけどな…」と言いつつも、それ以上責められることはなかったです。
そのときは十分に休めておらず疲れとストレスが溜まっており、余裕がなかったのでただただ泣くことしかできませんでしたが、もっと上司や先輩など周囲に相談して仕事や行き詰っていることやこれ以上廃棄を増やさない方法など打開策を考えるべきでした。
しかし、その反省は転職した今でも報連相の徹底の役に立っています。結果的に、どんな失敗も次に活かせばよいと思います。
初めて職場で涙したことについて
A88U(28歳 事務職)
初めて仕事中に泣いてしまったのは24歳、不動産会社入社後2年目のことです。
お得意先のお客様がお部屋を借りる事になり、物件を仮押さえするために「手付金委託書」というものを送付するのですが、入居日が差し迫っていたため入居に関連する作業(手付金納入、契約書の作成等)をかなりのスピードで進めないといけませんでした。
そんな中私が手付金委託書をお得意様のお客さんではなく、他の会社の方にメールをしてしまい、「全然返事が来ないね」となり、急いで取り掛からなければならない仕事の足を引っ張ってしまいました。結果、メールの誤送信による時間ロスの件で上司からかなり大きな雷をくらい、あとでこっそりトイレで涙してしまいました。
泣き顔を同僚に見られたわけではないのですが、ある同僚は「大丈夫?今度からもっと気をつけたら大丈夫だから」と優しい言葉をかけてくれました。
当時は自分に情けなくて流した涙ですが、メールは本当に簡単に送れてしまえるものだけに、それ以来ダブルチェック、トリプルチェックは欠かさずするようになりました。
誰の言うことを聞くべきなのか
輝子(30歳 介護職)
これは私が20歳で、まだ入社一年目だったときのことです。
入社間もなかった私は日々仕事を覚えることに必死でした。介護職という仕事柄、入居者さんと関わりを持つことも必須だったのですが、当然のことながら人それぞれ性格は違い、私自身元々人見知りのため、なかなか思うように人間関係作りができませんでした。
そんな中で、それぞれ違う先輩三人から入居者さんとの関わりかたで全く違ったアドバイスをそれぞれもらいました。ただでさえ上手くいかない上に、三人それぞれに全く違うことを言われてパニックになり、施設長の前で『誰の言うことを聞くべきか分からない!』と大泣きしてしまったのです。
施設長は別室に私を誘導し、そこで『あなたの思うようにやれば良いんだよ』と落ち着いて宥めてくれました。当時は恥ずかしかったですが、今にして思えばあそこで一度爆発したからこそ、その後の仕事が続けられたのかなと思います。
初めてのコールセンター業務
さくら(26歳 主婦)
22歳の入社3ヶ月目、初めて仕事中に泣いてしまいました。
その日は午前中に研修が終わり、午後から実際にお客様の対応を指導者付きで行っていました。5件目の対応中、お客様の問い合わせ内容と指導者のフォローが私の頭の中で処理ができず、その状態で言葉を発してしまった結果誤解を招き、お客様からお叱りを受けて陳謝し対応を終えました。
その後、指導者の方からも「何度も研修会で注意したことが活かされてない。寧ろ日々悪化しているよね?毎日予習復習しているのは知っているけど、ここまで対応が酷い新人は初めてです。お客様からのお怒りももっともだと思うよ。あなたホントこの仕事向いてないからちょっと生き方考えた方がいい」と言われ、それまで前向きだった私も我慢ができなくなり、周りの人がお客様の対応をしている中、涙が止まらなくなり離席することになりました。
涙が出ている最中は驚きの表情と心配されたりしましたが、今度は指導者と上司にも心のコントロールも仕事のうちだと言われ、休憩をとったあと数時間の話し合いの末、その会社は自主退職となりました。
私の行動も良くなかったとは思いますが、正直もう少しフォローがあってもよかったのかなと感じています。今はやめて正解でした。人生色々です。
社長の奥様の理不尽な対応に泣いてしまった
のり(28歳 販売職)
初めて職場で泣いたのは20歳で、入社1年も経っていない頃です。
個人経営の会社で、試用期間はアルバイトとして入っていたのですが、私は社長の奥さんに嫌われていました。その奥さんはとにかく人の好き嫌いが激しく、私は人見知りなので、人に誤解を与えやすいのが仇となって「愛想がない」「元気がない」などと言われていました。仕事に関してはちゃくちゃくと覚えてこなしているのですが、仕事以外の生活面でよく説教されていました。
私は車を持っておらず、交通費を会社からもらって通勤していたのですが「車を買いなさい」「交通費なんとかならないわけ?」と社長の奥さんに催促されていました。当時車を買うほど収入も貯金もなく、理不尽にせまられた私は「どうして仕事を頑張っているのにそういうことで怒られなきゃならないのか」と悔しくて泣いてしまいました。
当時はあの職場が仕事の全てだったので客観的に見られなかったのですが、今思えば本当におかしな職場だったなと思います。
仕事中の涙は「泣いて終わり」にせずその後に活かすことが大切
仕事中に泣いてしまう理由は人それぞれです。しかし、自分が仕事に慣れていなかったことによる失敗が原因であれば、ただ泣いて終わりにするのではなく、その経験を今後にどう活かしていくのかが重要となります。
また、必ずしも泣くことが悪いとは言い切れませんが、職場で人目をはばからずしょっちゅう泣いてしまうとなると、周囲からは「一社会人としての自覚に欠けている」と評価されてしまう恐れもあります。仕事でのさまざまな経験を通して、立派な大人としての精神的な強さを培っていってください。