復職にあたって不安を解消しておこう
職場に復帰する時には、誰でも不安を抱いてしまうものです。ですが、その不安を引きずったまま復職すると、大きなストレスとなり、心身へ悪い影響を及ぼしてしまうでしょう。
そのため、復職の際の不安は絶対に解消しておかなければなりません。せっかく復職することができても、その後苦しい思いをしなければならなくなってしまっては、また休職することになってしまう可能性すら考えられます。そうならないためにも、しっかりと不安を解消しておきましょう。
復職時どんなことに不安を感じるかは休職の理由によっても違う
復職にあたっての不安解消方法を紹介する前に、復職する際にはどんなことに不安を感じるのでしょうか。それは、休職することになった理由によっても違ってきます。ここで、一例を挙げてみます。
心身の不調による休職から復職する場合
心身の不調が原因で休職していた場合、復職する時には主に「前のように働けるか」「また体調を崩したらどうしよう」などの不安を感じることが多いでしょう。「復職したら仕事についていけるか」ということについて不安を抱く人が少なくありません。また、病気の再発などを心配して、復職を躊躇するケースも見られます。
産休・育休明けで復職する場合
産休や育休明けで復職する場合にも、不安を感じるものです。産休や育休明けケースでは「仕事についていけるか」といったことよりも、勤務時間や働き方に関する不安が多いです。
例えば、「子供を保育園へ送迎するため、フルタイムでは働けない」や「子供が体調不良になりがちで、会社を早退しなければならないことが増えるかも」などの不安があります。
介護休暇明けで復職する場合
人によっては介護休暇明けで、復職する場合もあります。産休・育休明けの復職同様、勤務時間や働き方の面で不安を感じる人が多いでしょう。
復職するにあたっての不安を解消するための方法
復職するにあたって、どのような方法で不安を解消していけば良いのかを考えていく必要があります。まずは、自分がなぜ、復職に対して不安を抱いているのかを冷静に分析し、それに合った解消法を探しましょう。復職する際の不安ひとつひとつと丁寧に向き合っていくことが大切です。
同僚と連絡を取り合って、職場の情報を共有する
職場が現在どのような状況にあるのかを知っておくと、復職した時に比較的スムーズに馴染むことができるでしょう。何も知らないまま職場に戻ってしまうと、知らない人がいたり、体制が変わっていたりして、不安を感じ混乱することも多くあります。
そうならないためにも、同僚とこまめに連絡を取っておくことは重要です。どのようなことが職場で起こっているのか、伝えてもらうことができる範囲で構わないので、自分が気になる点は特に注意して尋ねておく必要があります。
メールなどの文章では説明しにくい点もあるでしょうから、できれば実際に会って話を聞くことが望ましいでしょう。復職までに誰とも会わないでいるというのも気分が塞いでしまい、不安が膨らんでしまう原因になります。同僚に会って話を聞くことは気分転換もなり、一石二鳥です。
同僚が現状を教えてくれれば、こういうところが変わっていて、こういうところは変わっていないのだな、と心の準備をすることができて、不安を払拭することができるでしょう。
復職にあたって不安なことを上司に相談する
不安を感じまま復職したとしても、良いことがあるはずがありません。ですから、不安だと感じていることは上司に相談してみましょう。この時、どういったことを不安に思っているのかをきちんと伝えることが大切です。具体的に話すことによって、話し合いに意味が生まれます。
例えば、復職していきなりフルタイムで働くことに不安を感じているのであれば、そのことを伝えてみてください。そうすれば、上司が「短時間の勤務から始めてみようか」と提案してくれる可能性もありますし、逆にこちらから「短時間の勤務をしたいのですが」と提案することもできます。
また、育休からの復職であれば、子供のために早退しなければいけないことがある、といった不安を話してみるのも良いでしょう。それならば、あらかじめそういった時のための対処を考えておこう、と上司とのやり取りが進むことも十分に考えられます。不安は一人で抱え込まずに、まずは職場の直属の上司に相談してみてください。
以前復職した経験がある人に相談し不安を解消する
復職の経験がある人に、当時の不安どのように解消したのかを相談してみるのも良いでしょう。「自分は今このような不安を抱えているのだけれど、あなたはどうでしたか?」と失礼にならない範疇で尋ねてみてください。復職時の不安解消のアドバイスを貰える可能性があります。
復職は、経験したことがある人にしかわからない独特な緊張感のあるものですから、ただひたすら「がんばれ」と言われても、どう頑張れば良いのかわからないという人も多いでしょう。そういった時には、やはり経験者のアドバイスが活きてくるのです。
「これは不安だよね」と理解や同意を示してもらえるだけでも、不安な気持ちは軽くなるものですから、相談できる人がいるのであれば、ぜひ相談してみてください。復職して立派に働くことができている人の背中を見ることによって、「自分も絶対にこうなることができる」と不安を解消することができるでしょう。
これまで自分がした仕事の見直し・整理・チェックをして不安解消に繋げる
これまで自分がどのような仕事をしてきたのかを振り返っておくというのも大事な作業です。何もしないまま復職してしまうと、いきなり仕事を頭に入れなければならず、ただでさえストレスを感じているところに、更に負担がかかってしまうことは避けられません。
復職することに不安を感じているのであれば、仕事をきちんと見直しておくことも忘れないようにしましょう。そうすることで、「自分はここまで準備をしてきたのだから大丈夫。仕事についていくことができる」と自信を持つことができます。
復職した時に、すぐに仕事に慣れるのは難しいことでしょうが、リハビリだと考えて、休職中に仕事の見直しをしておくことが必要です。誰でもいきなり前のように働くことは難しいものですから、まずはどのようなことをしていたかを思い出して、徐々に慣らしていく作業を始めましょう。
復職の不安を運動により気分転換で解消する
復職に対して不安を感じ思いつめてしまうことは、心身ともに良くない影響を及ぼします。特に休職中はメンタルが弱っていますから、些細なことが大きなダメージとなってしまうことが多いため、思い切り息抜きすることも必要です。
そこで、運動で体を動かすことをおすすめします。ジムに通うのも良いですし、ウォーキングやジョギングをするのも良いでしょう。体を動かすことによって、不安な気持ちやもやもやとした気分を晴らすことができます。
仕事をしている間は、運動をする機会がなかったという人も少なくはないでしょう。そういった人こそ、休職中の運動はおすすめです。体を動かすことは、ストレスを解消するための方法として有効的ですし、復職まで時間があるという場合には、前向きな気持ちを取り戻すために運動を生活の中に取り入れてみてください。
運動が苦手だという人も、軽いもので良いので毎日続けてみましょう。部屋の中でスクワットや腹筋をしたり、近所を散歩したりするだけでも気分は随分と変わってくるものです。空いた時間を見つけて、ぜひ取り組んでみてください。
復職の不安解消のために生活リズムを整える
生活リズムを整えることも、復職の不安を解消するために重要な行動のひとつです。休職中は、ゆっくりと体を休めなければなりません。そのため、睡眠時間を長くしたり、起きる時間を遅めにしていたりしている人も多いでしょう。
ですが、復職した場合は、前のように通勤スケジュールに合わせた生活リズムに戻さなければなりません。これは一朝一夕にできるものではありませんから、復職が決まったらすぐに取りかからなければならないことです。
勤務時間中に眠気で頭がもうろうとするといったことがないようにするためにも、睡眠時間はきちんと確保してください。休職中はどうしても夜更かしをしてしまう人も多いでしょうが、日中起きていられないようなことがあると、復職してきてから自己管理ができていないのではないか、と思われてしまうことも考えられますから、休職期間が終わりに近づいた頃には、できるだけ復職後の体調のことも考えて生活リズムを整えましょう。
復職後の不安を解消する方法
復職前には色々と考えすぎて不安が募るものですが、無事に復職できたからといって不安がきれいさっぱり解消されるというわけにはいかないこともあるでしょう。ここでは復職後も続く不安の解消方法を見てみましょう。
育休明けには時短勤務制度や保育園を利用する
育休明けの復職に際して、「勤務時間が長いと、まだ小さい子どもを見てあげられなくて不安だ」という気持ちを持つのは当然です。そういった時には、時短勤務を利用することをおすすめします。
時短勤務とは、一日の勤務時間を6時間に設定してもらう制度のことを指し、これは3歳未満の子どもを育てているママを対象としたものです。ただし、入社してから1年以上勤めていることが条件となっているので、自分が当てはまっているかを会社に確認してみてください。
また、時短勤務で減らされた分の時間の給与は支払われないことになっていますから、手取りが減ってしまうことは覚悟しておく必要があります。それでも、家庭を優先するという選択肢もあるということを知っておくだけで、復職時の不安は軽くなるでしょう。
もちろん、保育園を利用するという方法もあります。空きがあれば、保育園に預けて仕事に行くというのもひとつの働き方でしょう。もし子供を保育園に預けることに抵抗がなければ、積極的に利用してみてください。
上司に体調面の不安を伝えた上で、復職後に体調を崩すことをきにしすぎない
復職するにあたって、せっかく職場に復帰しても「また体調を崩して、休職することにならないだろうか」と不安を抱えている人も多くいます。ですが、自分にできる範囲で働いていけば、再び体調を崩すようなことはないでしょう。
もし体調を崩しそうだと感じたら、早めに上司に申し出て一日休みをもらうように無理をしすぎないことが大切です。ストレスを溜め込みすぎると、それが一気に爆発してしまいますから、日々の中で少しずつ解消していくようにしましょう。
もちろん、復職する際にそのことを上司に伝えておくことは忘れないようにしてください。体調が悪くなったら早退したり、遅刻したり、欠勤したりするかもしれない、といったことを伝えておけば、会社側も準備をしておいてくれるでしょう。
仕事に体が慣れていけば、体調が崩れることも少なくなっていきますから、考えすぎて不安な気持ちを増長させるのはあまり良いことではありません。
前のように働けるか不安な時は自分のペース作りを心がける
休職する前のように働けるようになるかどうか不安になるという気持ちもあるでしょうが、復職してすぐにバリバリ働けるという人はいません。まずは自分のペースを作ることを大事にしましょう。
どうすれば自分は無理なく働けるかが何よりも大切なことですから、自分を労わることを忘れないようにしてください。仕事は徐々に慣れていけばいいものだ、という程度に考えておけば問題ありません。
復職してきた人にいきなり大量の仕事を振るということは、滅多にないことです。最初からフルタイムでは働かない人も多いでしょうから、仕事面で不安を感じる必要はないでしょう。周りの人にも上手くサポートしてもらいつつ、与えられた仕事だけに集中するようにしてください。
「あれもこれも」と考えてしまうと、結局どれも中途半端になってしまいます。まずは落ち着いて、職場に戻ってきたのだということを強く意識して、自分のするべきこと、できることだけに尽力しましょう。
職場の人たちと上手くやっていけるか不安な時は「今まで通り」を意識する
長く職場から離れていると、いざ復職した時に職場の人達と上手くやっていけるかどうかという不安も生まれるでしょう。確かに、どう思われているのか、どんな風に接していけば良いのか、といったことに不安を感じることは当然のことです。
ですが、自分が仕事に懸命に取り組み、職場の人たちにも今まで通りに接していれば、好奇の目を向けられることはありません。びくびく、おどおどしていると、かえって「大丈夫なのかな」と不審がられてしまうので、堂々としていましょう。
「どうして休んでいたのか」と興味本位で聞いてくる人もいるかもしれませんが、話したくなければ曖昧に誤魔化しておきましょう。「もう大丈夫?」と親切心から軽く尋ねてくれる人には、「何とか頑張れそうです」というように、感謝の気持ちを込めて返事をしましょう。
職場の人たちは仕事に追われていてあまり気にしていないかもしれませんし、そもそも立ち入ったことを聞くようなデリカシーのないような人たちではないかもしれないでしょうから、悪い方に考える必要はありません。
復職の不安解消には周囲に相談しながら必要以上に考えすぎないことが重要
復職するにあたって、一人一人がさまざまな不安を抱えていることでしょう。ですが、それをなくすためには、休職している間にできることをしておくしかないのです。
気持ちが塞いでしまうのは仕方のないことですから、それをどう解消するべきかを考えてみましょう。不安を周囲に相談しながら、必要以上に考えすぎないようにしてください。そうすれば、いざ復職した時にも気持ちを強く保つことができます。大切なのは、復職した後に働き続けていくこれから先のことです。未来に目を向けて、明るい気持ちを持って復職できるように心がけていきましょう。