仕事を押し付けられる側から脱出しよう
仕事が押し付けられるという環境は、頼られている環境であると勘違いしてはいけません。仕事が押し付けられるということは、その数だけ自分でできる仕事が少ないと判断されていることに他なりません。自分で仕事を見つけてしっかりと成果を残せるのであれば、人に仕事を押し付けるようなことはしません。
仕事を押し付けられる人には特徴があり、特徴があるからには対処方法もまた存在します。仕事の中には緊急性が低い、そもそも業務とは関係のない内容の仕事もあります。押し付けられる仕事の大半は、押し付けた本人にとってほとんど価値のない仕事です。面倒だから誰かにやらせてしまえばいいという発想から仕事の押し付けに辿り着くのです。
仕事を押し付けられやすい人の特徴
はじめに、どのような人が仕事を押し付けられてしまうのかをご紹介します。会社の雑用を押し付けられる人もいれば、職場環境の維持のために仕事を押し付けられる人もいます。単純に会社の通常業務を押し付けられることだけではありません。
性格から仕事を押し付けられやすい人もいます。結局のところ、仕事を受注した人の責任で業務は遂行されていくわけですが、あくどい押し付けになると責任転嫁まで始まるので始末におえません。ゆえに、仕事が押し付けられるような環境からは即座に脱出することを考えましょう。いろいろなタイプがありますが、仕事を押し付けられる人の特徴は3つに分けられます。
従順な人
従順というのは美徳であるように見えますが、ひどい場合は隷属に近くなってしまいます。会社という場で隷属関係を気づいているのであれば、パワハラで常時訴えられる場所になってしまうでしょう。従順な人というのは、個人としても注意し、会社としてもしっかり見ておかなければなりません。
従順な方であれば仕事を頼めば引き受けてもらえると思われてしまうので、四方八方から仕事を抱えるようになります。頼まれる側も相手を信頼しきっており、根拠もなく妥当な依頼であると勘違いしてしまうことが多いです。
考え方として自分の意見をしっかりと持つことが重要です。この仕事は現時点で自分がしなければならない仕事なのかを考え、比較検討した結果として仕事を押し付ける行為ではないかを分析するようにすることで、性格面での改善が図れます。
真面目すぎる人
真面目すぎる人というのは、仕事を押し付けられるひとの代名詞でもあります。真面目に仕事へ取り組むがあまりに、どんな仕事に対しても熱心に取り組んでくれる仕事のできる存在として認識されてしまいます。
真面目と不器用は紙一重です。仕事内容に対してすべてを全力でこなすことはできません。必ずパワーを分散させておかなければスタミナ切れになってしまい、業務を持続することも成果を出すこともままなりません。仕事を押し付ける側はパワーを分散させることに気づいていても、分散させることによる効率性を度外視していることがあります。
真面目すぎる人の場合は、すべての業務に対して全力を尽くしてしまいますが、全体の業務の中で優先順位をつけてスケジュールを明示しておくことで、仕事を押し付けられる側からの脱出を図れます。
根拠を持たない人
仕事を押し付けられるのを早く改善しなければならない方に、行動に対する根拠を持っていない性格の方がいます。人間として根拠を持たなくてはならない、といったような啓蒙をする気はありませんが、仕事における根拠は少なからず持っておくべきでしょう。なぜなら根拠というのは、行動の本来の目的を達成させるために不可欠だからです。
根拠を持たないということは、自身の意見に対して消極的になってしまいがちであり、上司からの言葉一つで簡単に意見を翻さなければならなくなります。ここから仕事が押し付けられる循環が始まってしまいます。仕事を成立させることと自分の意見をしっかりと持つことは、近い関係にあることが分かります。
仕事を押し付けられない対策1:上司へ相談
人間関係から仕事を押し付けられることは少なくありません。人間関係とは血縁関係だけでなく、社会的地位によって区分されるだけのものでもありません。グループに所属していないだけで人間関係が形成されることもあります。
例えば人気のあるグループに所属していれば、たとえ自分自身が人気ではなくとも、人気なグループの一員であるという認識を与えるようになります。グループ内では分裂が起きないように互いをひいきしてしまいます。この段階において、仕事を押し付けてくるのはグループの外にいる人間です。
単純なグループの違いだけでも仕事の押し付け合いというのは始まってしまいます。社会的地位が伴えば、仕事を押し付ける行為に権力が加わることになり、容易には断るわけにはいきません。矛盾するかもしれませんが、権力による仕事の押し付けに関しては、より上位の権力で対抗することが対策の一つとして考えられます。
上司の上司へ相談してもいい
例えば課長から命令されて業務を遂行していたとしましょう。このときあなたの仕事の量はすでに限界を超えてしまいます。確実に残業をしなければならないほどの仕事が課せられていたとしましょう。課長としては妥当な仕事量を任せているように感じるかもしれませんが、はたから見ればやりすぎの対象となる行為です。
しかし、部下としては上司に対して大きな声を上げることは難しいです。ただし、部下と上司の関係にあるのは課長とその部下に限った話ではありません。課長にしても上長からの命令に背くわけにはいきませんので、タスクが限界に近付いているのであれば、その旨を上長に伝えて回避することも一つの手です。
仕事を押し付けられない対策2:意見の明確化
そもそも仕事を押し付けられるというのは、意見が明確に発言できていないことに由来しているのかもしれません。自分にはこんな仕事があり優先するべきことがある、と伝えていればおのずから仕事を押し付けられる環境が改善するものです。
優先するべき仕事が無く仕事を任せても問題ないお人よしキャラになってはいけません。誰もが仕事を抱えており、それぞれに役割があります。仕事を押し付けるというのは、そうした基盤ができていないことに由来します。
意見を明確にすることは、会社の基盤を作ることにつながります。会社側はこの行為に対して止めることはできませんし、個人としても必要な仕事をこなせる環境を作り、十分な働きを見せることができます。
仕事を押し付けられない対策3:スケジュールの共有
スケジュールはプライベートのモノであれば隠しても良いですが、仕事のスケジュールを隠す必要はないでしょう。隠す必要があるとしたら、秘密裡にすすめられている特殊な業務をしているときぐらいです。スケジュールを共有することは、会社全体の効率化と無意味なタスクの削減につながります。
会社のためだけにスケジュールの共有をするのかと言われればそうではありません。重要なのは仕事を押し付けられない環境を作る点であり、会社のためという口実を作ることで、堂々とタスクの処理を進めることができます。スケジュールの共有は、会社のためにこれだけの仕事をしなければならない点を視覚化することができるのです。
スケジュールの共有と言っても、システム開発や定例ミーティングなど慣例を作る必要はありません。ボードに本日のタスクと書いて、目に見えるところに置いておくだけでも効果は得られます。
仕事を押し付けられない対策4:ポジティブシンキング
仕事を押し付けられているとネガティブに考えずに、こんなに仕事を任せてもらえているのだと考え方をポジティブに持って行くことで気持ちが楽になります。仕事をするイコール信頼の証であることは言えなくありません。信用できるから仕事を持ってきてくれるというのは一面の真実です。
ただし、ポジティブシンキングに偏りすぎると、自分の限界を考えずにひっきりなしに仕事を抱えるようになってしまいます。抱えすぎてしまい、挙句の果てに何もできませんでしたでは話にはなりません。文字通り信用は地に落ちます。
ポジティブシンキングになるときは、任せられた仕事に全力を尽くせる時だけです。それ以外の時には、ポジティブではなくあくまでクールに、必要な仕事であるかを分析することを忘れないでください。
仕事を押し付けられない対策5:直訴
仕事を押し付けられない対策として、一番手っ取り早いのはNOということです。自分にそのタスクをやっている時間はない、仕事を押し付けるなとはっきりということです。言い方は換えるにしても、同等のことを言うことで仕事を押し付けようとする輩は頼むときに躊躇する様になります。
躊躇するということは、どのような仕事を任せるか考えるということです。誰かに仕事を押し付ける時には、どんな仕事をどの人にどのくらい渡せばよいのか必ず考えなければなりません。仕事を押し付ける環境には、この考えるプロセスが欠落している場合が多いのです。相手へ直訴して、仕事を押し付けられる環境から脱却しておきましょう。
仕事を押し付けられているのはパワハラかもしれない
仕事を押し付けられる環境においてまず考えなければならないのがパワハラ問題です。権力を使わずに友好的に仕事の融通をしているのであれば可愛いものですが、地位を使って断れなくするケースも少なくありません。パワハラの場合は、今回ご紹介した方法の内、どの方法が職場に適しているのかをクールに考えてみてはいかがでしょうか。