会社の役職名をえらい順番に並べて一覧にしてみた
さまざまな役職名を会社組織の中で耳にするものですが、どのような種類の役職があり、順位はどのようになっているのか、正しく理解している人は少ないでしょう。取引先との会食などで困ることがないよう、新入社員に向けて会社の役職について解説します。
日本の会社組織に存在する役職一覧
日本の会社組織に存在している役職をその役割と共に、上の順位から一覧でご紹介します。一般的に用いられている役職は15あります。
順位 |
役職名 |
役割 |
1 |
会長 |
社長を退任した後に就任する役職が会長です。事業や組織のマネジメントに対する会長の影響力は、会社によって大きく異なります。会長の許可なしに事業に関する決定が実質的には不可能な会社もあれば、会長職は名誉職として存在するだけで何の影響力も持たない会社もあります。 |
2 |
代表取締役 |
代表取締役とは文字通り会社を代表する役職であり、いわゆる社長です。株主総会や取締役会などにおける決定事項に沿ってビジネスを遂行する最高責任者です。取締役の中から選任され、会社内に複数名が存在しても問題ありません。なお、「社長」は社内規定によって会社が独自に決める役職なので、必ずしも代表取締役イコール社長というわけではありません。まれに代表取締役以外の人が社長というパターンも存在します。 |
3 |
副社長 |
副社長は社長の次のポジションであり、社長の不在時に社長代理としての職務を担っています。取締役の中から選出されることが多いです。中小企業においては、副社長を置かない会社も多く存在します。 |
4 |
専務 |
専務は社長や副社長の業務をサポートします。同時に会社の業務を全般的に管理しています。 |
5 |
常務 |
常務は専務と同様に、社長や副社長の業務をサポートします。専務よりも日常的かつ実務的な会社の業務を管理しています。 |
6 |
取締役 |
原則として、会社に少なくとも1名が必要となり、株主総会で選任されます。会社の重要事項や方針を決定することが主な職務です。なお、取締役が1名だけの有限会社などにおいては代表取締役は存在せず、取締役が会社の代表者ということになります。一般的に、会長から取締役までが「会社役員」とされており、取締役は会社役員の末席に位置付けられています。 |
7 |
支社長 |
支社長は、会社の支社の最高責任者です。 |
8 |
支店長 |
支店長は、会社の支店の最高責任者です。 |
9 |
本部長 |
本部長とは、営業本部、マーケティング本部など、会社の各業務本部が設置されている場合の、本部責任者のことを指します。 |
10 |
部長 |
部長とは、本部長の下に位置し、会社の各部署を取りまとめる長としての役割を負っています。 |
11 |
次長 |
次長は、部長などの各部署の責任者の代理の次席に位置します。会社によっては、「部長補佐」や「部長代理」といった役職名が与えられていることも多く、職務としても部長の業務のサポートや、部長不在時に代理で部を管理する役割を果たします。 |
12 |
室長 |
室長とは、会社に「室」という組織が設置されている場合の長のことを指します。 |
13 |
課長 |
課長とは、会社組織の中の「課」の長のことを指します。多くの会社においては、部の下に課が設置されています。一般的に、課長は会社における中間管理職に当たり、中堅の幹部であると同時に、部門の監督者的な立場を持っています。 |
14 |
係長 |
会社に存在する業務組織の最小単位である「係」における監督的立場が係長にあたります。管理職としては最も下位に位置づけられています。 |
15 |
主任 |
主任とは、一般社員の中で業務に習熟したものが就く役職であり、管理職としてはみなされていません。新入社員をはじめとする、役職を持たない平社員に対する実務上の指導役としての役割を担っています。会社によっては、勤務年数にしたがって、自動的に主任の役職名が得られる場合があります。 |
一般的な順位から独立した会社の役職もある
社外も含めて、順位から独立している会社の役職が存在します。ここでは3つの役職について説明をしていきます。
実務のアドバイスをする顧問
顧問は主に社外の専門家などから選任され、経験や専門知識を生かし、経営陣に対して実務的なアドバイスを行うことが求められる役職です。顧問は会社法上で設置が義務付けられている役職ではなく、設置するか否かは各会社の判断に委ねられています。
経営陣の相談に乗ることを求められる相談役
一般的に、相談役には第一線を退いた元社長などが就任する場合が多く、経営陣の相談に乗ったりアドバイスをしたりします。顧問と同じく、相談役は会社法上で設置が義務付けられている役職ではなく、設置するか否かは各会社の判断に委ねられています。
社内監査役と社外監査役
監査役には社内監査役と社外監査役の二種類があり、株主総会で選任されます。日本の大会社(最終事業年度の貸借対照表上の資本金の額が5億円以上または負債の総額が200億円以上の株式会社)においては、3名以上の監査役(半数以上の社外監査役かつ最低1名以上の常勤監査役)を設置することが義務付けられています。
監査役の業務には、業務監査と会計監査とが含まれます。業務監査とは、取締役の職務の執行が法令・定款を遵守して行われているかどうかをチェックすることです。会計監査は定時株主総会に計算書類が提出される前に行われます。
社内監査役とは、過去にその会社の役員や従業員であるなど、社内出身の監査役のことを指します。社外監査役は、「就任前5年間、会社または子会社の取締役、従業員でなかったもの」と規定されており、会社からの独立性が守られています。
海外企業や外資系企業にも役職名がある
ビジネスのグローバル化が進み、日常的に海外企業や外資系企業と仕事をする機会が増えています。海外企業や外資系企業で使用されている役職名は、日本の会社におけるそれとは異なることが多いため、代表的なものをご紹介します。
CEO(Chief Executive Officer)
最高経営責任者をCEO(Chief Executive Officer)と呼びます。会長や社長といったトップを指すことが多いです。
CFO(Chief Operating Officer)
最高執行責任者をCFO(Chief Operating Officer)と呼びます。会社のトップに次ぐ立場の役職(社長・副社長)のことを指します。
GM(General Manager)もしくはフェロー
GM(General Manager)やフェローは、日本の役職における部長にあたることが多いですが、それ以上の決定権を持つ場合も少なくありません。
会社組織において役職は何のためにあるのか?
会社組織における役職(肩書)は、名刺交換をすれば必ず確かめるはずです。会社組織に勤めていれば、役職名を目にする機会も耳にする機会もたくさんありますが、実際にどのような種類の役職があり、順位はどのように決まっているのか、なかなか理解するのは難しいものです。ここではまず、役職とは何であるのか、そして役職は何のために存在しているのかについて解説します。
会社の役職とは?
会社組織における役職は、大きく分けて二種類あります。その違いは国の法律に定められているのかどうかにあります。
会社法などの法律によって規定された役職
法律(会社法・医療法・宗教法人法など)によって定められた役職とは、つまり商業・法人登記に明記されている役職のことを指します。会社であれば代表取締役や取締役、医療法人や宗教法人であれば理事長や理事などがこれに当たります。
社内規定により定められた役職
社内規定により会社が独自に定めた、登記ができない役職のことを指します。たとえば、会長や社長、部長などがこれに当たります。ほとんどの会社において、会社法などの法律で規定された役職と、社内規定により定められた役職を組み合わせて使用しています。
会社に役職を置く目的はふたつある
代表取締役など法律によって選任することが定められている役職は目的がはっきりとしていますが、その他の役職はなぜ存在しているのでしょうか。
会社組織における役割を明確化するため
会社においては、組織をマネジメントするいわば管理職が必要です。代表取締役以下の役職が会社に存在していなければ、勤続何十年のベテラン社員と新入社員それぞれに求められる職務の違いが不明瞭になってしまいます。
社員の会社で積んだ経験や身に着けたスキルに応じて役職を与えることで、果たすべき役割を明確化し、組織のマネジメントを行っていると言えます。
社員のモチベーションと職務に対する意識アップのため
一般的に、会社内において役職が付くことを昇格と言います。役職が上がるほど求められる役割や責任が重くなることを考慮すると、役職に昇格、つまり出世のイメージが付いて回るのはごく自然なことです。
近年、勤続年数に応じて自動的に役職が上がっていくという会社は減少しています。そのため、特に活躍度に応じて役職が与えられる場合は、役職は社員のモチベーションのアップのための一つの要因となっていると言えるでしょう。
ビジネスシーンにおいて会社の役職への正しい理解は不可欠
接待や商談など、取引先の社員複数名と一緒に席について会議や食事をする機会は、ビジネスシーンにおいて多々出てきます。名刺交換をして、即座に取引先の社員の順位を把握し、席次や意見をうかがう順序などを判断しなければなりません。
ビジネスシーンにおいて会社の役職はいまだ重要な役割を果たしており、不完全な知識のもと誤った対応をしてしまうと大変無礼にあたります。また、役職は取引先の人事情報そのものであり、ビジネスを進めるうえでの貴重なヒントにもなり得ます。
これらを踏まえると、社会人として会社の役職について正しく理解することは不可欠なマナーであると言えるでしょう。新入社員のうちにぜひ覚えておくようにしましょう。