エレベーターマナーの基本は6つ正しい乗り降りの仕方は?
エレベーターにおけるマナーに自信のある人は案外少ないものです。マナーを知らないままエレベーターに乗ると、会社や取引先で目上の人に失礼な対応をしてしまいかねません。新入社員が社会人として知っておくべき、エレベーターにおけるマナーを解説します。
エレベーターの基本マナーは6つ
商業ビルやオフィスビル、駅などで、日常的に誰しも利用する機会の多いエレベーターですが、ただ乗り降りするだけでは「周囲への気配りに欠ける人」という印象を持たれてしまうおそれがあります。社内外で恥ずかしい思いをすることがないよう、新入社員はエレベーターに乗り降りする際の基本的な6つのマナーを覚えておきましょう。
1.周囲を不快にさせない
言うまでもなく、エレベーターは「公共の場」です。周囲の人を不快にする行動はあってはならないことです。まずは、電車やバスなどの公共交通機関でマナー違反とされている行為は、そのままエレベーターでもマナー違反であるということを肝に銘じてください。
2.急いで飛び乗らない
急いでいるときに、閉まりそうなエレベーターに飛び乗りたくなる気持ちはわかります。しかしながら、エレベーターに飛び乗るのは電車への飛び乗りと同じで大変危険な行為です。閉まりかけたエレベーターを再び開かせるのも、はじめからエレベーターに乗っていた人たちにとって迷惑です。
たとえば商談に遅れそうになって、訪問先の企業の入るビルのエレベーターに飛び乗り、無事に間に合ったとしましょう。そのエレベーターに取引先企業の人が乗っていて、悪い印象を与えてしまうということもあります。この時、マナー違反の行為を指摘されることはなく、静かに信頼を失うだけです。
エレベーターに飛び乗らなければ間に合わないような状況を作らないことが社会人としての基本です。時間に余裕を持って行動し、閉まりかけのエレベーターは見送る習慣をつけましょう。
3.エレベーターの正面で待機しない
何も考えずにエレベーターの扉の正面で待機していませんか。エレベーターが開いた際に、目の前に人が立っていたら邪魔であることは想像に難くないはずです。エレベーターを待つ際は、降りてくる人の邪魔にならないよう、扉の脇に立つようにしましょう。
4.降りる人を優先する
急いでいるとうっかり降りる人を待たずにエレベーターに乗り込んでしまいがちですが、やってはいけない事です。エレベーターから人が降りている最中なのに新たに人が乗ってきたら、人の流れや動きを大きく阻害することになります。
エレベーターの扉の脇で邪魔にならないように待ち、人が降り切ったところで乗るようにしましょう。くれぐれも同僚との会話に夢中になって、扉の前で人の流れを妨害するようなことはないようにしてください。
5.エレベーター内で飲食しない
エレベーターの床にコーヒーがぶちまけられているという光景を目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。仕事の合間にコーヒーをテイクアウトしに行ったりすることはよくありますが、エレベーター内での飲食はマナー違反です。
エレベーター内で飲食することは、床にこぼしたり、同乗している人の服につけてしまったり、食べ物の匂いが狭いエレベーター内に充満してしまったり、迷惑以外の何物でもありませんので絶対にやめましょう。
6.会話の内容と音量に気を付ける
エレベーター内で一切会話をしてはいけないわけではありませんが、狭い密室において大声で会話をされると、同乗者は誰しも不快な気持ちになります。会話をする場合は、最低限の内容を小声で話すようにしましょう。
エレベーターでの会話は同乗者に聞こえているので、聞かれて困る内容は話すべきではありません。特に、ビジネスに関する話題は要注意です。自社内のエレベーターであっても、クライアント企業が来社してエレベーターに乗っていることがあります。他社の噂話や業務の愚痴を聞かれた場合、会社に対する信頼を失うことになります。
エレベーター内での電話もマナー違反です。かかってきたときは、電話に出ないかエレベーターから降りたら折り返す旨を手短に伝えて切りましょう。
会社の上司とエレベーターに乗る際のマナー
社会人として、マナーが気になることが最も多いシチュエーションの一つが、「上司と一緒にエレベーターに乗る」ことでしょう。慣れないうちは緊張してしまうかもしれませんが、基本的なマナーを頭に入れておけば、焦ってしまうことが少なくなります。
エレベーターの乗り降りの順番
到着したエレベーターに先に乗るのは上司です。エレベーターが到着したら、「開」ボタンを押して扉が閉まらないように気を配りながら、上司に先に乗り込んでもらうようにしましょう。降りる際は、反対に上司から先に降りてもらうのがマナーです。
エレベーター内での正しい立ち位置
エレベーターは、操作ボタンに近い場所がいわゆる下座になります。操作ボタンが左右に数箇所あるエレベーターがありますが、その場合はエレベーターに乗って右側が下座です。上座は下座から一番遠い左奥となるので、上司をそちらへ誘導しましょう。
上司がエレベーターに乗ったのを確認したら、続いて自分も乗り込み、操作ボタンの前に立って行先のフロア階数と「閉」ボタンを押します。
操作ボタンの前にすでに人が立っている場合は、無理に立ち位置を変わる必要はありません。手が届くなら自分でボタンを押し、届かないのであれば、「○階を押していただけますか?」と操作ボタンの前に立つ人に伝えてください。
エレベーター内の他の人にも気を配る
上司を先にエレベーター内に通し、行先フロアのボタンを無事に押すところまで終えて、安心して気を抜いてしまってはいけません。エレベーターに上司と自分以外の人が乗ってきた際には、「何階ですか?」と伺ったり、開閉ボタンを適宜押したりして、常に周囲の人に気を配る必要があります。
お客様とエレベーターに乗る際のマナー
会社には挨拶や打ち合わせ、物の受け渡しなどで、日々さまざまな来客があります。お客様とともにエレベーターに乗る機会も多いでしょう。お客様を迎える側として、エレベーターでどのような対応をするべきであるかを解説します。
会社を代表して来客に応対している意識を持つ
お客様に応対する際は、その会社を代表して接しているという意識を持つことが大切です。もし、マナーのなっていない対応をしてしまうと、「この会社は社員教育が行き届いていないのか?」や「一般的なマナーを知らない社員がいる会社だ」といった、会社自体への不信感につながってしまいます。
エレベーターに乗り降りする際の所作を見ると、マナーが行き届いている人物であるかどうかがわかります。エレベーターの乗り降りでがっかりされてしまったり、信頼を落としてしまったりするのはあまりにもったいないことです。
エレベーターマナーの良し悪しは応対した自分に対する印象だけにとどまらず、会社自体への印象に影響を与えるということを常に自覚し、お客様とエレベーターに乗る際は、細心の注意を払ったふるまいをするように心がけてください。
自分がクライアント側であってもマナー違反をしない
会社を訪れる人との関係は、自分がクライアント側であるということも少なくありません。仕事の発注先の担当者が、打ち合わせや営業のために来社するというシチュエーションは多々あります。
クライアント側だからといって、来客に対してぞんざいな対応をしていいわけがありません。自分がクライアント側であるからこそ、来客に対して敬意を持ってしっかりとした対応をすることが大切です。
エレベーターマナーは上司と乗る際と同じ
自社への来客と一緒にエレベーターに乗る際のマナーは、上司と同乗する際のものと基本的に同じです。お客様を先にエレベーターに通し、ボタン操作は自ら行います。エレベーターから降りるのも、お客様に先に降りてもらうように誘導しましょう。
エレベーターには社会人としてのマナーが詰まっている
狭い密室にさまざまな立場の人が一緒にいることになるエレベーターには、社会人としてのマナーが詰まっています。仕事が本当にできる人は、日頃関わりのある人、見知らぬ人、立場の上下などにかかわらず、エレベーターに同乗する人みんなが気持ちよく過ごせるような心配りができるものです。
ビジネスシーンに限らず、自宅マンションやショッピングビルなどにおいても、周囲の人への気遣いを忘れてはいけません。また、反対にボタンを押してもらったり、先に降りる順番を譲ってもらったりした場合は、しっかりと声に出してお礼を言うことが大切です。
新入社員は社会人として、また一人の人間として恥ずかしくないふるまいを身に着ける第一歩として、エレベーターでのマナーに気を配るようにしましょう。