マインドマップの書き方とは?ビジネスで役立つ思考整理術
マインドマップの書き方をご存知ですか?マインドマップを利用することで、発想しやすくなったり記憶力が上がったりといった効果が期待できます。子供の読書感想文から就活における自己分析、ビジネスの場に欲しいアイデアにおいて役立つノート術です。書き方を知って、思考力を身につけましょう。
マインドマップの意味や書き方とは?
「マインドマップ」という言葉を耳にしたことがあっても、具体的にどのようなものか、また何のために利用されているのかを理解している人は少ないでしょう。近年はビジネスマンだけではなく子どもでも、マインドマップを上手に使いこなしていることがあります。これまで何となく気になってはいたものの、書き方や使い方がわからなくてチャレンジ出来なかった人のために、マインドマップの基本から効果的な利用方法まで、詳しく解説します。
マインドマップとは何か?
マインドマップとは、英国の著述家で脳と学習に関する世界的な権威であるトニー・ブザン氏が考案した、自分の考えを図解して整理する表現方法のことを指します。従来の発想術・ノート術とは一線を画した斬新な思考整理術であるマインドマップは、世界中で話題を呼び、今日に至るまで長きにわたり熱烈な支持を得つづけています。
自分の目的に沿って、いろいろな使い方が出来る汎用性の高さがマインドマップの魅力の1つです。
マインドマップをする目的は?
マインドマップの目的とするところは人によってさまざまです。共通するのは、脳の仕組みに沿って情報を整理することで、脳に本来備わる能力を最大限に発揮するのを目指しているということです。つまりテレビや新聞だけでなく、インターネットやスマートフォンなど、あらゆる手段で否応なしに情報が入ってくる現代に、情報を精査して考えをまとめることが大きな目的といえます。
1 頭の中を整理する
日常の些細なタスクから人生の大きなテーマまで、考えるべきことがたくさんある中で、否応なしに外側からもさまざまな情報が頭の中に入ってきます。このような情報過多の時代を生きる私たちの脳は、常に混乱とストレスにさらされている状態といえるでしょう。疲れ切って正常な判断が難しくなっている頭脳をいったんフラットな状態にして、思考の交通整理をすることがマインドマップの第一の目的です。
2 目標を明確化する
マインドマップの2つ目の目的は、適切に整理された情報をもとに、メインテーマに沿って自身が目指すべきところを明確にすることです。目標が定まることで、次に自分が行うべきことが自然と見えてきます。取り組むべきことがわかれば、目標に確実に近づいている実感を持てるでしょう。
3 アイデアを出す
設定した目標を達成するために必要なものや行うべきことをリストアップしていくことが、マインドマップの3つ目の目的です。また、その目標から派生して、チャレンジするとよいことや気が付いたこと等あらゆるアイデアを出すことで、思考力や想像力が鍛えられてより豊かなものとなっていきます。
マインドマップの書き方とは?
マインドマップを提唱したトニー・ブザン氏によると、マインドマップの書き方にはいくつかのルールが存在します。正しいルールを踏まえたうえで書くことで、マインドマップの効果はより強く発揮されます。
1 無地の紙を使う
何事にもとらわれずに自由な発想でもってマインドマップを作成するためには、無地の用紙を使うことが不可欠です。罫線が入っているだけで、思考に無意識の制限がかけられてしまうおそれがあります。なお、特にじっくりと考えたいときは、意識して大きな用紙を使うと効果的です。
2 用紙の中心にメインテーマを描く
マインドマップを作成する際には用紙を横長に置き、中心にメインテーマを描きます。どうしても苦手な場合は無理にする必要はありませんが、メインテーマはイメージやイラストを描くとよいといわれています。
3 メインテーマからメインブランチを描く
「ブランチ」とは、枝のことを指しています。自然界のありとあらゆるものが直線ではなく曲線で出来ているため、ブランチは曲線で描くことが重要です。視覚から脳に入る情報を出来るだけ自然に近い状態に置くことで、柔軟な発想が出てくると考えられています。曲線のブランチを次々と描いていくことで、まさしく木から伸びる枝のごとく美しい絵が用紙いっぱいに広がっていくことでしょう。
また、曲線は用紙の限られたスペースを自由に活用できるので、実務的な観点からも必須とされています。
4 ブランチを細分化してサブブランチを描く
ブランチを描くうえで大切なのは、書いたキーワードのアンダーラインになるよう、枝に言葉を沿わせて書くことです。そのため、見やすいように1つのブランチには1つのキーワードを書きます。1つのキーワードから連想される新たな言葉を、ブランチからさらに細分化して描いた「サブブランチ」の上に記します。サブブランチはいくつに細分化されていっても問題ありません。連想がつづくかぎり伸ばしていきましょう。サブブランチが伸びるほど、思考の形がくっきりとしてくるはずです。
5 楽しみながら創造的に書く
見落とされがちなルールですが、楽しみながら作成するのもマインドマップの重要なポイントです。義務感を感じながらマインドマップを作成していても、自由な発想ができません。肩の力を抜いてリラックスしながら、子どものころのお絵かきや教科書への落書きのような気持ちで、楽しんで取り組みましょう。色鉛筆やカラーペンなどを用いて、カラフルに描いてみるのも楽しい気分になるだけでなく、見やすさの点でもおすすめです。
マインドマップを書くべきなのは頭の中が交通渋滞になっている人
学生やビジネスマンなどの日頃から頭脳を駆使して生活している人は、ぜひマインドマップを書いてみるべきです。日々の生活でマインドマップを積極的に作成することで、頭の中で交通渋滞を起こしている状態の思考を整理し、新しい発想でよりよい成果を生み出すことが期待できます。
反対に、物事を自身の頭の中でイメージ化して考えていくのが得意なタイプの人は、例え学生やビジネスマンであってもマインドマップを書くのはおすすめ出来ません。なぜなら、自分で設定したマインドマップのメインテーマ自体に対して懐疑的になりやすく、自由に思考できなくなる恐れがあるからです。
自分に向いているか向いていないかをしっかりと見極めたうえで、行う意味があると感じた場合は、マインドマップを生活に取り入れてみるとよいでしょう。
マインドマップに期待される効果
作成したマインドマップを見ると、のびのびと枝葉を伸ばす木やアイデアのままに描かれたさまざまなイメージが用紙いっぱいに広がっています。放射状に広がるこれらのイメージは、私たちの脳細胞そのものを示しているようにも見えます。脳の働きに沿って作成するマインドマップは思考力を高め、以下のような形でその効果を発揮します。
1 想像力がアップする
イメージをたくさん入れたマインドマップを眺めると、右脳が刺激されます。柔軟な思考をすることで、これまで顕在化していなかった思いもよらない創造力を発揮できるでしょう。
2 記憶力・集中力がアップする
ブランチに沿って書かれた言葉は左脳を刺激します。また、イメージと言葉をたくみに使ってカラフルなマインドマップを描き出す作業自体が、短期記憶を鍛えるといわれており、さらに短時間でマインドマップを作成して見直す作業には、集中力を高める効果が期待されます。
3 目標達成に向けた明確な道筋を立てられる
脳内で抱えていた考え方や課題をマインドマップに書き出すことで、的を射た問題提起が可能になります。そこから問題を解決するために必要なことを浮き上がらせて、目標達成に向けてより具体的な道筋を立てられます。
4 キャリアや人生をうまくコントロール出来る
マインドマップによって右脳と左脳をバランスよく刺激して自身の思考を客観視することで、今後のキャリアや人生の方向性や目指すところについて、以前にはなかった広く深い視点から考えられるようになります。深い思考をもとに、自身のキャリアや人生をよりよい方向へコントロール出来るでしょう。
マインドマップの書き方を覚えてスキルアップを目指そう
マインドマップ以外にも、思考を整理するノート術は数多く存在します。しかしながら文字情報を記述するのは時間がかかり、考えをまとめるだけでも大変な作業となっていました。一方、マインドマップは一枚の紙に思いつくまま枝葉を広げてイメージを書き込んでいく手法であるため、他のノート術よりも短時間で思考を整理できます。
マインドマップの特徴を生かし、ビジネス上の戦略的思考にもよく利用されるようになっています。社内でのミーティング中に出る意見をホワイトボード上でマインドマップ化すると、さまざまな意見をまとめるのに効率的です。もちろん、就職活動の自己分析にもとても効果的です。個人的な思考のトレーニングに加え、ビジネス上でも有効にマインドマップを活用することで、ワンランク上のビジネスマンを目指しましょう!