退職届は手書きの方がいい?おすすめの書き方【見本付き】
退職届を手書きにしようか、パソコンで作ろうか悩んでいる人は必見!ここでは、退職届を初めて書く人にも分かりやすく、見本を使った書き方を解説するほか、ペン・便箋・封筒の選び方を紹介しています。これを読めば、「退職願」や「辞表」との違いも分かります。
退職届の手書き?それともパソコン?気になるペンや用紙の選び方
会社を辞めることを決意して、いざ退職の手続きをはじめようとする際に、意外と困る人が多いのが退職届の作成です。特に、人生において初めて会社を辞める人は、退職届の書き方なんて分かるはずがありませんよね。
そこで、ここでは退職届を手書きする際のノウハウをご紹介します。用紙やペン選びから書き方の詳細まで、これさえ読めば退職届の書き方がすべて分かります。読み終わったら、すぐにでも必要なものを買いに出かけましょう。
間違ってはいけない退職届と退職願の違い
会社を辞める時に提出する書類に「退職届」と「退職願」があるってご存知ですか?実は、一文字違うだけなのに、使用する目的が全く違うものなのです。違いについてしっかり理解して、正しい書類を提出しましょう。
退職届とは
退職届とは、「○月○日に退職します」という意思を届け出るため書類のことです。退職届を提出するということは、会社を辞めることに対する明確な意思表示となることから、受理された時点で退職が決定します。
退職願とは
退職願とは、「○月○日に退職したいです」と雇用契約の解約を申し出るための書類のことです。退職願の提出後、会社側の承認を得ることによって初めて退職が決まることから、退職届を提出した後でも、承認前ならば退職の願いを撤回することは可能です。
退職願は自己都合による退職の際に使用されることが多く、それに対して、会社都合で退職する場合は、退職届を提出することになります。
ちょっと待った!平社員が「辞表」を提出してはいけない理由
「辞表」とは、役目を辞するために用いられる書類のことで、会社役員や公務員のような、委任契約を結んでいる人が辞める際に提出するのが一般的です。そのため、会社側と雇用契約を結んでいる社員が会社を辞める場合は、辞表ではなく退職願を出す必要があります。
退職届は手書きとパソコンのどちらがいいの?
いざ退職届を作成する際に迷うのが、手書きにするか、それとも、パソコンで作成するかということです。「自分の字に自信がない…」という人は、パソコンで退職届を作った方が、確実にきれいに仕上るはずですが、退職届というものは、字が汚いからといってパソコンで作っていいものなのでしょうか?
一般的には、退職届は手書きの方が好ましいとされています。直筆の方がかしこまった印象になるほか、企業によってはまだまだ手書きが当然という考え方が強いことから、パソコンで作成するよりも手書きの退職届を出す人が多いようです。
ただし、中には決められたフォーマットの退職届の提出を求める企業もあることから、作成する前に上司に確認しておくといいでしょう。
退職届を手書きする際に用意するもの
いよいよ退職届を手書きすると決まったら準備をしましょう。退職届を書くためには、ペン・用紙・封筒の3つを用意します。ここでは、具体的にどのような物を用意したらいいのかを説明していきます。
1.ペン
退職届は正式な書類のため、当然のことながら鉛筆書きはNGです。ボールペンや万年筆を用意しましょう。インクの色はブラックかブルーブラックが基本で、油性・水性どちらでも構いませんが、摩擦で消せるフリクションインクを使ったペンは避ける必要があります。
また、筆ペンやサインペンでも問題はありませんが、字が太くなって潰れて見える可能性があるため、書きやすくて見た目がきれいに書けるものを選ぶといいでしょう。
2.用紙(便箋)
退職届を書く用紙は、基本的に白い無地のものを用意するのがのぞましいといえます。罫線はあり・なしのどちらでも構わないので、書きやすい方を選びましょう。また、用紙のサイズは次のような4つのタイプが一般的です。
手書きの退職届の用紙サイズ
・A4便箋(210x297mm)
・B5便箋(182x257mm)
・セミB5便箋(177x250mm)
・色紙判(177x230mm)
退職届の折り方は三つ折りが一般的ですが、意外ときれいに均等に折るのが難しいので、苦手な人は練習しておくことをおすすめします。三つ折りには、「巻き三つ折り」と「外三つ折り(ジャバラ折)」があり、退職届のような書類の場合は巻き三つ折りがのぞましいといえます。
巻き三つ折りとは、まずは三等分にした用紙の下の部分を内側に折り、さらに上の部分をかぶせるように折る方法です。巻き三つ折りをする際は、端と端がぴったりと重なるようにきれいに折ることを心がけましょう。
3.封筒
退職届を提出する場合、用紙を裸のまま渡してはいけません。必ず封筒に入れるのがマナーです。封筒を選ぶ際は、必ず郵便番号欄がないこと、中身の透けない二重構造のものかどうかを確認しましょう。また、封筒の大きさは、次のような用紙のサイズに合ったものを選ぶ必要があります。
A4版の用紙サイズ
封筒の大きさは「長型4号」を選ぶ。
B5版の用紙サイズ
封筒の大きさは「長型3号」を選ぶ。
封筒の準備ができたら、封筒の表面には「退職届」、裏面には部署名と氏名を記載します。テープや糊で封をしてもしなくても、どちらでも構いませんが、直接手渡す時は封をしていない方が、わざわざ封を開けずに内容を確認することができます。
退職届の書き方は?記載のポイントと縦書き・横書き見本
退職届の書き方には決まりごとはありませんが、やはり横書きよりも畏まった印象を与えるため、縦書きが一般的です。ここでは、退職届を縦書きで書く場合のポイントのほか、縦書きと横書きの退職届の書き方の例をご紹介します。
縦書きの退職届の書き方例
退職届を縦書きで書く際は、次のようなポイントに注意しましょう。
- 冒頭の行(用紙の右側)のやや上のあたりにタイトルを記載します
- 本文の書きだしとして、自分個人のことを指す「私事」「私儀」「私は」と書き、その後に必ず「、」点を付けます。書く位置が用紙の下になるのがポイントです。
- どのような理由があろうとも「一身上の都合により」と書きます。退職理由の詳細を書く必要がありません。
- 退職日は漢数字を使って和暦(平成〇〇年●月●日)で書きます。記載する日付は、事前に上司と相談をしてから書きましょう。
- 退職届のため「お願い」ではなく、あくまでも「退職する」ということを表すような内容にします。
- 退職届を提出する日付を和暦で記載します。
- 退職届を提出した時点で所属をしていた部署名を書きます。自分の氏名が末尾に記載する代表者の名前よりも上の位置にならないよう、必ず用紙の下の部分に記載しましょう。
- 自分の氏名の下に捺印します。認印のような正式な印鑑ではなく、出来合いの三文判でも問題ありませんが、シャチハタのようなゴム印(スタンプ)はNGです。
- 会社の正式名称を書きます。
- 会社の代表者の肩書きと名前をフルネームで書き、最後に「様」と添えましょう。自分の名前の位置よりも上にくるよう、用紙の上の部分に記載します。
横書きの退職届の書き方例
退職届は縦書きが一般的とはいえ、横書きでも間違いではありませんので、必要事項さえ記載してあれば問題はありません。横書きの場合、まずは日付、宛名、自分の名前を記載してから、最後に本文となり、最後に「以上」で締めくくります。
縦書きと同じように、横書きでも名前の位置には注意が必要です。必ず代表者の名前は左側に書き、その下の右側に自分の名前を記載します。
知っておきたい退職届を手書きする際の注意点
退職届とは、会社との雇用契約を解消するための大切な書類です。本人が自分の意志で退職することを示す証拠としての効力があることから、後々何らかのトラブルが起きた時に使用されることもあります。
そのため、記載ミスを修正ペンや修正テープを使って修正するということは避けた方がいいでしょう。書き間違えてしまった場合は、必ずもう一度書き直す必要があります。もし、会社からもらった用紙の替えがない時は、次のように二重線を引き、訂正印を押してから書き直しましょう。
退職届は手書きでスマートにまとめよう!
退職届は作成する機会があまりない書類です。いざ作成するという時は書き方に間違いがないか、きちんと確認する必要があることから、このコラムを読んで退職届の書き方のルールを理解しておくことが大切です。
「終わり良ければ全てよし」や「立つ鳥跡を濁さず」という言葉があるように、誰が見ても遜色がないと思われるような素敵な退職届を手書きして、トラブルのない円満退社をめざしましょう。