尊敬できない上司の下でポジティブに仕事をする方法
尊敬できない上司はどこの職場にもいます。人によっては仕事に支障が出るほどに悩まれる場合もあります。上司のことを尊敬できないと感じる原因から対処法を理解し、職場の人間関係に関わらずポジティブに仕事をする方法を身に付けましょう。
尊敬できない上司でも仕事はしなくちゃならない
会社に属して仕事をしている人は、どんなポジションにいても必ず「上司」というものがいるはずです。社長でも会長がいます。特に大きな会社に勤めている方なら異動が多いため、何人もの上司と出会うことになります。そんな上司の中には「どうしても尊敬できない」人もいるはずです。そんな「尊敬できない上司と上手く」付き合って、ポジィティブに仕事をする方法を確認しておきましょう。
尊敬できない上司だと思う訳
上司を尊敬できない訳には色々とあります。仕事ができない人や、人に仕事をまかせて自分は何もしないという人もいますが、チームの仕事に支障をきたすような上司は自然淘汰される可能性が高く、さらに上に相談することで改善される可能性は十分にあります。
問題は、仕事はできるけど人間的に尊敬できないという人達です。
多くの人が真っ先に思い浮かぶのは「ただただ厳しい」という所でしょう。「部下に対して気にくわない事にいちいち文句を言う」「部下は自分より無能だ、と言わんばかりに怒ってばかりいる」というように、とにかくうるさい上司はいます。俺はお前らより上なんだということをひけらかす自信過剰な上司はどこにでもいます。
次に上げられるのが「気まぐれ」な上司です。さっき出した指示の内容が2時間後には変わっていたりと、一見すると思いつき指示を出している上司がいます。部下からすれば「どれが本当の指示なんだ?」と思ってしまうような言動は対処に困ります。もちろん仕事ですから急な変更は有り得ますが、理由も言わずに指示だけされては、部下は何を信用していいのか分からなくなってしまいます。
また、その人が職場にいるだけで、職場が緊張してしまう上司もいます。常に威圧的なオーラを出して、仕事で失敗したり、病気で休もうものならどんな愚痴を言われるか分からない、と言うような雰囲気をかもし出している人もいます。
その人の元々の性格による部分が大きく、「部下からの評判が悪いとしても仕事では結果を出す」という人は、上からは仕事に関しては信頼を得ていると言えるため自然と直るということはまずありません。自分が周りの人から好かれていないと気がついていない人、嫌われていてもいい・嫌われるのも仕事のうちと思っている人が多く、チームによっては最大のパフォーマンスを発揮する可能性があるため、嫌われ上司がさらに上からの信頼を得るという悪循環に陥ることも少なくありません。
尊敬できない上司に当たったら
「この人の行動は変だ。人間として尊敬出来ない」と思う上司の部下に自分がなってしまっても、逃げるわけには行きません。「逃げる=退職する」になってしまっては結局自分が損をします。あなたの上司が「尊敬できない行動をとる」と感じたら、まずその上司に良いところはないか探してみましょう。
どんな人間にも長所・短所があります。あなたが見ているのは、上司の悪い面ばかりかもしれません。「良い面」をむりやり探してみましょう。どんなことでもかまいません。字が意外と綺麗だとか、床に落ちているゴミを拾ったとか、そんな些細なことで良いのです。
上司のそんな何気ない「良い面」を見つけられた時、あなたの上司に対する見方が少し変わります。
尊敬できない上司と上手く距離をおく方法
上司に対して「尊敬出来ない…」と思えたら、まずはその上司と少し距離を置いてみましょう。と言ってもいつも仕事中は上座に座ってにらみつけている上司です。簡単には距離は置けません。
仕事をちゃんとするのが一番有効
まずは「あの上司に認められよう」と強くは思わず、淡々と仕事をする事です。上司を強く意識すると、思わぬ失敗をしてしまいます。そうしたらその上司からの怒りは避けられません。自分がスキルアップすることで、上司との接触を減らして仕事を進められるようになります。上司が口を挟む猶予がないぐらい自然体で仕事をするのが、上司と距離を置く一番の方法です。
もちろんプライベートな内容の会話は極力話さず、上司の方から話しかけられても軽く受け流すことが肝心です。まともに受け答えしていたら、突然怒りを落とすターゲットになりかねません。無視する訳ではなく、同意する訳でもなく、軽い会話に留めるように気をつけましょう。
仕事の話はちゃんとする
もし完全に自分のミスで上司に言われた場合は、素直にミスについては謝罪しましょう。尊敬できない上司だとしても、自分のミスはしっかりと認めなければいけません。
自分とは関係の無いことで何かを言われた時に、「早く話を終わらせたいから」「面倒くさいから」といった理由で、とりあえず謝るのはダメです。上司は本当にあなたのミスと思っている可能性があるため、評価にも関わりますから間違っている部分はちゃんと話をして否定しましょう。
特定の部下をイビることで、チームの体勢を保とうとする上司がいます。パワハラぎりぎりの所を攻めてくると上に相談しにくくなりますが、理不尽なことを言われた時に、毅然とした態度で対応することでターゲットから外されますので、何に関して話しているかを理解するためにも、シッカリと話を聞くことは大切です。
仕事が終わって、ちょっと一杯と飲みに誘う上司もいるでしょう。尊敬出来ない上司と飲むのは苦痛以外の何者でもありません。しかし、その誘いを断ってはいけません。ただ、一対一で飲むのではなく、必ず自分と同じようにその上司を嫌だと思っている同僚も誘って飲みに行くことです。
そうすればあなたは孤独ではなく、尊敬出来ない上司対3・4人の部下という飲み会になり、あなた1人にからんでくることも少なくなります。お酒が入れば上司も本音が出るでしょうし、自分たちも本音を言い合えばよいのです。日本には「酒の席でのことだから」という良いとも悪いとも言えない風習があります。あくまでその尊敬出来ない上司を孤立させないことです。飲み会の結果、お酒の力によってその上司の良い面を垣間見ることが出来る場合もあります。
尊敬できない上司が許せない行動を取ったときはどうする
どんなに関わりたくない上司だとしてもパワハラとセクハラは、見過ごしてはいけません。近年ではニュースで取り上げられることも多く注目されていますが、酷いと精神的に追い込み続けられることで、メンタルに不調をきたし最悪「自ら命を絶つ」というケースもあります。
これらの行為は絶対許されるべきことではありません。犯罪となる可能性もあるパワハラやセクハラを受けた時、見た時にはどうするべきなのでしょうか?
パワハラを受けたら誰かに相談する
パワーハラスメントは簡単に言えば立場を利用した「いじめ」です。いじめは大概いじめられる方には悪いところはなく、100%いじめる方が悪いのです。これは学校で行われている「いじめ」も同じです。あなたに悪いところはありません。自信を持って反論しましょう。あまりが酷いパワハラを受けている場合は、証拠(ICレコーダーでの会話録音など)を残し、1人で抱え込まずに必ず誰かに相談しましょう。上司のさらに上司、労働基準監督署、弁護士など相談先はありますが、厚生労働省が推奨している総合労働相談コーナーが一番相談し易い機関です。社内の人間だと相談しづらい、有料となると相談しにくい、という場合には社外の専門機関に相談するのが最も安心です。総合労働相談コーナーは各自治体の労働基準監督署内にあり、予約せずともいけるので気軽に相談に行くことができます。
受けたら必ず弁護士などに相談することです。「パワハラ」は犯罪です。
セクハラを受けたら拒否の意思を示す
セクハラは女性ばかりが被害と受けると思われがちですが、男性が被害者となることも十分あります。
昔は冗談で女子社員をからかうような言葉でも許された傾向にありましたが、今は違います。大統領が女性を褒めるつもりで言った言葉も、セクハラだとマスコミ等は騒ぐほどです。
セクハラは体を触られたり、性的なことを言われたりといった直接的なことだけではなく、誘いを断ったことで不当な異動や解雇なども対象となります。
会社の中だけに適用される訳ではなく、仕事の延長線と判断できるような会社の飲み会なども含まれますので、「会社の外のことだから」「業務時間外だから」と諦めずに、セクハラと訴える必要があります。
しっかりと拒否の意思表示をし、会社内の相談窓口や会社の上の人の相談しましょう。しかし、恐怖で自分の意思を伝えられない、社内の人に相談しにくいという場合には、諦めずに社外の専門機関に相談しましょう。
セクハラや妊婦さんに向けられるマタハラ(マタニティーハラスメント)に関しては、労働局の雇用環境均等部や無料で相談できる法テラスに相談しましょう。
尊敬できない上司がいたら自分と比べてみるのも忘れずに
尊敬出来ない上司がいた時、その短所を自分も持っていないか自問自答してみましょう。もしかしたら、あなたも少なからず同じことをしてしまっているかもしれません。
- 同僚・部下等の相手の立場を考えず、コミュニケーションを取っていないか
- 自分の責任を他人に押しつけていないか
- 自信過剰になっていないか
- 好き嫌いで人によって対応方法を変えていないか
- 機嫌の悪さを物に当たったりしていないか
思い当たる点はないですか?尊敬出来ない上司の性格と自分の性格を比べてみて、もし「同じ所がある」と思ったら、その時点で上司と上手くやっていくヒントを見つけたことになります。
反面教師という意味合いと共に、相手の気持ちを考えて「私がこういう行動を取ったらあの人は怒るな」ということが分かるはずだからです。そのポイントを押さえて上司と接していけば、きっと尊敬出来ない上司でも気持ちを乱すことなく仕事が出来るはずです。
尊敬できない上司との出会いはあなたの人間力を磨く
「人の振り見て我が振り直せ」ということわざがあります。尊敬出来ない上司を反面教師として見て、自分自身を見直して自分のリーダーとしての能力を上げる努力をします。あなたもいずれは沢山の部下を抱える上司になる日が来るはずです。
- 部下に感謝の言葉が言える
- 部下に対して優しくて親しみやすい
- 仕事の処理能力が高い
- 部下の仕事の責任は自分が取る
- 人のミスに対して理解力がある
- 部下の話にちゃんと耳を傾ける
- 理由を伝えず自分の考えを押し付けない
- リーダーシップがある
- 気分で仕事をしない
- 好き嫌いで対応方法を変えない
- セクハラやパワハラをしっかりと対処する
- プライベートと仕事の区別を付ける
- 正当に評価する
「理想の上司」になれるように、今の上司を見ながらイメージトレーニングしていき「人間力」を磨きましょう。きっと尊敬出来ない上司の下でもポジィティブに仕事が出来ます。
尊敬できない上司いたら尊敬される上司になろうと考えよう
世の中には色々な人がいます。尊敬出来る上司に出会う人より、尊敬出来ない上司の下で働かなくてはならない人の方が多いでしょう。でも、松下幸之助さんや本田宗一郎さん、カルロス・ゴーンさんのような立派な人もいることは確かなのです。世に知られるような有名な人じゃなくても、長い人生の中で尊敬できる素晴らしい上司に巡り会える可能性はあります。決して尊敬出来ない上司に出会っても悲観視しないで「反面教師として自分を磨き、尊敬されるような上司になろう」とポジィティブに考えて仕事をしていきましょう。