ベンチャー企業とは?チャレンジしたくなるその魅力
ベンチャー企業とは具体的にどのようか会社を指すのか、正しく理解している人は少ないでしょう。就職や転職でベンチャー企業に興味を持っている人に向けて、その定義やベンチャー企業に向いている人、向いていない人について解説します。
ベンチャー企業とはどのような会社?
ベンチャー企業とはどのような会社であるかを理解するには、まずベンチャー企業とはどのような定義であるかを知る必要があります。
ベンチャー企業とは何か
ベンチャー企業とは何か、明確な定義は現時点ではありません。
ベンチャー企業とは、実は和製英語です。ベンチャー(venture)とは、「冒険」や「危険な試み」を意味する言葉です。海外においては、ventureといえば“Venture Capital”といった投資をする企業や人のことを指し、日本とは違う意味で使われているので注意が必要です。
日本におけるベンチャー企業とは、ventureの言葉の意味から転じて、ベンチャー企業とは、大企業では挑戦するのが現実的に難しいような、冒険的かつ革新的な事業を立ち上げる企業を表すようになりました。
特に2000年以降は、規制緩和やIT技術の進歩によって、ベンチャー企業の設立が増えています。
ベンチャー企業の特徴
ベンチャー企業とはどのような特徴を持つ会社なのでしょうか。
ベンチャー企業とは成長過程の企業であることから、小~中規模の会社が多いです。画期的な新しいビジネスを育てる過程であるため、財政的には厳しく、投資機関から融資を受けていることがほとんどです。
革新的なアイデアや技術をもとに、他の大企業に先駆けてスピーディーに市場を席巻していくため、短期間で急速な発展を遂げる会社が多いのもまた、ベンチャー企業の大きな特徴です。設立当初は社員が数人の零細企業のような小規模でも、数年で上場企業に成長するような例も見受けられます。
技術やアイデアを持った人材への投資が大きく、大企業よりも高い報酬を支払うこともあり、ベンチャー企業への就職や転職に惹かれる人が多い理由の一つです。
ベンチャー企業と社内ベンチャーの違い
社内ベンチャーとは、すでに事業を営んでいる企業の中で、新しいアイデアを形にするための独立した部署などのことを指します。そのため、新しく法人登記されるわけではありません。
社内ベンチャーのメリットとしては、チャレンジ精神や斬新なアイデアが豊富な社員が、会社のバックアップを十分に受けながら起業できる点です。会社のバックアップがあるため、ベンチャー企業よりはリスクが低いのは、ベンチャー企業よりも有利な点と言えるでしょう。
しかしながら、会社のバックアップを受ける以上、アイデアやビジネスの方向性に関して、会社の決裁をもらわなければ実行に移せないという点は、社内ベンチャーのデメリットと言えます。できることの制限の多さや実現性の高さは、ベンチャー企業とは比較にならないかもしれません。
ベンチャー企業と中小企業の違い
ベンチャー企業とは異なり、中小企業は「中小企業基本法」によってその定義が明確に定められています。事業の規模としては、中小企業とベンチャー企業とは似通った点がありますが、加えて最新の技術や革新的なアイデアをもとにした事業を創出するという点で、大きな違いがあると言えるでしょう。
ベンチャー企業に向いている人
ベンチャー企業とは、個々の社員の裁量が大きく、自由かつ勢いのある会社という印象が強いですが、実際に働くには従来の会社員とは異なる感覚を持っていなければ厳しい点も多々あります。ベンチャー企業で働くことに向いているのはどのような人であるのか、挙げていきます。
新しいものを一から創り出したい人
ベンチャー企業とは、何もかも新しいものを作り出していく事業です。既存のビジネスではなく、はじめてのビジネスモデルで新しい技術を使って何かを創り出していくような、クリエイティブな仕事をやりたいと思っている人には、ベンチャー企業は向いています。
変化していくことが楽しいと感じられる人
ベンチャー企業とは、ビジネスが軌道に乗るのもまだ先で、業務内容や社員、仕事の規模などが日に日に変化していくという状態が普通です。先が見通せない怖さよりも、毎日の変化を積極的に楽しむ気持ちのほうが大きいという人に、ベンチャー企業はとても向いていると言えるでしょう。
従来の企業における、安定はしているもののルーチンワークに飽き飽きしている人、変化に臨機応変に対応することが好きな人にとって、ベンチャー企業での仕事は天職となるかもしれません。
自ら仕事を見つけ出せる人
大企業の仕事は、マニュアルや引継ぎがしっかりとあり、従来のやり方に沿って進めていけばよい業務が多いと言えます。しかしながら、ベンチャー企業とは、その業務自体が未知のものであり、すべきことや問題点をその都度見つけながらこなすしかない仕事が大半となるでしょう。
受け身で仕事をこなす人には、ベンチャー企業の仕事は難しいのが現実です。自ら新しい仕事を見つけ、こなしていくという力が求められています。
ベンチャー企業に向かない人
ベンチャー企業とは、適性がある人にはとことん向いており、スキルを最大限発揮できる会社であると言えます。しかしながら一方で、ベンチャー企業とはどうしても相性が悪い、適性がないといった人がいることも事実です。どのようなタイプの人がベンチャー企業に向かないのか、確認していきましょう。
仕事への姿勢が受け身な人や指示待ち人間
ベンチャー企業においては、それぞれの社員が仕事を見つけてやり方も開拓し、こなしていくことになります。指示待ち人間や、受け身な姿勢しかとれないタイプの人には、ベンチャー企業でできる仕事はないでしょう。
臨機応変な対応ができない人
ベンチャー企業とは、環境やビジネスモデルの変化が毎日のように起こる会社です。思いもよらない事態に遭遇することも少なくないでしょう。
思いもよらない事態や、急に直面した困難な問題などに対して、臨機応変かつ柔軟な対応をすることが不得意な人は、ベンチャー企業に就職しても大変苦労するでしょう。
人生や生活に安定を求めている人
ベンチャー企業とは、その名のとおり冒険的な企業です。金銭的にもマイナスからのスタートを切るのはつきもので、危ない橋を渡ることもあります。最悪の場合、急にリストラに合ったり、会社自体がなくなってしまったりすることも十分ありえるでしょう。
報酬の変動が激しいベンチャー企業も多く見受けられます。ベンチャー企業とは、そのような安定とは程遠い会社員生活を余儀なくされることが大半であるため、人生に安定を求めている人は、はなからベンチャー企業に就職することはやめておくべきです。
ベンチャー企業に勤めるには?
「我こそはベンチャー企業で活躍すべき人材だ」と感じる人もいることでしょう。ベンチャー企業に就職するには、どのような手段があるのかご紹介します。
ベンチャー企業専門の求人サイトを利用する
近年は、新卒・転職どちらの求人サイトもたくさんあり、女性に特化した求人サイトなども出てきています。ベンチャー企業もその流れに漏れず、ベンチャー企業に特化した求人サイトがよく利用されています。
インターネットで簡単にエントリーできるとはいえ、ベンチャー企業は数多く存在し、その求人数もかなりの数にのぼります。自分の能力を生かせるベンチャー企業とはどのような会社か、何を求めてベンチャー企業に就職するのかなど、自分の中の軸をしっかりと持って、求人情報を探しましょう。
ベンチャー企業に直接アピールする
ベンチャー企業とは、人との縁やタイミングを重視したビジネス展開をする会社です。そのため、熱意を持った求職者の話に耳を傾けてくれるところも少なくありません。
何かしらのつてをたどって、興味のあるベンチャー企業の社員に会う機会を作ったり、自らの能力を地道に直接ベンチャー企業まで売り込んだりするようなアピール方法が功を奏すこともあるはずです。
ベンチャー企業とは、それだけの熱量と行動力をあわせもった人材を常に探し求めているといってもよいでしょう。
ベンチャー企業に勤めるなら自分の適性をよく見極めよう
ベンチャー企業とは、そのスピード感と冒険的な経営方針から、働く人を選ぶ会社と言えます。向き不向きが如実に現れるタイプの会社であるため、ベンチャー企業に身を投じる前に、自分自身の適性をよく見極めることは不可欠です。
熱意と適性があれば、自身の持つスキルを最大限に生かしたり、新たなスキルを身に着けていったりすることも可能な、無限の可能性を秘めた会社がベンチャー企業なのです。恐れることなく、興味と適性にしたがって人生をかけてチャレンジするだけの価値はあるでしょう。