人脈を広げるメリットを知ろう
どんな分野・業界においても、人と人との繋がり「人脈」はベースにあるもの。一見、一人の力が抜きん出て会社や企業を引っ張っているように見えても、目をこらしてみると枝葉のようにあらゆる人の力・支え・アイデアによって成り立っていることが分かります。これから自分のキャリアを積んでいきたいという思いがあるビジネスマンにとって、このような人脈を得ることが仕事を成功する上では必要不可欠です。
とはいえ、自身のビジネススキルと同様に「人脈作り」を間違った方法で行ってしまうと、自らの手で首を絞めるような失敗が待っているのも事実です。自分に自信がなく、なかなか人脈作りが上手くいかない、または業績を上げるためにも人脈作りをしたいけどやり方が分からない人も多いのではないでしょうか。
ここでは、まず人脈とはどういったものなのか、そして広い人脈からどんなメリットが得られるのかを紹介します。
人脈とは社会人に必要不可欠なもの
「人脈」とは「人と人との繋がり」を表す言葉です。ビジネス上での人間関係の総称は、一般的に人脈と呼ばれています。言葉の響き、書いて字のごとく、人の脈が広がっていく様子を表した言葉であり、「人脈が広い」「人脈を持つ人」などというふうに使います。
自身のビジネススキルのみで仕事で成功しようにもそれはなかなか難しいもの。ビジネスの先には「ともに働く人」や「ビジネスを買ってくれる取引先」など、必ず「人」がいるからこそ、あなたひとりがいくら有能であったとしても、彼ら無くしては仕事の成功は難しいでしょう。ビジネスシーンで人脈が大切と言われる理由は、そこにあります。
人脈が広いと得られる3つのメリット
個人主義な風潮が色濃く出てきた今のご時世、特に若い世代の人は「人脈なんてなくても自分で頑張れる」「人との繋がりなんてめんどくさい」と思ってしまう人も少なくありません。
しかし、何かを成し遂げようと一生懸命努力したり、目標を持って前に進んでいるときこそ、この人脈が追い風となって自分の辿り着きたい場所がより近くなったりするのです。では、具体的に人脈が広いと、どのようなメリットがあるのかを見てみましょう。
1.人脈がビジネスチャンスや成功を呼び寄せる
良い人脈を持つことは、仕事の成功をも意味します。新しい仕事は空から降ってくるものではありませんし、自分自身の手腕だけでつかみ取るものでもありません。人脈がビジネスチャンスを運んで来て、また新たな人脈が仕事を成功へと導いてくれる部分は否めないでしょう。
また、ビジネスに目標を持っている人ほど、自分の人脈にこだわることも多くあります。それは、人脈ひとつで新たな道が開けることを知っているから。人脈は自分のアドレス帳を肥やすものではなく、より仕事を活性化させる重要なキーとなります。
2.良い人脈を持つと自分も仕事も成長する
良い人脈とは、自分を高めてくれ、より高い目標へと後押ししてくれるもの。
多くの人が「人脈を得るからこそ仕事が成功する」と認識しますが、正確には「良い人脈を持ち得る自分に成長し、結果的に仕事においてもより良い成長を遂げる」ものですので、まずは自分自身が周囲にプラスとなる影響力のある「人脈」でなければいけません。
したがって、良い人脈を持っていることは、あなたにとっての「良い人脈」から見てもあなた自身やあなたの仕事がプラスの影響となり得るスペックであるということ。自分も仕事も会社だけでなく相手の仕事も会社も、まんべんなくプラスの影響を受け、全体的な成長を遂げる力となる強力なものとなります。
3.良い人脈が吸引力となり新たな人脈を引き寄せる
良い人間関係は自分の成長を助け、よりポジティブな働き方へと導いてくれるもの。それは自分の周りの人にも感染していくほどの影響力も持っています。
これを言い換えるならば、人脈によって自分がさらに成長し魅力的になり、人間として成長したとき新たな人脈を引き寄せる吸引力があるのです。これは、同じ職場で働いている人にも言えることで、あなたが変わるとその周囲も影響を受けてプラスのサイクルがどんどんと広がっていき、それは会社・企業の枠を超えて社会にまで到達する大きな力となるでしょう。
ビジネスを成功へと導くための良い人脈の作り方のコツ
人のつながりを持つという意味の「人脈」ですが、「人付き合いを増やす」「社交的になる」などといった基本的な人脈の作り方に加えて、「ビジネスにおける良い人脈の作り方のコツ」をここで見ていきましょう。
近しい人を大切にする
人脈作りの基本、それは近場からじっくりと自分の足元を固めることです。実は、人脈作りに専念する人は、まず一番に大切にすべき近しい人たちの存在を忘れがちになっています。社外で有力な人脈を作って新しいプロジェクトに乗り出そうとしても、実際に自分を支えてくれる近くにいる人たちとの繋がりが希薄では何をするのも困難を伴います。
ですから、まずは自分の同僚・後輩・上司・友人・家族・親戚に至るまで、「仕事をする上で特に重要じゃないかも?」と思える人も大切にすることから始めましょう。「大切にする」というのは、決して甘やかしたり媚びへつらうことではありません。常に「リスペクトを持って接する」ということです。どんなに厳しいことを言ってもその言動に中に相手への尊敬が感じられる人は、周囲の人から信頼され一目置かれる存在となります。
人は自分の存在を正当に評価して認めてくれる人に、「貢献したい」「協力したい」と思うもの。そんな人間関係を近しい人たちとしっかり築き上げることが、人脈を広げる上で大変重要なこととなるのです。
具体的な目標・ビジネスプラン・語れる夢を持つ
人脈を作る際に必要なこと、それは「具体的な目標」「ビジネスプラン」「熱く語れる夢」、この3つを持っていることと言えるでしょう。
気持ち先行型の人は「語れる夢」はあっても、具体的な目標や実現可能なビジネスプランの詳細にまで頭がいっていないため、突っ込んだ質問をされたりすると自分の浅はかさが露呈してしまい、人脈を作る野は難しくなってしまいます。また、「熱く語れる夢」は多くの人の心を動かしますが、具体的な「目標」「ビジネスプラン」がなければ、実際に誰かを動かす決め手とはならないのです。
人脈は仕事において、相互に何らかのプラス作用が働くものでなければいけません。このケースにおけるプラスの作用とは、もちろん人脈によってもたらされるチャンスであったり成功であり、それを得るための「切り札」こそが、人の心に訴えかける「語れる夢」、そして人を説得して動かす力がある具体的な「目標」や目標を実現する「ビジネスプラン」なのです。
したがって、自分のためになるプラスな人脈を得たいのであれば、ただ熱く語るだけの夢見がちなビジネスマンではなく、成功に辿り着くまでの具体的な計画、揺らぐことのない信念やそれらを成し遂げる自分なりのアイデアを持たなくてはいけません。それがあって初めて、人脈がビジネスへと繋がるきっかけとなるのです。
「この人に紹介したい!」と思われる魅力的な人間になる
人脈を広げるには、そのとっかかりとしてあらゆる社交場に顔を出すこともひとつの手ではあります。「人脈」が実際に仕事に繋がるときには「人脈が新たな人脈を連れてくる」ということも珍しくないために、様々な人と広く交流を持つことは基本と言えるでしょう。
自らが「○○さんを紹介してください!」「▲▲に強い人を知りませんか?!」とアプローチするのではなく、出会った人との会話・交流の中で相手から「この人を○○さんに紹介したい!」と思わせる魅力を備えることが重要です。
「社会人として魅力的な人間」とは、上記に挙げたような「具体的なビジネスプラン・目標を語れる人」であること。あとはその人自身の「人間力」が必要です。人間力とは、「この人と仕事がしたい!」「また会いたい!」「○○さんに紹介したい」と出会った人に思われるような魅力です。ただ単に社交性があるだけではなく、あらゆる話題に精通していたり相手への思いやりや常識が会話の中で垣間見られたりすると、人脈が人脈を引き寄せるきっかけとなります。
人間的な魅力はあるのにビジネスマンとしての目標やプランがいまいちであったり、仕事に関することには周囲を説得する力があるのに人間的に横柄さや打算的な一面が見られると、それはそれで敬遠されてしまいます。人脈を引き寄せる魅力的な人間とは、ビジネスプランも明確でありながら、人としても信頼できてまた会いたくなるようなバランス感覚の取れた人が理想です。
今ある人脈を見直してみる
人脈がゼロな人も滅多にいないもので、「自分には人脈がない」と思っていても、実は今あるその関係を「人脈」と意識していない場合もあります。
どんな人間関係も対応の仕方次第で、あらゆる方向性へと広がっていきます。自分が重要でないと勝手に判断して疎かにしている人間関係があるのであれば、その人たちとの繋がりを見直してみることから始めましょう。
疎かにしていた関係を修復するのには、上記にも挙げたように「リスペクトを持って接する」ことが最大にして唯一の手段となります。尊敬を持って人付き合いを始めると、続けているうちに仕事上にメリットが反映されてくるでしょう。今までは知ることのなかった新たな人脈が生まれたり、元々あった人脈に驚きの可能性を見出すことができたりします。
ビジネスミーティングや交流会など色んな場所に足を運ぶ
ビジネスプランはバッチリ、自分自身の魅力も備えたなら、あとは行動力あるのみです。些細な飲み会や食事会、ビジネスミーティング・懇親会・同業種・異業種交流会などには率先して顔を出してみましょう。
「人脈を作ること」が大前提ではありますが、決して欲を出し過ぎず、あくまでも「人脈は自分自身が引き寄せるもの」ということを忘れないようにしましょう。ガツガツと権力のありそうな人にゴマをすって近づいても、相手から「知り合いたい!」と思われるような人間性を持っていなければ「人脈を得る」ことにはならないのです。
新しい人脈作りに備えて自分磨きを続ける
いくら人脈が欲しくていろいろなところに積極的に顔出しをしても、自分自身に魅力がないとつながりたい相手を振り向かせることはできません。良い人脈が作れるチャンスが訪れた時、相手に繋がりたいと思ってもらえるように、常に自分磨きを怠らないようにしましょう。
趣味を持つ、社会人サークルに属する、読書をする、資格取得に挑戦するなどがおすすめです。どこでもいいから顔を出すだけでは、ただの勘違いしている人で終わってしまいます。この人と人脈を作りたいと思わせる中身のある人になりましょう。
してはいけない間違った人脈作りとは?
人脈を広げていきたいと考えている人のなかには、人脈の作り方を少々勘違いしている人がいることも事実です。社会人となって仕事上の人脈を広げようという際に、間違った人間関係の作り方をしている人は、周囲からの信頼も得ることができない上に、自分が作った人脈が影響して失敗を招く危険性もあり得ます。ここで間違った人脈作りとその改善点を紹介します。
聞こえのいい人ばかりと人脈作りをしている
人脈作りは、「社長」や「経営者」など聞こえのいいポジションの人との繋がりを増やすことだと勘違いしている人がいます。確かに権力者と知り合いになれば、その力でビジネスチャンスをもらえそうな要素は沢山あります。しかし、仕事に良い影響を与える人脈とは「相互作用のある関係」でなければいけません。
自分には社長や経営者の人脈を得ることがメリットであっても、相手にとっては「権力に媚びたいその他大勢のうちの一人」くらいにしか思われないかもしれません。
改善点:「相互作用」のある人脈にシフトチェンジする
自慢できるような人脈は、自己満足の要素となるだけで、仕事が活性化するような具体的要素はありません。自分のためになる人脈とは「相手にとってもプラスになる関係性」が理想です。対等もしくは相手が一歩先行く、くらいの人脈が、切磋琢磨し合える人間関係を築き仕事に良い影響をもたらしてくれるのです。
せっかくの人脈を仕事に活かしていない
人脈は広ければ良い、多ければ有益というわけではありません。誰とでも仲良くなれる社交的な人が陥りやすいのが、「浅く広くな人脈作り」です。人を引き付ける魅力は備えているのに、それを人脈作りに活かしきれていない人が少なくありません。無駄にアドレス帳がパンパンになっているだけの人は「宝の持ち腐れ」と言えるでしょう。
改善点:「一期一会」の関係性を大切にする
出会った人との関係を長続きさせるためには、その都度、全神経を集中させて相手との交流に熱中することです。記憶に残る出会いは、どれだけひとつひとつの出会いを大切にするかで決まります。もちろん自分にとっての人脈づくりでもありますが、相手にとって「一緒に仕事がしたい」「また会いたい」と思われる一瞬は、一期一会にかける真剣な向き合い方で叶えるものなのです。
人脈作りを広げるのに大切なのは、より良い人間関係を作ること
人脈は仕事を成功に導くツールと捉える人が沢山いますが、「人」が絡んでくる以上、決して物扱いできるようなものでもありません。あくまでも人間関係を構築した上で、結果的にビジネスチャンスに繋がる人脈の作り方をしていくことが理想です。
今回紹介したビジネスに役立つ人脈の作り方のコツを参考に、自分にも相手にもメリットが生まれる、そんな人脈を広げていけるように努力しましょう。