社会人インターンのメリット・デメリット
社会人インターン制度のある会社が増えています。社会人インターンは、学生のインターンとは意味合いやメリット・デメリットが異なります。この制度を上手に使うことにより、社会人として自らの可能性を広げることができます。使い方を間違えないように、社会人インターンについての理解を深めておきましょう。
社会人インターンとは
インターンシップと言えば、学生が就職する前に企業の中で短期から長期で働くという意味合いで使われることが一般的です。しかし、社会人インターンと学生のインターンは明確に異なります。社会人インターンは、名前の通り社会人が他の企業でインターンとして働く制度のことで、「大人のインターン」と呼ばれることもあります。学生のインターンと異なるところを見ていきましょう。
1.即戦力の人材として見られることが多い
学生のインターンの場合は、「社会人ではないので、仕事ができなくて当たり前」という前提がありますが、社会人インターンの場合は、企業側は即戦力として働いて欲しいと考えているケースが多くあります。学生のインターンのように、手取り足取り教えてもらえるというようなことはない場合が少なからずある、ということを覚えておきましょう。
2.夕方や夜の時間帯のインターンも多い
社会人インターンの場合、昼間は自分の会社で社会人として働き、自分の会社の仕事が終わってからインターン先で働くことができるように、インターンで働く時間帯が夕方以降や夜に設定されているケースがあります。平日はインターン先で働くことが時間的に難しいという社会人のために、土日のみインターンを募集している会社もありますし、在宅ワークを推奨している会社もあります。
3.無給よりも有給が多い
社会人インターンはバイトとは違い、お金を稼ぐという目的以外にも、スキル向上や企業とのマッチング度合を高める目的として使われることが多いです。そのため、必ずしも給料があるとは限りません。社会人インターンの場合は学生のインターンよりは有給のケースが多いですが、無給のインターンが全く無いわけではありませんので、社会人インターンを行う際はよく確認する必要があります。
社会人インターンの応募方法や探し方
大人のインターンとも呼ばれる社会人インターンは、社会人インターン専用の求人サイトで募集を出している会社を探すのが有力な手段です。応募方法は、求人サイトであれば求人サイト経由で応募すれば問題ありません。東京都内の案件が非常に多くありますが、最近は地方の方でも社会人インターン制度を行う会社は数多く存在しています。
社会人インターンはアルバイトやパートとは意味合いが異なるため、募集要項に時給・月給の条件・待遇の情報が明確に書かれていないケースがよくあります。そのため、採用される前にはきちんと確認しておくことが重要です。
社会人インターンのメリット3つ
社会人インターンには3つのメリットがあります。社会人インターンを行う場合には、どのメリットを重視するかをよく考えてから応募するようにしましょう。
1.独学より新しいスキルが早く身につく
新しいスキルを身に付けようと思った場合、通常は自分で学校に通ったり、参考書を買って勉強をする必要がありますが、社会人インターンの場合は、仕事をして給料をもらいながらスキルを身に付けることができます。
仕事をしながら身につけたいスキルを習得することができるので、独学よりも短い時間で新しいスキルが身につき、身につけたスキルを活かす時期をぐっと早めることができるのです。
2.新しい価値観を得ることができる
会社には企業理念がありますから、そこに勤める人はその企業理念に沿って仕事をすることになります。企業理念に沿った社員の考え方はやがて社風となり、その会社ではそのような考え方と行動が当たり前になっていきます。
しかし、いざ外の会社で働いてみると、自社では当たり前だったことが他社では当たり前ではなかったり、すごく効率的だと思ってやっていたことが他社ではもっと効率的な方法で仕事をしていたりすることがよくあります。
社会人インターンを経験することで、今までとは違う、「考え方」「仕事の進め方」「使っているシステム」に触れ、たくさんの新しい発見をすることができるでしょう。自社に勤めているだけでは得ることが難しい自社とは異なる価値観を得られることは、社会人インターンの大きなメリットの一つです。
3.副業として収入を得ることができる場合が多い
社会人インターンでは、自社にはないスキルや新しい価値観に触れられるだけでなく、働いた分をお給料としてもらえるケースが多いです。働く時間数や期間にもよりますが、月で数万円から数十万円の収入をもらえることも珍しくはありません。社会人インターンを、スキルを身につけながら収入を得られる副業のひとつとして捉えてもいいでしょう。
社会人インターンのデメリット
社会人インターンは、やり方を間違えるとやっている意味がなくなってしまったり、場合によっては本業が疎かになってしまうことがあります。大人のインターンとも呼ばれる社会人インターンのメリットだけではなく、デメリットも覚えておきましょう。
時間的にも体力的にもキツイ
本業の仕事をした後に社会人インターンとして別の会社で働いたり、平日は本業、土日は社会人インターンとして働くということは、時間的にも体力的にもかなりハードです。社会人インターンを行う時は、目標と期間をきちんと決めて向き合うようにしてください。本業が疎かになってしまっては本末転倒ですから、無理の無い範囲で時間に余裕を持った働き方ができる企業を選んだ方がいいでしょう。
副業禁止の会社は社会人インターンも不可であることが多い
副業を禁止している会社は、社会人インターンを行うことを禁止している場合がありますので注意が必要です。副業禁止であることを知らずに社会人インターンを行ってしまい、後から発覚してしまうと何らかの処罰を受けることもあり得ます。社会人インターンを希望する人は、社会人インターンを行っても問題ないかを事前に会社に確認するようにしてください。
バイトのようにこき使われて終わる
社会人インターンを受け入れている企業によって、社会人インターンとアルバイトの意味合いを明確に分けている企業と、そうではない企業があります。そうではない企業の場合は、社会人インターンもアルバイトも同じように考えているケースがあるため、1日中簡単な流れ作業をずっとやらされるということがあるかも知れません。
社会人インターンとして何かしらのスキルを身に付けたいということを目的としている人が、インターンとバイトの区別が付いていない企業で社会人インターンを行うことには何の意味もありません。社会人インターンに応募する時は、社会人インターンをしたい目的を受け入れ企業に伝え、それが叶う企業なのかどうかを判断する必要があります。
社会人インターンで働く期間と目的
社会人インターンで働く期間には、長期、短期、超短期の3種類があります。働く期間の違いによって働く目的も異なってきますので、それぞれについてきちんと理解しておく必要があります。
長期の社会人インターン
社会人インターンを長期で働く場合は、半年から数年に及ぶケースもあり、能力によっては社会人インターンでもそれなりのお給料をもらえる場合があります。
長期の社会人インターンの最大の目的は、受け入れる企業としては、他の会社の人材の力を自社で発揮してもらうことができるという点です。特に、企画やアイデアが重視されるような仕事では、そういったことが得意な他社の社員をインターンとして受け入れることで、イノベーションを起こしやすい環境を作ることが期待できます。
長期のインターンを行う人の目的としては、メインで働いている会社からも、社会人インターン先からも収入がもらえるということがあります。長期になればなるほどインターン先の会社のことが分かるため、多くの案件に参加することで貴重な経験を積むことができますし、能力が認められれば転職の誘いを受けることもあります。
短期の社会人インターン
短期の社会人インターンの場合は、数週間から数ヶ月の勤務になります。短期の社会人インターンを受け入れる企業側の目的の1つは、入社志望者に対して社内の雰囲気や仕事内容を確認してもらうということです。
企業側としても本人側としても、入社した後に「想定していた仕事内容と違った」ということの理由ですぐに退職してしまうよりは、あらかじめそういった認識の違いがない状態で入社する方がより確実で安全です。
他には、通常働いている従業員だけでは人手が足りない繁忙期に、社会人インターンシップでそれなりに社会人経験のある人材に、繁忙期の業務を手伝ってもらうことを目的としていることもあります。
超短期の社会人インターン
超短期の社会人インターンの場合は、1日~数日のみの勤務です。超短期の社会人インターンを行う目的は、短期の場合と同様に、入社した後の認識祖語を無くすための目的が大きいです。既に内定を出している転職者に対して、職場や入社前のガイダンスを行うために1日のみインターンとして採用するということもあります。
この場合、会社は「この人がここで働いてほしい人材なのか」ということを見ています。この会社で働くことを本業にしたいという目的を持っているなら、短い間であっても自分をアピールする必要があります。社会人インターンでの働きぶりに難があり内定が取り消しにならないよう、しっかりと仕事に取り組んでください。
社会人インターンは能力向上を目的にしよう
社会人インターンをするなら、自分の能力・技術・スキルの向上を目的として行う方が無難です。インターンとはいえ社会人ですから、仕事に対してそれなりの成果やコミットを求められますし、時間的にも体力的にも大変です。
もし、本業の給料だけでは足りず、副業として収入が欲しいということを目的とするのであれば、深夜や休日にバイトをすれば十分です。大人のインターンとも呼ばれる社会人インターンは、目的やゴールはどこなのかということをしっかりと決めた上で行いましょう。