バイトの掛け持ちで知っておきたい注意点を紹介
誰でも人生において、いくつかのアルバイト経験を持っていらっしゃいますよね?!特に若い人は、有り余る体力に任せて複数のバイトを掛け持ちしている人が多いかと思います。
バイト掛け持ちのメリットは、「月に数回お給料を複数の仕事先から振り込まれるので、常にお金の心配をしなくてもいい」ということではないでしょうか。
しかし働き過ぎてしまうと、大金を稼ぐが故の壁が待っているのです。その上、心身ともに多忙な日々は、あなたの人生管理を危うくしてしまいかねません。ここでは、バイトを複数掛け持ちしている人が気を付けておきたい注意点をご紹介します。
1.バイトの掛け持ちで注意したいのは「税金」のこと
仕事をしてお給料を受け取ると、所得税を払う義務があります。しかし、すべての人が税金を払わなければいけないわけではありません。
所得税を払う対象者は、年収が103万円以上の人です。バイトを複数掛け持ちしている人は、余裕でこの額を超えてしまうのではないでしょうか。バイトを掛け持ちしている人が知っておきたい税金のポイントをまとめてみました。
バイト掛け持ちで年収が103万円を超えたら確定申告が必要
複数バイトの年収が合計で103万円を超えてしまう場合、確定申告をしなければいけません。これはひとつひとつのバイト先の所得が年収103万円以下であっても、他のバイトと合わせてこの金額を超えていたら税金を払う義務があり、自分で税務署に確定申告をする必要があるのです。
バイト掛け持ちで年収が103万円を超えたら年末調整も必要
複数バイトの年収が合計で103万円を超えてしまう場合、メインのバイト先に「扶養控除等申告書」を提出して、年間のお給料の正しい税金の額を計算してもらう年末調整が必要になります。(※「扶養控除等申告書」はひとつのバイト先にしか提出できません)
税金を払い過ぎている場合はバイトでも年末調整で返金がある
年末調整で毎月のお給料から天引きされている所得税と、一年で稼いだお給料の正確な税金の差を計算して「払い過ぎ」があった場合は、翌年以降に源泉徴収分の差額を返金してもらえます。
2.バイトと正社員を掛け持ちしている場合は「副業禁止」ルールを確認する
バイトを掛け持ちしていると、「仕事内容はアルバイトでも、雇用は正社員扱い」の所があります。または、正社員として働いてはいるけれど経済的理由で週末などにアルバイトを掛け持ちしている方もいるでしょう。
しかし仕事先によっては就業規則で「副業禁止規定」を設けている会社があります。数時間という短時間アルバイトであっても副業と判断されると、本業を失ってしまう危険性があります。
バイトへの比重が本業よりも軽くても、必ず正社員として働いている会社の就業規則に反さないように気を付けましょう。
※就業規則とは:就業規則とは働く私たち雇う会社の間に設けられたルール【規則】です。労働時間や休暇、給料・罰則などが記されています。
3.バイト掛け持ちは体力に無理のない働き方をするのが大切
バイトの掛け持ちは、体力的にもハードです。特に正社員として本業の仕事をこなしながら、空いた時間や週末、深夜などにバイトをしていると徐々に疲労が仕事に悪影響を及ぼします。
体力的疲労は集中力を奪い仕事上の失敗を招き、本業の仕事に身が入らないなんて事態が起こってしまうのです。経済的に余裕をもたらすためのバイト掛け持ちによって、本業を失ってより一層厳しい生活を強いられるなんてこともあり得ます。
これでは大人としての将来設計が崩れてしまい、せっかくの正社員という本業を失い、バイト雇用の複数バイト掛け持ち生活に突入してしまうのです。
働くことは、自分の気持ちや体力の限界まで頑張れば良いというものではありません。複数のバイト掛け持ちをしていても、働いている職場に迷惑をかけない働き方をする義務があります。多くのバイトをヘトヘトになりながらこなしているつもりでも、すべてのバイト先に喜ばれていない不完全な働き方をしている場合があるのです。
「良い働き方」ができなくなるまで疲労困憊でバイト掛け持ちをして仕事を失うことを繰り返していると、人生設計をたてることはできません。欲張り過ぎずに、無理のない働き方を心がけましょう。
バイトを掛け持ちしていて大変だったことは?15名の体験談
過去にバイトの掛け持ちを経験した15人から、当時のエピソードを聞きました。やはり本職との両立や体調管理に苦労している方が多い傾向にあります。
若いときだからできました
チョコおじさん(47歳 会社員)
一つは工場での製品のチェック、もう一つは、車の部品輸送業での製品の仕分けのアルバイトを掛け持ちしていました。あまり体力に自信が無かったので休日は2日以上、確保するようにしていました。月に二つのバイトの合計で20万円は稼いでいました。
特に大変だったのはやはり体力です。お金がとにかく無かったのでアルバイトの掛け持ちをしてお金を稼ぐ必要があり、その時は肉体労働の時給が良かったので、肉体労働をする必要があったのですが、体力に自信がなかったので、肉体労働のアルバイトの掛け持ちは無理だと感じました。そのため一つは内勤的な作業をしていました。
もし今後アルバイトの掛け持ちをするならば、全く違う業務(例えば、サービス業と肉体労働とか)の掛け持ちおすすめします。特に若いときはアルバイトを通じて色々なことを学んだほうが良いからです。
掛け持ちでバイトを上手く続けるには
mikan(30歳 製造)
私が過去に掛け持ちをしたアルバイトは両方とも製造です。大体週に6日か5日働いていました。収入は月に20万円を稼いだこともあります。食品の製造は同じでしたが、扱っている食品が違います。
出勤時間、退勤時間もそれぞれ違います。そのため、寝坊しないように前日からスケジュールにどっちのバイトに行くのか、確認が必要です。そうしないと、体がどっちに行くのかまた脳がどっちの仕事の準備をしたらいいか混乱してしまうためです。
マニュアルもそれぞれ違うので、私のように同じ業種でアルバイトを掛け持ちするのであれば、その点には注意したほうが良いと思います。
掛け持ちの良いところ
まい(37歳 主婦)
私はパン屋さんとスーパーのレジを掛け持ちしていました。週に2回ぐらい休みがあるように、各週2~4ペースで働いていました。月に3回ほどは一日に両方のシフトを入れていることもあり、日々充実感がありました。給料は2つ足して月に平均10万程度でした。
アルバイトを掛け持ちして一番大変な点は、自分の中でのシフト管理です。先にシフトが出る方に合わす形でもう片方のバイトのシフトを提出していましたが、たまにシフトを作る人の都合でシフトの出る時期が前後する場合があったので、とても面倒でした。
でも、パン屋は夏は暇なので、その時期に収入が減ることがなく一年通してお給料も安定していたのでとても良かったです。これから掛け持ちしようかと思っている方は、シフトを詰めすぎず両方適度に入れるといいと思います。
3つのバイトを掛け持ち
あか(34歳 事務職)
大学生の頃に、家庭教師とカフェと居酒屋のバイトを3つ掛け持ちしていたことがあります。休日は大学の授業が忙しい水曜日と木曜日の週2日と決めて、月に合計で9万円弱稼いでいました。
アルバイトの掛け持ちで大変だったことは、3つのシフトを月の始めに提出するので、スケジュールをうまく調整することです。バイトを掛け持ちするのはとても大変ですが、色々な職場を楽しむことができ、より多くの人との出会いがあります。
また、ひとつのバイトで嫌なことがあっても、他のバイトをすると気分転換になり、気持ちがリフレッシュすることができます。シフトも掛け持ちをしているとめいっぱい入れることができるので、ひとつのバイトをするより稼げますよ。
友達が増えるのがメリット
すみこ(40歳 会社員)
私が掛け持ちしていたバイトは飲食業の接客とコンビニです。主に日中に飲食の接客、夕方からコンビニで働き、二つとも週4~5日のシフトで入っていました。給料はシフトによって差はありましたが、平均すると2つ合わせて手取りで月28万円ぐらいです。ただ、健康保険や年金は自分で払っていました。
掛け持ちをしていて大変だったのは、日中のバイトが終わってから1時間後に次のバイトが入っていたので移動と食事を素早く終わらせないといけなかったことです。
正直、金銭面や福利厚生を考えると、バイトの掛け持ちよりひとつの場所で正社員をしている方がメリットは多いですが、色々な仕事ができたり沢山の仲間と会えて友達が増えるのは良かったです。
これからダブルワークする方へのアドバイス
れおにゃ(39歳 サービス業)
私は過去にパチンコ屋とコンビニのアルバイトを掛け持ちしていました。パチンコ屋の休日は週一日で、コンビニは週4回シフトに入っていて完全な休日は月2回程です。月収は25万円程でした。
アルバイトを掛け持ちしていて大変だったことは、睡眠時間が少なくなり常に体調が悪かったことです。また寝不足のため集中力がなくなり、ミスも多くなりました。
これから掛け持ちをしようとする方は、稼ぎたいが為にたくさんシフトに入りたいと思いますが、無理をすると長続きしないのでまずは物足りないくらいでちょうどいいと思います。
また、私は、自宅とそれぞれのバイト先が離れた所にあったので、移動する事に時間を費やしていたので、自宅と職場はなるべく近い方が無理なく続けられると思います。
想像以上に過酷な掛け持ち
みんみん(26歳 パート)
私が過去に掛け持ちしていたバイトは、お昼にお漬物屋さんでの販売業と、夜にラウンジでの接客業です。どちらも週5日で入っていたので休みは週1日でした。お給料はお漬物屋さんのバイトが月約10万円、ラウンジのバイトが月約27万円だったので計約37万円でした。
どちらも人手不足で想像以上にたくさんシフトに入ることになり、体力的にとてもつらいバイト生活で睡眠や食事が疎かになりがちでしたが、体調を崩してしまうとどちらのバイト先にも迷惑がかかるので体調管理をするのが1番大変でした。
これからバイトを掛け持ちしようと考えている方は、どちらのバイト先にも迷惑がかからないように自分に合ったシフトや生活リズムを大切にして体調第一で頑張って下さい。
両立できるようシフトをコントロールする
ym0527(27歳 保育士)
わたしは高校生の頃、歯科医院での歯科助手のアルバイトとバイキングレストランでのアルバイトを掛け持ちしていました。アルバイトをしようと思ったキッカケは進学先の短大費用を少しでも賄おうと思ったからで、この職種を選んだ理由は、歯科助手はナース服が着られること、バイキングレストランは同年代が多く楽しそうだったから、という理由です。
シフトは歯科助手が週に2回、バイキングレストランが週に4回程で土日は必ずレストランで働いていて、平日に1日程度休みがあるくらいでした。当時は高校生だったため月々は7万程度の稼ぎでした。
掛け持ちで大変さなのはやはり体力面が辛いことですが、歯科助手という落ち着いた職業、毎日忙しいレストランという職業。この2つの静と動のバランスを上手く使って自分なりに疲れないように、楽しめるように工夫していました。学生時代はあっという間ですので何事もチャレンジしてみると良いと思います。
掛け持ちするならゆとりを持って
はるみ(26歳 会社員)
私は普段会社員をしているのですが、零細企業ゆえにお給料が少なく、夜に接客業のバイトをしていました。平日の3日程はバイトのシフトを入れて、土日まで働くと身体がもたないので休日は週に2日です。夜の接客業だけで、月に7万円くらいは稼いでいました。この額でも、一人暮らしには大きな収入でした。
昼間は会社員として働き、夜からの仕事なので肉体的に疲れやすいのが難点です。だけど、クレーマー的なお客さんが来なければ、非常に楽ではあります。
これからバイトを掛け持ちする人は、自分の肉体的、精神的な側面も考えた方が良いです。いかにお金を稼げても肉体と精神を壊してしまえば元も子もありません。普段の仕事とのバランスを考えてください。
大学の夏休みにバイト掛け持ち
みほ(25歳 事務職)
大学1年の夏休みに、スーパーと居酒屋のバイトを掛け持ちしました。元々週4日でスーパーで働いていて、残りの週3日は居酒屋なので、丸一日休める日はありませんでした。1ヶ月で15万円ほど収入があり、1人暮らしを始めたばかりだったので生活費や家具・家電の購入に充てました。
バイトを掛け持ちしていて大変だったのは、生活リズムが狂ってしまうことです。スーパーは日中で居酒屋は深夜だったので、曜日が合えば日中でも夜でも友人と遊べましたが、明け方まで居酒屋で働いて午前中からスーパーでレジ打ちだったので、頭がボーっとしたりすることもありました。
バイトを掛け持ちする時は、あまりキツキツに詰め込まずに少し余裕を持ってスケジュールを組むのが、長続きさせるポイントだと思います。
生活スタイルの変化
ちかこ(22歳 学生)
私は過去にドラッグストアと保育園の手伝いのアルバイト経験があります。休日に関しましては完全な休日はなかったです。 ドラッグストアのバイトの日は午前だけ休みで、保育園の日は夕方から休みといった具合です。外せない用事がある場合にはお休みを頂く形でした。収入は多い月には16万円稼いでいました。田舎の学生にしては稼いだ方かと思います。
アルバイトの掛け持ちで大変なのは、自分の時間が減ってしまうことです。春休みと夏休みに掛け持ちしていたので、そういった意味では不規則な生活リズムが変化して良い結果をもたらしたと思いますが、友達となかなか遊べなかったのが難点でした。
お金をより稼ぐためにはその分時間も必要になりますが、時間が削られるということは、自分の生活を見直す良い機会なのではないかと思います。また、こうした経験によって自分の可能性の広がりを感じることができるので、非情に良い経験になります。
掛け持ちバイトは控えめなシフト管理で
おやじ(34歳 建設業)
私は20代前半にフリーターの時期があり、お金がかかる夢への挑戦の為にアルバイトの掛け持ちをしていました。朝から夕方までガソリンスタンドで働き、夜は運送会社の荷物仕分け作業をしていました。
日中の仕事がメインになり、休みは週一回、これだけでも、結構体力的にも疲労がたまるのですが、稼ぎたい一心で派遣登録し、ルーティーンで働ける運送会社の荷物仕分け作業を夜3時間やるようになりました。この仕事は週に3日にして、身体を労わる時間を作る事により2つのアルバイトを休まずに働く事を重点にした結果、ガソリンスタンドでの時給も上がり、しっかり働く事で信頼も得る事で後に社員として働かせてもらう事となりました。
残念ながら夢は途絶えましたが、一生懸命やっていれば必ず見てくれている人がいることに気が付きました。アルバイトの掛け持ちは自分の身体と心に相談しながらシフトを考えるべきです。
スケジュール管理
いつき(26歳 事務職)
私は居酒屋とコンビニのバイトを掛け持ちしていたことがあります。土日などの学校がない日のほとんどはどちらかの仕事をしていました。月平均でも15万くらいは稼いでいました。
2つとも固定シフトではない為、自分でスケジュール管理をしなければなりません。それが楽しいと思える人と、そうでない人とでは掛け持ちが向いているかどうか変わってくるとは思います。
ですが、社会人としても、無駄な時間なく効率的に仕事を行なっていくためにはスケジュール管理が必須となりますので、今では良い経験ができたなと思っています。とにかく効率よく、無駄な時間を作らずに稼ぎたい人にとっては仕事の掛け持ちは向いています。あとは体調管理をしっかりとすれば、無理なく仕事ができます。頑張ってください。
若い頃にした掛け持ちバイト
min(41歳 事務職)
百貨店のアパレル販売を主に、夜はカフェで、休みの日は一日パン屋でアルバイトをしていました。
一気に始めてしまうとシフトがめちゃくちゃになるので、百貨店でまずは慣れてから、店長のご好意でシフトを全ては早番に設定してもらい、夜は7時くらいから12時くらいまでカフェで働きました。休みの日はパン屋なのでお休みは半年くらいは全くなかったです。最初のうちは休みがないのと睡眠時間があまり取れなかったので体調がおかしくなりましたが、慣れてくると自然に身体がついてくる様になります。お給料は合わせて月30万近かったです。
体調管理ができていないと掛け持ち先にも迷惑がかかるので体調を維持するのが大変でしたが、掛け持ちする職種を変えているので気分転換になりますし、勉強になるのでとても楽しかったのを覚えています。また、機会があれば昼・夜と掛け持ちしたいなと思っています。
掛け持ち前にシミュレーションを!
ゆみ(30歳 事務職)
大学生の頃、カフェのアルバイトを2つ掛け持ちしていました。土日祝日勤務の予定で始めましたが、実際には月に20日以上出勤していたので、休日は週2日位だったかなと思います。給料は月平均5万円前後でしたが、最高で月18万円稼ぎました。
アルバイトを掛け持ちしていて大変だったことは、シフトな確認と調整です。翌月勤務希望を提出する際、アルバイト先によって提出の締め日や翌月シフト公開日が異なる為、プライベートの予定が組みにくかったです。
また、同日に昼間と晩に分けて2つアルバイトを入れてしまうと、昼間のアルバイトでなかなか上がれずに残業になってしまった場合、次のアルバイトに遅刻しそうになりヒヤッとした事もあります。あとは単純なミスですが、シフトをよく確認せず思い込みで、アルバイト先を間違えて出勤しそうになった事もあります。
これからアルバイトを掛け持ちしようと思っている方は、無理のない範囲内であるかよく考えてみてください。アルバイト先に迷惑をかけることになったり、人間関係にも影響する事になりますので、本当に掛け持ちができるのかをしっかりと考えた上でスタートしてみてください。
バイトの掛け持ちは働きすぎないように注意しよう
バイト掛け持ちは心身ともに慣れてくると、ついつい手を広げてしまいがちです。確かにお給料をあらゆる仕事先からもらえるのは生活に潤いをもたらしてくれるかもしれません。
しかし掛け持ち過ぎると後々不安材料になる問題が出てきてしまいます。
- 稼ぎ過ぎが招く税金問題
- 働き過ぎが招く体調不良
- 掛け持ち過ぎが招く就業規則違反
このような問題はあなたのバイト生活だけではなく、生きて行く上での人生管理ができなくなってしまう可能性があるのです。
「バイト掛け持ちできる!」と思っても、働き過ぎによって出てくる問題について考えてから自分の働き方を決めましょう。