フードコーディネーターの仕事内容は?なるには資格が必要?
フードコーディネーターという仕事を耳にしたことがある人は多いものですが、その実態を知っている人はあまり多くありません。仕事の内容や、魅力、大変なことなど、フードコーディネーターについての情報をまとめています。
フードコーディネーターになろう!
飲食業などで働いたことがある人であれば、「フードコーディネーター」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
「何となく食べ物に関わっている仕事なのだろう」ということは予想できるものの、その実態を知らないという人も多いです。名前ほどよく知られていないフードコーディネーターの仕事について、具体的に解説していきます。
フードコーディネーターとはどんな仕事?
「フードコーディネーター」というのは、資格を指す場合もあれば、仕事の種類を指す場合もあります。
フードコーディネーターの仕事は多岐に渡り、その仕事だけでなく、様々な他の仕事と組み合わせたり、フードコーディネーターとしてのスキルを他の分野で使うこともできます。主に手掛けているのは以下のような仕事です。
1 レシピの監修や新しいメニューを開発する
フードコーディネーターのメインの仕事は、食品メーカーや飲食店におけるメニューの開発やレシピの監修です。
世の中の市場調査から始まり、どのような商品が売れそうか、評判になりそうかを考えてメニューを開発したり、レシピの内容について監修を行います。実は誰もが知っているような繁盛しているお店では、フードコーディネーターが関わっていることがほとんどなのです。
2 食のプロとして店舗や企業にアドバイスをする
フードコーディネーターの中でも実績のある人は、企業のアドバイザーとして商品開発や店舗や企業の経営にまで参画するケースも見られます。
当然、飲食関係の企業になりますが、手腕を認められて経営コンサルタントのようになっている人もいます。
3 誰にどのように売り込んでいくのかプランニングする
フードコーディネーターは「食のスペシャリスト」と呼ばれることもありますが、その仕事は食事を作ったりレシピを考えたりすることにとどまりません。
どういった層に対し、どのように売り込んでいくのか、どんな広告や販促策を取るのかといった営業面や広告面に関してもプランニングすることがあります。
4 テレビや雑誌で営業する
テレビや雑誌などのメディアでは、レシピが掲載されたり、実際に料理を食するといった映像なども多く見られます。
さらにその演出を一緒に考えたり、タレントと一緒に料理をしたりといった活動をする方、中には直接記事を書いたりインタビューに答える人もいたり、書籍を出版する人もいたりと非常に幅広い仕事です。
5 料理教室や講演会で講師をやる
フードコーディネーターとして料理教室の主催や講師となったり、栄養や食に関する講演会活動などを行っている人も多いです。
食に対する安全性についての話や、料理についての話など、それぞれの得意分野を磨いていくことで、周囲との差別化をしていくことができます。
フードコーディネーターのやりがい・魅力
フードコーディネーターは、やることがいっぱいある仕事です。フードコーディネーターの仕事のやりがいや魅力として、どんなことが挙げられるのでしょうか。
1 大好きな「食」に携われる
フードコーディネーターには、「もともと食べることが大好き」という人が多いです。大好きな食に関わり、食についての理解を深めることができることが何より楽しいというタイプの人はフードコーディネーター向きと言えます。
2 食で人を感動させることができる
人間は様々なものに期待をしていますが、その期待を上回ったときには感動するものです。
盛り付けの仕方ひとつでも、料理の見え方や味が違ってきます。フードコーディネーターは人々が普段触れている「食」について、その期待を上回るものを提案することで多くの感動を引き出し、それを目の当たりにすることができます。
3 フードコーディネーターは活動の幅が広い
フードコーディネーターの仕事は、活動の幅が非常に広いのが特徴です。そのため、食という入口から多くの仕事に携わって活動することができるのも魅力です。
フードコーディネーターのキャリアでは、最初は企業勤めから始まってフリーランスになる人が多いですが、フリーランスになるとできる仕事の幅が広がるようになります。
4 フードコーディネーターの仕事はプライベートでも役立つ
フードコーディネーターとして身に着けた知識やスキルは、当然ながら日々自分が食べる食事に対しても活かすことができます。
プライベートでも役立つスキルとして、仕事と関係なく資格の勉強をするという人も少なくありません。
フードコーディネーターのここが大変
フードコーディネーターを志す方は、フードコーディネーターとして働く上での苦労についても理解しておきましょう。
1 フードコーディネーターは何をしているか理解されにくい
フードコーディネーターの多くが感じていることが、「目立たない」「仕事内容を理解されない」ということです。
モノづくりは作った人にその注目が集まるのであって、なかなかそのプランニングをした人には注目が集まらないことが多く、食の世界なら食事を作るシェフやパティシエが注目される一方でフードコーディネーター自身が目立つことはあまりありません。
また、仕事も多岐に渡るため、「何をしている仕事か今ひとつわからない」と言われることもしばしばです。
2 期待やプレッシャーが強い
食に対する印象は主観的なところが強く、多くの人が期待もしやすい部分です。その中で安定して成果を上げ続ける必要があるフードコーディネーターには様々なプレッシャーがかかりがちです。
プライベートで料理をする時にも、「フードコーディネーターなんだからすごい料理を作ってくれる」という期待を持たれやすく、重圧になるという人もいます。
3 新人時代はハードワークが続く
新人のフードコーディネーターだと、収入が安定しなかったり、多くの勉強をする必要があったり、自分の仕事以外にもアシスタント業務が多く入ったりと大変なことも多いです。
特にメディアと関わる仕事だと拘束時間も長くなりがちです。しっかりしたスキルを磨き、業界内で安定したポジションを築くまではなかなか楽にはなりません。
4 稼げるフードコーディネーターは少数派
フードコーディネーターとしての仕事を考えていても、実際にそれだけで十分な収入が稼げるという人はあまり多くありません。そのため、何かの仕事にフードコーディネーターのスキルを活かすという人の方がずっと多くなっています。
稼げるフードコーディネーターになるには、本人のスキルがあることはもちろん、良い仕事や顧客に恵まれて実績を積むことが大事で、運や継続的な努力も必要となります。
フードコーディネーターに必要な資格・能力
フードコーディネーターとして働くために必要な資格というのはあるのでしょうか。また、フードコーディネーターを目指す上で重視したいスキル・能力についても押さえておきましょう。
フードコーディネーターに特別な資格は必要ない
フードコーディネーターとして働くために、特別な資格は必要ありません。
しかし実際に活躍している人の中には、日本フードコーディネーター協会が実施する、国内唯一のフードコーディネーター資格のフードコーディネーター資格認定試験を受けて、1~3級の資格を所持している人が多いです(注1)。専門学校や通信教育を通して資格取得に励む人も少なくありません。
現場の経験が最も大事と言われる種類の仕事ではありますが、体系的な知識を身に着ける点で資格取得のための学習は効果的です。
調理師や栄養士や管理栄養士、野菜ソムリエやフードスペシャリストなど、様々な資格を取得していると食の専門家として箔がつくこともあり、資格取得を頑張っている人も多いです。
フードコーディネーターは勉強熱心であること
食の世界は非常に広く、どんなに頑張って勉強しても全てを網羅するのは事実上不可能です。
時代によってもニーズや食を取り巻く環境は違っているため、常に勉強して最先端の知見と技術を備えておくことが必要です。食だけでなく、デザインやお皿、配色など、食に関わる様々な知識も必要となります。
ニーズをくみ取ることができるコミュニケーション能力
フードコーディネーターを名乗るだけで仕事が降ってくることはありません。フードコーディネーターとして仕事を得るためにも、周囲のニーズをくみ取り自分のアイデアを正確に周囲に伝えていくためにもコミュニケーション能力は必須となります。
五感に訴えることができる視覚と味覚のセンス
フードコーディネーターは視覚や味覚などの五感に訴える仕事ですので、そのためのセンスが絶対的に重要となります。
「自分では美味しいと思うけど周囲はそう言ってくれない」ではなく、周囲が美味しいと感じてくれるものを作ること、そしてそれを魅力的に演出するセンスが必要となります。
才能というよりも、多くの経験から育まれる面が大きいため、特に実力あるフードコーディネーターの下で学ぶと自然とセンスも身に着きやすいです。
フードコーディネーターの仕事はキャリアプランをしっかり作ろう
フードコーディネーターの仕事は、一言で言えば「食と密接に関わるお仕事」です。その関わる範囲は非常に幅広く、食に関わる周辺知識も必要となってきます。
仕事の対象となる範囲が広い分、しっかりと自分の専門分野を作っていかないと、埋もれてしまいやすい面もありますので、フードコーディネーターとして仕事をしていきたいという人は、キャリアプランをしっかり持っておく必要があります。
大好きな「食」を仕事にできる、非常に魅力的な仕事ですので、興味のある人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。