客室乗務員になるにはどうすればいい?
客室乗務員になるには、大学を卒業していないと航空会社の採用試験すら受けられません。男女に関係なく憧れる職業として挙げられるキャビンアテンダントは、華やかなイメージとは裏腹に大変な職業です。今回は客室乗務員のなり方を中心に、平均年収や就職先、仕事内容などを紹介します。
客室乗務員になろう
仕事や旅行で飛行機を利用する際お世話になるのが客室乗務員、いわゆるキャビンアテンダントと呼ばれる方々です。容姿や立ち振る舞い接客態度などに憧れる方も多くいます。また、高収入のイメージも相まって女性のなりたい職業では常に上位に入っており、最近では男性の客室乗務員もよく見かけるようになりました。
人気の職業である客室乗務員を目指す方はぜひ、客室乗務員になるための方法や必要資格の有無などを客室乗務員の仕事内容と併せて紹介するのでご覧ください。
客室乗務員になるための道は2つ
客室乗務員になるためには、航空会社の採用試験を受けて合格すればよいわけですが、そう簡単にはいきません。大きく分けて2つ、客室乗務員を目指す方が通る道があります。
1 大学・短大で学ぶ
客室乗務員になるためには、基本的に大学か短大、専門学校以上の卒業資格が求められます。しかし、なにか特定の学部を出ていなければならないというわけではありませんので、高校卒業後(高校卒業資格認定の取得後)に自分の学びたい学部に進学すればよいのです。しかし英文科や国際学部など、英語や外国語に関連する学部出身であれば、採用試験時に大きなアピールポイントに繋がります。
2 エアラインスクールで学ぶ
最近では、客室乗務員になることを目的としたエアラインスクールと呼ばれる短大や専門学校もあります。エアラインスクールでは、客室乗務員に求められるスキルや技術を専門的に学ぶことが可能です。
他の職業ではなく、客室乗務員になりたいという強い希望がある場合はエアラインスクールは1つの道となります。また、仕事をしながら通える夜間開講の講座を設けているスクールもありますので、子供の頃の夢を叶えたいという方にもおすすめです。
客室乗務員になるためにはTOEIC資格があると有利
客室乗務員になるのに特別な資格は必要ありませんが、持っていると採用時に有利に働く資格はあります。特に、英語力の指標としてよく使われる「TOEIC」に関してはある程度のスコアを取っておくほうが良いとされています。
実際、採用試験の応募資格として「TOEIC」のスコアを掲げている会社もありますし、大手航空会社では600点以上のスコアか、それに準じた英語力を持っていると証明することが必要なケースもあります。外資系航空会社ではさらに高い英語力が求められることは言うまでもありません。また、その他の外国語も学んでおくとさらに有利になるといえます。
その他、採用試験でアピールしやすい資格としては手話検定や秘書検定、緊急の事態に対処できる医療や看護系の資格もアピールポイントになります。その他、お客様の要望に応えらることを目的とした資格や、パソコンの基本操作の資格などもあって損はありません。
客室乗務員に必要なスキルとは?
客室乗務員は常に乗客と接しているため、必要なスキルがいくつか考えられます。対人スキルだけでなく、自分に対するスキルも必要です。
スキル1 お客様と接するスキル
客室乗務員として当然必要なものが接客のスキルです。もちろん研修棟でしっかり訓練されるわけですが、空の上ではすべてがマニュアル通りにいくとは限りません。その場その場で臨機応変に対応できる接客スキルが求められます。
時にはほかの乗客に対して迷惑をかける乗客に対して毅然とした態度で注意する勇気も求められることがあります。物腰柔らかに、でも断固とした態度をとる図太さが必要です。
スキル2 他の人と協力しながら働くスキル
客室乗務員は1人で仕事を行っているわけではなく、他の客室乗務員や操縦士、地上係員、整備士等とのチームプレーが重要となります。個人的な能力はもちろんのこと、様々な運行関係者との良好な関係性を保ちながら、チームとして乗客を安全快適に目的地に届けるスキルが求められます。
スキル3 スケジュールをそつなくこなす自己管理のスキル
客室乗務員は体力的にも精神的にも大変な職業ですが、キツイ状況の中にあっても冷静さを保つような努力が求められます。立ち振る舞いや表情・言葉遣いはもちろんのこと、時差への対応や仕事におけるスケジュール管理など、自己管理の高いスキルが求められる場面は多くあります。
客室乗務員の仕事内容とは?
女性に憧れの職業を聞いた場合に必ず上位に来るのが「客室乗務員」いわゆるキャビンアテンダントという職業です。客室乗務員のイメージは、飛行機に乗ってこられるお客様に対して様々なサービスをする様子が頭に浮かびますが、実はそれだけではないのです。
業務1 お客様に快適な移動を提供する接客業務
客室乗務員は、仕事や旅行などで飛行機を利用するお客様に、快適な移動をしてもらうために日々努力しています。座席への誘導や収納スペースへ荷物を収納するお手伝いはもちろんのこと、運行中の飲み物(海外への渡航であれば食事)の提供・離着陸時の安全確保のための説明など、接客業務の内容は幅広いです。
また、海外への渡航であれば、入国手続き書類記入のお手伝いなども接客業務の1つですし、お客様からの様々な質問や要望に対してできる限り答えることも業務になります。また、高齢だったり幼年だったり、障がいを持ったお客様がいた場合は、他のお客様とは違った対応も求められます。
業務2 お客様を安全に目的地まで届けるための保安管理業務
客室乗務員には客室内の保安管理業務を行うという大切な業務があります。つまり、客室内でのトラブルに対する対応を任されているということになります。何か不測の事態が起こり、お客様がパニック状態に陥ったり転倒などにより怪我をしたりするようなことがあれば、大きな問題になりかねません。客室乗務員は機内の状況変化に迅速的確に対応し、着席を促したり機内放送を行うなど、不安を取り除くための対応をしなければなりません。
その他にも、急病人が出た場合の対応や、機体自体の故障による緊急着陸ならびに脱出の誘導、乗客間トラブルへの対応、ハイジャックの防止対応など、乗客の安全確保のための保安管理業務は重要な業務であるといえます。
客室乗務員としての就職先はJALとANAだけではない
客室乗務員として就職する先はもちろん航空会社ですが、以前はJALとANAの大手2社に限られていました。現在は格安航空会社(LCC)といわれる会社が多数登場してきていますし、外資系の航空会社が日本で募集を行う場合もあります。過去に比べると、現在の客室乗務員という職業は「狭き門」という程ではなくなってきています。
大手航空会社は毎年一定人数の募集があり採用時期も決まっていますが、それ以外の航空会社では必ずしも定期的な採用があるとは限りません。特に外資系航空会社では一般的に定期的な募集はなく、人員が不足した際にのみ募集があるので外資系の会社で働きたい場合には注意が必要です。
客室乗務員の年収は下がってきている
客室乗務員には高給とりのイメージがありますが、最近では格安航空会社(LCC)参入による過当競争などもあり、一概にはいえなくなってきているようです。平成20年の客室乗務員の平均年収は612万円だったのに対し、平成27年は471万円と下がっているので、平均年収自体は低くなっていることがわかります。
しかし、これはあくまでも平均で、所属する航空会社の規模によってその年収にも差が出てきています。例えば大手といわれる航空会社に所属する客室乗務員の平均年収は546万円ですが、中規模航空会社では452万円・小規模航空会社では409万円となっています。
また、同じ航空会社の客室乗務員間でも勤務年数で大きく差が出てくることがわかっています。実際に年齢ごとの平均年収を見てみると、20から29歳は268万円から334万円程度ですが、30歳から39歳は267万円から419万円・40歳から49歳は350万円から527万円・50歳から59歳は455万円から560万円というようにそのキャリアに合わせて上がります。
客室乗務員になるには大卒資格持ちが有利
客室乗務員は以前から女性の憧れの職業の上位に来る存在でした。華やかな印象や立ち振る舞い、高収入というイメージがありましたが、近年の航空不況や格安航空会社(LCC)の参入などにより、様相は変わってきています。とはいえ、憧れの職業であることは変わりなく、目指している人も多くいます。
客室乗務員になるにはどうすればよいのかという情報をしっかり知ることにより、自分で自分の客室乗務員への道を切り開いて進んで行きましょう。