職業/働き方

カラーセラピストとは?資格の取り方と仕事内容

カラーセラピストとは色を使って人の悩みを解消する手伝いをする仕事です。カウンセリングとカラーリングに関するアドバイスを送るカラーセラピーが主な仕事のカラーセラピストの、働くやりがいや苦労、資格の取得方法をまとめました。活躍するのが難しいカラーセラピストについて紹介します。

カラーセラピストとは?

カラーセラピストとは、カラーセラピーの施術を行う人のことを指します。そもそもカラーセラピーとは、色を使って人間の心やからだの状態を良くする心理療法で、「色彩療法」とも呼ばれています。心身への影響が大きい自律神経は、色によって働きに変化をもたらすことが分かっています。

例えば夜なのに目が冴えて眠れないときは、活動をする神経である交感神経が働いているために眠れないので、休息を促す神経である副交感神経の働きを活発にする必要があります。カラーセラピストはこういう時に、寝具や部屋のインテリアに青や緑などの寒色系を用いることで副交感神経が刺激され、眠りにつけるようになります。

このように色を用いて相談者の心身を健康に導くのが、カラーセラピストです。カラーセラピストを目指している方、興味がある方に向けて詳しくまとめたので参考にして下さい。

カラーセラピストの仕事内容とは

カラーセラピストのお仕事は、主にカウンセリングとアドバイスです。色の見え方や感じ方は人によってそれぞれ異なりますので、丁寧にヒアリングしていきます。例えば、青に対して「冷静、クール、安全な」というイメージを持つ人がいれば、「悲しみ、滅入る、冷ややか」という印象を受ける人もいます。

丹念に相談者の感性や悩みを聞き、悩み事や問題に対してどんな色を使ったら良いのかをカウンセリングします。そして、その色を日常にどう取り入れたら良いのかをアドバイスし、生活環境を整えるお手伝いをします。

カラーセラピストの資格

実は、カラーセラピストとして働くには資格は必要ありませんが、お客様から料金をいただいて相談を受けるので、信頼のためにも資格は取っておくべきです。カラーセラピストの資格は民間資格なので、提供している団体ごとに試験も難易度も異なります。代表的な資格を3つ挙げていくので参考にして下さい。

1 日本能力開発推進協会(JADP)

日本能力開発推進協会が主催する試験に合格すると、カラーセラピスト資格の称号が付与されます(注1)。試験は年に6回、1回5,600円(税込み)で受験でき、しかも気軽に自宅で試験を受けられるので人気です。

受験資格には同協会が認定する教育を受ける必要があり、そのカリキュラムを全て修了しなくてはいけません。カリキュラムは通信講座で受講できます。

2 日本アロマメディカル心理セラピー協会(JAAMP)

日本アロマメディカル心理セラピー協会が主催する試験に合格すると、カラーセラピストとして認定されます(注2)。試験はJADPが行う試験と同様に年6回開催されており、1回10,000円(税込み)で受験できます。こちらも在宅受験なので、会場に足を運ぶ必要がなく挑戦がしやすいです。受験資格はなく、特定のカリキュラムを受ける必要もないので、独学で勉強をしたい人におすすめです。

3 株式会社トゥルーカラーズ

トゥルーカラーズが提供する講座を受講すると、TCカラーセラピストとして認定されます(注3)。先述の2つと違い、こちらは試験が不要で講座の受講のみでカラーセラピストになれます。カラーセラピストになった後に受講ができる講座も用意されており、段階的に技術を身に付けられるようになっているので、レベルアップを目指している方におすすめです。

カラーセラピスト資格取得までの費用や期間

カラーセラピストの資格を取得するための学習方法には通学、通信教育の2つがあります。試験は受講する講座の会社によって異なるので、試験内容と自分の勉強したいことを照らし合わせて選ぶことが大切です。人によっては複数の試験に合格し、幅広く学習をしている人もいるので試験の併用もおすすめです。

通学する場合の費用

通学をする場合は通学機関にもよりますが、費用は大体10万円以内に収まります。期間は2か月から半年が一般的で、通信講座より費用も時間もかかりますが、勉強をする時間を確保できるので確実に試験に合格したい人におすすめです。また、周りに自分と同じ目標の人がいるので情報共有でき、今後の仕事に役立つことがあります。

通信講座の場合の費用

通信講座の場合、費用は5万円以内のところがほとんどです。期間は2か月から4か月程度と短いうえに、自分の好きな時間に勉強ができるので、仕事や家事などの合間を縫って勉強したい方におすすめです。費用の負担も少ないので、時間と費用を節約したい方は通信講座を選ぶとよいでしょう。

資格を取得後カラーセラピストとして活躍するには

カラーセラピストとして活躍できる場は、サロン、介護施設、ファッション業界、インテリア業界などさまざまです。サロンではお客さんがリラックスできる色のタオルを使用して施術をしたり、ネイルサロンではお客さんの気分に沿った色を取り入れたデザインを提案します。介護施設では、高齢者の方にとって過ごしやすい空間づくりを提案したり、一人一人に対してリラックスできる色のグッズをプレゼントしたり出来ます。ファッション業界では色の知識を活かしたコーディネートを考え、インテリア業界では家具やカーテンなどを使って過ごしやすい空間の演出に従事することができます。しかしこれらの仕事はカラーセラピストの資格だけでは足らず、介護士の資格やインテリアコーディネーターの資格も必要になってきます。

カラーセラピストの資格のみで活躍したい人は、出張カラーセラピーという仕事がおすすめです。出張カラーセラピーとは、新しくオープンするカフェや新設オフィスのコーディネートをする際に、どんな配色にした方がリラックス出来るかをアドバイスする仕事です。独自のオフィスを必要とせず、電話やメールで対応したり依頼人の元へ出張するなどで対応をします。

いかに依頼人を確保できるかが勝負なので、営業の経験があったりコミュニケーションが得意だったりすると、活躍の場を広げられます。また、カラーセラピーの知識に自信がある方はカラーセラピーについて教える立場として働くことも可能です。テキストを販売したり講師として生徒を受け持ったりできるので、スクールなどの求人情報をこまめにチェックしてみると良いでしょう。

カラーセラピストの収入

カラーセラピストの平均収入は15万円程度です。カラーセラピストの資格を持っているからといって就職に有利になるわけではありませんし、カラーセラピストとして働いていても決して余裕を持って生活をできる金額は稼げません。

カラーセラピストの資格のみでは収入のアップは難しいので、他の資格も取得することをおすすめします。例えばネイリストの資格を取得することで、美容院やネイルサロンに就職でき安定した収入を手に入れられる可能性があります。カラーセラピーもできるので他のネイリストとの差ができ、指名されることもあるのでインセンティブ収入も期待できます。

カラーセラピストのやりがいや苦労

カラーセラピストのやりがいは、たくさんの人に癒しを提供できることです。ストレス社会に疲れている人を癒せるのは素晴らしいことですし、その人から感謝の言葉を言われたり表情が明るくなったのを見ると、カラーセラピストになって良かったと感じるでしょう。また、カラーセラピーは自分や家族に対しても行えるので、日常の生活でも活躍する能力です。

カラーセラピストとして苦労をすることは、就職が困難であることと収入が少ないことです。カラーセラピストの資格のみで就職をしようとしても見つけられないので、資格取得後はとても苦労します。また、就職したり独自でサロンを経営したりしても収入が高いとはいえないので、やはり他の資格も取得しておいた方が選択肢が広がります。

カラーセラピストとは人を癒す色のスペシャリスト

ストレス社会で生きる子どもから大人まで様々な悩みを抱えており、問題を解決する手段の1つがカラーセラピストによるカウンセリングです。毎日目にする「色」は生活から切り離せないものであり、心身に様々な影響をもたらします。一色一色効果が異なる「色」を駆使して悩みを解決に導くカラーセラピストは、これからの時代において需要がさらに高まるでしょう。

色のスペシャリストとして、沢山の人の心を元気にするカラーセラピストとして働いてみてください。今の仕事のレベルアップにもおすすめの資格ですし、気軽に受験できるので、一度取得を目指してみましょう。