仕事のやりがいとは?感じられない人の見つけ方・見出し方
仕事にやりがいを感じていますか?感じている人は、どんな時に感じていますか?また、感じていない人はなぜ感じることができないと思いますか?仕事のやりがいといっても、性別や価値観によっても、何にやりがいを感じるかは様々です。自分が仕事に対するやりがいを見つける方法を紹介します。
仕事はやりがいがあったほうが楽しい
昔の人は、社会に出て仕事をすることは大変であることを「男子家を出ずれば7人の敵あり」ということわざで表しました。これは男の人が玄関の敷居をまたいで家を出たら、そこにはたくさんの競争相手や敵がいる。つまり仕事をしてお金を稼ぐことは、楽しいことよりも、難しいことや苦労が多いということを伝えています。
しかし最近では、昔のように仕事は「辛く」「苦労が多い」ことだけでなく、いかに「やりがい」「生きがい」が感じられるか、といったことが注目されています。
まずは、仕事のやりがいとは何なのか、そして仕事のやりがいの必要性について考えてみることにしましょう。
仕事のやりがいとは?
大学を卒業し23歳から60歳の定年まで、一日9時間、週休二日で働くと仮定すると、一年で2160時間、82080時間も働くことになります。祝日やお盆、年末年始を含めるともう少し少ないかもしれませんが、実際、一日の労働時間は見積もり以上のことがほとんどでしょうし、さらには今後定年の時期が延びることを考えれば、もっと多くの時間を仕事のために費やすことになります。
もし仕事がただつまらなく辛いだけにしか感じないのであれば、それは人生の多くの時間をつまらなく辛いことに費やしていることになります。そもそも、仕事のやりがいとは何でしょうか?そして、人はどのようなことにやりがいを感じるのでしょうか。
仕事のやりがいとは、自分がやった仕事の成果がどういうふうに会社に生かされて、どう評価されるのか、それによって何を得られ、自分の将来にどう繋がっていくのか。このことを考えた時、自分なりに得られる満足感が「仕事のやりがい」と言えます。
仕事のやりがいには主に「評価」「報酬」「将来」の3つの要素がありますが、どれを重視し仕事のやりがいに結び付けるかは、人によって異なります。収入面でやりがいを感じる人もいれば、お金ではなく業務内容に興味を持てなければやりがいを感じられない人もいます。
仕事のやりがいを感じることは必要なのか?
最近は「好きを仕事に」「昔からの夢を叶えて~になりました」というような人ばかりがクローズアップされています。では、「好きを仕事に」できない人、していない人は、負け組なのでしょうか?そうした人は、仕事のやりがいを感じることはそもそも無理なのでしょうか?
もっと言えば、仕事のやりがいを感じることは必要なのかという話になりますが、仕事のやりがいを焦って見つける必要はありません。ただやりがいを感じながら働くほうが、仕事に対するモチベーションアップにも繋がるでしょう。
「やりがい」と言うと、まるで水を得た魚のように、自分にしかできない仕事を生き生きとやっている人が言うセリフのように思ってしまいますが、そうではありません。仕事を通じ、お金という対価を頂く以上、それは誰かの役に立っていること。やりがいに上も下もありません。誰であっても、どんな仕事であっても、考え方一つ、見方一つで「やりがい」を持つことはできるのです。
誰しも、仕事に行き詰まりを感じた時、自分に言い訳をしてしまいます。それは多くの場合、「自分はこの仕事に向いていない」「好きなことを仕事にしているわけではないから、やりがいを持てない」というもの。それは、半分当たっているのかもしれませんが、半分間違っています。
なぜなら、やりがいは「好きを仕事に」している人だけの専売特許ではないからです。誰に対しても、どんな仕事に対しても、門戸は開かれています。あなた自身が、今の仕事にやりがいを見出したいと思いさえすれば。
仕事のやりがいの見つけ方
ここでは、仕事のやりがいの見つけ方を紹介します。今やっている仕事のやりがいを見いだせなくて、転職を考えている人もいるかと思いますが、仕事のやりがいは必ずどこかにあるはずです。ぜひ仕事のやりがいの見つけ方を知って、前向きな気持ちで仕事に取り組めるようにしましょう。
1.生き生きと働いている人の考え方や行動を真似る
職場には、必ず周囲の人から頼られ、生き生きと働いている人がいるはずです。そういう人を見つけたら、ランチに誘ってみるなどして、色々と話を聞いてみましょう。
仕事のやりがいを感じながら働いている人の思考法やメンタルの維持方法は、実際にその人と話したり、行動を観察したりすることで、自分の中にも取り入れることができます。同じ仕事を与えられても、与えられた仕事以上に結果を出そうと努力する人もいれば、与えられた仕事をいかに低燃費でこなすかということに尽力する人もいるのです。
前者と後者は、何も生来の働き者だとか怠け者だとかいう違いではなく、ひとえに「習慣」と「意識」の差だと言えます。自分の周囲に前者のようなモデルが多ければ、自然に自分自身もそのようになれるはずです。
2.自分の仕事が誰の役に立っているかを深く考えてみる
営業など直接外部とやり取りできる職種なら、自社の商品を使うユーザーや消費者を思い浮かべるのが分かりやすいかもしれませんが、例えば経理や総務などの内勤の場合、直接的に自分の仕事が誰かの役に立っていると感じることは難しいかもしれません。
ですが、たとえ誰でもできる仕事であったとしても、誰かがそれをしなければ困る人がいるのです。それをやることで、助かる人が必ずいます。自分がやる仕事自体はとても些細なことに感じられても、会社全体の仕事の中では意味を持ったものだと理解することで、やりがいを感じることができるようになるでしょう。
3.ミスなく書類作成ができたなど小さな目標を立てる
「今日はいつもより〇件多く訪問できた」「昨日よりも〇件多く電話をかけられた」「ミスなくタイピングできた」「資料を整理して見やすくできた」など、小さな目標を立てて、それを達成することを毎日積み重ねることで、仕事のやりがいが生まれます。
仕事に関することなら、どんなことでもかまいません。まずは自分なりの目標を立てることから始めてみましょう。毎日続けているうちに、何かしらやりがいが見えてきます。
4.家族を養うためと考える
扶養すべき家族がいる人は、直接仕事自体にやりがいを感じられなくても家族を養うために働くという根本的なことを再認識し、そこに仕事のやりがいを見出す方法もあります。
実際、家族の笑顔のために、仕事を頑張ろうと毎日奮闘している人も多いでしょう。大切な人のためにという思いがあれば、それが仕事のやりがいになっていきます。
5.仕事以外に楽しみを見つける
これも仕事自体にやりがいを感じられないけど、何とかやりがいを見つけたい人におすすめの方法です。例えば仕事帰りにずっと欲しかった服を買いに行く、週末に友達と行く旅行の計画を立てるなど仕事以外で楽しみを見つけるようにしましょう。
仕事終わりに楽しみが待っていると思うことで、仕事へのモチベーションも維持できます。仕事のやりがいの見つけ方とは少し違うかもしれませんが、仕事がつまらない、辛いそれだけを思って働くよりも、後の楽しみのために気分を上げつつ、働いたほうが良い仕事ができるはずです。
「仕事のやりがい」は男性と女性で違う
一般的に男性は仕事のやりがいを「収入」と「専門性」に見い出し、女性は「人に感謝される」ことに見い出す傾向があると言われています。
男性では、養わなければならない家族がいる場合、収入の高さが大切になります。同時に自分にしかできない専門性の高さにも仕事のやりがいを見いだす男性が多いです。臨床関係やコンサルタント業など専門性が高ければ、その分高い報酬が得られる仕事も少なくありません。女性は子育てなどで一時仕事を休止せざるを得ないことが多いため、美容師や看護師などの職業が子育てが一段落してからも復帰しやすく人気です。
やりがいのある仕事とはどんなもの?男女別ランキングTOP3
先述したように、人によって何にやりがいを持つかは違いますが、やりがいのある仕事というと、一般的にどのようなものが挙がるのでしょうか。
男性がやりがいを感じられる仕事
1位 臨床・治験関係
理由:専門性が高く、社会貢献性の高い「健康」に貢献できる。
2位 秘書
理由:周囲から評価され、仕事を通じて毎日成長できる分野。
3位 コンサルタント
理由:自分にしかできない仕事で、プロセスから結果まで自分次第というやりがいがある。
女性がやりがいを感じられる仕事
1位 美容師・理容師・アシスタント
理由:専門性があり、技術が必要でお客様に喜ばれた時に成長とやりがいを実感できる。
2位 貿易事務
理由:技術通訳が上手くできた時など、社内とクライアント間の人の間に立つ仕事ならではのやりがいがある。
3位 看護師
理由:退院した時、病状が快方に向かった時に患者さんに感謝される。ハードな局面も多いが人の役に立っていると実感しやすい。
仕事のやりがいは自分で見つけることが大事
些細なやりがいや達成感を積み重ねていくと、「この仕事を任せてみようか……」と上司に思われたり、得意先から仕事がもらえたりと、これまでと違う仕事が舞い込むことだってあるのです。大切なのは、どんなに小さな仕事でも軽んじることなく、後回しにしないことです。
そうすることで周囲から信頼され、任せてもらえる範囲が広がっていきます。もしかしたらそれは、学生時代にあなたが思い描いていたような「やりがい」ではないかもしれませんが、好き嫌いではなく、まずは着実に目の前の仕事に全力投球することが、いつか本当に「やりがい」のある仕事に巡り合うための一歩となるはずです。
今回紹介した仕事のやりがいの見つけ方を参考に、自分でやりがいを見いだすようにしましょう。仕事のやりがいは人から与えられるものではなく、自分の力で見つけることが大切です。