左遷されてもしぶとく生きる!人事異動の理由と切り替え方
左遷されるとこの世の終わりだと思っている人も多いはず。しかし、一言で左遷と言っても実は2通りの捉え方ができるのです。万が一、人事異動で左遷されても必要以上に落ち込むべからず!左遷を前向きに捉えてチャンスを掴む対処法をご紹介。ピンチをチャンスに変え、しぶとく生き残っていきましょう!
左遷は地獄への第一歩?!あなたの知らない人事異動の真実とは
テレビドラマや映画などでも良く使われる「左遷」という言葉は、一度聞いたら耳を離れない・社会人にとっては地獄のささやき。特に中間管理職の人は「なんでオレが?!」「どうして私が?!」というショッキングな人事異動を経験される人も少なくありません。
しかし、その左遷、本当に地獄への第一歩なのでしょうか?ここでは、「左遷」という言葉に隠された人事異動の真実と、左遷からチャンスを掴む人の前向きな考え方を伝授します。ピンチなときこそ変われるチャンス!落ち込んでる暇がもったいないですよ!華麗なまでにしぶとく生き抜いてやりましょう。
「飛ばされた!」と誰もが叫ぶ「左遷」とは何か?その語源とは?
毎年3月頃に耳にする「左遷」とは?!
3月は人事異動の季節。自分の働きがどのように評価されているかを実感できる緊張する時期でもあります。そんな中、「やられた!」「飛ばされた!」という心の叫びが聞こえてくる「左遷」は、決してポジティブではありませんし、夢のある言葉でないことは容易に想像がつくかと思います。
「左遷される」ということは、「今までよりも低い地位や閑職に移されること」を意味します。したがって、誰もが自分を否定されたかのような気分を味わい、ましてや誰もが情報を共有する人事異動で惨めな姿を大々的に公表されることから、左遷される本人にはかなりのショックが待っているのです。
「左遷」の語源は中国の漢語から
「左遷」という言葉の由来は中国の漢語から来ています。中国では、右を上位として見る考え方から、右が左よりも低い位にあたるためこのような言葉が生まれました。日本では「右大臣」「左大臣」という二つの地位があり、左大臣の方が地位が高い、権力が強いという部分は中国の右上位の考え方には反する形になります。ですが、昔から「○○さんの右に出る実力者はいない」という、右に出るものはいない、という右を尊敬する考え方がうかがい知れる言葉はあって、漢語から入ってきた「左遷」という言葉が自然と社会に溶け込んできたのかもしれません。
その左遷、あなたの勘違いかも?!どんな人事異動にも意味がある
左遷されたからと言って、人事の決断をどのように捉えるかも本人次第。
ましてや上司や人事部の思惑が、自分が想像するものとかけ離れている可能性もあるため、すぐに「人生終わった!」などと悲観的になるのはいかがなものか!と思うわけであります。
それでは、ショックでなかなか見えづらい左遷の側面をチェックしてみましょう。
自分の失敗・能力不足による左遷
大小問わず会社にとって多大なる不利益を出してしまうようなミスをしてしまったり、何をしても周囲に迷惑をかけてしまう能力不足な人材はリストラや左遷候補にされてしまいます。
こちらに自分でも自覚があるときは、「左遷」を言い渡されたとき「クビにならなくてラッキー♪」と楽観的に捉えるか、「ついに厄介払いされた」と落ち込むかはその人次第、ではないでしょうか?
会社の教育システム上の左遷
社員を一定の教育システムに乗っ取って人事異動させる場合「○○さんには来年営業の経験をしてもらおう」「今までしてこなかった○○に挑戦してもらおう」という考えが隠されている場合があります。
当の本人は自分が望まない移動先に「正当な評価をしてもらえていない」と不安になりますが、実際にはちゃんとした理由があるのです。
上司や同僚とのウマが合わずに飛ばされる左遷
実力もあり出世もして会社にとっては申し分のない人材であっても、仕事場では常に人間関係がベースにすべてが回っています。仕事ができるからこそ、その存在がプレッシャーになり過ぎて周囲との亀裂が生じることもあるかもしれません。特に上司とウマが合わないと、どれだけデキる社員であっても左遷の対象になってしまいがちです。
お互いにウマが合わないと思っていたら、その対象がいない左遷先なら変に気を使ったり嫌な思いをすることなくビジネスの効率も上がりますし、プライベートも心置きなくエンジョイできますよね。そうそう、左遷先では第一印象が大切ですよ、表情、声色、服装はぬかりなく!
自分のスキルに見合った正当な左遷
人事異動があると多くの人が不満・不平を口にします。しかし、人事や上司からすると、これからスキルアップしていってもらう上での正当な異動であり、「落ち込むどころか頑張って欲しい」というのが本音です。
なぜこのような気持ちの格差が生まれるのかと言うと、それは社員があまりに自己評価が高いことが挙げられます。「自分はもっと上を目指せるのに」という気持ちが、正当な人事異動であっても受け入れられない原因のひとつであるのかもしれません。
会社の思惑通り?!社員が左遷の人事異動に過敏になってしまう背景
毎年人事異動の季節がやってくると、誰もが不安を抱えて上からの決定を待ちます。なぜ、そこまでして私たちは人事異動に過敏になってしまっているのでしょうか?自分さえしっかり働いていれば、それなりの結果を会社が提供してくれるのが道理のような気がしますが、実際には、日本の会社において実力主義な社風を掲げる所はまだ少なく、誰もが今の会社にしがみついて見えない敵と戦っているといえるのかもしれません。
その背景には、日本独自の「新卒一括採用」「長期雇用」「年功制賃金」などと言った会社の方針スタイルが、私たちに見えないプレッシャーと競争心をあおる引き金となっています。
同期と同じスタート地点から働き始め、「勤務○年ではこのくらいの実力」という基準が会社の中には暗黙の了解で定められています。
そういった理由からズバ抜けてデキる社員をひたすら優遇するよりも、会社が全体的に活性化するように頻繁に人事異動を行って社内の一体感・バランスを取ろうとする傾向があり、ときとしてそのバランスは出世頭でもある中堅管理職の立場の人にも及び、会社の統制を測るために「左遷」という異動を言い渡されることがあるのです。
使い方に要注意!天と地の差がある「左遷」と「栄転」の違い
特に若い世代の人に注意して頂きたいのが、「左遷」と「栄転」の違いです。
人事異動にも様々な種類がありますが、極端に明暗を分けるのがこちらのふたつの言葉。その人・その状況によって言葉の捉え方が違ってくるため、使い方を間違えると相手の人に失礼な発言をしてしまうことになります。
「栄転」とは「左遷」の反対語であり、異動や転勤によって社内での地位や希望する役職に就くことができた際に使われる言葉が「栄転」です。
しかし、場合によっては「栄転」のはずがその人にとっては「左遷」である…なんて捉え方の違いも発生しないとは限りません。その判断基準を吟味してから言葉を使うようにしましょう。
本人が喜んでいれば「栄転」
人事異動を言い渡されたその人自身が望んだ異動であれば、それは他人がどう言おうと「栄転」に間違いはありません。たまに誰かの出世を羨んで「あんな部署に異動なんて左遷だな」などと言う人もいますが気にしないようにしましょうね。
社内で不人気な部署・場所への移動は「左遷」
都心から地方への転勤が言い渡され、個人的には「都会よりも良い」「子供と暮らすには良いトコロだな」「尊敬できる○○さんもいるしな」なんて移動先にメリットを感じたとしても、社内で不人気な場所・部署へ移動を言い渡された人にとっては「左遷」になります。
出世に思えても落とし穴があり?!は「左遷」かも
出世は誰にとってもポジティブなことですが、その内容をじっくり探ると「もしかして左遷?!」と思わずにはいられない状況もあり得ます。
本社の係長から部長に昇格したものの、移動先が極端な僻地であった場合、多くの人が「出世しなくていいから本社に残りたい」と思うのではないでしょうか・・・。
左遷させられた!けれど挽回のチャンスあり!その対処法とは
左遷させられたからと言って、即効で会社に見切りをつけ自ら退職して新しい人生を切り開いていける人はそう多くはありません。もし、自分の力不足が原因の左遷であるならば、新しい職場でその挽回のチャンスを狙うべきとも言えます。その際に必要な3つのステップがこちら!
ステップ1.左遷理由を上司や人事に確認する
なかなか聞きずらいことではありますが、異動を受け入れるのであればその理由を聞く権利くらいはあるはずです。もしかすると自分の思っていたよりも軽い決断で、頑張り次第では元の職場に戻れるチャンスだってあるからです。このような希望がある場合には、この時点で書面上の交渉をしておくと目標を持って働けます。
ステップ2.被害者意識を捨てて状況を把握する
左遷させられるとかなり落ち込みます。ましてや物理的にも変化がある異動の場合、引っ越しや家族の将来なども考えなくてはなりません。会社への不満・不信が募る一方で、仕事を辞めるに辞められない状況。しかし、異動先で働くという選択をしたならば、まずは自分に集中している意識を新しい職場・周囲の状況に向けるようにしてみましょう。
自分の視点を変えることで、左遷された理由やどう働いていくべきか…など落ち着いて自分を見つめ直すことができるからです。異動先では今まで以上に周囲の人とのコミュニケーションを取って、自分がどのように職場に貢献していけるのかに集中しましょう。
ステップ3.左遷の異動先で結果を出す!
決して自分が納得のいかない左遷であった場合でも、次の職場で良い成績・結果を残すように努力することが新たに出世・元の職場に返り咲くチャンスに繋がります。もちろん転職にも強いスキルを身に付けたり、より会社にとって・他の企業にとって・社会にとって必要とされる人材になるための自分磨きを頑張ることが大切です。
左遷を新たな人生の門出に!気持ちひとつで未来は変わる
左遷されたことがきっかけで大きなチャンスを掴む人も沢山います。もちろん誰もがショックを受けたり落ち込んだりしますが、マイナスなことをプラスに変える考え方ひとつで新たな人生を掴むきっかけにもなるのです。
極端に左遷を恐れることにメリットはありません。会社の評価を不必要に怖がらずに、まずは「左遷の理由」をしっかりと確認して、そこから「自分は何ができるか」に意識を集中させて見えない自分の可能性を広げていきましょう!