会社の飲み会の席順で参加者の満足度をアップする4つのポイント
飲み会の席の決め方は、社会人と学生で大きく異なるものです。その変化に対応することがうまくできずに、飲み会に苦手意識を持つ人もいます。仕組みと考え方を理解できると飲み会の席の楽しみ方や見え方も違ってきますので、一度勉強してみましょう。
社会人は飲み会の席順にこだわるもの
学生から社会人となり、新入社員という立場で飲み会の席に臨むことになると、非常に難しいと感じたり煩わしいと感じたりするのが席次や席順の問題です。誰がどこに座るのかを、そこまで綿密に考えなくても良いのではないかと思う新入社員も多いのですが、ビジネスマナーでは誰を敬うのかを明確にすることを大切にします。
慣れてくると途中から参加したとしても、どういう目的の飲み会なのかを席順を見るだけでわかったりします。意味なく形式的に行っていることではないのです。新入社員は、社会人として恥ずかしくない、飲み会の席についての基本とマナーを押さえておきましょう。
飲み会の席における上座下座って何?
飲み会の席に限ったことではありませんが、部屋には偉い、目上の人が座る「上座」と目下の人が座る「下座」があります。
部屋の形状によって位置は多少変わりますが、入口から遠い席が上座となり、入口に近い席が下座となります。会社の飲み会なら、社長や役員、上司たちが上座となりますし、新入社員や平社員は下座に座るのが基本です。
上座下座は、もともとは室町時代にできた書院造りという部屋のスタイルから出てきた言葉で、床の間と呼ばれる部屋の奥には仏画などが配置されていました。そこに背を向けても大丈夫なほど偉い人がそこに座ることになっていたことから、その名残が今にも残っています。また、緊急の事態においては、敵対者からの攻撃から守るために部屋の上座に目上の人が座っていました。
逆に下座は部屋の内外をつなぐ場でもあるため、飲み会では年齢・役職に関係なく幹事が下座に座ります。
新入社員は席順を決める前に会社の役職順を覚えておこう
上座下座の概念がわかっても、会社の中で役職がわからないと誰が上座に座るべきなのかがわかりません。組織によって呼び名は様々ではありますが、一般的な役職とその序列は、
会長>社長>役員(専務>常務)>部長>課長>係長>主任>平社員>新入社員
となることが多いです。顧問や事務職、パート・アルバイトなどについては、社内における立場などから各社ごとに慣習的に決まることが多いです。
飲み会で自分が配席を担当することになった場合には、まずは誰が参加するのかを正確に把握しておく必要があります。当日皆が来てから決めるようではダメで、前もって把握してイメージを作っておくようにします。
会社の飲み会の配席の考え方
会社の飲み会で席順を決める時には基本的なルールを意識する必要があります。実際の飲み会における席の配置とポイントについて、手順を追って確認してみましょう。
1.飲み会の目的と参加者を把握する
まずは、飲み会の目的と対象となる参加者を把握するようにします。参加者を把握するのは席次や部屋の予約などをするためにも必要ですが、目的を把握するのは「お誕生会」や「新入社員歓迎会」といった特定の目的がある場合は、主役になる人を普段の序列よりも上にして上座に配置することがあるからです。
2.席の配置は主賓・キーパーソンから決める
飲み会の席は序列通りだと言って、そのまま上座から偉い人を配置するのが良いことではありません。それぞれのテーブルごとに、主賓やキーパーソンを配置して、その人を中心にそのテーブルで輪ができるようにしていきます。特殊な事情も無いのに、会長と社長を一緒のテーブルにしておくよりも、テーブルを離して、それぞれを社員で囲んだ方が全体にとって有意義な時間になるのです。
キーパーソンは役職者だけでなく、盛り上げ上手な人であったり、役職者の意図を良くわかって動いてくれたりする人もそうです。飲み会の席でも常に秘書の方を隣に置く方もいます。慣れないうちは、上司や先輩と相談しながら、より良い時間を作るにふさわしいテーブル構成を考えましょう。
3.キーパーソンの席順は関係性を考慮して調整する
時には関係が非常に悪く、近くの席に置くことができない人がいる場合があります。主賓やキーパーソンにそういった人がいないかはよく確認しておきましょう。これも上司や先輩にしっかり確認しておくべき項目です。
4.その他の席順は目的に合わせて決める
主賓・キーパーソンの配置が済めば、後は自由でも構わないのですが、あまりにも自由にしてしまうと、普段と同じメンバーで固まってしまいがちです。それが飲み会の目的に合わないようなら、調整をする必要があります。
特に新入社員は新入社員どうしで固まってしまいやすいですし、女性の少ない職場では、女性の事務員どうしで固まってしまいやすいものです。適度に席を散らした方が良いと思われる場合は、最初からある程度席を決めておいた方が無難です。
会社の飲み会の席で異性が隣だった場合のマナー
会社の飲み会の席で異性が隣になる場合がありますが、この場合はマナーに注意する必要があります。
スキンシップは避ける
席の間が狭く、どうしても肩や腕がぶつかってしまうのは仕方ないものですが、それ以上のスキンシップは避けるようにしてください。お酒が進んでくると、無礼講だと言ってスキンシップを始める人がいますが、こういう人は次回以降、異性の隣に配置しないように注意しましょう。
特定の異性の隣に固執しない
特定の異性の隣に固執する人が時折いますが、そのようにするべきではありません。飲み会は多くの人とコミュニケーションを取り、関係を近くして日頃の業務を円滑にするための場ですので、特定の人にばかり固執しないようにしましょう。下心があると思われてしまったり、最悪の場合はセクハラだとクレームが生じてしまったりします。
席順は男女平等を心がける
異性ですから、気を遣ってお酌や料理の取分けなどを頑張ってあげることはイメージアップになりますので悪いことではありません。しかし、気配りやサービス精神が異性にばかり向いていて、同席している同性のメンバーには全く向かっていなければ下心にしか見えません。良くしてあげるにしても、男女平等を心がけましょう。
会社の飲み会では席替えはしても構わない?
新入社員であっても会社の飲み会で席替えをしても構いませんが、席替えをする時はTPOを考えて行うべきです。
主賓の前の席からは移動しない
会社の飲み会の席移動で特に注意が必要なのが、主賓の席の前から立つことです。基本的にこれはNGとなります。主賓と同じ席にいられることは光栄なことですが、この席を自ら立って移動することは主賓の顔を潰すことになりますので注意しましょう。
席替えは幹事の指示に従う
幹事の中には、席替えのタイミングをあらかじめ決めておいて、イベントとして準備している人もいます。もしも飲み会の途中で幹事が席替えを指示したら、素直に従うのが良いでしょう。
席をちょっと移動したい場合も勝手に動くのはNG
少し用事があって話したい人がいる場合に、席をちょっと移動したいという場合もあります。相手の席の近くが空いていない場合は、幹事に言って部分的に席替えを提案してもらうのがベターです。勝手に席を移動させてしまうと、本来目的としていた対話などがそのテーブルでできなくなることもありますので気を付けましょう。
席の移動タイミングは食事が終わってからにする
飲み会で席を移動するタイミングは、ある程度食事が終わって、飲み物のグラスだけをもって移動できるようになった頃が良いでしょう。食事の途中だと、お皿の移動なども加わって大変になりますし、また必要な話ができないままに移動が始まることもあり得ます。
会社の飲み会の席順の決め方・配置に困ったらどうする?
新入社員が幹事になった場合などに、飲み会の席の配置に困ることは少なくありません。基本的なマナーは踏襲しつつ、スマートに席を決めるための方法を覚えておきましょう。
くじ引きで決める
席ごとに番号をあらかじめ振っておき、くじによって席を決めてしまいます。主賓やキーパーソンの席だけ決めておけば、後はくじで決めても問題ないことが多く、意外な組み合わせが出てきたりして飲み会が盛り上がることもあります。
特定のカテゴリーで決める
「出身地別」「出身大学別」「入社年度別」など、特定のカテゴリーを作って席を決めてしまうのもひとつの方法です。この方法の良いところは、最初から共通点がわかっているために、年代や部署などが違っていて面識が少ない場合でもすぐに話が始められるところです。
50音別に決める
学校とは違い、会社では社員番号や部署を基準に席決めをすることが多いため、50音別にすると意外と普段接点のない人と一緒になるものです。同じ苗字の人ばかりのテーブルというのも、不思議な面白さがあるものですし、交流が広がります。
会社の飲み会の席順は飲み会の満足度に大きく関係する
会社の飲み会はどの席に配置されるかでその満足度が大きく変わるだけに、幹事がどのように席を決定するかは重要なことです。学生時代と違って、多方面への配慮が必要となりますので、事前に情報収集をしたり、上司・先輩との連携・確認をしっかり行いながら進めましょう。新入社員でも上手に席を作ることができれば、幹事としての評価も上がります。ぜひ頑張ってみてください。