情報収集は現代の生活の生命線
就職活動でも仕事でも、今は情報収集をすることの重要性が大きくなっています。様々な情報が公開され、アプローチができるようになった現代では、何事についても最低限の知識が必要となりますし、それが無ければ失礼をしてしまうこともあります。
相手の期待を上回って好感を与えるためには、より深い知識が必要であり、どちらを満たすためにも情報収集は欠かせません。現代の生活の生命線とも言える情報収集能力のレベルアップに役立つ方法、高めるためのコツを解説します。
情報収集は目的を明確にしてから行う
情報収集をする際の鉄則のひとつが、「目的を明確にしてから行う」ということです。テスト勉強の前と、普段の授業や勉強では能率が違うと感じたことも多いと思いますが、それは「テスト」という目的があるからです。目的がはっきりしていると、何を自分が吸収するべきか、何について学んだり情報収集をしたりするべきかがはっきりとするため、効率が上がります。
逆に目的がぼんやりしていると、知識や情報の吸収もぼんやりとしてしまい、忘れやすくなってしまいます。情報収集では、同じ情報を見ていたとしても目的によって入ってくる内容も量も違ってきますので、情報収集の目的をまずは明確にすることを心がけましょう。
情報収集能力を高めるためにはツールが命
デキル人というのは、自分の情報収集のツールをしっかりと決めていて、定期的にそこから情報を得ることを日課としています。
情報収集というのは「収集」という言葉が入っているように、自ら動いて集める必要があります。ただ漫然とテレビを眺めているだけで入ってくるものに頼っていると、思うように情報を集めることはできず、「情報通」にはなりにくいものです。
代表的な情報収集のツールと特徴を解説します。質のいい情報収集能力を高めるために特徴を理解して活かしましょう。
マスメディア
マス(大人数)に対してアプローチできるメディアをマスメディアと言いますが、そのマスメディアの中でも4マスと言われる「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」は情報収集のベースとも言えます。マスメディアの特徴は、「速報性がある」「広く浅く」であり、タイムリーに多くの情報を幅広く集めるために向いています。
中には「業界紙」と呼ばれる専門性のある内容が含まれるものもあり、業界内の様々な動向や問題解決などのノウハウ情報を提供してくれます。テレビ・ラジオは情報収集が受動的になりやすいため、情報収集をするなら目的をある程度明確にしておくと良いでしょう。
インターネット
インターネット上には多くの情報があり、手元のデバイスから簡単にアクセスすることができます。そのため、今では一番手軽な情報収集手段となっていますが、その反面、多くの情報の中から有益な情報を選び出すメディアリテラシーが求められます。
インターネット上のコンテンツは玉石混交で、良質なものもあれば内容の正確性に不安のあるものもありますので、注意しながら見ていく必要があります。また、インターネットでは能動的に関心のある情報を探す必要があり、そのために自分の関心外の情報は拾いにくい点に注意が必要です。
SNS
今はSNSも多くの情報を効率的に集める方法として認知されています。特定の情報を得るためにも使えますし、タイムライン上のフォローしている人から思わぬ情報を得ることができることもあります。情報収集としては質・量ともに非効率になることも多いですが、使い慣れてきて、情報収集用として活用できれば情報収集のレべルを大きく引き上げてくれます。特に速報性の高いツールです。
書籍
専門性の高い内容について効率的に情報収集するためには書籍は最適な方法のひとつです(ここでは雑誌は省きます)。書籍は一冊ごとにテーマがあり、そのテーマに沿って様々な情報が詰まっていますので、体系的な知識を得るために役立ちます。
読むために時間がかかることや、自分の知っているレベルによって理解度に大きな差が出てしまうため、苦手意識がある人も多いですが、書籍から情報や知識を得ている人は理解度が深い傾向があります。速報性に劣る部分があるため、いつ書かれた書籍なのかはいつも気にしておきましょう。
人を通しての情報
最も効率的に情報収集ができる方法は、多くの人と話すことです。それぞれ興味や関心を持っている部分も違いますし、知っていることも違いますので情報の幅も広がりますし、他の方法と違って「相手に合わせて」話してくれるために内容も理解しやすくなります。
双方向のコミュニケーションが可能で、より深く知るために質問を投げることも可能です。自分と似たような趣味や知識量の人ではあまり意味がありませんので、できるだけ専門的な知識のある人や、自分とは違ったタイプの人と多く触れて話すことが大切です。
人を通しての情報は、身の周りにいる人から得られるものもあれば、セミナーなどに参加することで得られる情報もあります。セミナーなどのオフィシャルな情報と、プライベートで得られる情報はまた性質が違うことも覚えておきましょう。
情報収集をする際の注意
情報収集では「正しい情報を」手に入れることや、入手した情報を「活かす」ことが求められます。そのために注意しておくべきポイントを紹介します。
情報には「ソース」がある
情報には必ずソース(源)があります。この情報ソース(一次情報)に近ければ近いほど、正確な情報に近いのですが、誰しも適度に加工された情報(二次情報、三次情報、…)の方が見やすいために、つい加工された情報を見てしまいがちです。しかし、加工されるにつれて本来の情報が削除されたり、解釈が捻じ曲げられたりする可能性が高まりますので、できるだけ情報ソースを確認するようにします。
たとえば、就活サイトに登録している就活生が「あの企業は離職者が多い」という情報を掲載していた場合でも、それだけでは人数を指しているのか割合の話なのか判断ができません。1000人中30人が辞めるのと、50人の会社で30人辞めるのとでは全然意味合いが違ってきます。
情報のソースになっているところでは、しっかりとした数字データに基づいて別の話をしていたとしても、加工された情報では曲がった形で拡散してしまうこともあるので注意が必要です。
情報には「バイアス」がある
情報には必ずバイアス(偏り)があります。同じ情報があっても、好意的にとらえる情報もあれば、批判的にとらえる情報もあります。自分の中で情報を整理し、自分なりのバイアスをつけることは問題ありませんが、最初からバイアスのかかった情報をそのまま受け止めてしまうと、自分の持っている情報やアウトプットする際のバイアスが大きく偏りますので気を付ける必要があります。特に商業要素のある情報については、バイアスが強いので注意しましょう。
情報は「加工して」こそ意味がある
情報を集める際には、最後に「加工する」前提で収集することをおすすめします。情報ソースの多くは無味乾燥な事実のみです。その情報をいかに自分の持っている他の情報や知識と合わせて「加工するか」が情報の意味や価値、深さを決めていきます。
料理人は調理された食材は選ばず、加工されていない生の食材を選んできますが、どのように調理するかを頭の中で考えているものです。同じく、情報についても、加工されていないものを集めて、どう調理するかを考える習慣をつけましょう。この習慣の有無で、情報の収集能力も変わってきます。
情報収集に時間をかけない
情報は多ければ多いほど良いという考えもありますが、情報収集に時間をかけるべきではありません。情報収集をしているだけでは、目的を達成することができないからです。情報収集を行う目的があれば、その目的を達成するために必要な行動があるはずですので、必要な情報が集まればどんどん動いた方が目的を達成することができます。
情報収集能力を高める便利なアイテム
情報収集をする上で便利なアイテムは様々にありますが、常にメモ帳とスマホ(タブレットも可)は持っておいた方が良いでしょう。これらの共通点は、「記録ができる」ということです。突発的に得られた情報は、得た時には印象深くても時間が経つと忘れてしまいますので、こまめに記録するクセをつけておくことが大切です。
インターネットならRSSリーダーや、ブックマーク、クリッピング機能がついたツール、プッシュ機能つきのニュースアプリなどを使うのも良いでしょう。インターネット上の情報収集と記録を楽にしてくれるはずです。
情報収集は目的でなく手段であることを忘れずに
仕事でも就活でも、情報収集は大事ではありますが、情報収集そのものは目的ではなく手段です。正しい方法で情報収集をすること、その情報を正しく処理して自分の知識にし、必要な活動につなげていくことがもっと大切です。普段からの情報収集の仕方をよく見直してみて、より良い情報収集を目指し、収集能力を高めるようにしてください。