育休明けの仕事復帰に向けて抱える不安を解消するには?
育休明けの仕事復帰について、不安を感じている人は多いことでしょう。育休は当然の権利ですが、同僚や上司の理解や協力がなければ仕事復帰が難しいのも事実です。育休明けの本人と同僚双方が会社で気持ちよく仕事ができるためのコツや準備について解説します。
育休明けの仕事復帰に関して抱える不安とは?
新生活がスタートする4月のように、育休明けの仕事復帰を控えたママも多いことでしょう。仕事に復帰できる喜びと同時に、子どもを保育園に預けて出勤するという新しい生活リズムに対する緊張や、久しぶりの仕事についていけるかどうかの不安、育休中に仕事をカバーしてもらった上司や同僚に対して気を遣う思いなど、さまざまな気持ちを抱えていて当然です。
ここでは、育休明けの仕事復帰に対して抱える不安の解消方法や、復帰までに夫婦で取り組むべき具体的な準備、職場での人間関係をうまく運ぶコツなどについてご紹介します。
育休明けの仕事復帰に向けてすべき準備
育休明けの仕事復帰をスムーズなものにするためには、事前準備が重要なカギとなってきます。仕事に復帰するママ自身はもちろんのこと、夫婦で話し合うべきこともたくさんあります。久しぶりの仕事に対する不安や焦燥感を軽減するためも、育休が明けてしまうまでに少しずつ準備を整えていくとよいでしょう。
1.職場の現状把握に努める
育休明けはどうしても「浦島太郎」のような気持ちになるのは避けられません。しかしながら、仕事復帰当日に職場の変化をすべて目の当たりにするのと、事前に少しでも知っていることがあるのとでは、自身が受けるショックや精神的な負担が大きく異なってきます。
職場に仲の良い同僚がいる場合は、人事異動の状況や仕事の混み具合、社内システムの変更事項など、職場でどのような変化が起こっているのかを教えてもらうとよいでしょう。また、上司に対しても、育休中に自身の近況報告とあわせて、職場を気にかけている気持ちを伝えて積極的に連絡をとるようにするのがおすすめです。
2.「慣らし保育」について正確に把握する
保育園が無事に決まり、仕事復帰の目途が立つと安心してしまいますが、「慣らし保育」について正しく把握しておかないと、最悪の場合、仕事復帰してしまってから困ることになります。
慣らし保育とは、はじめて親と離れて過ごすことになる子どもを、新生活に段階を踏んで慣らすことでストレスを軽減させるシステムです。子どもだけではなく親も新生活のリズムに慣れたり、子どもを保育園に預けても本当に大丈夫かどうか様子を観察したりする期間となります。
ここで気を付けるべき点は、慣らし保育は子どもを預ける時間が短いため、仕事に復帰すると勤務時間に大きく影響するということです。そのため、会社と相談しながら育休中に慣らし保育を開始するママが多いです。慣らし保育の期間や時間について正確に把握し、いつから勤務を開始すべきかを検討する必要があります。
3.子どもの生活リズムを整える
保育園に通い始める前に、子どもの生活リズムを整えることは重要です。朝起きてから夜眠るまでの1日の生活リズムを、保育園に通い始めたときに合わせて慣らしてあげましょう。
4.保育園までの送迎をシミュレーションする
朝、自宅を何時ごろ出発し、保育園までどのような交通手段でどれぐらい時間がかかるか、育休中に子どもを連れてシミュレーションをしてみましょう。実際の送迎時間に合わせて行うことで、道や交通手段の混み具合を体験することができ、注意すべき点も具体的に見えてくるようになります。
夫婦どちらでも対応できるようにしておくのも大切です。普段送迎をするほうが風邪でダウンしたときなどに慌てないようにするためです。
5.家事分担について夫婦で話し合う
本格的に育休明けの共働きが始まる前に、家事分担や育児のやり方について、夫婦間でよく話し合っておく必要があります。掃除ロボットや食器洗い乾燥機など、便利家電を思い切って購入しておくのもおすすめです。
実際に育休が明けてから、想定外の問題が出てくることもあります。その際にも話し合いができる関係性を築いておき、何事も夫婦で乗り越えていく土台作りを進めておきましょう。
6.子どもの急病時の対応策を決めておく
子どもはどうしても急な発熱や体調不良を起こしがちです。保育園から連絡があった際、誰が迎えに行くか、夫婦どちらかの親を頼ることはできるのかなどをよく話し合っておきましょう。夫婦どちらも仕事の調整がつかない場合に、頼れるベビーシッターなどもチェックしておくと安心です。子どもの急病時に連れていける病院などもピックアップしておくのは不可欠です。
育休明けの仕事のブランクを埋める方法
育休明けは、仕事に対する勘がにぶっていたり、つまらないミスをしてしまったりして落ち込みがちです。もちろん、育休明けの仕事復帰すぐから産休・育休前と変わらずにバリバリと仕事をこなせる人もいますが、多くの人はそうはいきません。焦らずに仕事のブランクを埋めるためにできることを一つ一つこなしていきましょう。
1.わからないことは素直に質問する
たとえ数ヵ月であっても、時間が空けば仕事内容だけではなく、社内のシステムなどにも変更点が出てきます。悩んでいても仕方がないことなので、すぐに同僚や人事などに質問をして不明点をすみやかに解決していくようにしましょう。
特に時短勤務は時間との闘いなので、誰かが教えてくれるのを待つといった無駄なことに時間を割いてしまわないよう積極的に疑問点を解決していき、仕事の本題に入っていけるように努めることは不可欠です。
2.今後のキャリアビジョンについて上司と話し合う
育休明けの仕事に復帰したなら育休前と変わらないキャリアビジョンを描いているのか、家庭中心の生活にシフトしていきたいのかなど、今後について上司とよく話し合いましょう。重要なプロジェクトにも参加していきたいと考えている場合は、自主的な勉強や資格の取得、出張への対応などが必要とされる場合もあります。
3.1日のタスクを整理する
育休明けの仕事復帰から時短勤務を選択する人も多いです。時短勤務は時間との闘いです。裏を返せば、短時間で効率的に仕事をこなすスキルを磨くことができるということです。時間を無駄にしないよう、毎朝その日のタスクをピックアップするのがおすすめです。
育休明けのトラブルを回避するためには?
育休は当然の権利ですが、職場にはいろいろな立場の人が働いています。なかには育休に対する理解が不足している人や、そもそも育休によい印象を持っていない人もいます。仕事復帰後の人間関係や仕事上のトラブルを避けるためにできることを紹介します。
1.周囲の人に対する感謝の気持ちを伝える
育休中は多かれ少なかれ誰かが必ず仕事のカバーをしてくれています。また、育休が明けても子どもの急病などで職場に迷惑をかけてしまうことは多々あるでしょう。「仕事復帰したばかりだから」「子どもがいるから仕方がない」といった考え方や態度はNGです。手助けしてくれている人や同僚に対して、いつも感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
2.欠勤や早退時の対応に気を付ける
子どもの急病などで欠勤や早退をする場合は、仕事の引継ぎをしっかりとするようにしましょう。今日やるべきことをどこまでできているのか情報共有をしないと、職場全体に迷惑をかける恐れがあります。次回出勤時で間に合う仕事なのか、同僚に代わりにこなしてもらう必要があるのかなど、上司とも相談しながら責任ある対応をとりましょう。
3.子どもの話ばかりしない
子どもが生まれると、生活が子ども中心になり、自然と話題も子どものことが多くなります。会社には子どもがほしくても授からない人や、親の介護に悩んでいる人、子どもの受験で大変な人など、さまざまな立場の人がいます。
子どもの話を誰もが好意的に受け止めるわけではないので、自身の子どもの話ばかりを一方的にしないよう気を付けてください。社会人として節度あるコミュニケーションをとるようにしましょう。
育休明けに仕事復帰するメリットとは?
育休明けで仕事復帰をするママは、職場と家庭の双方に対して不安をたくさん抱えがちですが、子どもを持つママが仕事に復帰することにはメリットもたくさんあります。
育休中のママは日中、子どもと1対1で向き合っていることが多く、社会から取り残されたような孤独感を感じる人もいます。一人の時間を持つことができず、知らず知らずのうちにストレスを蓄積してしまっている場合もあります。
育休明けに仕事に復帰することで、勤務時間がリフレッシュタイムとなったり、社会の一員として生きている実感を持ったりすることができ、気持ちの余裕が出てくることもあるのです。
育休明けの仕事と育児を両立するために大切なこと
「仕事に復帰するからには、仕事と育児を両立しなければ」「子どもにも家族にも会社にも迷惑をかけるわけにはいかない」といったように、意気込みすぎて息切れしてしまわないようにしましょう。難しい問題ではありますが、気を張りすぎずに、一人で抱え込まず、家族みんなで助け合っていくことが大切です。
育休からの復帰経験を持つ先輩ママに相談するのもよいでしょう。いずれは自身も先輩ママとして、同僚をサポートできるようになると素敵です。