謝罪で菓子折りを渡すときに心がけたい4つのポイント
謝罪をする時の菓子折りの正しい渡し方についてご説明します。ビジネスマナーを勉強中の新入社員に向けて、菓子折りの金額の相場や、どんなものを選べばいいのか、菓子折りを受け取ってもらえなかった場合の対処法、菓子折りを包む「のし」についてもご紹介していきます。
謝罪をする時に菓子折りを持っていくのは鉄板
お客様に迷惑をかけてしまった、取引先を怒らせてしまったときは、上司と一緒に菓子折りを携えて謝罪をするのがマナーです。言葉だけの謝罪よりも、手土産を持った謝罪の方が相手に誠意が伝わりやすいです。
謝罪の際に相手に渡す菓子折りに関するものも、新入社員のうちに覚えなければならないビジネスマナーに含まれると考えてください。必要な時に役立てられるように、十分な知識を蓄えておきましょう。
謝罪をする時の菓子折りの渡し方
謝罪をする時には、菓子折りの渡し方に気をつけましょう。いくら丁寧な言葉遣いや物腰で謝罪をしていても、菓子折りの渡し方のマナーが守られていなければ一気に全てが台無しになってしまいます。
新入社員として自分が上司に同伴していく場合には、その振る舞い方も相手にとって気になるポイントのひとつであることを忘れてはいけません。菓子折りを渡す際には、以下のルールを頭に入れておきましょう。
1.謝罪の時に菓子折りを渡すのは上司
基本的なことですが、相手に菓子折りを渡すのは新入社員ではなく同行している上司です。新入社員だけで謝罪に出向くように指示されるということはまずありませんから、同行している上司が謝罪の意味を込めて相手に菓子折りを渡すことになります。
ここで新入社員がいきなり相手に菓子折りを渡してしまうと、相手も驚いてしまいます。万が一ミスをしてしまったのが新入社員の自分であったとしても、謝罪をしてくれているのはあくまでも上司であるということを忘れないでください。
2.謝罪の言葉を述べてから菓子折りを渡す
謝罪の意味を込めた菓子折りの渡し方は、通常の菓子折りの渡し方とは異なるため、注意が必要です。通常の菓子折りを渡す場合は、初めの挨拶と同時に渡しても構いません。
ですが、何らかの謝罪をする場合は、まずお詫びの言葉を述べてから菓子折りを渡さなくてはなりません。その謝罪を相手が十分に受け入れてくれたことが確認できてから、菓子折りを渡すようにしましょう。
そうでないと、物を持って来てごまかそうとしているのか、と思われて、謝罪に誠意がないと受けとられてしまう可能性があります。菓子折りはあくまでも誠意を伝えるためのアイテムのひとつであると考えてください。
3.菓子折りを渡す時には袋から出そう
菓子折りを持っているのは謝罪をしている上司の傍に控えている新入社員であることが予想されます。相手に菓子折りを渡す段階になったら袋から出して上司に手渡しましょう。
菓子折りは基本的に外袋から出して相手に渡すのが礼儀です。焦ってそのまま相手に押し付けるように渡さないように気をつけてください。まずは一度上司を介するということを忘れないようにしましょう。
4.お詫びの言葉は丁寧に言う
謝罪の言葉は上司が発します。「この度は不快な思いをさせてしまい、まことに申し訳ございませんでした。心ばかりではありますが、納めていただければと思います」など、誠意を込めて言います。
このとき、上司のそばに居る新入社員は上司に続いて「申し訳ございませんでした」とだけ言えば大丈夫です。早口ではなく、丁寧にお詫びの気持ちを込めるのがポイントです。謝辞を言い終わったら、体を45度傾ける最敬礼のお辞儀をします。
謝罪をする時の菓子折りの金額の相場
謝罪をする時に持っていく菓子折りの金額には、ある程度決まっている相場があります。あまり高すぎても安すぎても失礼にあたるため、きちんと確認しておきましょう。
迷惑の程度によって謝罪の菓子折りの値段を変える
謝罪をする時に持っていく菓子折りは、相手にかけてしまった迷惑の程度に合わせるのが良いとされています。平均的であるのが2,000円~3,000円程度、かしこまった場合では5,000円~10,000円程度であるのが良いでしょう。
どれくらいのトラブルに発展してしまったのか、相手にとってどの程度の失礼に値することをしてしまったのかなど、新入社員のうちはわからないことも多いでしょう。ですが、よほどのことがない限りは2,000円~3,000円程度のものを買っておけば無難であると言えます。
謝罪の菓子折りは高すぎてはいけない
謝罪に持っていく菓子折りは、高価すぎてはいけません。高いものを持っていくのだから、その方が良いのではないかと思ってしまいがちですが、不相応に高価なものを渡してしまうと、高いものを渡して話をごまかそうとしていると受け止められてしまうことがあるのです。
謝罪のための菓子折りは高ければ良いというものではありません。高いものをプレゼントすることが目的なわけではなく、謝罪をすることが目的であるということを忘れないようにしましょう。
かといって、あまりにも安いものを渡すのは謝罪を軽く捉えていると思われてしまいます。失礼にあたらない適度な値段のものを選びましょう。
謝罪をする時の菓子折りは何がいい?
謝罪をするために持って行く菓子折りは、傷みにくい日持ちがするものを選ぶようにしてください。菓子折りはその重さが気持ちの重さであると考えられているため、しっかりとした重さのあるものを選ぶのも良いでしょう。
カステラ
謝罪のために持っていく菓子折りの定番のひとつとして、カステラが挙げられます。カステラは、和菓子派にも洋菓子派にも無難に受け入れられるお菓子であるため、菓子折りとして渡すにはちょうどいいとされています。
羊羹
菓子折りの定番として、羊羹を選ぶ人も多くいます。羊羹は有名店があるため、迷った時にはそこで購入するのがおすすめです。羊羹はいわゆる消え物であり、食べてしまえばなくなるものなので、後腐れがなくなるという意味で謝罪の際に持っていく菓子折りにはぴったりです。
おすすめは個包装
謝罪をする時に渡す菓子折りとしては、個数が調整できるもの、個包装になっているものを選ぶべきであると言えます。渡された相手のことを考えると、その方が便利だと想像がつくでしょう。個包装であるものと言えば、焼き菓子、饅頭、ゼリーなどが挙げられます。
コンビニで買うのは避けよう
菓子折りは絶対に有名店やデパートなどで買うようにしましょう。決して、慌ててコンビニで買ってはいけません。できれば前日までに用意しておき、余裕を持って謝罪に迎えるように対応しておきましょう。新入社員のうちにやりがちなミスとして、コンビニで買ってしまうということが挙げられますが、それは絶対にやってはいけません。
謝罪の菓子折りは「のし」に注意する
謝罪の時に持っていく菓子折りには、のし紙をつけていきましょう。この時、のし紙には「のし」という絵がないものを選んでください。水引は紅白の花結びのものに、「お詫び」「陳謝」などの文字が書かれているものを選べば良いでしょう。
謝罪をする時に菓子折りを受け取ってもらえなかったら?
誠心誠意を込めて謝罪をしたとしても、相手がどうしても菓子折りを受け取ってくれないという可能性も考えられます。
それほど不快な思いをしているのだと改めて意識する
謝罪をするために菓子折りを持っていく相手は、こちらに何らかの落ち度があったために不快な思いをしています。少なからず怒っているという場合もあるでしょう。
新入社員であるうちはわからないこともあるでしょうが、立場が変わればその人たちにしかわからない大きなトラブルに発展している可能性も考えられます。菓子折りを渡す相手は、こちらに悪い印象を持って会うことになるのだということを強く意識しておく必要があります。
菓子折りは押し付けないで引き下がる
そのように、こちらに対して不快な念を抱いている相手に対して菓子折りを押し付けてはいけません。もしも相手が謝罪のために持って行った菓子折りを受け取らないと言ったら、引き下がりましょう。
あまりしつこくすると、せっかく謝罪に出向いたのに、かえって反感を買われてしまいます。菓子折りはあくまでも謝罪の言葉に添えるためのものですから、要らないと言われたらそこで不要であると判断するべきです。
相手が迷う素振りを見せた場合には、その場の空気を読んで渡すべきでしょう。そこは新入社員よりもそういった場数を踏んできた上司に任せてしまって構わないと割り切って、深く介入することは避けておいてください。
謝罪では菓子折りが重要な役割を果たす
謝罪をする時には、必ずと言って良いほど菓子折りを持っていくことになります。新入社員のうちに、その場面を見る機会があると驚くこともあるでしょう。菓子折りの渡し方によって、謝罪の気持ちの表し方が異なることもあります。より一層謝罪の念を深く伝えられるように、正しい渡し方を知っておきましょう。