職業訓練のWebデザインコースで学べる技術は?体験談10選
職業訓練のWebデザインやクリエイターコースでスキルアップしようと入校希望する人が増えています。どれくらいの期間通うのか、どんなことが学べるのかはその職業訓練校により異なります。実際に職業訓練のWebコースに通ったことのある方々にお話を伺いました。
職業訓練校のWebデザインコースのカリキュラムを知ろう
新たなスキルアップや資格取得を目指して職業訓練校への入校を検討する方は多いものですが、その中でも人気のコースなのが必須となるWebデザインの知識を学べるWebコースです。
Webコースと一口に言っても、職業訓練校により学べる内容や受講期間は様々です。興味はあっても具体的にどういったことをするのかイメージがつかないという方もいらっしゃることでしょう。そこで、今回は職業訓練でWebコースに通ったことのある方の体験談をご紹介します。
職業訓練のWebデザインコースの倍率は高め
今後の時代に幅広く活用できるスキルでもあり、手に職をつければフリーランスとして働くことも視野に入れられるWebデザイン。それゆえにWebコースでしっかりと学びたいと希望する求職者は多く、他の訓練コースと比べても倍率は高い傾向にあります。入校の際には面接や書類選考が設けられていますので、狭き門であることを心得ておきましょう。
なお、応募概要のページやパンフレットには前回の倍率について記載があることが多く、記載がない場合においても訓練校に問い合わせれば公表してくれるのが一般的です。各都道府県の職業訓練校で行われている訓練コースについては、厚生労働省のサイトで確認できます(注1)。応募の際には自分が通いたい地域で受けられるコースをしっかりチェックしておきましょう。
職業訓練のWebデザインコースでは何を学べる?
職業訓練施設によってWebコースで学べる内容は異なりますが、基本的にはWebサイトを作るためのソフトや画像加工ソフトの基礎知識を学ぶことができます。カリキュラムの一例としては以下のような内容が挙げられます。
- Illustrator
- HTML・CSS
- Photoshop
- Dreamweaver
- jQuery・JavaScript
- PHP
- MySQL
- ワードプレス
- SEO知識
- 資格試験対策
その他、実際にWebデザイナー検定などの資格取得を目的としたカリキュラムを組んでいるコースもあります(注2)。施設によっては過去の受講生の作品を紹介するポートフォリオサイトも少なくありませんので、どういったものが作れるようになるのか参考にしてみると良いでしょう。
なお、先述の通り、Webコースと言っても学べる内容やカリキュラムはその訓練校によって様々です。興味のない分野を学ぶとなっては、せっかくのスキルも身に着かなくなってしまいます。自分が心から学びたいと考えている内容かどうか、受講前にはしっかり下調べをしておきましょう。
職業訓練のWebデザインコースの年齢層や男女比は?
職業訓練のWebコースに入校するとなると、やはり気になるのがそのクラスの雰囲気ではないでしょうか。
訓練が行われる施設や時期によって変動しますが、クラスの人数は少なくとも15人程度、20~30人前後となります。男女比については半々くらいか女性の割合が高いクラスが多い傾向にあります。
訓練生の年齢層は20代から50代と非常に幅広く、Web知識の浅い未経験の方でも通うことが可能です。
Webデザインコースの受講期間や時間帯はさまざま
Webデザインコースの受講期間は訓練校により異なりますが、1~3ヶ月の短期間のコースから、半年間のコース、最長では1年コースもあります。
時間帯は平日の9:00~18:00、10:00~17:00など通常の学校のような受講体制であったり、平日は20:00~23:00で休日が昼から19:00までといったコースなど様々です。
実際に職業訓練でWebデザインコースに通った方の体験談
実際に職業訓練校のWebデザインコースに入校した経験のある方々から、そのクラスの雰囲気や身に着いたスキル、受講期間・受講時間について詳しくリサーチしました。
20代の職業訓練Webデザインコース経験者の声
webデザインを学ぶ
おもち(21歳)
私はもともとパソコンを使う仕事に就きたくデザイナーを目指しましたが、自分にそのスキルはなかったので、未経験でも無料で通える職業訓練校に通うことにしました。
私の通う訓練校は朝の9時からスタートし、お昼過ぎの2時半に終わる訓練校だったのですが、前職でもデザインをやっていたなどの経験者が多く、男女半々くらいで15人くらいのクラスでスタートしました。
半年間という短い期間で本当にデザイナーになれるのか心配でしたが、PhotoshopやIllustrator、HTMLやCSSもなんとかできるようになりました。少しですがプログラミングについても学ぶことができました。
現在は職業訓練校に通ったことを活かして、ラジオ関係のサイトを作る仕事に就いています。
素人でも習得できるか
なぎさ(28歳)
私はインターネットやITとはそもそも関係のない業界で働いていたのですが、今後の仕事に活かせるのでは、女性のキャリアに使えるのではないかという思いもあり職業訓練校のWebコースを受講しました。
本職をしながら通っていたため、時間をかけて都内に出られる休みの日である土日を中心に1ヶ月ほど通いました。平日でも時間がある時は夜の時間通いました。
平日は20時から23時くらい、休日は昼から19時くらいまでだったかと思います。クリエイター側は男性が多いイメージだったのですが、デザインということもあるためか、思った以上に女性も多く、男女比は半々といった感じでした。
学びたいコースによって人数の振り分けが行われ、一つのクラスに大体20名くらいでした。デザイン基礎であるHTMLやCSSを中心に、Javaにも触れ学びました。おかげで簡単なホームページ製作はできるようになりました。
30代の職業訓練Webデザインコース経験者の声
WEBデザインコースで学んだこと
オニタマパプリカ(39歳 小売業)
私がWEBデザインコースに通おうと思ったきっかけは、自分でホームページを作ったらあまりにもデザインがダサかった事です。今までにデザインの勉強をしたことが無く、画像ソフトもあまり使い方がわかっていなかったです。体系的に基礎を学びたいと思ってWEBデザインコースを選びました。
コースの期間は5カ月コースの9時~15時、平日4日間のコース。本格的に勉強するには丁度いい時間でした。
教室の雰囲気は、皆さん社会人ですのでしっかりとした方ばかりで、20人ほどのクラスでしたが休憩時間は楽しく、講習中は静かで集中して勉強ができました。
コースで学んだことは、WEBサイトの基本的な作り方、HTML、CSSなどです。また、画像の加工をするためにPhotoshop、illustratorの使用方法を学びました。写真の加工は特に勉強になりました。 コースを終了して、一通りの画像の加工ができるようになりました。そのおかげで、ECサイトの写真の加工などを仕事ができるようになったので、コースを受講してよかったです。
何のために通うのか?
mk(33歳)
私はデザイン系の学校を出たにもかかわらず就職したのは関係の無い業種でした。やはり製作仕事に対して諦めきれないところもあり、趣味で経験したことのあるWEBサイトの製作をということで転職する一年前から独学で勉強を始めました。しかし、独学では自信が無かったので思いきって仕事を辞めて3ヶ月のWEBデザイナーコースの職業訓練を利用することにしました。
朝10時から夕方5時まで、WEBについてだけでなくフォトショップやイラストレーター、ドリームウィーバーといった必要なソフトの使い方を一から教えていただきました。ここで私の運の良かったところは、クラスメイトが私と同様、独学してきた人やDTPオペレーターとしてやって来た人がいたために、講師の先生も通常より少し難易度を高くして教えていただけたことです。
最初は独学の頃に分からなかったところだけ理解できればいいやと思っていましたが、SEOや製作に役に立つ様々なツールの紹介など、自分が思っていた以上の収穫がありました。職業訓練終了後、私を含めた予め独学で勉強してきた人は無事WEB製作の仕事につけています。ハッキリとした目的をもって通う事が成功の鍵であることを実感しました。
職業訓練(WEBデザインコース)体験記
ふみ(39歳)
「webデザイナーの仕事をしたい」と会社を退職しハローワークで職業訓練校の存在を知り、独学だと就職できるか不安もあってWEBデザインコースの3ヶ月に通いました。
週5日9:00~16:00の6時間男女比は20人中男性6人と女性が多いクラスで、年齢層は20代~50代と幅広く和やかな雰囲気でした。
1ヶ月目はIllustrator、Photoshopの基本的な操作を習い課題制作まで行う1ヶ月。ソフトをまったく触った事ない方はついていけずに四苦八苦…生徒がお互いに教えたり教わったりしてました。
2ヶ月目はDreamweaverの操作とHTML5 / CSS3についての授業がメインです。htmlタグ、CSSのレイアウト、jQueryにwebデザイナー検定対策の授業と盛りだくさんでした。
3ヶ月目は自分のWebサイト制作、webデザイナー検定試験、修了式課題制作兼ポートフォリオとしてwebサイト制作をしました。
サイト制作をしつつwebデザイナー検定を受験する人はその勉強をあったりと、なかなかハードな日々を送りながら修了式を無事に迎えることができました。
職業訓練校の体験
イルカ(36歳 WEB制作)
元々システムエンジニアとして10年近く仕事をしてきましたが、夢のIターンをしたく、「インターネット環境さえ整っていればどこででも仕事ができるのでは?!」と思い、WEBデザインを勉強することにしました。SEとしてできる仕事だと、今の時代、情報セキュリティなどの観点から田舎での仕事はなかなか難しいためです。
授業の時間は月曜日から金曜日までの朝9:00に始まり、15:30くらいまででした。ほとんど専門学校のような感じです。男女比は半々くらいで年齢は20代から定年近い方まで幅広くいました。授業はIllustratorやPhotoshopの使い方、HTMLやCSS、JavaScriptなどを使用したコーディングを教わりました。
コース終了後は派遣社員として、大手メーカーのWEB担当として就業し、職業訓練で学んだソフトを使ってバナーを作ったり、コーディングをしたりという仕事を任されました。
ワードプレスで独立できた
やまかわ(34歳)
ハローワークにいけば簡単に転職先が見つかるものと思いきや、どれだけ応募しても面接にさえ辿り着けなかったとき、窓口の方からWEBデザインコースを紹介されたのが、通い出すきっかけでした。
数あるコースの中から私は最長6ヶ月間9:00~14:25のコースを選びました。当初30名と聞かされていた定員は、実際には18名で、内訳は男性11人、女性7人の構成でした。また、講師は二人体制と教えられていたのですが、受講生が少なかったこともあり一人だけでした。
その方の得意分野であるWEBプログラミングが中心となり、逆に苦手分野であるデザインについては、通り一遍のことしか教えてもらえませんでした。具体的にはPHPとMySQLを組み込んだ課題制作が中心の授業でした。結果としてワードプレスのカスタマイズが行えるようになり、独立後の受注に役立ちました。
メディアアート科について(職業訓練校)
なな(36歳)
きっかけは、以前の会社でホームページ担当を任された事でした。メディアアート科は1年コースで、時間帯は高校と同様、平日のみの8時~16時まで。ホームルームや日々の掃除、行事もあり、球技大会、全体清掃などもありました。
全体30名(内、男性8名)の1クラス。年齢は20代から30代後半、独身からシングルマザーまで、年齢も私情もそれぞれでしたが、みんな仲が良く楽しかったです。
デッサン、イラスト、色彩についての知識、印刷業界で実際に使われる印刷の技術、illustrator、photoshop、HP作成(HTMLとCSS)、Tシャツのプリントをデザインから版を作り、実際にTシャツに刷る作業、写真を撮り暗室での現像作業、製本に関する知識の習得、実習がありました。
サーティファイ主催の検定を学校で受検でき、illustratorとphotoshopはエキスパートの資格を、webクリエイターは上級まで資格取得できました。現在、家庭の事情のため資格を活かした仕事には就けていませんが、通って損はなかったなと思います。
40代の職業訓練Webデザインコース経験者の声
求職者支援制度(旧基金訓練)を受講して
らんず(42歳)
WEBデザインコースにはパソコンのインストラクターを目指すのに資格が必要だったことと、office系の検定をすでに持っていたためにほかに受ける訓練がなかったために受講しました。期間は3ヵ月の短いコースで時間は9:00-18:00だったともいます。年齢層は30-40代が多く20代は20人クラスの内に3人ほどしかいなかったのが意外でした。
男女比は圧倒的に女性が多く男子は2割程度、主にフォトショップ、イラストレーター、ドリームウェバーを習い、フリーのホームページのスペースを取り自分のホームページを作成しました。
現在はインストラクターの職業はつけませんでしたが。 コールセンターでテクニカルサポートを行い、資料をHPで作成して自分とお客様で確認できるサイトを作ったり、 お客様にアドビ製品の操作を案内したりする仕事に就くことができました。
若者たちに混ざってWEBのお勉強
梅(42歳)
この歳になって無謀かとは思ったのですが、以前から興味のあったWEBについて学びたいと思い、WEBデザインコースに通いました。3ヶ月のコースで朝9:20から16:00の平日に通いました。クラスは30人、年齢は20歳~45歳。25歳~35歳が多く、うち男性は7人でした。
Photoshopとイラストレーターを軽く習い、HTML5とCSS3を中心にJavaScriptも習いました。クラスメイトに比べ世代的にパソコンに詳しくないので初めはついていくのが大変でしたが、決して辛くはなく、むしろ勉強が楽しかったです。家で課題をしたり放課後残ったりもしましたが、結果、ホームページを作れるようになりました。また、WEBクリエイター能力認定試験エキスパートにも合格しました。
短期間だったので決して深く学べた訳ではありませんが、WEBについての基礎知識を得たことで、お気に入りのテキストを探して、独学で勉強できるようになったことは大きいです。私はその後すぐに妊娠したので就職はしていませんが、自営業の自宅の仕事のホームページを作ったり、知り合いのホームページを更新しています。
職業訓練で身に着いたWebデザインのスキルは就職後の糧に!
職業訓練でWebコースに通ったことのある方は少なくありませんが、卒業後に必ずしもWebデザイナーやWebクリエイター、プログラマーといった専門職に就くとは限らないものです。
しかし、それでも職業訓練で修得したWebデザインのスキルや知識は、何かしらの形で就職後に役立っていると回答している方がほとんどでした。日進月歩のWeb業界で働くことを考えている方は、ぜひ基礎を身に着けるつもりで入校を検討してみてはいかがでしょうか。
参考文献
- 注1:厚生労働省「公共職業訓練コースの検索について」
- 注2:公益財団法人 画像情報教育振興協会(CG-ARTS)「Webデザイナー検定」