退職時の挨拶のお菓子の選び方と気配り上手な渡し方のマナー
退職時の挨拶でお菓子を持ってお世話になった人を回るという光景はよく見られますが、この時に注意すべきマナーなどはあるのでしょうか。退職時、職場の人に喜ばれるお菓子の選び方や、渡し方についてポイントをチェックしておきましょう。
退職時の挨拶でお菓子を配るのは常識的なマナー?
退職の挨拶でお菓子を同僚に配っている人を見かけることがあります。こういった風習は感謝の気持ちを示すものとして理解できますが、本当に必要だろうかと考える人がいたり、その一方でこうしたことをするのは常識であると考えている人もいたりとそれぞれです。
もし退職時の挨拶でお菓子を持って回るのであれば、そのためのマナーやお菓子の選び方も気になるところです。
退職時の挨拶と共にお菓子を渡す理由
退職時に挨拶をして回るというのは社会人としては当然のことですが、その挨拶と一緒にお菓子まで持って回るべきかということになると、やはり考え方は様々です。これは社風や退職する人の勤続年数などにもよりますし、退職の事由によっても変わってくることでしょう。
必ずしも退職時の挨拶にお菓子を渡すということはありませんが、慣習的に行われていることが多く、またお世話になった方々に感謝の意を示すという目的で行っておくべきことと認識されています。
特に、営業部署などではお世話になった方々が不在で挨拶できないことも多く、何か残したいという気持ちで実施する人が多くなっています。
退職時の挨拶でお菓子を渡さないとどうなる?
退職時の挨拶でお菓子を渡さないとしても、それによって何かネガティブな印象を持たれることはほとんどありません。しかし、同時期に退職する人がお菓子を配って挨拶回りをしているようであれば、「そういえばあの人の顔は見てないな」と思われてしまう可能性があります。
その後はお仕事上のお付き合いはないため、構わないといえば構わないのですが、退職時の挨拶では惜しんでもらえたり、何か思い出話をしてもらえたりと感慨深いものがあるものです。お菓子は持参できなかったとしても、挨拶回りくらいは行っておいた方が印象は良くなるでしょう。
退職時の挨拶でお菓子を渡すべき相手は?
退職時の挨拶でお菓子を持っていく場合、どこまでの範囲にお菓子を持って挨拶に行けば良いのでしょうか。これには個人差もありますが、おおよそ次の通りです。
今までお世話になった人
当然、退職時の挨拶ではお世話になった人にお菓子を持っていくべきです。直接の上司や同じ部署の先輩、同僚はもちろん、他の部署でもお世話になった人や関係の深かった人がいれば、退職の挨拶と共に感謝の気持ちを表現しましょう。
基本的には自分の部署の範囲となることが多いですが、20~30人以下の小さい規模の会社であれば全員に渡すくらいが自然です。
お世話になったと言っても、大きな会社では重役のところにまで行って渡すのは難しいケースもありますが、その場合は秘書の方や直属の上司にお願いして機会があれば渡してもらうとよいでしょう。
お菓子を渡したい人
仕事上は特にお世話になっていなくても、同期など普段から親しくしている人がいれば、そういった人に渡すということも当然行って構いません。気持ちの問題ですから、お菓子などが余った場合でも良いですし、他のプレゼントやプチギフトを持っていって渡すのも構いません。
これからも仕事の関係が続く取引先
基本的に社外の場合には不要ですが、その後の仕事にも関係が持てそうな場合や、特別に懇意にしてもらった場合などには、取引先にも挨拶をして回ることもあります。その場合、別途菓子折りを準備して「御礼」などののしをつけた形で渡しましょう。ギフト商品を取り扱っているお店で購入するのがベターです。
退職時の挨拶でお菓子を渡すタイミングは?
お菓子選びは、最終出社日にお菓子を持って回れるように準備しておきましょう。
最終出社日は仕事の引き継ぎや整理、また片付けなどが主になると思いますが、他の人は通常勤務です。そのため、お菓子を渡したり退職の挨拶をする場合にはお昼休みの前後や午後の少し時間に余裕ができる時間帯、もしくは夕方の時間を狙って机を回るのがベストです。
退職時の挨拶用のお菓子選びのポイントは?
退職時の挨拶で会社の同僚や上司にお世話になったお礼としてお菓子を選ぶ場合、どういった点に注意すべきなのでしょうか。
お菓子の種類は日持ちがするものを選ぶ
お菓子の種類としては、基本的に日持ちがするものを選ぶのが鉄則となります。お菓子の準備を楽にするためにも、もらった側が気楽に受け取るためにも大事なことです。賞味期限が短い、不安がある場合は渡す際に一言添えておきましょう。
また、果物などは別にゴミが出ますので、なるべくゴミが出ないクッキーなどが良いでしょう。ケーキやプリン、ゼリーなどはスプーンなども必要になるのでできるだけ避けます。カレー味のせんべいなど、ニオイが強いものも職場で開けるのは迷惑になりますので避けた方が無難です。
また、特別にお世話になった方やご家族がいるようであれば、大きなものも良いのですが、持ち運びも大変です。個包装で分けられるものを配布します。
価格は高すぎないお菓子を選ぶこと
価格は個人のお財布事情にもよりますし、そもそも気持ちの問題として行うことですから、あまり気にする必要はありません。
相場としては、一人あたりの金額が100円前後になるようなものが多くなりますが、これも単純に贈答用のお菓子の価格相場がそうなっているだけであって、マナー上の決まりは特にありません。
良いもので、見合うものであればもっと安くても良いですし、感謝の気持ちを表現したい場合や相応の理由がある場合はもっと高いものでも構いません。ただし、お菓子があまりに高すぎると相手も恐縮するので、その点には注意が必要でしょう。
お菓子にのしをつけるなら「御礼」と書いて渡す
お中元やお歳暮などと違い、退職時に渡すお菓子にのしは必要ありません。のしをつけるよりも、メッセージカードをつけたり、個別に直接お礼を言った方がずっと感謝の気持ちが伝わります。のしが必要な時は「御礼」と書いて渡すようにしてください。
退職時の挨拶で喜ばれるお菓子って?
退職時の挨拶で喜ばれるお菓子については、インターネットを検索してみるとたくさんの情報があり、コメントなどは生の意見として参考になるものも多いです。中でも上位のものをピックアップします。
定番はやっぱり焼き菓子
やはり定番はクッキーやマカロン、シガール、ゴーフルなどの焼き菓子です。個包装で配りやすく、かつすぐに食べることができるなどメリットが多いです。
話題のお菓子・スイーツもいい
若い人や女性が多い職場なら多少値が張るでしょうが、話題になっているお菓子やスイーツなどを配るという方法もあります。多少の食べにくさや似つかわしくない雰囲気はさておき、喜ばれますし話も弾みます。
話のネタになるお菓子は退職を印象付けられる
自分のその後の転職先や、実家の家業などの商品を手土産として配る人もいます。こうすると挨拶がてら今後の話もしやすく、お土産の中身としても印象づけられます。話のネタになる一品は美味しいお菓子よりも良い印象を与えられます。
退職時の挨拶でお菓子を渡す場合の注意点
会社の同僚や上司に、退職の挨拶としていざお菓子を渡す際、どういったことに配慮すべきかポイントをまとめました。
どこまでの人にお菓子を渡すかを明確にする
退職時の挨拶でお菓子を渡す場合は、余るのは良いとしても、不足することはないように注意してください。不足すると「どうして?仲が悪かったの?」と不審がられる場合もあります。そのためにも、事前に渡す範囲と人数を明確にしておきましょう。
特別なプレゼントは職場では渡さない
特にお世話になった方に何かお礼を渡したいという場合には、皆が見ているオフィスは不適切です。個別にランチやコーヒー、お酒の席にお誘いして、そこでお渡しするようにしてください。特に他の上司もいる前で、その部下により良いお菓子や贈り物を渡すのは控えましょう。
お菓子の紙袋や包装紙は持ち歩かない
お菓子を配って回る場合には、紙袋や包装紙は持って回らないようにしましょう。あなたが紙袋や包装紙を目の前で外したり、そのためにもたついている間も、相手は仕事やプライベートの時間などを奪われることになります。回る前にそれらは外し、箱だけを持って回れるようにしてください。
退職時の挨拶ではお菓子は必須ではない
退職時の挨拶ではお菓子を用意するのは必須ではありませんが、慣例として行われていることが多いものです。自分が挨拶をして回るべきだと思えば、感謝の気持ちを示すためにお菓子を持ってお世話になった方を回ると良いでしょう。
お菓子は必須ではないとしても感謝の気持ちを示し、また自然な会話を促すツールにもなります。お茶菓子のようなものですから、もらうことに負担のないようなもの、個包装のものを選んで渡すようにしましょう。
感謝の気持ちを表すのが上手な社会人こそ「デキる」社会人です。もちろん、お菓子がないとしても、退職時の挨拶はきちんと行うようにしてください。