退職願の正しい書き方の具体例を紹介
会社を辞める際に提出する退職願ですが、あまり書く機会が無い為、書き方が良くわからない方が多いでしょう。どのような様式で書けば良いのか疑問があると思うのですが、履歴書などと違い決まっているフォーマットはありません。縦書きで書くのか、横書きで書くのかも自由なのですが、一般的に用いられる様式というのがあります。
今回は一般的に用いられる退職願の様式を見本にした、書き方の具体例を紹介します。退職願に書くべき項目は全部で6つです。項目毎に正しい書き方を紹介するので参考にして下さい。
- 表題
- 書き出し
- 退職理由
- 日付と所属部署
- 自分の署名と印鑑
- 会社名と宛名
1.表題の書き方
退職願を書く時にはまず表題を書く必要があります。この項目を書き忘れてしまうと、上司に提出しても、何を言いたいのか理解されません。退職願を提出する方は表題に
- 退職願
と書きます。文字が用紙の上下の間隔の中央に来るように注意して書きましょう。
また会社の上司などと話し合い退職届を提出する方は「退職届」、会社の役職者や公務員の方は「辞表」という形に変更になるので注意しましょう。
2.書き出しの書き方
書き出しは退職理由の前に書く項目です。退職願を書く時に最も忘れる方が多い項目なので書き漏れがないようにしっかり覚えておきましょう。書き方は
- 私事
と書きます。「私儀」という書き出しも使われますが、一般的には私事と書く場合が多いので特に私儀と書く理由がなければ私事と書きましょう。
3.退職理由の書き方
会社を退職する理由は様々ですが、退職願にはその理由を明言する必要はありません。
- 一身上の都合
この一文だけで大丈夫です。退職願を示す意思を表明する書類です。その為理由の有無はあまり重要ではないのです。会社や上司に理由を求められた場合のみ口頭で話せば問題ないでしょう。
また退職届の場合は本文が「退職いたします」というように言い切る形になるので変更点に注意しましょう。
辞表の場合は退職届と同様に「お願い申し上げます」という言い方になるので特に変更する事はありません。
退職届、辞表とも退職願と同様、退職理由を明らかにする必要はなく
- 一身上の都合
と書きましょう。
4.日付と所属部署の書き方
退職願の日付は上司に書類を提出する日付を書きます。提出する日が未定の場合は空欄にして、提出する時に直接書くと間違いありません。
日付を書く時は和暦で書くのが一般的ですが、西暦で書いても大丈夫です。どちらで書くか迷っている方は会社で使われている日付の書き方を使用するようにしましょう。
所属部署は自分が会社で所属している部署名を書きます。退職願は正式な書類なので、部署名も略したりせず、正式名称で書く事が重要です。
5.自分の署名の書き方と印鑑の押し方
自分の署名は必ず直筆で書きましょう。その他の部分はパソコンで作成しても問題無いのですが、署名は自分が退職願を書いた、と言う証明なので必ず手書きで書きましょう。
署名を書いたら後ろに押印するのを忘れないようにしましょう。印鑑は認印など朱肉を使用する印鑑であれば問題ありません。その為、インクを使うシャチハタ印の使用はしないで下さい。
押印する際、擦れなどが無い様に、マウスパッドなどを敷いて押印すると綺麗な印影を出す事ができます。
6.会社名と宛名の書き方
会社名は(株)や(有)などと略して書かないようにしましょう。必ず「株式会社」や「有限会社」など正式な社名を記載しましょう。
宛名は会社の社長や代表者の名前を書きましょう。退職願は会社との労働契約を解除する為の書類です。その為会社の最高責任者である社長や代表者に宛てるのです。退職願に宛名を書く時は上司や人事部宛てにしないように注意が必要です。
サンプル例文
見本ダウンロード
退職願において、直筆を必須とするかパソコン作成とするかについては、法律上どちらでも構いませんがその会社の慣習にならうのがよいでしょう。パソコン作成に抵抗のある上司の方もいるかもしれませんし、就業規則により様式が決まっているかもしれません。一般的に畏まっているものと見られるのが縦書きで、横書きは少しラフなものと見られるでしょう。例えば、すでに口頭で打ち合わせ済みで、手続き上の提出であれば横書きでもよいかと思います。また、氏名の記載は直筆で、その他はパソコン作成という方法もよいかと思います。名前の下には必ず印鑑を押すのを忘れてはいけません。
退職願の封筒
退職願いは封筒にいれて持参するのが一般的です。郵送などは失礼にもあたり円満退職の妨げになりますので避けましょう。また、封筒に入れることは封を開けた際に内容が確認されたことの証明に繋がりますので、必ず封筒にいれ、のりなどによって封をしましょう。白無地の封筒が一般的で、封筒の表には「退職願」と記載します。裏面には自分の氏名を記載します。退職願の宛名は社長となりますが、直属の上司に渡すことになります。
退職願と会社都合退職
退職願は、自発的に退職をしたいという旨を申し出るものですので、提出した場合は自己都合退職とみなされることがほとんどです。つまり、会社都合の退職では不要となります。勧奨退職などでは「退職届」を手続き上求められるケースもあり、会社都合でも提出する場合もありますが、会社都合のつもりで退職願を出しても、自己都合退社の証明になってしまいますので注意が必要でしょう。もし退職勧奨などで退職願の提出を求められた際には、退職理由の記載について齟齬がないよう打ち合わせるか、ハローワークなどの関係機関に相談しましょう。
退職願の書き方で大切なのは手順に沿って正しく書くこと
退職願いの書き方はこの6つの項目から成り立っています。それぞれの項目毎に正しい書き方を確認していくと、間違いや書き損じをする事なく退職願が書けます。
円満退社をするには正しい書き方で手順通りに退職願を提出する事です。書き方をしっかり覚えておくと退職する際もスムーズに退職願を提出する事ができるでしょう。