退職

退職の面談で聞かれる質問は?実施目的と円満に辞める方法

退職の面談では「退職するのであれば何を言われても関係ない」と考えてしまいがちですが、実は非常に重要な面談です。あらかじめ質問される可能性のあることを頭に入れておく必要があります。これから退職の面談を行う方は、聞かれるであろう質問の回答をよく考えておきましょう。

退職を決意したら面談に備えよう

退職の意思を上司に伝えた後に行われる面談では、何を質問されるかご存知でしょうか。退職面談では一般的に質問される内容がある程度決まっていますが、回答の仕方を間違えると円満に退職することが難しくなる場合もあります。
退職の面談で質問される内容や、回答する際の注意点をしっかりと頭に入れておきましょう。

退職時の面談とは?実施する目的は?

退職時に行う面談は、明確にやり方が決まっているわけではありません。企業によって面談のやり方や回数が異なり、1~2回で終わることもあれば3~5回程行うこともあります。
一般的には以下のような目的で面談が行われます。

退職理由の確認するため

退職したいという意思を申し出た従業員に対して、退職の理由を細かくヒアリングするために退職面談を行う場合があります。
なお、退職理由の確認は直属の上司や人事部が行うことがほとんどです。

退職の引き止めをするため

従業員一人が退職することで、一人分の労働力が減ります。退職の意思を聞いた後、やむを得ない事情がない限りは退職の引き止めをされる場合がほとんどでしょう。
退職の引き止めには上司や人事部だけではなく、場合によっては役員や社長が直接面談を通して説得を試みることもあります。

退職の引き止めでしつこい手法から上手く回避する断り方

退職までのスケジュールを調整するため

退職が決まった場合、退職日の決定や退職日までの有給消化日数、業務引き継ぎのスケジュールや、社内や顧客への周知時期について調整を行う必要があります。
退職の意思を伝え、退職の意思を受け入れてもらった後は、退職までのスケジュール調整のために面談を行います。

退職面談で質問される内容とは?

退職時の面談で質問される内容は企業によって様々ですが、事務的な確認の意味合いで行われる質問と、説得の意味で行われる質問があります。

退職理由を確認する質問

退職の理由を確認する場合の質問は、シンプルなものから掘り下げた質問まで、いろいろな質問の仕方があります。

質問の内容は、退職理由の回答内容によって大きく異なります。
退職する理由が「職場に不満がある」ということを伝えた場合には、具体的にどこに不満があるのかということを細かく質問されます。

退職の引き止めを行う質問

企業側が退職の意思表示をした従業員に対して退職の引き止めを行う際は、職場の状況や、退職したい理由によって質問内容が変わります。

退職の引き止めを行う際は、シンプルに「今退職されたら困る」という理由をもとに「退職せずに残って下さい」や「退職時期をずらして下さい」というお願いをされることもあります。
一方、退職しないで欲しいというお願いでは無く「給料を上げてあげるから残留出来ないか」や「他の部署に異動してみないか」というように、残留するための条件を提示されることもあり得ます。

退職までのスケジュール調整時の質問

退職をすることを企業側に受け入れてもらった後は、退職日や業務の調整に入ります。
退職までのスケジュール調整は、退職する従業員の仕事内容やポジションによって異なりますが、一般的には以下の内容を質問されます。

退職日や有給休暇については自分の希望を伝える必要がありますが、それ以外の対応については差し支えなければ上司や会社側に任せてしまうのも手です。

その他退職面談で聞かれる可能性が高い質問

一通り退職までのスケジュールを調整した後は、退職前に伝えておきたいこと等を質問されることがあります。
また、人事部が行う退職時の面談では、アンケート形式で職場の環境や待遇についてのヒアリングがある場合もあります。

人事部が行う退職時の面談でアンケートを取られる場合は、その企業で現在から将来にかけて働く従業員の役に立つこともあります。可能な限り正直に回答するようにしましょう。

退職時の面談で気を付けるポイント3つ

退職時の面談ではいろいろと質問されたり引き止められることもありますが、回答する際に注意すべきポイントがあります。

1 企業や職場の悪口は言わない

職場や待遇に対する不満が原因で退職する場合、「どうせ退職するんだから何を言っても関係ない」と思ってしまいがちですが、悪口を言うのは得策ではありません。退職するまではその職場で働くため、その期間中に働き辛くならないよう配慮することが大切です。

数ヶ月~数年後にその不満を言った上司や職場の人があなたの転職先に転職してきたり、転職先の会社の取引先が退職した会社で、一緒に働いていた職場の人が「お客様」になったりと、退職した後にもその会社の人達と何かしらの関係が続くこともあり得ます。

また、数年後に退職した会社や系列の会社に出戻りするケースも絶対にないとは言えません。なるべく波風を立てないようにしましょう。

2 退職の意思をきちんと伝える

企業側としては、新しい人を採用するということは採用のコストがかかりますし、また一から採用した人を教育しなければいけないというリスクがあります。
早期退職の希望者を積極的に集めている会社や、問題を起こした従業員の場合など、余程のケースではない限りは退職を引き止められるものと考えておきましょう。

もちろん、退職の面談時の引き止めを通して企業側の相談した結果、残留するということがいけないわけではありません。引き止め時の交渉によっては、転職するよりも残留する方が、条件が良くなることもあり得ます。

ただし、初めから残留する意思が全くないのであれば、引き止めの時間は双方ともに無駄なものとなってしまいます。初めから退職の意思の強さをしっかりと伝えておきましょう。

3 業務の引き継ぎ先を事前に決めて調整しておく

従業員が退職する際に企業側が気にするのが、従業員が退職した後の業務をどのように対応するかです。

対応している仕事内容が簡易な作業であれば問題ありませんが、難易度の高い業務や属人化している業務の場合、代わりの人をどのように準備し引き継ぐかということが企業側としては大きな問題になります。さらに「2週間は有給休暇を取り1ヶ月後には退職する」というスケジュールを希望した場合、上司や職場からは反発が起きます。それまでどんなに仕事を真摯に対応してきたとしても、最後のその対応だけで「無責任な人」というレッテルを貼られてしまうことも十分あり得ます。

退職する前に、まずは自分の業務を対応する人がいるかを考えましょう。業務を引き継ぐ相手がいたとしても、引き継ぐ時間を十分に確保しておかないと迷惑をかけてしまいます。
業務を引き継ぐ相手がいないのであれば、早めに上司に伝えて人を手配してもらう必要があります。

退職時の面談は円満になるように丁寧に対応しよう

退職した後にその会社と同じ業界・職種や同じエリアで働く場合、退職した会社の人とどこかで会ったり、一緒にまた仕事をする機会が将来訪れることは珍しいことではありません。次の職場や一身上の都合で転勤や引っ越しをした後に、同じ会社の支店や子会社で働くことになるケースもあります。

「どうせ退職するんだし」という考えが後々あなたの人生に悪い影響を及ぼすことのないよう、退職時の面談では円満に退職できるよう、丁寧な対応を心掛けましょう。