辞表の書き方は?退職届・退職願との違いや封筒の選び方
辞表は知っていますか?仕事を辞める時に提出する仕事を辞める時に提出する書類で、その際にもある程度ルールに基づいた書き方をしなければいけません。まずは退職願・退職届との違いを理解して、辞表を出す際に気を付けておきたいポイントを知って円満な退職を目指しましょう。
退職届とは違う、辞表の正しい知識と書き方
「今の仕事を辞めたい」と思った時に会社へ提出するもの、それが「辞表」です。しかし、調べてみると辞表以外にも「退職願」「退職届」と言う似たようなものがあるのも事実です。一見同じような意味を持つこれらの言葉の違いを、皆さんは正確に理解していますか?ドラマなどでよく見かける「辞表」を、誰も彼もが使っていいわけではありません。
ここでは、辞表そのものについての知識を深めると共に、円満な退職を目指す人のための「正しい辞表の書き方とそのポイント」をご紹介します。
辞表と退職願・退職届との違いとは
ドラマや映画の影響?すべての人が「辞表」を使えるわけじゃない
今働いている職場を退職したい時、すぐ頭に浮かぶのが「辞表」という言葉。なぜならドラマや邦画で登場人物がデカデカと「辞表」と記された白封筒を上司に叩きつけているシーンを観慣れているから…という人も少なくありません。しかし、ここで気を付けておきたいのが「すべての人が辞表を使えるわけではない」ということです。
辞表と似た意味を持つ言葉に「退職願」「退職届」というものがあり、使う目的や意味が似ていることから混同してしまいやすいものでもあります。ここでは、辞表を含めたこれら3つの特徴と違いを認識することから始めましょう。
退職願
・退職の意思を表示するための申し込み書類
・会社などの企業側が承諾するまで撤回することができる
・出しても即効で退職になるわけではない
退職届
・会社など企業への最終的な届け出
・退職届が会社などの企業に受理されると退職になる
・よっぽどの事情がない限り退職届を撤回することはできない
辞表
・公務員や会社など企業の役職に就いている人が辞める際に使う届け出
・退職願や退職届は雇われている側が雇い主に出す届け出である
・辞表は会社などの企業の運営に関わる取締役などが出すもの
このように、退職願・退職届・辞表には違いがあります。
「辞表」を使うことができるのは、会社や企業で偉い立場の役職についている人か公務員の人に限られます。一般的に雇われている立場の人たちは、「退職願」「退職届」を使うことになります。
辞表の書き方:「用紙の大きさ」「退職の理由」「日付」「印鑑」
これらを抑えれば完璧!辞表を書く時に気を付けたいこと
辞表を作成する際には、超基本的なポイントを抑えておく必要があります。あくまでもビジネスライクな規則に従って作成することが、できるだけ波風を立てずに会社や企業を辞めるためには重要なこと。ここでは、辞表を書く際に注目すべきポイントをチェックしていきましょう。
1.用紙の大きさ
・A4が一般的
・字に自信がある場合は手書きもOK
・横書き・縦書きのテンプレートもあり
辞表を作成する用紙は基本的に縦横A4サイズの紙が一般的であります。ネット上には無料でダウンロードできるテンプレートも数多く存在しますが、手書きで作成する方が印象は良いと言われています。手書きで書く際には、文面や必要事項の配置などの参考にテンプレートを見ながら作成するのもおすすめです。
2.退職の理由
「一身上の都合により、退職させて頂きたく思います」
会社を辞める都合は人それぞれ。中には会社や企業との折り合いが合わずに退職を考えている人もいるはずです。しかし、理由はどうであれ馬鹿正直に退職の理由を事細かくここぞとばかりに書き連ねるのは絶対NGです。
どんな個人的な事情があるにしろ「一身上の都合により~」と記すのが正解。「立つ鳥跡を濁さず」ということわざがあるように、辞める時にも円満に事を進めるのが大人として・社会人としてのルールです。
3.辞表の日付け
・提出日の日付け(平成○年○月○日)
退職希望日は、書かないで提出する
・理由:辞表が承諾するまでどのくらいの期間がかかるか分からない
業務の引継ぎなどが重なって正確な退職の日付けを読むことができない
・退職日が決まっている場合は…
退職希望年月日:平成○年○月○日
・だいたいの退職日を指定したい場合は…
退職希望月の月末を指定する(平成○年3月31日をもちまして)
辞表を出す際に注目すべき箇所、それが「退職希望日」の日付けです。人によっては退職が決まってから、業務の引継ぎなどで大忙しとなり予定していた退職希望日よりも長引いてしまうケースや、会社の都合によって自分の希望が通らない場合もあり得ます。
次の転職先が決まっている場合には、そちらとの掛け合いもあるため希望する退職希望月を考慮した上で、余裕をもって辞表を提出する必要があるでしょう。
4.印鑑を押す場所
・自分の名前の後に
・印鑑は三文印でもOK
辞表に自分の名前を記した末尾に印鑑を押します。その際には、銀行印や実印ではなく三文印で良しとされています。
たまに「シャチハタでは非常識だ」「認印でもシャチハタ以外で」という意見を耳にしますが、心配であれば「朱肉を押して使う印鑑」ということを基準にして選びましょう。
辞表の書き方・例文(横書き)
・中央上に「辞表」
・用紙左上に提出年月日(平成○年○月○日)
・右上に会社名&社長名を記入(▲▲株式会社 代表取締役社長□□□□殿)
・その左下に自分の役職&氏名&印鑑(▲▲株式会社 取締役△△△△印)
・「辞表」の下にバランスよく「一身上の都合により、平成○年○月○日をもちまして退職させて頂きたく思います。」
辞表を入れる封筒・大きさや色はシンプルイズベスト
辞めるから「なんでも良い」はNG!辞表は封筒に入れよう
会社の雰囲気によっては上司や社長とカジュアルなやり取りができる「風通しの良い社風」の職場もあるかもしれません。
だからと言って職場を辞める時にはしっかりとフォーマルな形式を心がけるのがマナーです。記すべきことをきちんと記した辞表は、必ず封筒に入れて提出するようにしましょう。
辞表を入れる封筒・注意すべき4つのポイント
- 大きさ:縦長封筒/長3封筒(長形3号)
- 色:白地(郵便番号枠はない方が見栄え良し)
- 封筒の表:「辞表」と書く
- 封筒の裏:自分の「役職名/部署名」と「氏名」
辞表を入れる封筒は、A4・A5の用紙を三つ折りにすれば入るサイズの「長3封筒(長形3号)」が辞表を入れる際にも大活躍。郵便番号枠があるものよりも、無地タイプの方が辞表を入れる封筒としては見栄え的に適しているでしょう。封筒の表には「辞表」と記し、封筒の裏側には自分の役職名と氏名を記します。
知っておきたい!社会人として円満に退職するための本音
辞表はあくまでも謙虚に退職を願い出るもの
辞表は今働いている会社に喧嘩を売りつけるものではありません。あくまでも「円満に退職するためのひとつの過程」ということをお忘れなく。万が一、会社や企業の都合・非によって自分が職場を離れる決心をしたとしても、謙虚でルールに従ったビジネスライクな辞表作成を心がけましょう。
辞表を出す相手は社長、自分の氏名よりも上に記入
役職に就いている人が出す辞表ですが、辞表に記入する社長の名前と自分の名前の位置関係に注目しましょう。自分よりも上の立場である社長の名前が自分の名前よりも上にくるように配置します。
辞表を出す際には会社・企業の就業規則に乗っ取った手続きを踏む
会社を辞める際に、辞表をただ提出すればいいというわけでもありません。会社や企業によっては、辞表を提出する際の規則・ルールを定めている所もあるので、勤めている会社の就業規則などを予めチェックしておく必要があります。
所定の用紙がある場合はそちらを使用、ない場合は「角の立たない白無地便箋」
会社や企業によっては辞表のみならず、退職届などの提出物に関して用紙を指定している所もあります。その場合にはそちらを使用し、特に指定がない場合には「角の立たない白無地便箋」をチョイスしましょう。用紙選び一つにしても、社会人としての常識が問われます。
印刷されたものよりも手書きの方が良い
今のご時世、ネット上には便利なテンプレートやフォーマットが沢山掲載されているため、一見自分でチマチマと作成するよりもこちらを使用した方がいいのでは…という気持ちにもなってしまいます。
しかし、辞表というのは毎日の業務の一環ではなく、自分がお世話になった会社を辞める意思表示でもあります。そんな大事な一枚だからこそ、一文字一文字丁寧に手書きすることに意義があるのです。
辞表を書く時は正しい順序を踏んで提出しよう
「辞表を出したら、はい、さよなら」というのはドラマの中だけのお話。立場のある人間が仕事を離れる際には、その後の引継ぎなども考慮して会社にできる限り迷惑をかけずに辞める心がけも必要です。
そのためには、「辞めたい!」「辞められる!」という気持ち先行で動くのではなく、辞める時こそ正しい順序を踏んで円満な退職を目指しましょう。