やる気のない部下で頭を抱えている人から悩みの声を聞いてみた
部下を持つようになり、仕事を教える立場になったはいいけど、やる気を感じられない…。
なんてことで悩むことはありませんか?やる気がない余り、「仕事をしてくれない」「問題ばかり起こす」、そんな部下は周囲に迷惑をかけるので正直、悩みの種です。
とはいえ、やる気のない部下と一言で片づけても、どこがやる気がないのかは、人それぞれだと。そんなやる気のない部下の特徴と改善方法を、実際に悩んでいる人から聞いてみました。「やる気のない部下がいて、困っている…」とお悩みの方は、是非参考にしてみて下さい。
「やる気のない部下だ!」と思うのはどんな所?
- 仕事が遅い
- 進んで仕事をしない
- 挨拶ができない
- メモを取らない
- 注意しても直そうとしない
- すぐにスマホを見る
- 残業があってもすぐに帰る
- 責任感がない
- 言われたことしかやらない
- よく遅刻する
- 休憩が長い
- ミスが多い
- 話を聞かない
- 好きな仕事しかやらない
「仕事が遅い」「進んで仕事をしない」等、仕事に直接関係する部分で「やる気がない」と強く感じることが多いのは当たり前。「挨拶ができない」「よく遅刻する」といった、特に新人に多い「社会人としての自覚がなく学生気分がまだ抜けきっていない」部分は態度からも、やる気がないと受け取れてしまいます。
やる気のない部下はモチベーションを上げるとやる気を出す?
褒めてモチベーションを上げるだけでは、やる気をだすとは限りません。やる気が無い理由を当たり障りなく聞いてみたり、仕事に対する疑問や不満はないか、話しを聞くことが大事です。
やる気のない部下は、どんなに注意しても一向に直そうとしません。そんな厄介な部下に対して改善策を取り、やる気を出すことに成功した方法は様々あります。
- 褒める所は褒めて、注意する所は注意する
- 上手くいったら褒めて、モチベーションを上げさせる
- とにかく褒めて伸ばす
- 何か悩みがないか、当たり障りなく聞いてみる
- 頭ごなしに怒らず、冷静に話し合ってみる
- 仕事をしている姿を見せ、一緒に仕事をする
- 腹を割って、互いの不満を言い合う
- 仕事の目的と意味を説明する
ただ注意する、叱るだけではなく、何か悩みや不満がないか聞いて、長所や仕事で成功したこと等、褒める所があったら、褒めてモチベーションを上げさせると結果的にやる気を出します。
けど、褒めてばかりで、甘やかしすぎると、味を占めて仕事をしなくなる場合もあります。それらを踏まえて、褒め産部分は褒める、注意した方が良いことはシッカリと注意することでやる気を出すようになります。
やる気のない部下をどう改善している?体験談15
職場にいる、やる気のない部下にはどう接しているのか、部下のやる気が出る改善策を15名の方から聞いてみました。
20代が語るやる気のない部下の改善策
頭ごなしに怒らないようにした
さき(22歳 事務職)
3つ下の部下を教育していたのですが、「いくら説明してもメモを取らない」「取引先の人に挨拶ができない」と正社員なのにやる気がないという言葉では済まされない位、ひどい社員でした。
私はまず、対策として頭ごなしに怒らないようにしました。この手の人はすぐには変われないなと思ったからです。少しずつダメな所を言って、褒めるときは褒めて、子供を育てるような感覚で教育しました。
怒りすぎて「会社に行きたくない。」等と言われると、自分が困ることになるので、部下を褒めるときは必ず褒めましょう。こういった部下はすごく大変で、上司が気を使うしかありませんが、本人の成長の為には、根気よく接するしか方法がなさそうです。
お互いの悪い所を言いあってみた
みみ(25歳 接客業)
3年前の話で、「自分はゆとりなので。」とか、「所詮、バイトだから出来ない。」と開き直っていた子がいました。自分がやらなくても、他の誰かがやってくれると思っている節があり、やる気がないなと思いました。私も同じゆとりでしたが、仕事のことを第一に考えていました。
一度、二人だけで食事に行き、お互いの悪い所を言いあってみました。そこで、相手の考えていることが分かり、今では互いに信頼できる、良きパートナーです。
ただ出来ない、やる気がないからといって怒るのではなく、相手が考えていることをゆっくり聞いてみることが大事だと思いました。
脳科学の本を読んで実践してみた
炭酸水(28歳 教職員)
とにかくマイペースで、仕事のスピードが遅く、雑用も進んでやらない男性の部下がいました。最初は注意していましたが、改善が見られなかったので、私は脳科学の本を読んで対策を取ろうとしました。
そこで読んでみたのが男性脳タイプに効果的な方法で、「他の人と比べて君はここが優れているから、この仕事を頼んだ。」「どちらを選ぶか迷っているんだけど、君はどっちがいいと思う?」等、さりげなく褒めたり、決定権を与えたりして気分を乗せてから仕事を振っています。
ひと手間掛かって面倒かと思いますが、結果的に仕事が速く済ませられ、特に若い部下に効果的でした。
まあ部下も、「自分は褒められて伸びるタイプです!」と言ってくる位なので、上手くおだてて早く成長してもらったほうがいいですよね。
仕事をしなければならない環境を作った
Eriko(28歳 事務職)
新しく転職してきた女性の社員で、社会人経験が15年もあるのに、常識が全くない部下がいました。彼女は電話を取る係で、その旨もしっかり説明したのですが、やる気がなく、全く電話を取りません。
他の仕事に集中して、聞こえていないのだと思い、「電話がなっていますよ。」と教えても一切取ろうとせず、段々ストレスが溜まってきました。さすがに注意をしようと思い、彼女の机に向かってみたら、仕事中にFacebookを見ていました。
部長に相談して、Facebook等のSNSが見えないようにしてもらい、なんとか電話を取るようになりました。やる気のない部下に対しては、仕事をしなければいけない環境を、こちらで作ってあげることが大事だと思います。
やるべきことが分からないのでは?と考えてみた
あるみ(28歳 事務職)
今年、新人で入ってきた部下が、とにかく話を聞かない、メモを取らない、勝手に作業しては失敗して、自分のミスを他人に押し付けた挙句、全く仕事をしなくなる等、今まで色んな部下を指導しましたが、一番やる気のない人でした。
今まで通りの指導は通じないと思い、「この人はなぜ、やる気がなく自分勝手なんだろう?」と考え、「やるべきこと、やるべきでないこと、が分からないのではないか。」という結論に至りました。
そこからは、「まず、話を聞いてね。」「分からないことがあったらすぐに聞いてね。」「仕事をする時は、優先順位を決めてみてね。」と、やるべきことを言葉にして伝えるようにしました。その結果、ほかの人より作業は遅いですが、少しずつ仕事ができるようになりました。
「この人は仕事ができない!」と決めつけるのではなく、一旦落ち着いて、「なぜこの人は、仕事ができないんだろう?」と、具体的に考え、改善してみると、意外にストレスが減るかもしれません。改善策が思いつかなかったら、同僚と相談してみるのも手です。
部下の為にも、自分の為にも、一息入れてゆっくり考えてみてください。
30代が語るやる気のない部下の改善策
気持ちを只々聞くようにしてみました
さとる(30歳 食品製造)
今まで働いて気になったことは、やる気の無い部下を見ると自分だけが苦労している、と思っている人が多かったことです。私から見たら仕事の種類や量は違っても、みんな同じだけ大変な思いをしているのに、と思っています。
私がやる気の無い部下と接する時に心がけていることは、上から目線にならないよう、「自分も同じ立場だったら仕事を投げ出したくなるな。」とか自分の気持ちをさらけ出し、重荷にならない程度に部下の気持ちを否定も肯定もせず只々聞くようにします。
愚痴を聞くことが多いですが、仕事を頑張ってくれるようになりました。おそらく、気持ちを吐き出すことで、いいストレス発散になったのでしょう。
良い所を見つけてほめる
ゆめこ(35歳 事務)
やる気のない部下がいました。仕事を積極的にしようとしないのです。仕事中にすぐ携帯を見る、残業があっても、「用事があります。」と言って、すぐ帰るのです。
ある日、私は、「いつも携帯ばかり見ているけど彼氏なの?」と聞いてみました。その時に、彼氏の画像をみせてもらったので、「かっこいいね。彼氏に会いたいから残業したくないの?」と聞いたあとに、「頑張っている姿を見たら、彼氏があなたのことを、もっと好きになってもらえると思うから、たまには残業してね。」と言いました。
その言葉が良かったのか、残業してくれるようになりました。やる気のない部下には、何かしら良い所を見つけ、褒めて育てるべきだと思います。
目線を合わせてみました
よしお(30歳 営業職)
見た目は好青年で、仕事の出来そうな部下ですが、まだまだ学生気分が抜けていないようで悩まされました。残業や休日出勤は、内容に構わず断るような事もあり、自分の任された仕事に対しての責任感が全く感じられませんでした。
仕事とプライベートの両立については、会社も理解していましたが、あまりにも自分本位な行動が目立ち、他部署の方からも、注意の声が聞こえるほどでした。
この手の部下は、どこにでもいると思いますが、会社の立場を利用した上下関係では、上手く指導できない事も多いと感じています。まずは自分が部下に対して、目線を合わせてあげることも大切だと思います。そうすることで、相手に気持ちが伝わるからです。
部下を育てるという事は、簡単ではありませんが必ず信じて下さい。頭ごなしにではなく、対等に接することが、解決への一歩です。
仕事の目的と意味を説明した
ケント(35歳 編集)
以前、勤めていた会社に、やる気のない部下に出会いました。とにかくどんな仕事に対しても、単にこなすだけで言われたことしかしない部下でした。他の社員も彼のそんな所にやる気のなさを感じていました。
このままではいけないと思い、改善策を色々試しましたが、一番効果的だったのは、「何故、仕事をするのか。」「しないとどうなるのか。」「どのように進めれば良いか。」等、仕事の目的と意味を丁寧に説明することでした。
部下を抱えている社会人にアドバイスですが、やる気が出ない原因は、本人がどのように仕事を進めたらいいのか分からないことにあると思います。自分にとって当たり前のことでも、部下にとっては違うこともあります。根気強く頑張って下さい。
40代が語るやる気のない部下の改善策
事実を話す
シロひげ(41歳 建設業)
うちの会社の新入社員は皆、「給料と労働が見合わない。」と愚痴を言ってはやる気を失くし、休憩時間が長い、いち早く帰る、よく遅刻をする等と、よく問題行為を起こします。
そんな部下に私は必ず、「給料と労働が見合わないのは、どこの会社もそうだ。」「一人前になったら、満足いくだけの給料が貰える。」と、事実を話します。
これを言われて辞めていった部下もいましたが、やる気を出した部下も多くいました。厳しくても事実を伝えることは、やる気の向上に繋がると思います。
褒めて、やる気を出させるのが基本です!
よっちゃん(43歳 医療技術職)
草食系、ゆとり世代と言われる20代の子が、周りから「やる気がない」と叩かれていたことがありました。当時、私の部下も20代が多かったので、気になっていましたが、それは周囲の人間が都合よく叩いているだけで、「思ったように動かないだけでは?」と感じました。
けど、よくよく考えてみたら、「一人で仕事を任せるとしたら、まだまだかな?」と思ったので、自分が部下の良い手本となって、部下を一人前に育てようと考えました。
まず、先頭に立って仕事を行い、部下にはサポートをさせるようにしました。自分が仕事をしている姿を、部下の目に焼き付けました。ある程度経ったら、部下にも同じことをやらせてみるようにしました。
他にしたことは、指導するときは、必要最小限に核心を捉えた教え方して、上手に仕事が出来たときは、必ず褒めるようにしました。
そのおかげか、素早く正確に仕事をこなせるようになりました。また、分からないことがあったら、質問してくるようにもなりました。
悩みを聞いてあげることが大切です
マーガレット(45歳 事務職)
部下が何回言ってもケアレスミスをするので、やる気のなさを感じていました。悩みがあるようにも見えたので、別室に呼び、差し支えがない程度に聞いてみたところ、親の介護など、家庭の悩みを色々と抱えていることが分かりました。
部下は、話を聞いてもらってスッキリしたのか、以前よりもやる気を持って仕事に取り組むようになり、ケアレスミスも減りました。
部下も悩みを抱えることで、やる気がなくなることがあります。だからといって、ダメだと簡単に決めつけず、悩みを聞くことが大切だと思います。
同期の社員とペアで仕事をさせるようにしました
さすらい侍(47歳 技術職)
仕事を頼むと即座に、「私には無理です」と断り、二つ返事で「はい」と答えたと思ったら、「今日は終わりませんでした、明日やります。」と言って帰宅する部下がいて、やる気のなさを感じています。
そんなやる気のない部下には、同期の社員とペアで仕事をさせるようにしています。こうする事でやる気がなくても、迷惑を掛けたくないという気持ちが働くようになり、仕事をするようになります。
やる気のない部下を育てるには、誰でも持っている、「人に迷惑を掛けたくない」と言う気持ちをいかに引き出すかが重要だと思います。 そういう気持ちが現れると、自然に責任感が養われていくと思います。
50代が語るやる気のない部下の改善策
向き不向きを分析しました
サイタマ(52歳 事務職)
人事関連の仕事が得意な女性の部下がいましたが、得意分野でない仕事を任せると、納期までに納めないどころか、手も付けないことがありました。
女性なので、強い口調で接するわけにもいかず、与えた仕事のどこが気に入らなかったのか、聞いてみることにしました。結局の所、やる気と能力がなかったことが原因でした。そこで、得意な仕事では充分に能力を活用させ、不得意な仕事はプレッシャーをかけることなく、少しずつ出来るように与えるようしました。
人には向き不向きがあるので、部下を上手に使うには、能力を分析することが大事です。その際は、部下と話し合うことが一番の方法だと思います。
仕事をやってみせる
マック(55歳 事務職)
年齢の若い部下で、言われないと動かず、仕事しても工夫をしようとしないので悩んでいました。そんな部下に私が取った改善策は、自ら仕事を進んでやって見せたり、一緒に作業を行うことで、コミュニケーションを心がけることでした。
そうすることで、自分から仕事に取り掛かり、分からないことがあれば、聞きに来るようになりました。
今の若い人に一言いいますと、いやいや仕事するのではなく、自ら工夫を行い、作業を効率良く出来るよう、日々心がけたほうがいいということです。また、分からないことがあればそのままにせず、上司や同期に相談して、早期解決に結びつけることが大切です。
けど、無理せずコツコツとやって行きましょう。きっといつかは仕事が楽しくなり、やる気が出てくるのだと思います。
やる気のない部下と決めつけないことが改善策になる
やる気のない部下に対して、多かった改善方法が、「やる気がないからと否定せず、コミュニケーションを取ってみる。」であることが分かりました。
問題行動を起こしても、すぐにダメだと決めつけないで、相手の立場に立って考え、抱えている悩みや、その人が持っている長所等を見つけ、褒める所は褒めて、注意する所は注意して、部下を育てていくことを心がけていれば、いつかは成長して、心強い味方になってくれるかも知れません。