職場の上司が特定の社員をえこひいきすることは珍しくはない
上司がある社員を特別扱い、いわゆる「えこひいき」をすることはよく見受けられる光景です。えこひいきをしている自覚がある上司もいれば、自覚がないままにえこひいきをしているという上司も多くいます。
そのような上司がいれば、もちろん職場内での空気が良くなることはないでしょう。えこひいきをする上司の元で進んで働きたいと思う部下はいませんし、えこひいきをされている当人にとっても、肩身が狭い思いをすることが多くあるからです。
何にせよ、えこひいきは仕事を進めていく上で支障をきたすほどの問題に発展しかねません。昨今、パワハラなどといった職場における人間関係の問題が取り正される中、えこひいきのような個人を特別視する姿勢は避けるべきであると言えます。
上司がするえこひいきとはどんなものか
職場の上司がするえこひいきとよばれるものにも色々な種類があります。わかりやすいものから、それも含まれるのか、といったものもえこひいきと呼べるものもあるでしょう。
えこひいきをしたい人だけの評価を甘くして、高くつける
上司のえこひいきでわかりやすいのが、えこひいきをしたい特定の人に対しての評価についてです。同じ仕事、業務をしたとしても、えこひいきをされている人の方が上司に褒められて、高い評価を得られるということが多々行われるのが何とも許しがたい行為であると言えます。
このえこひいきの積み重ねによって、えこひいきをされている人はどんどん業績が上がっていき、昇進のスピードも速くなってしまう、といったことも考えられます。これは、同じ業務に取り組んできた人たちにとっては悔しいの一言ではとても表しきれないものがあるでしょう。
えこひいきをしたい特定の人に対して他の人とはあからさまに態度を変える
えこひいきをしている人に対して、上司はその態度を明らかに周囲の人たちと変えることがあります。これも典型的なえこひいきの例であると言えるでしょう。
上司に対して面と向かって文句を言える人はなかなかいませんし、態度が違うことに対しては明確な証拠があるわけではありません。ですから問い詰めることはまず不可能であると考えられます。
その上で、上司が特定の人に対して甘い態度をとって、その人だけは特別にミスを許したり、あまり重要な仕事を振らなかったりといったえこひいきをすることは、誰にも糾弾することができないのです。
しかし、それではビジネスがうまく回らなくなります。えこひいきも行き過ぎると自分の首を絞めることになると気づいてほしいものです。
常にえこひいきをしたい人を自分の元においておこうとする
これは特定の人の評価を上げることにも繋がるのですが、えこひいきしたい人を常に自分の元においておくことによって、重要な仕事やその人にとって株の上がるような仕事を優先的に回すといったことも、えこひいきにあたると言えます。
些末な案件や、誰がやっても変わりのないような案件は適当に振り分けて、大きな仕事だけを積極的にその人にあてがうという、上司の権限を濫用した、何ともいやらしいえこひいきの仕方です。
いつでもそうすることができるように、常にえこひいきをしたい人を自分の元においておき、可愛がっている上司は少なくありません。
上司が特定の社員をえこひいきするときの対処法
上司が誰かをえこひいきしてしまったら、もう何もすることはできないのでしょうか。確かに対処することは難しくはありますが、何もできないということはありません。自分にできるサラッとした対処法を考えてみましょう。
1.上司が誰かをえこひいきできないほど業績をあげる
上司がえこひいきをしている社員がいたとしても、自分のするべき努力は変わりません。上司に自分を意識させるためには、これまで以上に自分の実力を発揮することが重要です。仕事ができる人になることは、自分にとっても大きなプラスになります。自分がえこひいきされる対象に取って代わる必要はもちろんありませんが、上司の気を逸らすことが少しでもできれば成功だと言えるでしょう。
2.信頼できる人に上司のえこひいきについて相談してみる
信頼のおける人に、上司が誰かをえこひいきをしているということについて相談してみることもひとつの手です。上司のえこひいきを止めさせることは難しいですが、上司のえこひいきで溜まったストレスの解消にはなるかもしれません。
もちろんこの時に、誰をえこひいきしているのかといった実名や、特定できてしまうような情報を漏らしてしまうことは絶対に避けましょう。ですが、誰がどのようなえこひいきをしているのかといったことについては話さなくてはならないことになります。
ですから、口が堅い人で、信頼が置ける人に相談をするべきです。また、相談をする人には的確なアドバイスをくれることや、きちんとした姿勢で話を聞いてくれることなども必要な条件となります。
話を聞くだけ聞いて、「まあそういうこともあるよね」といった程度の軽い答えしか得られなかった場合、せっかく思い切って相談したのに何の意味もなかったということになってしまうからです。相談すると決めた時には、社内外問わず、きちんと相手を選ぶようにしましょう。
3.上司のえこひいきが余りにも過ぎる場合は上司の上司に相談する
行き過ぎた上司のえこひいきによって業績が伸びなかったり、グループの輪が乱れて仕事へのモチベーションが保てなくなってしまったりした場合は、上司の上司に相談をしてみてください。上司が○○さんに対してこんなえこひいきをしていますと具体的な例を挙げ、そのえこひいきによって、どんなに周りの人間がイヤな思いをしているか、仕事がうまく回っていない状況を説明するのです。
説明のポイントは業績の伸び悩みや悪化を数字で示すこと。上司の上司は業績には敏感なはずですから、「それはまずい」と思うに違いありません。会社はとかく人間関係のもつれに積極的に関わろうとはしないものですが、仕事が上手くいかない場合は役職者として手を打たなければなりませんので、何かしらの策を講じてくれることでしょう。
4.上司がえこひいきしている様は風景と考える
上司のえこひいきはそう簡単になくなるものではありませんから、仕事の支障がない程度に上司とは距離を置き、えこひいきをしている場を見ないようにするのもいい対処の仕方です。
「○○さんは本当に優秀だね」とえこひいきをしている場面を風景ととらえ、ただ視界に入っている空や海や森と同じように考えてみるのです。風景はただ存在しているだけですから、そこに怒りや悲しみと言った感情はわきません。上司のえこひいきを無の感情でやり過ごすことができるでしょう。
5.上司のえこひいきはそんなものだとあきらめる
えこひいきは、きっと人間が感情を持つようになった太古の昔からあるに違いないと思うほど、世の中にあふれているものです。「えこひいきしたい」感情を上司の心の中から完全に消し去るのはできないので、自分の考え方を変えた方が精神衛生上お得と言えます。あの人ばかりいい思いをしてずるいとか、あの上司はどうしてえこひいきをするのと悶々としても、自分にとって何一ついいことはありません。
上司はえこひいきをする生き物なのだと考え、えこひいきする上司がえこひいきしない上司に生まれ変わることを諦めましょう。自分は自分がすべきことをやるだけと考えれば、おのずと視界が開け、前に進むことができます。特定の部下をえこひいきするようなつまらない上司のために思い悩むのは時間がもったいないです。
上司はなぜ特定の人に対してえこひいきをするのか?
上司は、どうして誰かをえこひいきしてしまうのでしょうか。えこひいきをすることによって職場の雰囲気が悪くなったり、社員のモチベーションが下がったりすることに気づかないという場合には、それはもう人の上に立つ者として失格であるとしか言わざるを得ません。
上司がえこひいきをしてしまうのは好き嫌いを表に出してしまうから
上司がえこひいきをしてしまうのは、部下に平等に接することができないということが原因です。もちろん人間には誰しも気が合う人や合わない人、好きな人やあまり馬が合わない人がいます。それは仕方のないことですが、ビジネスの場にそれを持ち込んでしまうのはご法度です。
平等に接することができないのならば、せめて冷静に振る舞うべきなのです。好きな人にも、嫌いな人にも、同様な扱いをすることをすることが望ましい上司の姿であると言えます。
えこひいきされる人の特徴とはどういったものか?
えこひいきをされやすい人というのがいるのは確かな事実です。では、そういった人はどのような特徴を持っているのでしょうか。
コミュニケーション能力が高く、話し上手である
上司と話すというと、どうしても一歩下がってしまいがちですが、コミュニケーション能力が高い人はそこを上手く乗り越えて話すことができます。コミュニケーション能力は仕事でも役に立ちますが、上司との会話でも重要なスキルなのです。
そうして上司との仲を深めていくことで、上司はその部下を気に入り、結果的にえこひいきをすることに繋がることが多々あると言えます。もちろんこの時に、コミュニケーションをとっている部下に他意があったかどうかはわかりませんが、周囲からの視線が突き刺さるといったこともあるでしょう。
えこひいきされない人の特徴とはどういったものか?
上司にえこひいきされる人にも特徴がありますが、えこひいきされない人にも共通した特徴があります。もちろん、えこひいきをされないから仕事ができないとか、人間性や人格に問題があるとか、そういったことではありません。まず、えこひいきといった行為自体が根本的に間違っているのですから、されないタイプとされるタイプに大別されるのだな、くらいに捉えておきましょう。
上司に隙を見せようとしなかったり、ノリを合わせたりしようとしない
常に完璧で、全ての仕事をきっちりと行い、報連相も抜けることがない、そういった人は、なぜかえこひいきされにくいことがあります。えこひいきされやすい人は、少し隙があるくらいがちょうどいいのです。完璧に、仕事だけを黙々と行っている部下はえこひいきしにくい傾向にあります。
また、えこひいきをする上司に共通して言えるのは、自分に賛同してくれる部下を好むということです。ですから、自分のノリに合わせてくれない部下に対してはえこひいきをしようと思いません。上司がテンションを上げたら一緒に上げて、騒ぐ時は騒ぐ、といった気持ちの切り替えができない人はえこひいきされにくいと言えるでしょう。
上司にえこひいきをされている人を見ても、あまり気にしないようにしよう
えこひいきをする上司は、部下が変わったとしても必ず誰かをターゲットにしてえこひいきをするでしょう。ですから、それをやめてほしいという気持ちを持ってしまったとしても、あまり気にしないようにして業務に集中することをおすすめします。
上司がえこひいきをしていることは、確かに見ていて気持ちの良いものではありません。ですが、それは周りで働く同僚も同じことです。ですから、たまに集まって愚痴を言い合ってストレスを解消したり、自分なりのストレス解消法を見つけたりと、日々の鬱憤を発散しながらサラッとやり過ごし仕事に向き合っていきましょう。