女性向け退職祝いのプレゼント
結婚、出産、定年……必ずやってくる職場の人との別れ。お世話になった上司や励まし合った同僚に、感謝と労いの気持ちを込めてプレゼントを送りますが、欲しい物を訊いて贈り物を用意するという野暮なことをする訳にもいきません。
今回は、女性に喜ばれる退職祝いのプレゼントを紹介します。予算の相場も紹介しますので、目安にしてみてください。
女性に贈る退職祝いのプレゼントの値段相場
退職祝いの相場は、自分と贈る相手との関係によって変わります。一般的には以下の通りになりますが、同じチームの人と合同でプレゼントを贈ることもあるので、一人の負担は相場よりも少ないことがあります。とはいえ、特に直属の上司や切磋琢磨してきた同僚など、お世話になってきた相手の場合は相場よりも高価な贈り物を贈ることもありますので、あくまで目安として考えると良いでしょう。
退職祝いプレゼントの相場(注1)
- 同僚・後輩、友人:1,000~5,000円
- 同じ部署の先輩・上司、親戚:3,000~10,000円
- 長年勤めてきた上司、親が定年退職:10,000~30,000円
ちなみに、今回寄せられた体験談の平均は10,555円(小数点以下切り捨て。総額が分からないものは含めない)となりました。
女性に退職祝いを贈るタイミング
退職祝いを贈るタイミングを計るのは、なかなか難しいものです。会社全体で贈り物をしたり、友人や部署と共同で渡したりするならば悩まなくても良いですが、個人的に用意したプレゼントをどのタイミングで渡すか迷います。退職すると発表してから1~2週間以内に渡すのがマナーです。
送別会がある場合は、会の終盤や退席する直前に渡すとよいでしょう。送別会が行われない場合は、最終出勤日の数日前に渡すのがオススメです。なぜなら、最終日というのは退職する人がいろいろと持ち帰る物があるため荷物が多く、挨拶回りをするなど忙しい日となります。また、個人的に贈り物を用意していない人が決まりの悪い思いをしますから、同僚の前で渡すのも控えましょう。個人的に渡すのがベター。
退職祝いを渡すタイミング
送別会がある場合:送別会の終盤に渡す。
送別会がない場合:最終出勤日の数日前に、個人的に渡す。
女性の退職祝いに向かない贈り物
退職祝いを考えるうえで無視できないのが、贈ってはいけないNGアイテムの存在です。20代の女性が退職する場合はあまり神経質にならなくても良いですが、目上の方の中には気にする人もいるので、贈るときは意識して避けると良いでしょう。
1 特に目上の人へはNG「現金」
「どうぞ、今後の足しにしてください」という意味になってしまう為、特に目上の方には贈ってはいけないものです。同様の理由で金券・商品券も避けたいアイテムです。
しかしどうしてもプレゼントに迷った場合は、カタログギフトを贈るのも1つの手です。チームの寄せ書きやメッセージカードを添えて贈ると良いでしょう。
2 語呂合わせでNG「櫛やハンカチ」
身だしなみに気を使う社会人ならば、折り畳みタイプや高価な櫛(くし)を贈られて困る人はあまり居ないでしょう。しかし、櫛は苦(く)死(し)といった良くない言葉を連想させるとして、退職祝いに限らず避けるべきアイテムです。
また、ハンカチも同様の理由でプレゼントには向きません。ハンカチは漢字で手巾(てぎれ)と書き、「手切れ」つまり「縁切り」を連想させてしまいます。退職祝いの他にも、結婚祝いや出産祝いには避けるべきものです。
3 意外なNG「日本茶」
日本茶の贈り物は弔事に使われることが多いため、退職祝いに限らずお祝い事全般で、贈るのがマナー違反とされています。紅茶やコーヒーには特にそういった決まり事は無いので、贈っても大丈夫です。
4 靴・靴下・下着など「下に着けるもの」
靴・靴下・下着・スリッパなど、下半身や上着の下に身に着ける物は、目上の人を見下すという意味合いになるので相応しくありません。特に靴やスリッパといった履物は、道具の使い方上「踏みつける」というイメージがありますので、やはり贈り物には向きません。
5 ちゃんと仕事してください!?「文房具・時計」
文房具やカバンには「勤勉になりましょう」という意味合いがありますので、贈り物にはふさわしくありません。時計にも「時間を気にしてください」「遅刻しないでください」という意味がありますので、マナー的には控えたいアイテムです。
とはいえ、部下や後輩へのプレゼントとしては人気の高い物なので、相手が気にしないタイプであれば贈っても良いでしょう。
6 意外と見落としがち「大きい物」
退職する女性が、どうやって帰るかを考えて贈り物を選びましょう。例えば、電車通勤なのに大きな花束や抱えなければいけないプレゼントを贈ってしまうと、持ち帰るのが大変です。
退職する相手がどうやって会社に来ているのかも考えて、花束よりもフラワーアレンジメントのようなこぢんまりとしたものを贈る、といった心遣いが出来ると、社会人としてまた一歩ステップアップ出来るでしょう。
女性の退職祝いにおすすめのプレゼント
オススメの退職祝いを年代別・理由別に紹介します。もちろん、あくまでも一般論ですので、受け取る相手の趣味や生活を考えた贈り物を選んでください。
どのような世代・理由でも喜ばれるのが花ですが、葬儀を連想させる菊や語呂合わせで死や苦を連想させるシクラメンは避けましょう。贈る際は花言葉にも注意を向け、なるべくなら「感謝」「労う」といった意味を持った花を贈りましょう。最近では、枯れないプリザーブドフラワーも人気です。
年代別のプレゼント
20代女性向けのプレゼントは、長く使える小物がオススメです。NGアイテムを気にする人も多くはいないので、選択肢も幅広いです。仕事でもプライベートでも使える文房具やハンカチ、コインケース等を贈ってみてはいかがでしょう。名前やイニシャルを入れても喜ばれます。
30代女性は、結婚や妊娠を機に退職することが多い年代ですので、仕事で使える物よりもライフスタイルに合った物を贈るのがオススメです。例えば、お酒好きな人ならラベルに名前を入れたワインや日本酒をあげたり、料理好きには便利なキッチングッズを贈ったりしてみてはいかがでしょう。何かと便利なポーチを贈るのもいいでしょう。
40代女性には、癒しを感じられる贈り物が喜ばれるでしょう。年代的に結婚や出産を経て、仕事に家庭にと日々忙しさに追われた生活を送る人が多いため、美容グッズやスイーツのようなホッと一息つけるようなアイテムを選んでみましょう。
50代女性には物を贈っても喜ばれますが、思い出に残る経験や品をプレゼントしても喜ばれます。カタログギフトと共に手紙や寄せ書きを贈ると良いでしょう。
60代女性は定年を迎えたために退職することが多い年代ですので、思い出や記念になる贈り物はいかがでしょうか。名前入りのグラスや似顔絵といった贈り物は、世界に一つだけしかないので特に喜んでもらえるでしょう。
理由別のプレゼント
退職理由が結婚の場合は、新婚生活に使えるような生活雑貨がオススメです。ペアグラスや食器セット、イニシャル入りのタオルといった、長く使える良い物を選んでみてはいかがでしょうか。
出産のために退職する相手への贈り物は、妊婦が喜ぶものがオススメです。子供用品ではなく、妊婦が貰って嬉しい寝具やノンカフェインのコーヒー・紅茶などを選んでみましょう。
定年退職の場合は新たな門出を祝う意味合いがあるので、感謝の気持ちと共にこれからの時間を満喫できるようなプレゼントがオススメです。ディナークルーズのチケットや旅行券、趣味が分かっているならば趣味の道具等を贈ると喜ばれるでしょう。
女性向け退職祝いのプレゼント体験談
あたたかく過ごせるように
まる(28歳 事務職)
退職する女性の上司に贈ったプレゼントは、2万円のストールでした。上司の洋服やバッグ、靴などの趣味を見ると地味な色合いのものが多かったので、ご自分ではあまり選ばれないであろう、温かそうな淡いピンクのストールにしました。
ストールを贈ろうと考えた理由は、退職時期が12月と寒い時期だったからです。そして、退職する前の3年間ほどは病院に頻繁に通っていらっしゃったので、身体を冷やさないようにして欲しいという思いもありました。
プレゼントは退職当日、会社から辞令を受け取って席に戻られたあとに渡しました。
これから女性の上司に退職祝いのプレゼントを選ぶ方は、上司の好みを優先しつつ、自分ではあまり選ばなさそうな物を贈ると喜ばれるでしょう。
女性上司への退職プレゼント
shi(35歳 営業職)
上司の退職プレゼントとして、パナソニックのスチーマーナノケアという1万円程の美容グッズを贈りました。普段から上司はイベントごとに簡単なプレゼントをよくしてくれる方だったので、ある程度の物を贈ろうと考えていました。また彼女は車で送別会会場に来ると知っていたので、多少大きくても持ち帰りに困らないだろうと考えました。
予算は、会社全体の退職祝いとして5万円ほどの空気清浄機をプレゼントしていたので、それよりも安価にしないといけないと考えて決めました。
送別会が行われた時にプレゼントを渡しました。他の社員からも家電製品を貰っていたので、荷物は多くはなりましたが車には積めていました。
結婚退職する上司へのプレゼント
おか(35歳 主婦)
上司が寿退社することになったので、結婚祝いとお仕事お疲れさまという気持ちを込めて、花束と新生活で使えるペアの食器セットを3万円ほどで購入しました。新婚夫婦に合うような可愛らしい色合いの夫婦茶碗で、上司に似合うものを選びました。
退職の日に、最後の挨拶の時に同僚と囲んでお渡ししました。まだ食器も揃ってないから助かると、とても喜んでくれました。
今回は結婚による退職だったので新婚生活に必要そうな物を選びましたが、やはり事前に贈る相手の趣味を把握しておくことが大事です。
好きなカラーのフラワーボックス
nekonomimi(36歳 営業職)
お世話になった女性の上司が退職するときに、フラワーボックスを贈りました。値段は1万円ほどで、課の皆で1人2,000円ずつ出し合いました。
物だとそれぞれ好みもありますし、あまり普段から物を増やさないようにしていると伺ったことがあったので、お花が良いと思って上司の好きなイエローのフラワーボックスを選びました。上司は電車通勤していたので、花束はかさばると考えて止めました。
最終出社日の退社時にお渡ししました。なかなか自分では買わないものだし、上司も初めて貰ったと言ってとても喜んでくださいました。花瓶などがなくても自宅でしばらく飾ることができるし、特に女性にはおすすめの贈り物です。
お世話になった上司への退職祝い
みどり(28歳 事務職)
お世話になった女性上司への退職祝いに、少し高価なハンドクリームとハンカチを贈りました。合わせて5,000円ほどでした。
上司のような品の良い素敵な女性に合うものは何かと考えて、おしゃれで実用的でもあるハンドクリームが思い浮かびました。また予算については、私の職場の方は退職祝いにお礼をされる方がほとんどなので、気を遣わせない金額でということで考えました。
プレゼントは会社で退職祝いの会をする日に個別で渡しました。翌日にはとっても良いものをありがとうと感想もいただきました。
ハンドクリームは多くの女性は使うものだと思いますので、プレゼントにオススメです。相手の好きなもの、自分がもらって嬉しいものなど考えながら、楽しんでプレゼント選びをすれば相手にもきっと喜んでもらえると思います。
退職祝いにハンドクリーム
はるこ(30歳 事務職)
上司が退職するにあたり、他の社員と相談した結果「ハンドクリーム」にしました。職業柄紙に触れることが多く、手が乾燥すると言っていましたし、貰っても困らないだろうというのが決め手です。みんなで3000円を割り勘して高級ハンドクリームを購入しました。
最後の日に、その場で他の上司がお花を渡したりする時間があったので、その時に流れで渡しました。
プレゼントって本当に選ぶのが大変ですが、相手との会話を思い起こして探してみるといいでしょう。女性ならハンドクリームやボディクリーム、ハンカチなんかが手ごろで選びやすいですし、誰かと被ってしまっても大丈夫なのでおすすめです。
新たな活躍を期待して
ちいこ(32歳 無職)
6,000円のブルーのバッグを贈りました。4年ほど、困ったときにはいつも助けてくれたり親身にアドバイスをくれたりとお世話になった先輩に、感謝の気持ちを込めてプレゼントを贈りました。
ブルーのバッグにした理由は、持ち物がほとんど青を選ぶほどの青好きだったのと、今まで仕事が忙しく、毎日遅くまで働いて休日も出勤するような真面目な方だったので、退職後は自分の為の時間を過ごしてほしいと思ったからです。
プレゼントは出勤日の最終日に手渡しました。気持ちのこもったプレゼントなら何でも嬉しいでしょうが、愛用してもらうために相手の好きな色を選んだり、いくつあっても嬉しいものを選んだりするといいでしょう。
寿退社された上司へ
なな(39歳 事務職)
私と同じ業務をされていた女性上司が、40歳で念願のご結婚と妊娠のダブルおめでたで退社されました。社内の数人から集金し4,500円くらいのブランドもののハンカチと、それぞれがメッセージを書いたカードを一緒に包装してプレゼントとして贈りました。
元々お洒落なハンカチを持っている方でしたので、新作を贈りました。赤ちゃんグッズや新居グッズ等も考えましたが、あまり高価なものを渡しても逆に気を使わせてしまうのではないかということで、比較的安価なものに落ち着きました。
プレゼントは退職日に社長が用意した花束と一緒に渡しました。やはりプレゼントは相手との関係性を考えて高過ぎないものがいいと思います。
仕事の思い出感じる贈り物
はづき(43歳 主婦)
チームリーダーの退職にあたり、親しい同僚と3人でささやかなプレゼントを贈ることにしました。散々悩んだ結果、3,000円ほどの小さい地球儀を贈ることに決めました。
私たちの仕事は世界各国の資源開発に関わっていて、チームリーダーは何十カ国もの国の仕事をしてきましたので、地球儀を見て仕事を思い出し懐かしんでもらえたらな、と考えました。海外旅行も大好きな方だったので、次の旅行先を考えるのにも最適だと感じました。サイズも15センチ位で軽かったです。
彼女の勤務最終日に渡しましたが、荷物の邪魔にならず、良い贈り物ができたと思っています。退職される方へのプレゼントは持ち帰りに邪魔にならなくて、仕事の思い出に関係するものがいいと思います。
退職後に活躍できるプレゼント
かず(34歳・主婦)
私は結婚前まで勤めていた会社の上司が退職する際に、有田焼のビアグラスをペアでプレゼントしました。値段はペアで6,500円程度でした。
上司はお酒が大好きな方で、退職後はゆっくり旦那さまとお酒の時間を楽しんでほしいと思い、ペアのビアグラスにしました。グラスに注ぐことで炭酸とビールに対流が起こり、口当たりもよくなるということが決め手でした。
プレゼントは、退職日の当日に上司に直接渡すことができました。上司はとても喜んでくださり、私の結婚祝いの際も有田焼のビアグラスをプレゼントしてくださりました。これから退職祝いなどで上司へプレゼントされる方は、その方の趣味に特化したものだと、退職後に活躍できる良いプレゼントになると思います。
女性の退職祝いは感謝と激励をこめてプレゼントしよう
予算は相手と自分の関係が大きくかかわってくるため一概には言えませんが、退職祝いを贈るときに一番大事なのは「今までありがとう」という感謝と、「お仕事お疲れさまです」という慰労や「次の職場でも頑張って」といった激励の気持ちを伝えることです。
生活を豊かにするものや仕事の役に立つものなど、贈る相手のことを考えたプレゼントを選びましょう。どのような物をプレゼントされても、相手は自分の選ぶために時間や労力をかけてくれたという事実が嬉しいものです。
参考文献