上司に好かれる部下になる方法は?
控えめに言っても社会人生活の運命を左右するのが職場の直属の上司です。この上司が良い人に恵まれれば社会人として自分の考えている以上の成長を遂げることができる一方、イマイチな人に当たってしまうと仕事や社会人生活に希望が持てなくなってしまうこともあります。
しかし、どちらのケースであれ上司とうまく付き合っていくことは社会人として大切なことです。自分が上司と仲良くやれているのであれば良いのですが、うまく行っていないと感じるのであれば、「上司に好かれる部下」を目指してみましょう。
部下は上司に好かれるに越したことはない
今の時代は個性の時代であり、それぞれの個性を優先する時代です。その時代において、他人に好かれようと自分を変えることはナンセンスだと考える人もいます。それは確かにそうですが、ビジネスは一人ではできませんので、協力者を得ることは必要ですし、必要なのは自分を変えることではなく付き合い方を変えることです。
当然上司は部下の面倒を見るべき立場ではありますが、人間ですから面倒を見てあげたい人と見たくない人が出てくるのは仕方のないことです。
上司は社歴や実績によってその位置にいますから、自分以上に社内に影響力を行使できる存在であり、その協力を得られるかどうかは仕事や昇進・昇給に大きく影響し、自分の現在や将来に大きな違いをもたらすようになります。好き嫌いは別として、うまく付き合うに越したことはないのです。
上司に好かれる部下の12の特徴
上司に好かれる部下の特徴は様々です。主な特徴を挙げますので、自分の普段の態度と照らし合わせてみましょう。
1 気配りができる
上司に高く評価されるのは、何も言わなくても掃除や片付けをしてくれたり、お茶を入れてくれたり、ちょっとした手伝いをしてくれる人です。「気持ち」を「配る」と書いて「気配り」ですが、自分のことや仕事に関心を持ってもらえることは誰でも嬉しく感じるものです。取り入るためというよりも、本心から相手を気遣う心で行いましょう。特に女性は気配りがあると良い印象を与えます。
2 やる気がある
仕事に対して明らかに意欲が無い人は上司に好かれることはありません。上司は自分のチームや部署に責任を負っている立場ですから、足手まといになるなら好かれる理由が無いのです。逆にやる気をもって接してくる部下は、能力が多少足りなくても将来の戦力として大事にされます。
3 報・連・相をしっかり押さえている
社会人の仕事の進め方として基本となるのが「報告」「連絡」「相談」のいわゆる報・連・相ですが、これができる部下は可愛がられます。報・連・相を通してコミュニケーションができるというだけでなく、上司からすると部下の教育の機会にもなります。
上司は部下の仕事の責任をとったり、業務の分配を行う立場でもありますので、報・連・相をすることによって上司の仕事を助けることにもなるのです。
4 愛想が良い
愛想が良いのも上司と付き合う上では大事なポイントです。上司というのは、どうしても厳しい話や難しい話をせざるを得ない立場です。その話を真剣に、そして興味深く聞くことができたり、また気軽に付き合うことができる愛想のある人は上司からしても助かる存在です。また、愛想が良い人が一人いるだけでも職場は明るくなりますから、こうした人はチームビルディング上も貴重なのです。
5 仕事ができる
上司がお願いした仕事に対し、期待値と同等かそれ以上の仕事をコンスタントにこなしてくれる部下は上司に好かれます。その部下がいることによって、自分の評価も高まりますし、全体に良い影響を与えてくれるためです。
6 挨拶ができる
出勤時や退社時に挨拶をするというのは社会人の基本です。しかし挨拶をきちんと伝わるように行っているかがポイントです。挨拶があると、そこからちょっとしたコミュニケーションが始まることも多く、この蓄積が関係を作っていきます。明るく元気な挨拶を心がけましょう。最近はこれができない人が増えているため、より良い印象になることは間違いありません。
7 付き合いが良い
「付き合いが良い」ということは、部下に好かれる部下になるためにはとても大事なことです。付き合いが良いというのは飲み会に誘われた時だけの話ではありません。上司から何か誘われた際に、一緒に同行する人は上司に好かれます。
誘う方は断られると拒絶感を感じるものです。何かに誘った時にすぐに乗ってくれる部下は上司に安心感と信頼感を与えるのです。
8 身だしなみがしっかりしている
清潔感のある、身だしなみのしっかりしている人は外見が良く、見ていても気分が良いものです。加えて、机の上がきれいだったりすると、仕事ができるイメージにもなりますし、丁寧に物を扱う人として職場における評価が上がります。
9 心身打たれ強い
繁忙期などで残業が続いてもパフォーマンスが落ちない人や、ミスをした時や叱られた時にもめげずについてくる部下は上司として安心感があります。心身の打たれ強さがある人ほど、思うぞんぶん教育をすることができるからです。
10 素直
上司は様々なことについて教育や説明をする必要がある立場ですが、人間ですから全てのことを正確に伝達することはできませんし、部下を納得させることができるとも限りません。
素直に話を聞き、すぐに実践してくれる部下は上司としては可愛く映るとともに、「自分がしっかり教えなくては」という気分にさせてくれる存在です。言い返したり、屁理屈をこねる人は扱いにくく、上司も自信を喪失しやすくなるため、嫌われるようになります。
11 尊敬してくれる
上司を上司として尊敬してくれる人は上司に好かれます。尊敬語を使ったりゴマをすることではなく、上司の能力や人格を信頼して相談をもちかけたり、業務上のわからないことを聞いたりと、「上司らしく」扱ってくれる部下を上司は好みます。上司としての甲斐を感じさせてくれる部下はかわいいものなのです。
12 進んで雑用をする
雑用は誰でもできる仕事ではありますが、それゆえに上司が行うのは会社にとってもコストになります。雑用は放っておくと増えていきますから、誰かがやらねばなりません。特に若い社員であれば、雑用を進んで引き受けましょう。
何事も自分から進んで行動できる部下は、責任感や協調性のある人として評価されますし、イヤイヤ行う人よりもお願いしやすいです。
こんな部下は上司に嫌われる!4つの特徴
好かれるポイントを裏返せば、上司に嫌われる部下の人物像が見えてきます。また、行動面で注意しておきたいポイントには以下のようなものがあります。
1 嘘をつく
上司として最も困るのは「嘘をつく人」です。事実がわからないと教育も問題のフォローもできず、問題が拡大するようになります。失敗を隠すために嘘をつくと、発覚時に大問題となることもありますので避けるようにしてください。責任を一緒に負わされる上司はたまったものではありません。
2 責任転嫁する
自分の失敗やミスなどを他人のせいにする人は上司にとっても厄介な存在です。いつ何が自分のせいにされているか思うと、上司も気が気ではありません。また、仕事に対して無責任という印象を与えてしまいます。
3 目を合わせない
普段から目が合わないと嫌われているのではと考えてしまい、距離ができてしまいます。目を合わせるのが恥ずかしいとしても、意図的にそらすのはあまりよくありません。特に大事な話をしているのに目が合わないという場合、話を聞いていないと思われても仕方ありません。
4 勤務態度が悪い
無断欠席や遅刻が多かったり、業務中に何度も離席する、酒臭い、身だしなみがしっかりしていないなど、勤務態度の悪い人は上司だけでなく同僚からも嫌われます。職場の雰囲気にしっかり合わせ、準備して勤務することは社会人としてのマナーです。
上司に好かれるかどうかは相性も大きい
上司と部下の関係でも人間である以上、相性の問題は避けられません。
それでもうまく付き合うことができるのがコミュニケーション能力ですが、お酒が好きな上司にお酒が飲めない人が飲みに誘われるようなシチュエーションが続けば関係は悪くなるしかありません。また、言葉遣いにうるさい人の場合は言葉選びを間違うだけで評価を大きく落とします。
逆に単純に趣味が合ったり、毎日好きなプロ野球チームの戦績に一喜一憂しているだけで仲良くなれる場合もあります。
相性が合えば上司との付き合いはずっと楽になりますが、相性が合わない場合は好かれるのは難しいとしても、頑張って「嫌われない」ための努力はした方が良いでしょう。
また、上司と距離を感じる場合には過去に何か印象を悪くした事件などがある場合もあります。同僚などから情報を収集したりして、原因がわかるようなら誤解を解いたり謝罪したり、関係の改善に向けて取り組んでみると良いでしょう。
「上司に好かれる部下」は人格的な人物
「上司に好かれるための努力をする」というと、「ゴマすり」「おべっか」といったマイナスイメージを持つ方は少なくありません。しかし、上司が好む部下というのは人格的な人物です。中にはゴマをすられて喜ぶ人もいますが、業務や周囲への影響など、総合的な要因から好かれる部下は自然に決まっていくものです。
上司から見てかわいい部下であろうとするのも悪くありませんが、一人の社会人として魅力的な人になろうと思って取り組んでみることが大切です。上司が変わると好かれなくなる人ではなく、どんな上司からも可愛がられる人格者に自分を変えていきましょう。