パワハラから身を守る対策ステップは4つ
客観的に話を聞くとすぐに「それ、パワハラ!」と分かるのに、なぜ実際に自分自身が被害者になると判別できないのでしょうか。パワハラを早期発見して解決に導くための知識を身に着けて不当な扱いから解放されましょう。
職場のパワハラから抜け出そう
職場での不当な扱いに苦しんでいる人はいませんか?!もしくは仕事場で大きなストレスを抱え、体調を崩しながらも毎日職場に重い足を運んでいる人もいるのではないでしょうか。
そんな辛い思いをしながら働いている人は、仕事で受けるストレスや体調不良が職場でのパワハラが原因だということを自覚していません。手遅れになる前に以下に挙げる2つのことを止めましょう。
- しんどい原因を自分のせいにする
- 自分自身を見て見ぬフリをする
この2つのことを止めて、パワハラに対する正しい知識を身に付けましょう。弱り苦しんでいる自分自身を客観的に見ることはとても辛いことです。しかし自分が置かれている状況を冷静に判断し善悪を見極めることで働く環境、そして自分自身、この先に待つ将来の自分を守ることに繋がるのです。ここでは多くの人が未だに自覚しにくいパワハラについてご紹介します。
職場で受けるパワーハラスメントとは
近年、パワハラという言葉自体は私たちの間に浸透してきましたが、実際にどのような行為がパワハラになるのかということを知っている人は少ないかと思います。
パワハラとは、同じ職場で働く人に対して、「職務上の地位を利用して仕事の範囲を超えた精神的・肉体的な苦痛を与えること」を言います。
実際にパワハラを受けている被害者がパワハラをされているという認識を持たないことが、パワハラが社会から根強く消えない大きな原因のひとつでもあるのです。
パワハラを自覚するには「正当な仕事のしんどさ」と「不当な扱いからくる精神的・肉体的ストレス」の違いを見極められる目と感覚を持たなければいけません。
職場で居心地の悪い思いをしている人は、自分のしんどさがどこから来るものなのかを客観的かつ具体的に分析してみましょう。
職場のパワハラには4つのタイプがある
パワハラと一言で言っても様々なタイプのものが存在します。ここでは大きく4つに分けてパワハラのタイプをご紹介します。
タイプ1.よくニュースなどで取り上げられる攻撃型(精神的・身体的)のパワハラ
パワハラの最も判断し難いタイプが攻撃型です。精神的な攻撃型には、公共の場での暴言やひどい叱咤・名誉棄損になるような侮辱的発言・脅迫などがあります。他の同僚の前でネチネチと嫌味を言われたりするのも精神的苦痛を受ける立派なパワハラです。
ニュースなどでも取り上げられるパワハラが、身体的攻撃型のものです。傷害にもなるような暴力は、職種や仕事場の雰囲気などは別にしても決して起こってはいけません。気分屋の上司が物を投げたり椅子を蹴ったりするのも、攻撃型パワハラになります。
タイプ2.やっていることが目に見えにくい妨害型のパワハラ
目に見え難いパワハラのタイプが妨害型です。これは仕事をする上で必要な情報を与えないでその人の足を引っ張るような行為です。その人の経験やスキルに見合った仕事を与えなかったり、明らかに程度の低い仕事をさせることも妨害型のパワハラになります。
また、上司や同僚からその職場に居づらくなるような仲間外れや無視なども、「ただのいじめ」と割り切ってしまってはいけません。それによって仕事に悪影響が及んで自分の評価にも繋がってしまいます。
タイプ3.仕事のおかしなやり方や責任を無理やり押し付けてくる強要型のパワハラ
特に上司からのパワハラで多いのが、その人の個人的で傲慢なやり方を押し付けてきたり、理不尽な責任のなすりつけなどが強要型パワハラです。
明らかに不可能な要求や命令をしてくる上司に健気に応えていては身が持ちません。例え上司や先輩からの命令や指示であっても、冷静にパワハラかどうかを見極める冷静さを持ちましょう。
タイプ4.人間性を否定したり正当な仕事の評価をしない否定型のパワハラ
否定型のパワハラとは、その人の人間性を否定したり正当な評価をしない“個の侵害”にあたる行為のことを言います。仕事とは関係のないプライベートなことに立ち入ってくるのもパワハラのひとつです。
境界線が難しいパワハラの判断ポイント
パワハラだと自覚するには、自分が受けている行為が「本当のパワハラ」か、それとも「正当な指導」なのか、ということを見極めなくてはいけません。
パワハラと似ているセクハラでは、相手が不快に感じた時点でセクハラが成立するとも言われています。パワハラもセクハラと似ていて境界線を引くのがとても難しく、客観的な判断が自分ではできにくいことから見て見ぬふりをしてしまう被害者が多いのも現実です。
パワハラかそうでないかを判断するポイントは以下の2つです。
パワハラを受けている自分自身に非がないか
パワハラに感じるようなきつい言動を受ける要因が自分にあることもあります。仕事への姿勢や職場での態度や発言に思い当たる節はありませんか?!
相手に悪意があるか
パワハラかそうでないかの決定的な判断ポイントが、相手に悪意があるかどうかです。パワハラを受けている被害者自身がそれを判断するのはとても難しいことですが、正当な理由や悪意のない指導では体調を崩すまでの精神的打撃を受けることはありません。
また明らかに幼稚な嫌がらせも、仕事をする上で大きな障害になるので「いじめ」と受け流さずにパワハラと判断しましょう。
職場のパワハラに立ち向かう対策
自分が感じているストレスの原因がパワハラだと判断したら、冷静になって以下の4ステップを踏みましょう。
ステップ1.パワハラの証拠を集める
いつ、どこで、誰に、何を言われた/されたか、承認のあるなし、などを詳細にメモしておきましょう。
ステップ2.周囲に気づいてもらえるようにパワハラを拒絶する
パワハラを受けているのに我慢して大丈夫なフリをする必要などありません。不当な行為を受けていることを周囲の人間に気づいてもらえるように、嫌がらせを受けたら公然で拒絶に値する行動を取りましょう。
例)「なぜそのような嫌がらせをするのかを尋ねる」「困っていることを伝える」「やめてください/できませんと主張する」など
ステップ3.身近な人や第三者機関に相談する
パワハラを受けている旨を身近な信頼できる人に相談しましょう。同じ職場の人に相談する際には、自分の感情を伝えるよりもパワハラを受けていて困っているという事実だけを伝えるように気を付けなくてはいけません。どこからか話が漏れてパワハラがひどくなり、余計に職場に居づらくなるなんてことにもなりかねないからです。
周囲の人には相談しにくい状況の場合は、各都道府県に設置されている労働基準監督署にパワハラの証拠を持参して相談に乗ってもらいましょう。被害者と企業の間に立って客観的な見解からアドバイスや手助けをしてくれます。
また、企業の相談窓口や保健室がある場合には積極的に利用して会社側にパワハラが存在することを知ってもらいましょう。部署を変わるなどの対処を受けれるかもしれません。
ステップ4.法的に訴える
労働基準監督署からの指導でもパワハラが解決されない場合には、パワハラ加害者と企業側に対して内容証明を送ったりして法的な手段に出ることも可能です。パワハラに対する慰謝料や刑事処罰などを求める際には、専門科やパワハラに詳しい弁護士さんに相談してから行動に移すようにしましょう。
心身ともに辛い職場からの脱出はパワハラに気づくことから
なかなか根絶することが難しいパワハラから解放されるためには、被害者自身がパワハラを受けていることを自覚することが先決です。まずはパワハラについて知り、客観的かつ冷静な判断で自分の置かれている状況を分析することから始めましょう。その第一歩が自分をパワハラから救い出してくれるのです。