職場で香水くさい人だと言われないためのニオイマナー

職場に香水をつけていく人が男女ともに多くなっていますが、一般的にマナーが確立されているとは言い難い部分があります。強すぎる香水で迷惑をかけないように、会社での最低限のマナーとして気を付けるべきポイントをまとめました。新入社員や香水をつけている社会人はぜひ参考にしてください。

職場で香水くさい人だと言われないためのニオイマナー

職場で香水をつけるのはNG?

職場に香水をつけていく社会人がいますが、その香水の香りに好感を抱く人もいれば不快に感じる人もいます。マナーとしてつけるべきという考えの人もいれば、香水はオシャレの一環であり、オシャレのために周囲に迷惑をかけるべきではないと厳しく注意する人もいたりと意見も様々です。

職場の香水についてのルールが明確に定まっているところは少なく、判断基準が個人に委ねられているということも混乱を大きくしています。いま一度、職場での香水のあり方について考えてみましょう。

香水をつける目的

香水をつける目的には、主に「良い香りを放って好感を得るため」「自分の体臭を隠すため」「好きな香りに自分が包まれていたいから」といった3つの理由があります。

様々な目的があって香水をつけるのですが、その香りを良いと感じたり不快に感じることには個人差があるので注意が必要です。自分が良いと思っている香りが実は他の人の苦手な臭いである場合もあります。仕事をする職場においては周囲との関係が非常に大事ですので、自己満足のための目的を重視しないように気を付けてください。

職場の女性

香水をつける場合は家族や仲の良い同僚など、できるだけ負担のない相手に香りについて聞いてみて、客観的な印象を大事にして決めた方が良いでしょう。自己判断で使い始めると、周囲に迷惑になっていても気づかない可能性があります。

職場で気を付けたい香水マナー

職場に香水をつけていくなら、周りの人の迷惑にならないようにしたいものです。職場における香水のマナーについて考えてみましょう。

1 強い香りの香水は避ける

鼻をつまむ女性

どんなに良い香りでも、自分が好きな香りでも、職場においては強い香りはNGとなります。タバコの臭いが嫌という人は、タバコ臭い人が近くに来ると嫌なものですが、どんなに高級な香水だとしても同様のことが生じる可能性があります。

不快な臭いは生産性を下げる原因となり、業務の遅れや職場環境の悪化の原因となります。

マナーとオシャレの最大の違いは、マナーは周囲の事情を考え、オシャレは自分の事だけを考えるということです。職場に求められるのはオシャレではなくマナーですので、強い香りにならないよう注意しましょう。

「香りの強いものは避ける」「つけすぎない」「顔から近い部分には多くつけない」ということを大事にすると、ほのかに香るようになります。

2 香水はTPOをわきまえて選ぶ

会議中の男性が女性の香水に辟易している

社会人になれば、服装ひとつ、化粧ひとつにしてもTPOをわきまえて選ぶ必要があります。どんなに好きな香水だとしても、TPOに合わないような使い方ならマイナスの印象しか与えません。

特に取引先や目上の人と食事に行く機会がある場合には、強い香りの香水は良くありません。香水の香りが強いと、料理の味や香りを損なってしまい、本来の風味を楽しむことができなくなってしまいます。これは男性でも女性でも同じです。また、同様の理由で飲食業での香水も基本的にNGです。

野外で活動するのであれば、ある程度の香りがあっても大丈夫ですが、屋内、特に会議室など狭く密閉された空間であるほど香りは存在感を強く持ちます。その日のスケジュールをよく考えて、適切な香りや強さのものを選びましょう。

3 職場にふさわしい香水の種類を把握する

香水の強さ順

香水の中には、パルファン、オードパルファン、オードトワレ、オーデコロンと様々な種類があります。それぞれ香料の強さが違い、前から順番に香料が強くなり、持続時間も長くなります。

ビジネスシーンでは少し面倒でもオードトワレやオーデコロンくらいにしておき、一定のタイミングでつけ直すようにした方が無難です。パーティーや接待の場でも、プライベートのパーティーなのか、またビジネス上のものなのかなど、雰囲気に合わせて選ぶことが大切です。

4 香水をつける場所に注意する

香りは鼻に近いほど強く感じるようになります。また、香水の香料が飛散するのは、体温によって温められるためであり、体温が高くなる太い血管の近くであるほど香りも強く出るようになります。

体臭が強く出る場所は太い血管が多い場所も多いのですが、そういった場所は別として、その他の場所に香水をつける時は香りが強くならないように場所に注意しましょう。なお、香料が強いものほど、面でつけずに点でつけるようにし、上半身ではなく下半身につけるようにします

5 職場では好き嫌いのある香りは避ける

花の香水にイラつく男性

香りの中にも好き嫌いのハッキリ出るものがありますので、そういったものは避けるべきです。甘い香りがするものは、好き嫌いが出やすい香りの定番です。自然の香り、海や木などの香りはあまりクセがなく、ビジネスシーンでも嫌がられることは少ないです。

香水には花の香りをブレンドしたものも多いですが、花が香るのは虫などを引き付けて受粉をうまく行うためや、逆に害虫を寄せ付けなくするためです。そのため基本的に「気になるニオイ」になることは間違いありませんので、職場には不向きな香りであると思っておきましょう。

6 香水は体ではなく衣類につける

日本には、衣類に香りをつける「薫衣香(くのえこう)」という風習があります。今の日本でも洋服の臭いを消すために消臭スプレーや芳香スプレーを使うことがありますが、香水を薄めてスプレーするという方法もあります。

本人から香りがする場合に比べてソフトになりますので、職場でも迷惑になることが少なくなります。

7 香水をつけるときは職場の同僚に香りを確認してもらう

香水を購入する際には、その香りを確認してから使うものですが、元来の香水の使い道は自分の体臭と組み合わせて使うことですので、多かれ少なかれ自分の体臭と混ざるようになっています。

購入時に気に入った香りに自分の体臭は入っていませんので、自分がつけた場合の香りはまた違っていることもあります。身近な人に一度香水をつけた状態を確認してもらい、不快な香りにならないか、また強さは適切であるかをチェックしてもらうのが良いでしょう。

職場の香水はスメハラ認定されることも

職場で鼻をつまむ女性社員

最近ではスメルハラスメントという言葉も一般的になりつつあり、職場によっては具体的に対策が示されることもあります。

スメルハラスメントとは、スメル(臭い)によって周囲の人間を不快な気分にさせるハラスメント(嫌がらせ・迷惑)という意味です。

女性には香りに敏感な人も多く、お互いに注意をし合って秩序を守る雰囲気があるものですが、男性の中にも香水が普及するようになってきているものの、まだまだ使い方やマナーが定着していないのが現状です。

こんなニオイにもご用心!

  • タバコ
  • 加齢臭
  • 汗の臭い
  • ニオイの強い食べ物(ニンニク、ネギなど)
  • 柔軟剤
  • 化粧品

スメハラによって体調を崩したり、ストレスから心身の病気にかかるケースもあり、企業でも神経を尖らせていることがあります。

ニオイというものは感じ方に個人差があるだけに、仮に気になっていても指摘しにくいものです。そのため、迷惑になっていないかどうか、香水をつける人自身が常に自分の香りに責任を持つ必要があります。

上司だから言いにくい

きゃんきゃん(30歳 事務職)


現在、女性の多い職場で働いています。直属の上司も40代の女性なのですが、その方の香水がまさに香害とも言えるくらいのレベルでキツいんです。冗談抜きで毎日鼻が曲がりそうな気持ちで働いています。

私自身、元々他人のニオイに敏感な方で、ちょっと神経質なところもあるとは思うのですが、それを考えてもちょっと異常なニオイだったのでそれとなく他の社員たちにも探りを入れてみました。すると「あの一帯だけすごく香水臭いよね。○○さんの…」と、やはり気づいているようでした。

とは言え私にとっては上司ですし、デリケートな問題なので指摘することもできず今に至ります。

毎日お化粧もバッチリで華やかな雰囲気の方なので、香水もきっとハイブランドなものを使っているのだと思いますが、つける量は限度を考えてほしいです。

職場での香水は「奥ゆかしく」使いましょう

日本ではまだまだ香水文化が浸透していないこともあり、強い香りというのは敬遠されがちです。そのため、自分が良いと思っていても、周囲の集中力を削いだり、最悪の場合はスメハラと言われてしまうこともありますので注意しましょう。

日本人らしい、そしてビジネスシーンでの香水の使い方として適切なのは「奥ゆかしく」使うことです。目立たず、さりげなく、それでいてきちんと目的を果たして役に立っている、そんな配慮が感じられる使い方ができるよう、使い方や選び方を研究してみると良いでしょう。