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新入社員の日報の書き方4つ上司から一目置かれるには?

新入社員に日報の提出はつきものです。毎日、何を書けばよいのか悩んで日報作成に時間がかかってしまうという新入社員も多いです。日報を書く目的と、何をポイントに見られているのかを理解することで書きやすくなります。例文を用いながら、上司に評価される日報の書き方を解説します。

ちゃんとした日報を書ける新入社員になろう

日報の提出を義務付けている会社は多いです。日報の作成を課す対象は全社員のこともあれば、新入社員にのみに一定期間書かせる場合もあります。

日報とは、1日に取り組んだ業務を上司などの第三者に伝わるようにまとめ、達成したこと・達成できなかったこと、よかった点・反省すべき点まで記載した業務報告書のことを指します。日報の提出を受けて、上司が部下の業務の進捗状況や問題点を把握することで的確なアドバイスにつなげます。日報を作成することで自身の課題を見つける手立てとなります。

新入社員に日報を書かせる目的

新入社員の場合、会社の業務内容に対する理解がまだ乏しかったり、研修中のため具体的な実務についておらず報告事項が思いつかなかったりするため、日報に何を書けばよいのか毎日頭を悩ませていることも多いでしょう。

まずは、なぜ日報の提出が求められているのかを理解することが大切です。会社が新入社員に日報を書かせる目的を挙げていきます。

上司・先輩社員が新入社員の仕事ぶりを把握するため

日報は、1日の業務内容が一目で把握できる報告書です。上司や先輩社員は、新入社員がその日にどれだけのタスクを持っており、どれだけの時間を割いてそれぞれのタスクをこなしたのかをチェックします。

余裕があるように見受けられれば、翌日からタスクを増やすといった対応をとります。もしも想定以上に1つのタスクに時間をとっていることが見受けられれば、なぜそのような時間がかかったのかを確認し、新入社員が何につまずいているのかをあぶりだして、アドバイスをすることになるでしょう。

日報を確認することで、上司は新入社員それぞれのキャパシティーや成長度合いを知ることができるといえるでしょう。日報で把握した新入社員の成長度合いに合わせて教育をしたり、仕事を任せたりすることになります。

新入社員が抱える問題に上司・先輩社員が気付くため

上司は日中、マネジメント職の会議や商談で席を外しており、新入社員と直接話す機会が少ない場合があります。新入社員が業務上の悩みや問題点を抱えていても、上司に話しかける時間や機械に恵まれないと、一人で抱え込んでしまいがちです。

新入社員が直面している問題について早期に把握し、適切な方法で手を差し伸べたりアドバイスをしたりできるよう、日報は利用されています。ちょっとした交換日記のような、上司と部下をつなぐコミュニケーションツールともいえるでしょう。

新入社員自身がその日の業務内容を振り返るため

日報は、提出されたものを確認する上司のためだけのものではありません。新入社員自身にとっても、日報を書くことで1日の自分のパフォーマンスを客観的に振り返って、成長できたところに気付いたり、改善点を見出したりすることができます。

日報の提出を意識することで無駄な時間をなくすため

日報を上司や先輩社員に提出することを念頭に置くと、普通の新入社員なら誰しも「無駄な時間を過ごすわけにはいかない」と感じるのではないでしょうか。指示された業務が早く終われば、次にすべきことを積極的に探すようになるはずです。つまり、日報を作成することで、1日の時間の使い方を意識しながら業務に取り組む習慣をつけることが期待されています。

新入社員が日報に記載すべき事項

会社や所属部署によって、日報のフォーマットが定められている場合が多いです。ここでは、一般的に新入社員の日報に不可欠と考えられている要素を解説します。

1.本日の目標

日報には本日の目標を掲げ、遂行すべきタスクを書き出します。目標を設定せずに業務をはじめても、「ゴールがわからない道を何となく歩きはじめた」ような状況に陥ってしまい、仕事の効率が悪くなります。日報に限らず、何事もゴールを見据えて取り組むことが大切です。

2.本日遂行した業務内容

設定した目標とタスクを、本日はどれだけ遂行することができたのか、結果を明記します。業務内容については、1日のタイムスケジュールとともに記載するフォーマットの日報もよくあります。

新入社員がそれぞれのタスクにどれだけの時間を要したのかを上司が把握することは、現在はどのような業務を得意・苦手としているのか、スキルの到達具合の確認になったり、作業の効率化のヒントになったりするので重要です。

3.良かった点と反省点

目標と結果を踏まえて、自分なりの所感を述べます。1日の目標を達成できていたなら、どのような点がよかったのか、目標に到達できなかった場合は、何に原因があるのか、改善すべきなのはどのような点かについて考察のうえ記載しましょう。上司が読むことで、自分では気が付いていなかった改善点を指摘してくれるかもしれません。

4.明日の目標

本日の反省点を踏まえたうえで、明日の目標をあらかじめ設定します。低すぎる目標設定は論外ですが、理想を書くのではなく、今の自分のスキルで実現可能な現実的な目標を設定しましょう。

新入社員の目標設定の方法で押さえたいポイントと具体例

新入社員が日報を書くうえで留意すべきポイント

上司や同僚など誰が見ても分かる収穫のある日報を作成するために、新入社員が留意すべきポイントをまとめます。

手書きの場合いはきれいな字で書く

新入社員には、あえて手書きで日報を書かせるという会社もあります。急いでいて殴り書きをしてしまい、上司や先輩社員に注意を受けた経験がある人もいるのではないでしょうか。

日報は「自分用のメモ」ではなく、上司や先輩社員に読んでもらう報告書です。字の上手い・下手は関係なく、読みやすいよう丁寧につづることを心がけてください。Wordなど、パソコン上で作成する場合も、読み手の視点に立って、改行や文字のそろえ方に細心の注意を払いましょう。

誰にでもわかりやすい簡潔な文章でつづる

第三者が理解できるよう意識して日報を書くことは、ビジネス文書作成の第一歩となります。一文をダラダラと長く書かず、簡潔で読みやすい文章でつづることを心がけましょう。誤字・脱字はもっての他です。書き終えた後に必ず読み返し、推敲することが大切です。

具体的な数値や固有名詞を入れる

目標、結果ともに、具体的な数値と固有名詞を入れることは大切です。やり遂げた業務内容や、浮かび上がった問題点が具体化され、新入社員の日報を読んだ上司や先輩社員が、より効果的なコメントを返信しやすくなります。

たとえば、「明るくしっかりと接客する」と「7名接客のうえ、4名成約する」の2つの目標では、後者のほうがその日にすべき職務が具体化されていることがよくわかると思います。

日報の作成に時間をかけすぎない

文章を書くのが苦手な新入社員に多いのですが、日報を作成するのに長時間をかけるのはよくありません。1日の業務を遂行しながら、「今日はここまで作業できそうだ」「この点がうまくいかなかったな」といった、日誌に書く内容を頭の中でまとめておき、業務終了後に5~10分でさっと書き上げるとよいでしょう。

上司から一目置かれる日報の書き方例

他の新入社員から一歩抜きんでた印象を与えるのは、どのような日報でしょうか。上司から一目置かれる日報の書き方のポイントを押さえている箇所を太字で示した例文を紹介します。

旅行代理店の接客に関する日報

【本日の目標】
国内旅行2件成約に導く。海外旅行3件、旅行プランを提案のうえ資料をお渡しする。

【業務内容】
午前中に卒業旅行先を探す大学生2組、午後に海外個人旅行1組、国内温泉旅行1組を接客した。卒業旅行の北海道プラン1件が成約となった。

【よかった点】
行先の希望を持たない大学生であったため、メンバー全員が行ったことがないという北海道を提案し、気に入っていただくことができた。融通のきくプランであることが奏功したといえる。

【改善すべき点】
海外の個人旅行希望客の接客がはじめてであったため、緊張してしまい、よい提案ができなかった。希望の詳細をもっと聞き出せるように練習したい

【明日の目標】
卒業旅行シーズンかつ明日は祝日のため、多くの来店客が予想される。7組接客のうえ、3組を成約に導きたい

新入社員日報は成長の機会ととらえて取り組もう

「大人になってまた日誌のようなものを書かされるなんて……」と、日報に対して消極的な姿勢を持っている新入社員も少なくありません。しかしながら、日報に真剣に取り組めば、やるべきことや自分に不足しているスキルが見えてくることに気付くはずです。

内容のある日報を書く新入社員に対しては、上司や先輩社員の評価がおのずとアップします。自分の仕事ぶりを客観的に振り返ることができている人物として、同期入社の新入社員たちに先んじて責任ある仕事を任されることになるかもしれません。

「上司たちに見守られながら成長できる貴重な機会」ととらえて、日報の作成は前向きに取り組みましょう。