字をきれいに書く方法を身に着けるには?
字というのは人の印象に大きく影響します。社会人であれば、ちょっとした機会に綺麗に字を書けると上司や社外のお客様から「おっ!」と感心されるでしょうし、特に就活中の学生であれば企業へ送付する応募書類を手書きで作成することも多いですから、綺麗な字を書けると採用担当者からの印象アップにつながることは間違いありません。
一方で「昔から字を綺麗に書くことができない」と、自らの汚文字に悩む方も多いもの。字をきれいに書く方法をまとめましたので、今さら字をきれいに書くことは出来ないと諦めている方はぜひチャレンジしてみてください。
字をきれいに書くためには練習が必要
パソコンが普及している背景もあって、字を書く機会というのは少なくなっていますが、字をきれいに書くためには練習が必要です。
毎日コツコツと時間をとって練習するのが理想ですが、「学業や仕事で忙しく、毎日練習時間を確保するのは難しい…」という方も、メモを取るときなど、字をきれいに書くために意識してみるようにしましょう。
字をきれいに書くための準備
字をきれいに書くためには、字を書く前に準備すべきことを済ませておく必要があります。以下の3つのポイントをしっかりと意識しましょう。
1 正しい姿勢を保つ
字をきれいに書こうと思えば思うほど、姿勢が前のめりになってしまったりするものです。姿勢が前のめりになってしまうと、字のバランスを取ることが難しくなります。背筋はピンと伸ばし、身体と机は握りこぶし1個分程度空けて正しい姿勢で書くよう意識しましょう。書きながら字全体のバランスをチェックできるよう、目と紙は30cm程度の距離を置くのが理想です。
2 紙を体の正面に持ってくる
紙が体の右の方や左の方に寄ってしまっていたり、紙自体が斜めになってしまっていると、綺麗な字を書くことができません。体の正面に持ってきていない状態で字をきれいに書く練習をしてしまうと、体や腕に負担がかかってしまい余計な力が入ってしまい字を綺麗に書けません。紙は体の正面に持ってくることを心掛けましょう。
3 ペンを正しく持つ
ペンを正しく持たないと、指に余計な力が入り疲れてしまいます。親指・人差し指・中指の三本で軽く握るのがペンの持ち方の基本です。中指の第一関節にそっとペンを乗せるようにして、手の中には小さいボールを握っているようなイメージでペンを持つようにしましょう。
4 気持ちを落ち着ける
実際に字がきれいに書けるようになるまでは、急いでいる時でも焦って字を雑に書いてしまわないことです。
せっかく練習して字をきれいに書けるようになったり、上達したりしても、急いで字を雑に書いてしまうと、せっかく身に着けた字をきれいに書く感覚が衰えてしまいます。なるべくゆっくりと落ち着いて、丁寧に書くようにすることが重要です。
字をきれいに書く方法のコツ10
字をきれいに書く方法やコツを一つずつ実践していけば、字をきれいに書くことは難しくありません。字を綺麗に書くために意識すべき10のポイントをご紹介します。
1 線をまっすぐに書く
日本語は、ひらがなのように丸みを帯びた字もありますが、丸みを帯びていない字もたくさんあります。特に丸みを帯びていない字については、線をまっすぐに書くことが重要です。
例えば、「三」や「田」というような漢字で言えば、「三」も「田」もまっすぐな線のみで文字が構成されています。まっすぐな線を書けなければ、綺麗な字を書くことができません。まずはまっすぐな線を書けるようになりましょう。
まっすぐな線と言っても、30センチの線をまっすぐ書ける必要はありませんので、字を書く練習をしながら、字のひとつの画数を書く際にまっすぐ書くことを意識しましょう。
2 綺麗な丸を書く
まっすぐな線を書く練習と同じく、平仮名の「あ」や「の」等の丸みを帯びた文字を書く際には、綺麗な丸みを書けるように意識しましょう。
3 正しい書き順で書く
「書き順を守らなくても字が書ければ問題ない」と考えている人もいますが、書き順というのは字をきれいに書くためにあらかじめ決められた順番です。その順番を無視して書けば書くほど、字をきれいに書くことは難しくなってしまいます。
書き順を正しくするだけで、字が書きやすくなったり字のバランスが良くなり、それだけで字がきれいに見える場合もあります。特に漢字は思い込みで間違えた書き順を覚えてしまっている可能性もあります。美しく書けない字ほど正しい書き順を意識することが大切です。
4 バランスを保つ
字をきれいに書くためには、字のバランスを保つこともとても重要です。
日本語は、文字によって画数が少ない字と画数が多く難しい字があります。漢字であれば部首や辺等が分かれており、文字が上と下に分かれていたり、左と右で分かれているケースも珍しくありません。
例えば「行」という字の場合、「行」という字は左側と右側の文字によって成り立っています。左側がやたらと大きかったり、右側がやけに小さかったりするとバランスが悪く汚い字になってしまうので注意が必要です。
5 文字と文字の間隔を等しくする
一つずつの文字がどれだけうまく書けたとしても、文字と文字の間隔が空きすぎていたり、狭くなりすぎていたりすると、全体として見た時に字がきれいに見えない場合があります。
字と字の間は字のサイズや書く場所の余白等の大きさによって異なりますが、程よい間隔を空けた上で、どの文字との間も同じ間隔で書くようにしましょう。
6 文字の中の余白はなるべく均等にする
日本語の漢字の中には「無」「田」「日」「中」「角」「間」など、文字の中に余白があるものがあります。こういった漢字を書く際、余白のサイズはなるべく均等に保つことが大切です。
例えば「田」という漢字の場合、上の四角い余白がやけに大きく、下の余白がやけに小さいような字になると、字が崩れているように見えてしまいます。余白はなるべく同じ大きさを保つように意識しましょう。
7 とめ、はね、はらいを意識する
日本語の文字の特徴のひとつとして、止めるべきところをしっかりと止めたり、はねる箇所はしっかりとはねたり、はらうべき個所をしっかりとはらうという点が挙げられます。
とめなければならない箇所をはねてしまったり、はらわなければならない箇所を止めてしまうと、字のバランスが崩れて汚い文字に見えてしまいます。しっかりととめ、はね、はらいを意識して書きましょう。
8 画数の間をしっかりとつなげる
字には、画数ごとにつながっている字とつながっていない字があります。
例えば「三」という字は三本の線で成り立っていますが、それぞれの線ごとはつながっていません。一方で「田」という漢字は全ての画数がつながっています。この「田」のように、画数ごとがつながっている場合は、画数ごとが空いてしまうと字のバランスが崩れて汚く見えてしまいます。しっかりとそれぞれの画数をつなげて書きましょう。
9 綺麗な字を真似する
そもそも「どんな字がきれいな字なのか」を理解しているか理解していないかによって書ける字は変わってきます。
綺麗な人の字や理想の字を見て、その字を真似するようにすることも字をきれいに書くための大事な方法です。
10 自らのクセを理解し利用する
字全体が斜めになっている、全体的に丸みを帯びているなど、字には書く人によって癖というものがあります。まずは自らの字を書く時のクセを理解しましょう。
その癖が字をきれいに書くために必要な癖であればそのまま利用すれば問題はありませんし、もしそのクセが字をきれいに書くための妨げになっているようであれば、その癖を直す必要があります。字をきれいに書くための癖を身に付けてしまえば、意識をしていなくても自然ときれいな字が書けるようになります。
コツを掴んで字をきれいに書こう
字をきれいに書く方法を身に着けるには、たくさんのポイントを押さえる必要があります。しかし、一つ一つを丁寧に実践していけば、字をきれいに書くことは難しいことではありません。
様々な場面で字を書くシーンがありますが、書類等に字を書く際に、その字がきれいか汚いかで読む人の印象は大きく変わるもの。字をきれいに書く方法を実践し、きれいな字の法則を理解して読みやすい美文字を目指しましょう。