綺麗なお辞儀の仕方を身につけよう
新入社員として働き始める上で覚えておきたいことのひとつに、綺麗なお辞儀の仕方が挙げられます。お辞儀の仕方は、ビジネス上でとても大切なものであると言えます。お辞儀がきちんとできることは常識であり、最低限のマナーです。
社会人になってから、色々な立場の人と関わることが増えるでしょうが、誰と出会ってもまずはお辞儀をしなければなりません。その時に綺麗なお辞儀ができていないと、相手への礼儀を欠いた態度をとっていると思われてしまいます。
綺麗なお辞儀ができれば、相手への印象はグッと良くなることは間違いありません。特に新入社員のうちから綺麗なお辞儀ができていると、この人はきちんとビジネスマナーが身についているな、と思ってもらうことができます。ビジネスの場でより良い印象を持ってもらうためにも、綺麗なお辞儀の仕方を身につけておきましょう。
お辞儀の仕方の種類
お辞儀には3つの種類があります。まずは、種類別にどのシーンでどのお辞儀をするのが正しいのかについて見ていきましょう。
1.会釈
廊下で誰かとすれ違った時や、目が合った時などにするお辞儀を会釈と言います。廊下で会釈をする時は、立ち止まった方がより一層礼儀正しさが強調されます。新入社員のうちは、特に礼儀正しさを印象付けたいため、きちんと会釈ができるようにしておきたいところです。
会釈の仕方は、上体を15度傾けて、目線を下げて行います。この時、目線は自分の足元の1.5~2メートル先を見ると良いでしょう。背筋はきちんと伸ばしてください。
会釈は、出勤や退勤、会社からの外出時など、様々な場面で使われます。会釈ができていると、その時々にお互いが気持ちよく挨拶を交わすことができます。
2.敬礼
通常、お辞儀と呼ばれるのがこの敬礼というお辞儀の仕方です。敬礼は、お客様や自分にとって目上にあたる人に会った時にするお辞儀のことを言います。敬礼はお辞儀の基本であり、その人をイメージづけるものにもなります。
敬礼の仕方は、上体を30度倒して、相手の胸から目線を下げていきます。目線は2メートルほど先を見て、背筋は曲げないようにしましょう。上体はゆっくりと倒すことを意識してください。
新入社員としては、敬礼ができていることが何よりも望ましいと言えます。先輩や上司、取引先など、敬礼をしなければいけない相手はたくさんいますから、誰に対しても綺麗な敬礼をすることで失礼がないようにしておきましょう。
3.最敬礼
謝罪や謝礼の時に使われるのが、最敬礼と呼ばれるお辞儀の仕方です。重役に会うことなどがあれば、最敬礼をすることもありますから、新入社員といえど覚えておく必要があると言えるでしょう。
最敬礼の仕方は、上体を45度くらい倒して、深々と上体を倒します。この時気をつけたいのが、背筋を丸めないということです。目線は1メートルほど先を見ましょう。
最敬礼で重要なのは、相手への敬意を示すということです。最敬礼をする相手は自分から見てかなり位が高い存在ですから、適当なお辞儀をすることは許されません。頭を下げた時に一度間を置いて、お辞儀が流れ作業になってしまわないように気をつけてください。
失礼にあたるお辞儀の仕方
「えっ?それがお辞儀なの」と思われるようなお辞儀をしてはいけません。失礼にあたるお辞儀とはどのようなものなのでしょうか。敬意を感じられない、してはいけないお辞儀の仕方も覚えておきましょう。
首だけを動かすお辞儀の仕方
失礼なお辞儀の仕方としてありがちなのが、首だけを前後に動かすお辞儀です。これは相手がとても不快に感じてしまいますし、何よりも敬意に欠けています。万が一にも新入社員が上司や先輩にしてしまったら、とてもひんしゅくを買ってしまうでしょう。
印象が悪くなることは間違いありませんし、どうしてきちんとお辞儀をしないのかと怒られてしまう可能性もあります。首だけを動かすお辞儀の仕方をするのは、絶対にやめましょう。
何かをしながらするお辞儀の仕方
何かをしながら、お辞儀をするというのも失礼にあたります。相手が声をかけてきた、または挨拶をしてきたといった時には、必ず作業の手を止めて対応しましょう。多少忙しくても、作業よりもお辞儀を優先するのは当然のことです。
お辞儀の仕方は会釈であっても構いませんから、手を止めて挨拶をしてくれた人の方を見ましょう。作業をしながら適当にお辞儀をしてしまうと、せっかく挨拶をしてくれた相手に対してとても失礼です。
何でこちらを向かないんだろう、と思われてしまいますし、ましてや新入社員なのにそのような横柄な態度をとってはいけません。
姿勢が悪いお辞儀の仕方
背筋は自分からは見えない、わからない部分です。ですから、過剰なくらいに伸ばすくらいがちょうどいいと考えておきましょう。その方がお辞儀の仕方としては綺麗に見せることができます。
背筋が曲がっているお辞儀もかなり見た目が悪いと言えます。姿勢が悪いお辞儀はかなり悪印象を与えてしまい、たとえ敬意を込めてお辞儀をしていたとしても、姿勢が悪いと全て台無しになってしまいます。
何度もするお辞儀の仕方
意味もなく何度もペコペコとお辞儀をするのもかえって失礼にあたります。お辞儀は何度もすれば良いというものではありません。お辞儀はその回数によってその敬意が測られるわけではないので、一度丁寧にすれば十分であると考えてください。
何度もお辞儀をすると、お辞儀に込められた敬意の重みが失われてしまいます。正しいお辞儀の仕方をきちんと知っているのであれば、無駄に何度もお辞儀をする必要はありません。新入社員のうちは緊張して何度もお辞儀をしてしまいそうになることもあるでしょうが、落ち着いてお辞儀の基本を思い出してください。
男性がお辞儀の仕方で気をつけたいこと
男性がお辞儀をする時には、両手を体の脇につけます。中指がズボンの折り目に添うようにして、まっすぐ伸ばしましょう。男性は基本的に両手を体の横につけてお辞儀をすることが多いのですが、場合によっては体の前で手を重ねることがあります。その場に応じて正しい方法を選びましょう。
女性がお辞儀の仕方で気をつけたいこと
女性は両手を体の前で重ねてお辞儀をします。この時、左手を上にしておきましょう。手はだらりと垂れ下げず、肘を少し曲げた状態で適度な高さを維持しましょう。
お辞儀をする時には挨拶をする
お辞儀をする時には、必ず挨拶をしましょう。挨拶の言葉があると、より相手に対して礼儀を尽くしたことになります。
挨拶の言葉はお辞儀の前に
挨拶の言葉は、お辞儀をする前に言うようにしましょう。この時に気をつけたいのが、挨拶をしながらお辞儀をしないようにするということです。頭を下げながら挨拶をしてしまうと、声がくぐもってしまって相手に届きにくくなってしまいます。
また、挨拶をする時にはきちんと相手の目を見るということが基本ですので、そういった意味でも挨拶の言葉はお辞儀をする前に言うべきでしょう。
挨拶の声は大きくする
挨拶の声が小さくて、相手に聞こえなくては意味がありません。はっきりと、相手に聞こえる大きさで挨拶をしましょう。新入社員のうちは元気で活発であることが良しとされますから、挨拶は絶好のアピールポイントです。
挨拶は、自分では言ったつもりでも相手に聞こえていないといったことが起こりがちです。多少大きすぎるかもしれないと思うくらいの声で挨拶をしましょう。
もちろん、その後のお辞儀の仕方にも注意をしておいてください。挨拶がきちんとできていても、お辞儀ができていなくては結果的にマイナスなイメージがついてしまいます。
正しいお辞儀の仕方を覚えてビジネスシーンで活躍しよう
お辞儀をする時には、「1.2.3」と心の中で数えてみましょう。テンポを取りながら頭を下げたり上げたりすると、わかりやすくてお辞儀がしやすくなります。綺麗なお辞儀の仕方は、そうした工夫をすることから徐々に身についていくものです。お辞儀の仕方は新入社員の基本とも言えることですから、ビジネスマンの第一歩として覚えられるように努力していってください。