ビジネスで使う「ありがたい」の敬語変換
カジュアルな敬語として「ありがたいです!」なんて使っている若者をよく見かけます。しかしこれは正しい使い方なのでしょうか?!正しい使い方を覚えてビジネスシーンでの会話やメールのやり取りに活かしましょう。「ありがたい」の敬語の意味や使い方を知っているとビジネスで活躍すること間違いありません。
ビジネスシーンの「ありがたい」の敬語は正しく変換して使いたい
社会人になると敬語を上手に使えることは大切です。あらゆる敬語の中で少し使い方が分からないもの、それが「ありがたい」ではないでしょうか。若い人たちも友達同士で「ありがたい」などと遊びでも使うので、実際の正しい使い方を知っている人は少ないかもしれません。ここではビジネスシーンで登場する「ありがたい」の正しい使い方と言い換え方をご紹介します。
1.目上の人から褒められた時の「ありがたい」の敬語
大人になってから自分自身のことを褒められる機会はあまりないかもしれません。しかし自分が担当した仕事や企画が誰かの目に留まり、とても良い評価をもらえる機会は沢山あります。そんな時に温かい言葉をかけてくれた人に伝える感謝の気持ちを「ありがたい」で表しましょう。
例1)
取引先へ提案した企画が採用され感謝のメールを送る時
「先日御社へ提案させて頂きました○○の企画を採用して頂けたと上司より伺いました。私の企画を採用して頂き、とてもありがたく感謝の気持ちで一杯でございます。」
自分の提案した企画が採用され取引先への感謝のメールです。「とてもありがたく思います」では敬っている感じが伝わりません。より感謝の気持ちを伝えるためには「ありがたい」の後に「感謝しています」という表現を付け加えましょう。
例2)
取引先から提案した企画への高評価を受け取った時
「ありがたいお言葉、感謝致します」
これは目上の人からお褒めの言葉を頂いた時にも使えます。また、取引先や上司から何かしてもらった時には、「ありがたいご好意を感謝致します」と伝えることもできます。提案を受け取る時には、「御社からのご好意、ありがたく受けさせて頂きます」「頂戴致します」と綴りましょう。
もし提案された相手からの好意を断る時には、「ご好意は大変ありがたいのですが、今回は大変申し訳ありませんが辞退させて頂きます」と敬語をちりばめましょう。
2.何かしてもらい「ありがたいです!」と言いたくなった時の敬語
目上の人から何かしてもらった時に、「ありがたいです!」という感謝の伝え方は敬語としては不十分です。「ありがたいです!」が伝わる他の言い回しをご紹介します。
例1)上司から出張土産をもらった時
「名古屋へ行ってらしたのですか?!お土産ありがたく頂戴致します」
➡この例文は「ありがたい」を上手に使った言い回しです。
「名古屋のお土産なんですね!お心遣い本当にありがとうございます」
➡「ありがたい」を使わなくても「お心遣い」で言い換えることができます。
「お気遣い本当にありがとうございます」
➡「お心遣い」と同意語でもある「お気遣い」も使い勝手がいいので覚えておきましょう。
3.目上の人との会話の中での「ありがたい」の敬語
目上の人と会話をしている時に出てくる「ありがたい」。会話をしている相手への感謝の気持ちを表す時には「ありがたい」ではなく他の言葉で言い換えるようにするとスマートです。
例1)
先輩:「明日の忘年会のお店だけど、人数変更したから店に電話入れといたよ」
後輩:「ありがたいっす」ではなく 「お手数おかけ致しました。ありがとうございます」
仲の良い先輩のご好意に「ありがたいです」だけでは、いまいち敬っている感じが薄まります。やはり感謝の気持ちを素直に伝えたい時には、きちんと「ありがとうございます」と言いましょう。
例2)
先輩:「来月から○○さん(上司)が我々のプロジェクトを手伝ってくれるそうだよ」
後輩:「あ~それは心強いですよね。本当にありがたいです」
会話中に出てくる第三者の行為/好意に対する感謝の気持ちは「ありがたい」でも問題ありません。
例3)
先輩:「明日、取引先の女性陣とコンパあるんだけど、お前どうする?!」
後輩:「あ~…お誘いとてもありたがいのですが明日は法事があって…」
目上の人からのお誘いを断る時にも、まずはそのお誘いについて「ありがたい」気持ちを伝えて、やんわりと断るのが礼儀です。例文のようにコンパなどという軽いノリのお誘いであっても、目上の人からの提案を断る際には「とてもありがたいのですが」や「とても参加したいのですが」と好意については感謝している気持ちを必ず伝えましょう。
「ありがたい」の敬語の言い換え能力で人間関係を円滑にしよう
「ありがたい」を上手に使うことができると、どんなビジネスシーンでも角が立たずに人間関係や状況が円滑に運ぶようになります。ただ感謝を伝える「ありがたい」をそのまま使うのではなく、シチュエーションに合わせて言い換えることが大切です。
この「ありがたい」の言い換え能力を身に着けることは、社会人として上手く生きて行く上で欠かせないスキルになります。今までシンプルに「ありがたいです」を連発していた人は、ぜひこの記事を参考にして言い換え能力を身に付けましょう。きっと今まで以上に仕事がスムーズに運ぶようになりますよ。