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安否確認メールを大切なビジネス相手とやり取りする時の書き方

安否確認のメールは災害時にとても役に立つものです。ビジネス上で安否確認を取るために役に立つツールとしてはメールが最も優れています。いざという時のために、ビジネスで役に立つ安否確認のメールの正しい書き方を知っておきましょう。

災害時にはメールを活用して大切なビジネス相手に安否確認をとろう

今日の日本では、いつどこでどのような災害に見舞われるかわかりません。ですから、いざ自分が災害の被害に遭った時に、仕事で取引をしている大切な人たちと連絡を取る手段を確保しておく必要があります。そこで活躍するのが、メールです。安否確認のためにはメールを活用するのが良いでしょう。しかし、安否確認を目的としたビジネスメールのやり取りは、適切な方法で行われなければ意味がありません。どのようにメールを活用していけば良いのかを考えましょう。

ビジネス上で災害時にメールで安否確認をとるときに気をつけたいポイント

災害時にメールで安否確認をとるためには、気をつけておきたいポイントがいくつかあります。メールは優れたツールですが、ポイントを押さえておかないと取引相手に失礼な印象を与えてしまうこともありますし、安否確認がとれないといった事態を招きかねません。状況を尋ねるためには、言葉を選びましょう。

1.メールに書くのは安否確認だけにする

メールをするついでにビジネスに関する他の用件も書いてしまおう、といったことは絶対にしてはいけません。あくまでも安否確認のメールはそれだけを目的としたものとして作成しましょう。また、良かれと思って長々と本文を書くのも望ましくありません。安否確認をとるためのメールであることが共通認識である以上、そのメールのやり取りで不必要なコミュニケーションをとる必要はないからです。

2.安否確認メールは送信するタイミングに気をつけよう

安否確認のメールは災害が起こったことを知ったらすぐに送信しましょう。あまりにも遅くなってから送ると、忘れていたのかと疑われてしまいますし、どうして今更送ってきたのだろうと怪訝に思われてしまいます。

ですから、地震や台風などの災害が起こったことが報道された時点で、安否を確認するメールを送るべきであると言えます。その方が、メールを受け取った取引先側にも、本当に心配してくれているのだな、とより強く感じてもらえるでしょう。

3.メールには「いつもお世話になっております」などの挨拶は書かなくて良い

時候の挨拶や、「いつもお世話になっております」などの挨拶は、安否確認のメールにおいては不要です。安否確認のメールの目的は、一刻も早く取引相手の安否を知るということですから、そういった挨拶は抜きにしましょう。

ビジネスにおけるメールでは、そういった挨拶が重要であるとされていますから、それを取り去ってしまうのには違和感を抱いてしまうかもしれませんが、安否確認のメールに限っては例外であると考えてください。

4.「状況はどうですか?」というような問いかけの安否確認は入れない

こちらから安否確認メールを送った時点で、取引相手はメールを返信できない状況に置かれている可能性があります。ですから、「そちらの状況を教えてください」といったニュアンスが含まれているフレーズは使わないように気をつけてください。

災害が起こってしまった時に、取引相手がどのような状況でメールを見ているのかはわかりません。落ち着いてからメールを返信したいと考えているところに、返信を急かすようなメールを送られたら迷惑だと感じてしまうでしょう。

安否確認のメールだとわかれば、相手は状況が落ち着けば返信をしてくれるでしょうから、こちらから返信を無理強いするような文面を書くのは避けるべきです。

取引先に送信する安否確認のメール例文

それでは実際に、災害が起きた時に取引先に送る安否確認のメールの例文を見ていきましょう。

「報道で知り」、というフレーズを入れることで、ニュースなどで知った後ですぐにメールを作成したことを強調しましょう。

「弊社一同」という言葉を使い、このメールが会社を代表して送られたものであるということを示してください。安否確認メールは、個人的な感情から送ったものであるというよりも、会社の総意として送ったものだとした方が印象が良くなります。また、こういった場合の文面では、基本的に「弊社一同」という言葉で自分を指すことが多いので、覚えておきましょう。

「ご心労を拝察いたします」というフレーズでは、相手をいたわり、労う気持ちを表しています。相手は災害の被害に遭っているのですから、それを心配するという当然の気持ちをしっかりと文面で表しましょう。

「取り急ぎ、メールにて恐縮ですが、お見舞い申し上げます。」というのは、本来ならばメールではなく直接声を聞いて話をするべきところを、メールで済ませてしまって申し訳ございません、という意味を込めている一文です。

また、急いでいても、署名をすることは忘れないようにしましょう。署名とは、メールの最後に送信者の名前やメールアドレス、電話番号、所属している企業名などをひとまとめにしたものです。連絡先は必ず必要となりますし、もしかしたら災害のせいで先方は連絡先を紛失しているかもしれません。署名は必ずしておきましょう。

では、もうふたつ安否確認のメール例文を見ていきましょう。

このように、安否確認のメールの書き方として重要なのは、簡潔であることと、受け取った相手が余計な気を遣わず、負担にならないようにすることです。そして、こちらの誠意を伝えることができれば十分であると言えるでしょう。

近年は、「異常気象」という言葉が繰り返し使われるほど、私たちを取り巻く自然環境が大きく変わってきています。企業レベルでは、いかに事業損失を少なくするかを考えなくてはなりませんので、対策の一つとして安否確認のメールは速やかに送信できるように準備をしておいてください。

安否確認のメールに返信するのは会社が営業できるようになってからでいい

安否確認のメールを受け取ったら、返信しなければなりません。もちろん災害の被害が甚大であり、メールを送信することができない状況にある場合は別ですが、会社が営業できるようになったら速やかに返信するようにしてください。

安否確認のメールを送ってきてくれた企業は、今後の取引や納期のことも含めて、こちらの状態がどうなっているのかを心配しています。ですから、なるべく早く状況を伝えられるように努めましょう。

取引先に返信する安否確認のメールの例文

安否確認のメールへの返信の文面は、定型文を引用するのではなく、できるだけ自分で考えた言葉を述べる方が良いでしょう。あらかじめ用意していたようなテンプレートを使ってしまうと、せっかく相手が気を遣って安否確認のメールを送ってくれたのに対して、失礼だととられてしまう可能性があります。

ですが、もちろん何でも自由に書いて良いというわけではありません。メールを書く際のマナーを守り、自分たちが災害に対してどの程度の被害を受けており、これからの仕事にどう影響していくのかなどといったことが伝わるようにしなければならないのです。

では、実際に取引先へ送る安否確認の返信メール例文を見ていきましょう。

まずは、「温情溢れるお見舞いをいただきまして誠にありがとうございます。」と安否確認のメールを受け取ったことに対してお礼を述べましょう。

そして、自分たちが置かれている状況を詳しく述べてください。安否確認のメールは、この部分が最も重要です。従業員が無事かどうか、食糧や水に困っていないかなど、まずは人的被害について報告しましょう。

その後に、実際に災害によって会社が受けた被害を述べるのが良いでしょう。問題なく営業できるのか、何か支障があるため納期を延ばす必要があるのか、取引に影響があるのかなど、被害の詳細を伝えることによって双方がこれから取るべき行動が決まります。

次に、現状の報告と安否確認のメールへのお礼に対してもう一度触れて、締めの言葉を述べてから署名をしましょう。

あとふたつ、安否確認への返信メール例文を見ていきます。

安否確認のメールへの返信の文面は、多少長くても問題ありません。現状報告に加えて、取引先へのお礼の気持ちを込めることが大切ですから、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。

安否確認のメールは取引相手を思いやる書き方を心がけよう

取引先の安否確認をするためにメールを利用するのであれば、まず受け取る相手の現状を考えましょう。大切な人たちが今どういった状況に置かれているのかを想像して、メールを作成することが大事です。また、メールのやり取りをするうちに、これからどういった行動を起こしていけば良いのかといったことをお互いに考えることができると言えます。安否確認のメールを通じて、災害時にも落ち着いてビジネスコミュニケーションを取れるようにしておきましょう。