高学歴ワーキングプアに見る5つの特徴

「ワーキングプア」という言葉をご存知ですか?フルで働いても収入が少なく、生活が不安定な人たちのことをいいますが、昨今、高学歴でも収入が不安定な「高学歴ワーキングプア」が増加しています。その原因と理由を、徹底解明します。

高学歴ワーキングプアに見る5つの特徴

ワーキングプアとはフルタイムで働いても生活を維持するのが難しい人のこと

正社員、または正社員のようにフルタイムで働いても生活を維持するのがギリギリ、もしくは生活が成り立たない人のことをワーキングプアといいます。

元々アメリカで使われ始めた言葉で、日本では1990年の経済のグローバル化に伴い、労働市場の規制緩和や自由化が促進され、その結果、ワーキングプアが増えました。

彼らの定義としては、「年収200万円以下の正社員、または非正規社員」となり、彼らの多くは、高い技術力がないために責任の低い仕事を任せられますが、労働時間はフルタイムで働くため、自分でスキルアップを目指す機会に恵まれなくなっていきます。そのようにして一度ワーキングプアになるとなかなか抜け出すことができないのです。

高学歴なのにワーキングプアな人が増えている

ワーキングプアの中でも学歴は持っているのに希望の職に就けず、非正規の研究員や講師として働き、少ない収入で暮らしている人のことを高学歴ワーキングプアといいます。

ワーキングプアで悩む男性

彼らは近年、増加傾向にあり、その原因の一つとして就活が上手くいかない、もしくはまだ就職したくないという安易な理由で大学院に進学する人が増えたこと。

その一方で、教員のポストや研究員を増やすことができないといった実情が高学歴ワーキングプア増加の原因に挙げられます。また現実として企業側からの意見で、「高学歴の人間は扱いにくい」といった声も上がっています。

高学歴ワーキングプアの5つの特徴

上記の原因以外にも、高学歴ワーキングプアになってしまう原因はいくつかあります。それについて彼らに共通する5つの特徴を見ていきましょう。

悩み事が多い男性

特徴その1…将来のビジョンを描けていない

勉強だけをやってきた人に多いのですが、修士号、博士号まで持っているのにその先の将来像がまったく描けていないことです。目標にしていた就職先に就けなかった場合、この先どうしていいか分からなくなるのがこのタイプです。

特徴その2…常に受動的

これも高学歴ゆえの特徴かもしれませんが、彼らは基本的に受動的な人間です。就職活動において能動的に動くことができないのは致命的と言わざるを得ません。

特徴その3…危機感がない

高学歴ワーキングプアの多くは、大学時代の就活を諦め(もしくは逃げ)大学院へ進んだ人です。 つまり、「もう少しあとで考えればいいや」という先延ばしの精神で動いています。 そのため、受動的で、将来をまったく描けていなくても、まるで危機感がありません。 いざ大学院卒業後に就職口がなかったり、収入が少なく生活が苦しくなってはじめて「どうしよう…」と思い悩むのです。

特徴その4…親が過保護すぎる

親が過保護すぎるため、それに甘えていつまでも仕送りを頼りにして本人自身が現実を見れていません。正社員になりたくないなど、責任逃れをしているのもこのタイプになります。

特徴その5…マーケティングが下手

これが理由としては最大といわれています。 高学歴ワーキングプアの人達は市場を読み取るのが下手で、どういう人材や能力が求められているのか分からず、企業に上手く自分を売り込むことができません。 己の良い面と悪い面をしっかりと分析し客観的に見れる人ほど自分について語ることができますが、高学歴ワーキングプアの人達は勉強しかやってきておらず自尊心は高いのに社会経験に乏しいため、それができないのです。

こうした理由から、高学歴ワーキングプアは年々増え続けています。大学院進学の門戸を広げたいという大学側の思惑もありますが、このように本人自身の責任で高学歴ワーキングプアになってしまっている人は大勢居ます。

勉強以外のことにほとんど目を向けなかったせいで職に就いても社会人として常識的なことが備わっておらずすぐクビを切られたり、高卒の人でも出来るような単純なアルバイトも彼らには難しかったりするのです。

高学歴ワーキングプアにならないためには先を見据えて現状と向き合うこと

5つの特徴から高学歴ワーキングプアにならないためには、将来どうなりたいかという明確なビジョンを持ち、先を見据えた学生生活を送ることと、自分という人間を上手く売り込めるように、自身のメリット・デメリットをきちんと分析し、正面からしっかり就活と向き合うことです。

ワープアの治療を試みる男性

もちろんより深く一つの学問を究めるために院に進むのはとても素晴らしいことです。 ただ、つらいことから逃げたいだけの「後でいいや」という先延ばしの精神で大学院へ行きたいのなら、高学歴ワーキングプアになる可能性は大いにあります。どうなりたいかはあなた自身の選択なのです。