UIデザイナーの仕事は拡大している
パソコンやスマートフォン、タブレット端末などが普及してきた現代において、注目されている職業が「UIデザイナー」です。一般的に認知されているとは言い難い職業ではありますが、スマートフォンやタブレットの普及に合わせて需要は拡大してきています。将来的には有名な職業になる可能性もあるUIデザイナーの仕事内容や必要な資格、年収などの情報について、詳しく解説していきます。
UIデザイナーとはどんな仕事?
「UIデザイナー」は何かをデザインする仕事なんだろうとは思いついても、正確にどのような業務をこなすのかイメージできる人は多くありません。UIをデザインするのですが、「UI」とは「ユーザーインターフェース(User Interface)」の頭文字をとったもので、コンピューターと使う人の間で情報をやり取りするためのソフトウェアやハードウェアのことを指します。つまり、ホームページにあるボタンやアプリのアイコンなどがUIで、それらをデザインするのがUIデザイナーということになります。
分かりやすい例を挙げるならば、銀行のATMの画面表示です。ATMを使う人は、画面の指示に従いながらボタンをタッチするだけで、自分のしたい取引を行えます。ATMのボタンというUIがあることで、機械に関する専門的な知識が無くても誰でも扱えるようになるのです。
UIデザイナーによるデザインによってソフトやアプリの使用頻度が増減したり、ホームページへのアクセス数が変動したりするので、欠かせない存在となりつつあるのです。
UIデザイナーの年収・給与はどれくらい?
UIデザイナーの年収を、求人情報にあるデータをもとに統計を取ってみると、現在の平均年収は373万円となります。平均はあくまでも平均ですので、キャリアやスキルによって変動があります。それでも高くて500万円台というのが現状で、海外に比べて格段に安いと言わざるを得ません。
アメリカで仕事をするUIデザイナーの平均年収は約1,000万円となっています。日本に比べ、UIデザインの重要性が広く知られているため、給与額にも影響を与えていると考えられています。もちろん全体の平均額ですので、キャリアが5年未満に限定すると約680万円となりますし、10~20年の経験がある方は約930万円と、経験年数によって異なります。
日本のUIに対する普及とそれに伴う評価の向上を考えた場合、才能と今後の努力次第では高収入を得られる可能性もあります。
UIデザイナーの雇用形態
UIデザイナーの勤務形態や休日は雇用形態により様々です。この項では雇用形態ごとの勤務形態や休日について紹介します。ただし、
勤務形態1:正社員
正社員として会社に雇用されているUIデザイナーであれば、それぞれの雇用条件に沿った勤務形態となります。会社規模によってもある程度の差が出ることはありますが、労働基準法に則った労働条件内での勤務であることが基本です。ただし、採用条件については各会社によってまちまちな部分もありますので、求人内容の確認や採用部門への問い合わせなどは重要です。
休暇についても同様で、某大手ゲーム会社の求人を見てみると完全週休2日・祝日・夏季休暇・年末年始休暇・年次有給休暇・慶弔休暇などが謳ってあります。その他、各種保険(健康保険・雇用保険・労災保険等)や福利厚生についても、他業界の大手企業並みの待遇が約束されています。
勤務形態2:契約社員
一般的に最初から正社員として採用されるケースは少なく、まず契約社員としてスタートし、その後の職務内容や技術的な確認などが行われたうえで正社員登用となる場合がほとんどです。契約社員でも、基本的には正社員と同様か、近い待遇での勤務することになります。
勤務体系3:業務委託契約
業務委託契約とは、相手から委託された仕事をこなすことで報酬が支払われる形態です。あくまで個人事業となるので、依頼元の会社が正社員や契約社員のために用意している保険制度や福利厚生は適応されません。逆に言えば自由に仕事ができるわけですので、休暇や勤務時間の縛りがなく、自分の都合に合わせた仕事の仕方を選べます。また、契約次第では高い報酬を得られる場合もあります。
フリーランスで仕事を行う場合は、あくまで契約締結が必要となります。もし納期までに仕事が完成しなかったり、納品したデザインや内容が相手との合意条件のレベルに達していなかったりする場合などは、契約不履行ということで報酬が支払われないことも考えられます。
UIデザイナーが感じる仕事の魅力とは?
UIデザイナーは、機器やゲームなどをユーザーに楽しんでもらう為に、使い勝手がよく分かりやすいデザインをする仕事です。自分がデザインした操作やインターフェースによって多くのユーザーが集まってくることは非常に大きな達成感があります。また、今までなかったインターフェースをオリジナルで作成できた時は喜びもひとしおです。
特に、近年市場規模が拡大してきたスマートフォン等のオンラインゲームでは、キャラクターデザインや世界観だけでなく使いやすいインターフェースが求められています。UIデザイナーとしての力量が試されることとなり、より大きな緊張と達成感があると考えられます。
UIデザイナーの仕事の苦労はどんなこと?
UIは、あくまでメインである機器やゲーム・アプリなどとユーザーを結ぶ橋渡し役的存在です。裏方という位置づけであることを理解し、UIデザイナーも徹さなくてはいけません。いくら優れたインターフェースを考えても、会社やユーザーの望むデザインでなかった場合は不採用になることも考えられます。
例え採用されたとしても、使い勝手が悪ければユーザーは容赦なく離れていきます。会社側としても損害を被りますから、UIデザイナーとしての責任を問われることもあります。企業に雇われているデザイナーなら次のチャンスもあるでしょうが、業務委託契約で収入を得ている場合は報酬が低くなったり仕事の受注に影響が出たりと、厳しい状況になります。
また、良いものができたとしても、すぐにライバル企業がそれと同じようなものや超えたデザインを出してくる場合もあります。そのため、常に新しい技術や情報・流行などを取り入れながら、UIデザイナー自身も成長を続けていかなくてはならないという苦労があります。
UIデザイナーになるには?
UIデザイナーになるには、特別な資格が必要ということはありません。UIデザイナーとして会社に採用されたり、業務委託で仕事をするようになったりすれば、UIデザイナーという肩書を背負えます。しかし雇用にしろ業務委託にしろ、受注するにはそれなりの技術や実績が必要となります。
技術という点ではデザイン系の職種で必須とされているIllustrator(イラストレーター)やPhotoshop(フォトショップ)などのグラフィックソフトを使いこなせるスキルが必要になります。また、UIデザインに特化したソフトなども使いこなせるに越したことはありません。
技術やデザインの基礎については書籍などを活用して独学で勉強していく方法もありますが、最近では専門学校やオンラインスクール(インターネットによる受講)で学ぶ方法もあります。時間やお金に余裕があれば専門学校で学び、働きながら勉強したい場合はオンラインスクールで学ぶといった分け方もできます。
両者のメリットは、就職を希望する際にきちんと基礎から学んでいることをアピールできる点です。また、専門学校やオンラインスクールの場合、学生や受講者の就職率がその学校のアピールにもつながるため、就職支援までフォローしてくれる学校もあります。
UIデザイナーとして活躍してみませんか?
パソコンに加えてスマートフォンやタブレット端末が普及した現代では、機器を快適に操作したり、アプリを動かしたりするためのユーザーインターフェースが非常に重要となってきました。しかし、実際にUIを作るUIデザイナーの仕事内容やどうすればなれるのかといった情報はあまり多くありません
これからさらに需要が高まる可能性のあるUIデザイナーについて、仕事のやりがいや苦労年収、なるための方法を知って業界で活躍できるUIデザイナーを目指してみましょう。