職業/働き方

トリマーの仕事内容はトリミングだけじゃない体験談8選

トリマーの仕事内容は犬や猫の毛の手入れや健康状態のチェックをサポートすることです。ペット好きにはたまらない仕事ですが、人間の美容師と同じく高いトリミング技術を必要とされます。

トリマーの仕事内容を知ろう!

犬や猫など動物好きにとってあこがれの職業といえば、トリマーもそのうちのひとつでしょう。「可愛いペットたちに囲まれて癒される!」「楽しい!」といったイメージが強いものですが、実際はお客様にとって大切な家族を預かる責任重大なお仕事でもあります。

今回はそんなトリマーの仕事内容ややりがい、仕事で大変なことなどを、体験談をもとにまとめていきます。将来動物に携わる仕事がしたいと考えている方、トリマーへ転職しようか悩んでいる方は、ぜひご自身のキャリアプランの参考にしてみてください。

トリマーの主な仕事内容

トリマーがこなす具体的な仕事内容としては、主に以下のようなものが挙げられます。

勤務するサロンやショップによりトリマーの仕事内容は異なりますが、基本的には接客メインのお仕事となります。ペットショップ内にあるトリミングサロンでは、売り場のお手伝いをする場合もあります。

トリマーの勤務形態・休日は?

トリマーの勤務形態は、シフト制か通常勤務かなどサロンによって様々ですが、基本的には朝9時前後からお店が閉店する21時前後の間で8時間勤務が基本となります。

休日についても勤務先によりまばらな結果となりましたが、8日という回答、その次には6日という回答が多く寄せられました。当然ながら土日祝日のお休みをとるのは難しく、繁忙期である年末には6日になるなど、時期により休日が変動するトリマーさんも多いようです。

トリマーの仕事のやりがいや魅力は?

トリマーの基本業務であるトリミングは非常にハードな仕事です。しかし、それゆえに飼い主様の要望にキッチリと応えられたとき、「可愛くなったね」「かっこよくなったね」などの言葉をもらえたときには大きな達成感を得られます。

その他、初回では怖がっていたわんちゃんや猫ちゃんが、次に来店した際に自分のことを覚えてくれていたとき、お客様がリピートしてくれたときなどに喜びを感じるというトリマーさんの声も多く寄せられました。トリマーという職業は、飼い主様やワンちゃん、猫ちゃんとの信頼関係が築かれたときにこそやりがいを感じられる仕事と言えるでしょう。

トリマーの仕事での苦労や悩みは?

トリマーは動物相手の仕事ですから、なかなか思うようにいかないことも多いものです。シャンプーやトリミング中に暴れたり噛みついてくるワンちゃんや猫ちゃんがいたりと、自分が怪我をするのはもちろん、ワンちゃんや猫ちゃんに怪我をさせてしまうことも少なくないと語る方が多数いらっしゃいました。

また、基本的にはカットに神経を集中させながらの立ち仕事です。その合間に電話応対などの業務もテキパキとこなす必要があったりと、非常に体力を使う仕事です。

経験者に聞いた!トリマーの仕事内容に関する体験談

トリマーの仕事をしていた経験のある方、また現在トリマーのお仕事に就いている方から、その勤務の実態について詳しくリサーチしました。

20代トリマー経験者のエピソード

トリマーをやってよかったこと

powa(29歳)


元トリマーです。勤務時間は10時開店19時閉店なので基本は9:30~19:30ですが、残業で1時間残ることもありました。休日は月に8日、忙しい年末などは6日の時もあります。

仕事内容は朝に開店準備の掃除や今日来るお客様の把握、開店したら接客、トリミング、閉店後の掃除です。また、イベントの企画や季節によってのトリミングルームの飾りつけもありました。

仕事で大変なことは、犬に咬まれることやお客さんの要望をくみ取ることで一番はケガをさせてしまう時があることです。

それでもトリマーをやってよかったと思えたことは、トリミングをしてお客様が喜んでくれたり、犬が綺麗になってカットでより可愛くなったり、恐がっていた犬が私のことを覚えてくれて喜んで来てくれるようになった時にはやっていてよかったなぁと思いました。

トリマーは大変な中にも喜びのある仕事

あんこ(27歳)


私は現在トリマーとして働いています。勤務時間は9:00~19:00で月に休みは6日間で、働きだした頃は、時間は長いし休みは少ないなと思いましたが、今となってはすっかり身体が定着しています。

仕事内容は主にわんちゃんのシャンプーやカットです。お利口さんな子もたくさんいますが、どうしてもトリミングが嫌いで暴れる子もいます。暴れる噛むという子をトリミングするのはなかなか大変です。口輪を使用してトリミングすることもありますが、どうしても口輪を嫌がって付けられない子もいます。トリミングが嫌いな子は特に気を付けて、その子はどこを触られるのが嫌なのか、どうしたら怒るのかなど考えながら保定をします。本気で噛まれたりすると仕事ができなくなることもあるので、犬の動きや表情を確認しながら作業するのは神経も使い大変です。

でも、逆に嫌がる子を理解でき、最後まできれいにトリミング出来た時の達成感、喜びは大きいです。またどんな子でも、トリミングが終わり飼い主様にお返しした時に、笑顔でありがとう、可愛くなったねって言っていただけると、これからももっと頑張ろうと思えます。トリマーしていて良かったと思います。

動物相手のお仕事

わか(24歳)


私が働いていたペットショップでは出勤が9時から終わるのは大体19時前後でした。片付けなど残業があるときは21時までいたこともあります。休日は月8日です。基本定休日の木曜日と平日その他の1日もらえます。

仕事内容としてはシャンプー、爪切り、肛門線絞り、リボンつけなどがありました。言葉が通じないので暴れたり噛みついてくる子も中にはいて大変でしたが怪我をしては困るので保定の練習は苦労しました。後は、飼い主さんとの関係性についてです。特にカットが必要な犬種は飼い主さんの好みをきちんと把握する必要があります。シャンプーは治せますが、カットは治せませんので。

トリマーをしてみてやりがいを感じるのは、犬が気持ち良さそうにシャンプーされているところを見たり、お客様に喜んでもらえることです。

売上集計もしていました

nui(28歳)


私は結婚前までトリマーをしていました。基本的に9時~18時までの勤務で、土日・祝日は出勤が多かったのですが、必ず週に2日の休日がありました。

シャンプー・カットだけでなく、爪切りなどのお手入れのみや、リボン付けをしてあげることもしました。また、会社にもわんちゃんがいるので、その子達もトリミングしていました。

1日の流れとしては、予約の子の準備、日中はトリミングと電話予約の受付・対応、片付け、合間で会社の子のトリミングをしていました。業務終了後は売上報告もしていました。

この仕事で大変だったのは、集中力が必要なこと、体力勝負だということです。生き物を扱うので、1日神経を集中します。その合間に、お客様や電話対応をするのも大変でした。立ちっぱなしの仕事なので体力もいります。いくら疲れてもお客様には関係ないので、決して態度には出さず、1人1人丁寧に対応していました。

それでも、帰る時に喜んでくれたり、時には「任せてよかった」とまで言っていただけることもあるので、とてもやりがいを感じていました。犬が好きだけではできない仕事ですが、それ以上の喜びを感じられたので、トリマーの仕事をしていてよかったと今も思っています。

30代トリマー経験者のエピソード

ショッピングセンター内が最初の職場でした

ツナタラ(36歳)


私が専門学校を卒業してすぐに働き始めたのは、大型ショッピングセンター内にあるペットショップのトリミングサロンでした。勤務は定休ではなくシフト制で週に4~5日(月7~8日間休み)、時間は朝9時から夜21時までの間で8時間勤務でした。

通常のトリミング業務はもちろん、ペットショップで売っている仔犬や子猫のお手入れも行っていました。当然売り場の接客・販売も手が空いていれば手伝っていました。新卒当時大変だったことは、飼い主さんの求める仕上がりイメージと自分の仕上がりイメージを、受付の時点でできる限り近づけておくことです。

犬猫が好きなだけではなく、飼い主さんとのコミュニケーションがきちんと取れないと出来ない仕事だなと思いました。この仕事をしていてよかったと思えることは、やはり飼い主さんに喜んでもらえることです。あまりにもひどい状態だった子をピカピカにした後、涙ぐんで喜ばれる飼い主さんもいらっしゃいます。

人間の美容院とは違って、異常がないか全身をチェックしたり、被毛や皮膚のケアもします。健康に直結するので、どちらかというと病院に近い存在でもあります。以上の早期発見に役立つことができた時も、やりがいを感じます。

トリマーの仕事はやりがいを感じます

あんこ(33歳)


二十歳からトリマーの仕事をしています。動物病院に併設されているトリミング室なので、お休みは動物病院と同じですが、勤務時間は少し違い9:00~16:30です。

お客様が来店した時に要望を聞き、その時の季節やその子の皮膚の状態などをみて、どのように仕上げるか相談します。爪切りや耳掃除など基本的なケアをし、その子の肌に合ったシャンプーで洗います。ドライヤーで乾かした後、希望のカットをします。これが一通りのトリマーの仕事です。

年々高齢犬や猫が増えていて、体力や足腰が弱っている子達のトリミングにはとても気をつかいます。中には怒る子達もおり、ケガをさせてしまわないようにトリミングすることも大変です。

大変なこともありますが、お客様がお迎えにみえた時に可愛いと喜んでもらえたり、リピートしてもらえてお客様と良い関係を築かせてもらえたりと、とてもやりがいを感じます。

想像力を養う

サルタ(31歳)


一人で仕上げまでできるという条件で、正社員で働いています。シフト制、10時から19時で入っています。休みは不規則ですが、6日から8日もらっています。サロン併設のペットショップでとても綺麗な店です。

最初は言われたことしかできずに苦労しましたが、次第に主体的に動けるようになりました。教科書通りのカットではなく、お客様の望むカットにすることが重要です。「何でこんなカットにするの?」と思っても、お客様が喜んでいただけるなら良いのです。

入社直後は、今まで学んだ技術が通用しなくて落ち込みました。イメージできるかどうかで、かなり結果が変わります。情報の共有が常にできているか、コミュニケーションをとるように心掛けるのが大切です。

次もお願いと言われると励みになる

リノブ(33歳)


現在は主婦ですが、結婚前はペットショップでトリマーとして働いていました。勤務時間はシフト制で早番8:00~18:00で遅番は10:00~20:00で週休2日のシフト制でした。当時働いていたペットショップはトリマーさんと販売スタッフに分かれていて私はトリマーだったのでワンちゃんやネコちゃんのシャンプーとカットを担当していました。

販売スタッフの方は、店頭で素敵な出会いに待ち焦がれているワンちゃんやネコちゃんと新たな飼主様との出会いをサポートするお仕事や、ペットフード等の補充、店頭への陳列等を主な仕事としていました。

当時、トリマーとして働く中で、カット中に元気が良すぎて暴れちゃうワンちゃんもいたりしてカットしにくい事も何度かありましたが、全て終わって飼い主様にお渡しする時に「カッコよくなったね」「可愛くなったね」と、ワンちゃん、ネコちゃんに語りかけているのを見るとこちらも凄く励みになりました。

何より「次もお願いしますね」と言われたりした時には、この仕事をしていて良かったなと思える瞬間でした。

トリマーの仕事内容は「動物が好き」なだけではダメ

トリマーの仕事内容は、ワンちゃんやネコちゃんの毛並みの手入れをするだけではありません。「動物が好きだから」という理由でトリマーを志望する方はやはり少なくありませんが、それだけではトリマーの仕事は長く続けることはできません。

メインとなるトリミングには高い技術力や集中力が必要ですし、お客様への接客業務ではコミュニケーションスキルも試されます。お客様満足度の高いサービスを提供するべく常に勉強し、経験や知識を積んでいく必要があるでしょう。